【伊藤健太郎×寛一郎インタビュー】話し合うのではなく感じ合う役作り「カメラが回ってないとこでもずっとふたりでいました」<ドラマイズム『100日後に別れる僕と彼』>



放送中のドラマ『100日後に別れる僕と彼』。

理想の同性カップルとして、世間の注目を集めることになった春日佑馬(伊藤健太郎さん)と長谷川樹(寛一郎さん)。そんなふたりの同棲生活を100日間撮影するドキュメンタリー。しかし、ふたりの日常を追っていく中で、ある事実が発覚します。

Emo!miuでは伊藤さんと寛一郎さんにインタビュー!作品への真摯な思いを伺いました。

「ふっと心が軽くなるような作品になってくれるんじゃないかな」





■脚本や原作を読まれての印象を聞かせてください。

伊藤健太郎 読み続けていくうちに、人間模様だったり、人間の心の部分だったりとか、セクシュアル的なことだけじゃない、マイノリティの方々が観たときにふっと心が軽くなるような作品になってくれるんじゃないかな、というのはすごく感じました。

寛一郎 脚本、原作を読ませていただいてやる意味のある作品だな、と思いました。と言うのも、最近よく言われる多様性だったり、ダイバーシティという言葉になんか違和感もあり。言葉だけ先行して中身があんまり伴っていないんじゃないか、パラドックスなんじゃないかと感じることがたくさんあったんです。という中で、僕が演じる樹という役もそこに対してわりと核心をついている。その樹という人間がまず好きになりましたし、ゲイの恋愛ものというだけで興味を惹こうとしているものに対してのひとつアンチテーゼだな、とは思ったのでこの作品をやろうと思いました。

「毎日楽しかったんですよ」




■どのように役作りをされたのか、また、おふたりで役作りで協力したことや話し合ったことはあるんですか?

伊藤 役作りという役作りを特段したかというと、そうではなくて、本を読ませていただいて、佑馬の考え方に寄り添うことのほうに重きを置いていました。佑馬の中の正義みたいな部分をすごく大事にしたかったから。
ふたりでは恋人だから、どうしようああしようという話をしたかというよりは、ふたりで全然関係ない話をしてゲラゲラ笑ってる中で生まれた関係性っていうのがありました。ふたりの恋人みたいな部分を演じる過去のシーンもあったので、その時は、言葉で言うよりかは、とりあえず一回やってみてみたいなスタイルの方が多かったんじゃないかなとは思います。

寛一郎 樹という人間の見た目をどうしようかというのはわりと考えましたね。原作にも茶髪でヒゲ面というのがあるんですけど、そこを変えてしまったことからどう樹を作ろうかというのがあんまり見えてなくて。衣装合わせも何回かして決めました。「原作と違うけれど、樹だよね」と言ってもらえるぐらいの説得力をもってやらなきゃいけないとは思っていたのはありましたね。
ふたりのシーンの関係性の役作りは健太郎が言っていたように、話し合って合わせていくことも大事だと思うんですけど、僕と健太郎自身の実際の距離が縮まることが一番大事だと思うんですよ。だから本当に真剣な話もしましたし、よくわからないプライベートの会話もしましたし、とにかくずっと喋ってましたね。ずっと喋ってて、笑い合って。お芝居の中でも、別にカメラが回ってないとこでもずっとふたりでいました。それが一番大事な気がします。カメラに映ってない時間、どう共有するか、どういう考え方でどう生きてきたかっていうことを話し合うとかではなく、感じ合えるっていうことが、彼らが付き合ってた事実につながるのかなとは思っているので。まあずっと喋っていたことを正当化したいわけじゃないですけど(笑)。僕はひとつ意味があると思うし、健太郎は包み隠さず恥ずかしがるわけでもなく喋ってくれたし。だからできたのかなと思います。




■お互いの印象っていうのは改めていかがですか。

伊藤 すっごく寡黙なのかなと思ったんですよ、最初。もちろん寡黙な部分もあると思うんですけど。それこそお互いにふざける部分もあるし、変なテンションになった瞬間もありましたし、明るい部分、陽の部分をたくさん持ってるんだっていうのはわりと最初の方で気づけたんでありがたかったですね。

