超特急タカシとシューヤによる2人だけのライブ「せぶいれのうた」1年振りに開催!4ピースバンドによる生演奏をバックに超特急楽曲の新たな魅力を提示した
2025.4.2
超特急のツインボーカルとして活躍するタカシとシューヤが、2人だけでステージに立つ『せぶいれのうた』を1年ぶりに開催。3月21日のカルッツ川崎、24日のTACHIKAWA STAGE GARDENに加え、3月31日と4月1日には大阪国際会議場(グランキューブ大阪)メインホールで初の大阪公演も行った。2022年夏のシューヤの加入以来、2年半で培ってきた2人のハーモニーと息の合ったパフォーマンスを、全会場がソールドアウトの4公演で、4ピースバンドによる生演奏をバックに存分に発揮。より生々しく、心弾むような躍動感を伴って、超特急楽曲の新たな魅力を提示してみせた。
史上初のメインダンサー&バックボーカルグループ・超特急で、普段は7人のダンサーを歌で支えている7号車のタカシと11号車のシューヤ。その号車ナンバーから“せぶいれ(セブンイレブン)”と呼ばれる2人は、超特急の楽曲をアコースティックバージョンとしてアレンジして歌唱する、新たなプロジェクト“アコースティック超特急”を昨年始動させ、昨春初のライブ『せぶいれのうた』を行った。普段の超特急ライブとの最大の違いは生バンドをバックに歌うことで、1年ぶりとなる今回の公演でもギター、ベース、ドラム、キーボードの演奏をBGMに、ステージ上に作られた階段から2人並んで入場。互いに向き合い、まずは「a kind of love」のサビを美しいピアノの音色と共に届けて、ピッタリと寄り添ったロングトーンでライブの幕は開いた。歌声のみならず、歌詞に合わせてタカシがシューヤの肩に手を回して寄り添ったりと、視覚面からも2人の親密さをアピール。シューヤを見て“君のいるココが居場所なんだよ”とステージを指差したタカシは“この先の未来 君と描いて行きたい”と歌う落ちサビで朗々たるロングトーンを響かせて、ボーカル推しの8号車(超特急ファンの呼称)を感涙させる。
ボルドーとブラックのセットアップに身を包んだ2人の信頼感は、以降も歌声とパフォーマンスを輝かせていった。切ない冬のラブソング「Whiteout」は、ジャジーなバンド演奏に乗ったファルセットの掛け合いで一気に軽快な印象となり、タカシの主旋律に上からハモるシューヤのボーカルからも楽しさが隠せない。さらにイントロから歓声が起こった「Hey Hey Hey」も、楽曲のファンクなグルーブが生演奏との相性抜群で “まさにここがせぶいれ!”と歌詞を歌い替えたタカシは、後ろのバンドに向かって“みんな仕上がってる?”と歌いかけてサポートメンバーを紹介。生音による即興性の高いパフォーマンスに、2人のイメージカラーである白とチャコールのペンライトも大きく振りたくられ、そのノリと勢いは公演を追うごとに増していった。
MCでは「超特急の……せぶいれです!」と、通常の超特急ポーズのあとにタカシは親指を突き出し、シューヤは顎にピースを当てる「新しい僕らの挨拶」(シューヤ)もお披露目。超特急の楽曲をバンドと一緒に「普段とは異なるテイストで届けていきたい」(タカシ)と伝えてからは、2人の歌声の妙をミドルチューンでじっくりと聞かせていった。鍵盤をメインとした演奏で歌い上げた「refrain」では主旋律とハモりを自在に入れ替え、「Thinking of you」では動きの細かい難しいメロディをピアノに乗せたファルセットで美しくたどっていく。さらに、繰り返されるギターのピッキング音で始まったのが「You Don’t Care」。エモーショナルなボーカルを掛け合い、曲が持つ幻想的な切なさを増幅させて『せぶいれのうた』ならではの大人で、上質なムードを醸し出してみせた。昨年はベース、ドラム、キーボードと3ピース編成だったバンドに今年はギターが加わったことで、それぞれの楽器の特性を活かしたセットリストもより多彩なものに。最終日の大阪公演では「最初は“アコースティック超特急”ということでバンドの音数も少なめにしたけれど、やってみるとギターも欲しくなった」と、4ピースになった理由をタカシが明かしてくれた。
