【水上恒司インタビュー】あの瞬間に「出撃したくない」「この子ともっと生きたい」と思ったのではないかな。-彰の心の内が出た数少ない瞬間とは。<映画『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』>



累計発行部数85万部を超える小説がこの冬、福原遥と水上恒司のW主演で映画化!
SNSを中心に「とにかく泣ける!」と話題なった汐見夏衛によるベストセラー小説「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。」。

現代の女子高生・百合(福原遥)が目を覚ますと、そこは1945年、戦時中の日本。そこで出会った特攻隊員の彰(水上恒司)とのの時を超えたふたりの恋模様が涙なくしては観られない話題作。

絶賛公開中の映画『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』で主演を努めた、注目の若手実力派俳優【水上恒司】さんにお話を伺ってきました!

当時のいろんな愛の形を表現している作品。




■この作品を通して感じたことは?

水上恒司 やっぱり“愛”ですかね。今、撮影をしている朝ドラも戦争がある時代なんですが、今の僕たちには想像ができないような大変な状況でも、愛が芽生えているんですよね。それが故に、今僕たちはこうして存在しているわけなんですが。大事な人を大事にしたいと思う気持ちだったり、思いを伝えたり。行き過ぎたら、その人を自分のものにしたいと思ったり、そういう普遍的なものを伝えたいなと思いました。

百合と彰だったり、松坂(慶子)さんが演じたツルさんのようにただひたすら兵士の若者を支えてあげたいという愛だったり、上川(周作)さん演じる寺岡のように家族に対する愛だったり。百合と彰にフォーカスが当たった作品なんですが、当時のいろんな愛の形を表現しているので、そういった部分を見て、現代の僕たちがどういう風に思うのか、感じるのかな、と。

作品はあえて戦争の残酷さは直接描いていないんですが、彰たちの物語だけでその残酷さは充分に伝えられる内容になっていて、映画「あの花」はきれいな部分を見せれば見せるほど悲しくなるのかなと思います。撮影現場では「彰たちは出撃して死ぬことは分かっているから、あえて生きている間は楽しくやろうぜ!」みたいな感覚を言葉にせずとも共有できていたのではないかと思っています。

彰と百合がかき氷を食べるシーン。あの瞬間、彰は「行きたくない。出撃したくない」「この子ともっと生きたい」と思ったのではないかな。



■佐久間彰を演じてみて。

水上 実は撮影をする2ヶ月くらい前に、いろいろな資料をいただいたんです。そのなかに元特攻隊で生き残っていらっしゃった方のドキュメンタリー映像がありました。その方は「出陣の前夜、天井にある木目の数を数えていた、ギラギラして眠れなかった」と仰っていて。そのお話を聞いて、現代に生きる僕たちも人それぞれに悩みがあって、それに悩んで葛藤して眠れないということはあると思いました。木目を数えてギラギラして眠れなかったというのは僕たちにもあり得ることだなと、そこにすごく親近感を感じたんです。

今の僕は、当時の戦況や日本がものすごく劣勢のなかで戦っていたことを知っているから、あれこれ言えますが…今の自分に出撃命令が出たらどんなことを考えたんだろう、と考えたりもしました。



■では、彰はどんな青年で、どんなことを心がけて演じようと思いましたか。

水上 劇中も彰に関して語る瞬間がないんですよね。突撃命令を待つ特攻隊員、妹がいる、そのくらいしか情報がないんです。だからこそ、彰に関してはいろんな解釈があってもいいんじゃないかな、とも思いました。

例えば彰も百合と同じように時空を超えてきた人間で、だから百合に惹かれるとか。あの時代に百合に惹かれるって、かなり大きなことですよね。

実は彰は百合と同じ学校の違うクラスの生徒で、百合より少し前に1945年にきた人間だった、そしたら好きな子であった百合も偶然にも時空を超えてきたとか。それなら彰のあの達観さも説得力がでるのかなとか。実は何十回もループしていて、百合を守らないと死ねない、と思っているとか。