寛一郎 なんか、ね。もっと尖ってる子なのかなと思っていました。でもすっごいゲラでずっと笑ってるし、下ネタ大好きだし。中学生同士じゃないけど、みたいな感じではありましたね。今この取材で喋ってるテンションとやっぱちょっと違う。

伊藤 ひどかったよね。

寛一郎 すっごい笑ってました。毎日楽しかったんですよ。

とにかく曲がらず伝えたかった



■今回、演じるにあたって大切にされたのはどういったことでしょうか。

伊藤 同性愛がテーマだからどう、みたいなのは考えてなくて。どちらかというそれぞれの人間性というか、考えていることだったり、伝えたい部分だけはとにかく曲がらず伝えたかったので、演じる上でもいろんな面で意識して考えて大事にした部分の一つではあるかなとは思います。

寛一郎 もちろん前提として、樹という役をちゃんと理解して、本も読んで、原作も読んで演じるということ。あと、今回ドキュメンタリーだからいろいろ撮り方が二重構造になってるんですよ。演じている中でドキュメンタリーを撮られてるからっていう中での、こう、ドキュメンタリーにいる時の樹、佑馬といる時の樹、山田、志穂と対話してる時の樹の分かりやすい変化みたいなものは意識しましたね。

ふたりが欠かせないおうちアイテムは?




■最近、心を揺り動かされたモノやコトについて教えてください。

伊藤 海外ドラマに今ちょっとハマっちゃいまして。海外ドラマって一回観始めちゃうと、やっぱりもう止まらないですね。それこそこの撮影中にハマってしまい、なんていうタイミングでハマってしまったんだっていう。

■ちなみに何にハマっていらっしゃったんですか。

伊藤 あれです、『ストレンジャー・シングス』。ずっと見てなかったんですよ。見始めたらもう止まらんすね。もうずっと見ちゃいます。

■寛一郎さんはいかがですか?

寛一郎 僕、ゲームが好きで。ゲームの世界大会が APEX の札幌で行われたんですよ。

伊藤 札幌でやるんだ、世界大会を。

寛一郎 もちろんロスとかパリとか。

伊藤 ああ、繋がって。



寛一郎 ラスベガスとかあるんですけど、日本の集客率と日本の環境が良すぎて、二年連続札幌になって。去年も行ってるし、僕今年も行ってきたんですけど。

伊藤 札幌に?マジ?

寛一郎 観に行ってきたんですけど、それがすっごく感動するんですよ。やっぱり eスポーツって言われているだけあって、本当にスポーツで、会場の熱気もすごいですし。で、僕は選手たちを本当に応援しているので、オープニングだけで泣けちゃうんですよ。

伊藤 へー、そんななんだ。すごいね。

寛一郎 結構ずっと見てきてるから、そのことも含め、やっぱりちょっと泣いちゃうっていう。それは心が動きましたね。



■今回、作中でおうちのシーンも多いかと思うんですが、最後におうちで欠かせないアイテムがあれば教えてください。

伊藤 僕はコーヒーマシンですね。
絶対に朝コーヒーを入れて現場に持っていくんですよ。だからコーヒーマシンはもう手放せないですね。たまに豆が入ってない、切れちゃった時がすっごいテンション下がるんです。

寛一郎 布団の中に入れて、足突っ込んでそこだけあったかくなる、3000円ぐらいで売ってる簡易的なものをこの冬に買いました。ゲームする時とかも、それに突っ込むだけであったかくなるし、寝る時も暖房とかつけないんで、それに足突っ込むだけで幸せです。

■たくさんのお話、ありがとうございました!