ここからはオーディエンスと共に着席スタイルとなり、セットリストやグッズもすべて2人で考案したこと。また、このライブを通して超特急の楽曲の良さを知ってほしいと告げて、ファンタジックな“夜”の楽曲を並べていく。「みんなサビで手を振っていきましょう!」(シューヤ)と始まった「星屑のダンスフロア」のサビでは、客席で振られる白とチャコールのペンライトが星屑の河を作り上げて、タカシも「いいですよ! 綺麗な景色や!」と笑顔に。ラストで透明感抜群のハモりを聞かせ、その後は『せぶいれのうた』で個人的に歌いたかったという楽曲を、2人が順に披露していった。まず、タカシがタイトルコールするなり歓声が湧き、星のような光がステージに瞬いた「Full moon」は、彼のフェイクに続くシューヤの低音ボーカルも新鮮で、アウトロでは同期のコーラスを生声で再現するレアな一幕も。シューヤが「やりたいと強く希望した」という「Fashion」では、逆にシューヤのフェイクからタカシが歌い始めを担当し、かなり高音域なサビをそれぞれ1ブロックずつ歌い上げていった。いずれの曲も最後は互いに見つめ合いながら歌声をそろえていくのも印象的で、2人の呼吸のシンクロぶりにも感嘆させられる。
再び立ち上がっての「Call My Name」ではアッパーに攻めまくり、“C’mon up!”のコールで客席のペンライトが突き上がると、さらに“せぶいれNo.1!”とブチ上げる。8号車とバンドとの一体感を楽しんでから、初日公演では体調不良でライブを欠席した1月からを振り返って「療養期間中8号車の声を聞いて本当に救われました。だから、こうやって再び笑顔で大好きなみんなと会うことができてるんだなと思います」とタカシが感謝。「僕たちにしかない何かがあると信じているので、超特急と同じく僕たち2人もパワーアップできるように、もっともっと頑張っていきたいなと思います」と宣言してくれた。シューヤも「2人でライブができているのは幸せなこと。だから1回1回を大切にしたい」と語り、東京公演でも「やっぱツインボーカルですね! 気持ちいいですよね!」と破顔。大阪での最終公演では、2人での雑誌連載やテレビ出演などのメディア露出が増えていることにも触れて「これからも2人で楽しんで音楽を届けていきたい」と伝えた。
そんな2人の想いを歌で届けたのが、日々を生きる葛藤を綴った「EBiDAY EBiNAI」。アカペラでサビを順に歌いつなぎ、声を重ねたところでバンドが入るオープニングも感動的で、力強さと透明感を合わせ持ったボーカルに8号車の拍手が湧き起こった。歌メロのアレンジやオブリガードも自由自在に、鍛え上げられたボーカル力を発揮したのに加え、タカシは“僕はうずくまって”という歌詞で実際にしゃがみ込んだり、シューヤが渾身の力で“Call my name”と声を轟かせる場面も。そのパフォーマンスには彼らのリアルな想いがにじんで、ロックなギターソロと共に8号車の胸を熱くする。続いて『せぶいれのうた』ならではのアレンジで8号車を驚かせたのが「Star Gear」だ。最初はピアノメインで壮大に届け、タカシの「ラストスパート、まだまだ盛り上がっていくぞ!」という号令でバンドがインして以降は、2人でラップを掛け合って躍動感たっぷりにアプローチ。エレクトロな原曲の見事なメタモルフォーゼに場内は大いに沸騰した。