あの時代に生まれてあの時代に死んでいく青年としては達観していて、日本のことを俯瞰で見ていて、自分の宿命みたいなものを冷静に見られている人間だからこそ、悲しさが生まれてきたりするので、そんな風に考えるのもありだなと思いながら演じていました。

彰と百合がかき氷を食べるシーンがあるんですが、福原さんが演じる百合の「おいし〜!」という顔を見ていたら、ふと思ったんです。あの瞬間に彰は「行きたくない。出撃したくない」「この子ともっと生きたい」と思ったのではないかな、と。彰の内側、心の中はなかなか見えないんですが、そんな彰の心の内が出た数少ない瞬間だと思いました。彰を演じた身として、そんな彰の気持ちを表現したいなと。

“幸せの味”は味噌汁。



■かき氷のシーンでは、彰はかき氷の味を“幸せの味”と表現していましたが、水上さんにとっての“幸せの味”とは?

水上 やっぱり味噌汁ですね。海外に行けば行くほど思います、味噌や醤油もそうですし。こういった食べ物って日本人の骨の髄まで染み込んでいるというか、DNAに組み込まれているんじゃないかな、と。やっぱり切っても切り離せない味なんだろうなと思います。

今回のような役を演じてみると、当たり前にご飯を食べられることは本当にありがたいとなんだと思いますよね。何不自由なく食べていけるのも、こうやってお仕事をいただけるからであって。いろんな人たちの支えがあって、僕は映画「あの花」の作品に出られているわけなので、本当に心から「いただきます」「ごちそうさま」をしないといけないなと思います。

「水上が一番いきいきとしていたのは練習だった」と言われます。



■撮影現場はいかがでしたか?

水上 映画「あの花」の現場で一番楽しかったのは野球のシーンを撮るための練習です(笑)。スタッフさんの間でも「水上が一番いきいきとしていたのは練習だった」と言われます。(嶋﨑)斗亜くんも「僕もやります!」といっしょに練習してくれて楽しかったです。久しぶりに大人数で野球を楽しめました。

大人になると、なかなか大人数での野球って楽しめないですよね。二子玉川の河川敷とかいって、ウェーイ!とか言いながら野球をしている方たちの輪にはいっていかないと(笑)。

実は、僕ピッチャーをやりたくなかったんですよ。打ちたかったので、「なんで、俺ピッチャーなんだよ」と思っていました(笑)。



■高校球児時代はキャチャーをされていた水上さんですが、役でキャチャーをやっていた伊藤健太郎さんには指導はされました?

水上 していません(笑)。伊藤さん、練習の最後の方に来たので。でも指導せずともめちゃくちゃ上手かったです。一番年上の上川さんが一番動いていましたね。

もし今、彰に出会ったら。



■もし今、彰に出会ったらどんなことを聞いてみたいですか?

水上 「なんでそんなにひょうひょうとしているんですか?」ですかね。
彰をそんな風に演じたのは僕なんですが(笑)。時代が故に自分の意見を言えなかったということもあるとは思いますが、そういった部分も含めて現代人から見ると、なんでなんだろう?と思うところでもありますよね。自分の意見をただ主張すればいいということでもないですが、彰の自分のことはさておいての考え方は、現代人にとってはピンと来ないところでもあるので、映画を観た人にピンとさせないと、と思いました。

過去一で心が揺さぶられていること。



■心が揺れ動かされる本作ですが、最近、感動したり、気持ちが高揚したり、何かに心が揺さぶられた瞬間(エモい瞬間)はありますか?

水上 毎回作品を通して感情が動きますね。文字通り“感動”ですが。今、撮影をしている朝ドラは過去一で心が揺さぶられているかもしれません。いっしょに仕事をしているスタッフの方々との関係性、間に流れる時間にも感動しています。大阪という土地柄なんですかね?スタッフさんもTHE大阪な方が多くて、常に冗談を言い合っていますし、僕もツッコまれたり、イジられたり。役として憤りを感じたり、悔しさを感じながら撮影をしているので、喜怒哀楽に溢れた現場なんです。どちらかというと、ツッコまれるのが苦手なタイプなのですが、それも楽しく感じます。すごく刺激になっていますし、忘れられない現場のひとつになると思います。

山の方にタイムスリップしたい。



■タイムスリップするならどこへ行って何をしたいですか?