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―PROFILE―




伊藤健太郎
1997年6月30日生まれ、東京都出身。
14歳からモデルとして活動し、2014年ドラマ『昼顔〜平日午後3時の恋人たち〜』で俳優デビュー。当初は「健太郎」名義で活動していたが、2018年に本名へ改名。ドラマ『昼顔~平日午後3時の恋人たち~』で俳優デビュー。17年、映画『デメキン』で映画初主演を務める。18年公開の映画『コーヒーが冷めないうちに』で『第42回日本アカデミー賞』新人俳優賞、話題賞 俳優部門を受賞。
その他、『今日から俺は!!』シリーズ、映画『俺物語!!』(15年)、ドラマ『仰げば尊し』(16年)、ドラマ『アシガール』(17年)、NHK連続テレビ小説『スカーレット』(20年)、映画『とんかつDJアゲ太郎』(20年)、配信ドラマ『東京ラブストーリー』(20年)、映画『冬薔薇』(22年)、映画『ザギンでシース―!?』(23年)、映画『静かなるドン』(23年)、映画『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』(23年)などに出演。さらに2026年映画『鬼の花嫁』(3月27日公開)、ドラマ『102回目のプロポーズ』(4月1日放送)、WOWOW『コンサルタント-死を執筆する男-』(6月7日放送)への出演もしている。

[X]@kentaro_account
[Instagram]@kentaro_official_

寛⼀郎
1996年8⽉16⽇⽣まれ、東京都出⾝。
2017年に俳優デビュー。映画『⼼が叫びたがってるんだ。』を経て映画『ナミヤ雑貨店の奇蹟』での演技が評価され、第 27 回⽇本映画批評家⼤賞の新⼈男優賞を受賞。2018年には、映画『菊とギロチン』で第92回キネマ旬報ベストテンで新人男優賞を受賞した。
近年の主な作品として、映画『ナミビアの砂漠』(24)、『爆弾』(25)、『映画ラストマン -FIRST LOVE-』(25)、NHK連続ドラマ小説『ばけばけ』(25)など多数の話題作に出演。2026年は、映画『たしかにあった幻』、『箱の中の羊』にも出演。7月7日(火)21時からは、テレビ朝日系新ドラマ「クロスロード 〜救命救急の約束〜」の放送を控える。

[Instagram]@kanichiro_


Photo:Tomohiro Inazawa、Text:ふくだりょうこ


ーINFORMATIONー
ドラマイズム「100⽇後に別れる僕と彼」
放送開始日:2026年5⽉26⽇(⽕)
放送:MBS、TBSほかで放送中
配信:TBS放送後、TVerで⾒逃し配信あり。FOD⾒放題にて独占配信中
原作:浅原ナオト『100⽇後に別れる僕と彼』(⾓川⽂庫 刊)
出演:伊藤健太郎、寛⼀郎、鳴海唯、⼭⽥健⼈、野村⿇純、光宗薫、⼯藤阿須加、⽵中直⼈
監督:草野翔吾
脚本:三浦直之
⾳楽:macaroom
オープニング主題歌:がらり「単純ないきもの」(Warner Music Japan)
エンディング主題歌:tonun「僕は」(UNIVERSAL SIGMA)
LGBTQ監修:柳沢正和、河本みま乃(弁護⼠)
制作プロダクション:C&Iエンタテインメント
製作著作:「100⽇後に別れる僕と彼」製作委員会・MBS

<放送スケジュール>
MBS/毎週⽕曜 24:59〜
TBS/毎週⽕曜 25:26〜
CBC/毎週⽕曜 25:20〜
RKB/毎週⽕曜 25:28〜
HBC/毎週⽕曜 25:29〜

<ドラマあらすじ>
性的少数者のためのパートナーシップ宣誓制度について受けたインタビューが、「萌える」とSNSで注⽬を集めた、春⽇佑⾺(伊藤健太郎)と⻑⾕川樹(寛⼀郎)の同性カップル。そんな2⼈に、同棲⽣活を100⽇間撮影するドキュメンタリー取材の依頼が舞い込み、同性愛者への理解を広めたい佑⾺はそれを受諾する。しかしその時、佑⾺と樹は、すでに破局していた。佑⾺は樹を説得し、2⼈はカメラの前では仲の良い恋⼈を演じることに。そんなことを知る由もない映像制作会社のディレクター茅野志穂(鳴海唯)は、ありのままの彼らを記録しようと意気込むが……。完璧なパートナーでありたい佑⾺とそんな理想に息苦しさを感じる樹。カメラが捉えたのは、幸せな⽇常か、それとも巧妙に作り上げられた嘘なのか。2⼈の嘘と本⾳が交錯する100⽇間の記録を描いた物語が幕を開ける──!

©「100⽇後に別れる僕と彼」製作委員会・MBS

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