さらに、バンドメンバーの名を呼ぶコール&レスポンスで8号車の場内の温度を上げて、なだれ込んだ「AwA AwA」からはラストスパート。生音で鳴らされる祭りビートに客席は物理的にも揺れまくり、ステージを往来する2人はフェイクを掛け合って、ロングトーンで場を圧倒する。シューヤ加入後の初リリース作であり、タカシいわく「せぶいれ名物の曲」でもある「宇宙ドライブ」でも、リピートし続けるバンド演奏に合わせて「ペンライト、ぐるぐる回して!」と階段をダッシュ!光の絶景に「めっちゃいい景色!」と喜んで、最後は「ごちそうさまでした!」とポーズを決める。極めつけに「Burn!」では1階の客席通路へと下り、8号車に間近から手を振って、センターの通路では2人で肩を組むシーンも。ステージに戻っての大サビでは、2人で見つめ合いながら歌声を寄り添わせ、東京公演では「この3月、めちゃくちゃ俺ボーカルしてるわ!すごい楽しいわ!」とタカシが声を弾ませた。
また、超特急のライブでは「ラスト1曲となりました」とリーダーのリョウガが告げると「イエーイ!」と歓声が起こるのが恒例となっているが、『せぶいれのうた』では低い声から始まって一気にテンションを上げていく新たなスタイルを2人が提唱。ツアーを通して浸透させていった結果、最終公演ではジェットコースターのように急上昇する声が説明ナシで湧いて、2人を「完成しました!最高!」と喜ばせた。そして「これから新生活が始まったり、頑張っていく皆さんに、この曲を届けます」(タカシ)とコールされたのは「Yell」。2人にとっては思い出深いリリカルなウェディングソングを、目と目を見交わしながら丁寧に歌い上げ、薄絹のように繊細なハーモニーを重ねて「また、いつか『せぶいれのうた』で会いましょう!」(シューヤ)と本編を終えた。
「せぶいれ!」コールに応え、神奈川・東京公演では「Asayake」が、大阪公演では「gr8st journey」がアンコール披露。最終公演では「4公演あっという間だった」と名残惜しみつつ、シューヤから「噂によると、次は2倍は行けるんじゃないですかね」という嬉しい言葉もあり、タカシも「『せぶいれのうた』だけじゃなく、いろんな活動できるように頑張ります」と意気込んだ。そして「gr8est journey」に続き、シューヤが「もう1曲やっちゃおうぜ!ブチ上がっていきましょう!」と急遽「Asayake」を追加披露。ド頭からフェイクをブチかますタカシは「みんな愛してるで!」と叫び、日の出をモチーフに“らしさ”を尊重する明朗なナンバーで“僕らこの場所で歌うよ”と決意を示す。歌い終えてシューヤは「最高!」と声をあげ、バンドメンバーも交えて記念撮影。ステージを去る際に、他公演と同じくシューヤが「がんばれよ!」と呼びかけると、タカシが「せぶいれ、がんばるで!」と応えて、笑顔のうちに4公演のツアーを締めくくった。
東京公演では「2人の夢である場所に早く立って、超特急の良さをもっと多くの人に、超特急とは別の形で伝えていきたい」とシューヤが語り、最終公演では「もっとせぶいれの景色を大きな会場で見てみたい」とタカシも想いを明かした“せぶいれ”の2人。その活動のベースには“超特急の楽曲をより多くの人に届けたい”という変わらぬ想いがあると、このツアーでもしばしば伝えられていた。その超特急としては、6月から東名阪を回るアリーナツアー『EVE』が決定しており、ファイナルの8月7・8日さいたまスーパーアリーナは彼ら初のスタジアムモードで開催。せぶいれの2人とその歌力、そして大いなる野望は、夢に向かって着実に歩み続ける超特急にとって、これからも重要な役割を果たしていくに違いない。
【セットリスト】
M1:a kind of love / M2:Whiteout / M3:Hey Hey Hey / M4:refrain / M5:Thinking of You
M6:You Don’t Care / M7:星屑のダンスフロア / M8:Full moon / M9:Fashion
M10:Call My Name / M11:EBiDAY EBiNAi / M12:Star Gear / M13:AwA AwA
M14:宇宙ドライブ / M15:Burn! / M16:Yell
アンコール
Asayake / gr8est journey
文:清水素子
写真:鈴木友莉