水上 時期はいつでもいいんですが、山の方にタイムスリップしたいですね。なぜか山に惹かれるんです。もし山に住んでいたら都会に憧れるのかもしれないんですが。

山に行って自給自足みたいな生活をやってみたいなと。誰もいないので、寂しさは感じると思うんですが、やってみたいという気持ちが強いですね。

「The Last of us」というソンビのゲームがあるんですが、そういう世界になっても生きていかないといけないような状況になったら?と、最近考えたときも、それでも山の方で一人で生きていきたいなと思いました(笑)。

■素敵なお話をありがとうございました!

★おまけ★




この作品を撮る前、ヤンキー映画に出演していた水上さん。その映画ではムッキムキの身体を披露しており、本作ではすっと引き締まった身体になっていました。その変化にも驚かされたのですが、インタビュー当日、取材ルームに現れた水上さんはさらにシュッとされていて、もうその変化に驚きでした。ヤンキー映画から映画「あの花」を経て現在の体型になっていることに驚いたことを伝えると、「それが仕事ですから」とひと言…。かっこよすぎませんか!!




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ーPROFILEー




水上恒司
1999年5月12日生まれ。福岡県出身。

主な映画出演作は『弥生、三月-君を愛した30年-』(20/監督:遊川和彦)、『望み』(20/監督:堤幸彦)、『ドクター・デスの遺産 -BLACK FILE-』(20/監督:深川栄洋)、『新解釈・三国志』(20/監督:福田雄一)、『そして、バトンは渡された』(21/監督:前田哲)、『死刑にいたる病』(22/監督:白石和彌)、『OUT』(23/監督:品川ヒロシ)などがある。
TVドラマ出演作に「中学聖日記」(18/TBS)、「MIU404」(20/TBS)、「ウチの娘は、彼氏が出来ない!!」(21/NTV)、NHK大河ドラマ「青天を衝け」(21)、「真夏のシンデレラ」(23/CX)、NHK連続テレビ小説「ブギウギ」(23)などがある。

[Instagram] @koshi_mizukami_official


―INFORMATION―
映画『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』
12月8日(金)全国公開

<ストーリー>
親や学校、すべてにイライラして不満ばかりの高校生の百合(福原遥)。 ある日、進路をめぐって母親の幸恵(中嶋朋子)とぶつかり家出をし、近所の防空壕跡に逃げ込むが、 朝目が覚めるとそこは1945年の6月…戦時中の日本だった。 偶然通りかかった彰(水上恒司)に助けられ、軍の指定食堂に連れていかれる百合。 そこで女将のツル(松坂慶子)や勤労学生の千代(出口夏希)、石丸(伊藤健太郎)、 板倉(嶋﨑斗亜)、寺岡(上川周作)、加藤(小野塚勇人)たちと出会い、 日々を過ごす中で、彰に何度も助けられ、その誠実さや優しさにどんどん惹かれていく百合。 だが彰は特攻隊員で、程なく命がけで戦地に飛ぶ運命だった−−− 。

主演:福原遥、水上恒司
出演:伊藤健太郎、嶋﨑斗亜、上川周作、小野塚勇人、出口夏希 坪倉由幸、津田寛治、天寿光希、中嶋朋子 / 松坂慶子
主題歌:「想望」福山雅治(アミューズ/Polydor Records)
原作:汐見夏衛『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』(スターツ出版文庫)
監督:成田洋一
脚本:山浦雅大(全角アケ)成田洋一
音楽:ノグチリョウ
製作:「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。」製作委員会
配給:松竹

©2023「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。」製作委員会

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