北村匠海「自分をさらに生きさせてくれるきっかけでした。」初監督作品 映画「世界征服やめた」公開記念舞台挨拶に萩原利久・藤堂日向・井浦新ら勢揃い!<イベントレポ>



北村匠海監督が高校時代に出会い、「人生を変えてくれた」と感謝をささげる不可思議/wonderboyの楽曲を原案に、自ら企画・脚本を兼任した念願の1本にして短編映画初監督作『世界征服やめた』が、2025年2月7日(金)よりヒューマントラストシネマ渋⾕ほか全国順次公開となり、翌日の2月8日(土)には北村匠海監督をはじめ、主人公・彼方を演じた萩原利久、彼方の同僚を演じた藤堂日向、そして北村匠海監督のデビュー作を応戦し、友情出演として彼方が通うお店の店長を演じた井浦新の4名が揃って公開記念舞台挨拶に登場した。



冒頭北村は「監督を務めました北村匠海です。本当にこのメンバーで立てていることをそもそもこの御三方と一緒に映画を作れたことを誇りに思っています。新田さんのインスタを覗くとしょっちゅう舞台挨拶に立っているなと見ていたんですけど、ついにその仲間入りができました。」と挨拶。また続けて、「今やっと自分が監督という立場で映画にかかわらせていただき『世界征服やめた』が自分の手を離れたんだな、という実感が実はまだ湧いてない状態です。正直。

役者の時って実は作品と関わる期間って、撮影日数だけだったり番宣を含むとまあ多少長くはなるのかもしれないけど、期間が半年開いたりとかそういうことがある中で、監督として企画から脚本も、本当に立ち止まったり右往左往したりいろんな道を歩んできて、今があるからこそ実感が湧かないのかなという感じがしています。

そもそも監督をやろうと思ったのは、小栗旬さんがきっかけでした。小学校6年生の時に『シュアリー・サムデイ』という映画に出させていただいて、その時の役名『タクミ』という名前だったんですが、この間小栗さんとご飯を食べる機会があって、その時もずっと『シュアリー・サムデイ』の話をしてくださったりとか、そこで役者が監督をやる格好良さだったりとか、でも小学6年生だったので深い理由はそこにはみつけられないですよ。かっこよかったていう、ただ姿が。それが自分にとって大きかったですね。人生の中でいつかはと思ってたのを今回『世界征服やめた』不可思議/Wonderboyが叶えてくれたと思ってます。」と小栗が2010年に初めて監督を務めた作品に出演したのをきっかけに、今念願叶い監督ができたのだと明かした。



本作で北村と交友のあった、萩原・藤堂の2名に声をかけ映像化へとこぎつけたことにも触れ、藤堂は「僕は友人として過ごした時間が多いんですけれど、いざ匠海が監督をするって話を聞いたときはもちろん驚きもあったんですけど、匠海が作った映画にただ単純に興味が湧いて。僕が出させていただけると思っていなかったんですけど、当時は。この人が作る映画ってきっと面白いものになるだろうし、僕がその映画に関われるっていう事を想像もできなかったんですけど、それがいざ実現したら本当にすごく幸せなことなのかなと友人としても、役者としても、彼の初監督作品に出演してみたいなとやっぱり思いましたね。」と萩原は「僕も共演して出会って友人関係になって、間違いなくその過程があったからこそ出演させてもらえたというところもあると思います。そもそも出会いは俳優でしたけど、音楽をやったり、色んな意味で多分僕らの世代のエンターテインメントの最先端にいる人だなと前々から思っていたんですけど、より改めて実感しました。匠海の行動から色々広がって今この場に立てていると思うので、そういうところにすごく尊敬する部分となっています。その中で匠海の作品に参加させてもられるというのは、僕にとってはすごく嬉しかったですし、その熱量に自分も乗ってみたいじゃないですけど、一緒に助けとかじゃないですけど一員としてそこに参加したいなというのはすごくありましたね。」とオファーを受けた時の思いを語った。



また、今回友情出演となった井浦にも質問が飛び井浦は何の友情出演なのか分かっていないと明かし、北村が「友情です!友達出演みたいな感覚でございます(笑)」とオファーしたきっかけを話した。また井浦は「匠海監督とは2020年に「虹色カムイ」ってドラマで共演して、その時ってまだコロナが猛威を振るっていて、当時もまだ真っ只中で、なんならもっと悪くなっていく状況の中、僕は全国の映画館が場合によっては閉館してしまうとか、人が集まれないからどうやって映画館が今後映画館として残っていけるのかっていうのを模索していた時期で、そんな中映画館頑張れって応援していたんでけど、その時に匠海くんと共演できて、匠海くんもその時に聞いたんですけど、自分も映画で映画館を応援したいんだと、映画が作りたいっていう話を撮影のほんの合間にそんな話をしているの中で、想いや情熱を感じていました。

それからご縁をいただいて匠海くんとは時間を過ごす中で、匠海くんはほんと音楽だけじゃなくて様々なカルチャーをどんどん吸収して楽しんで生きている人で、それってただ好きだっていうだけでなく、それに対してちゃんと敬意がある人でそういう人が生み出していくものって絶対素敵なものが生まれるんだろうなっていう、そんな匂いは当時から感じてました。だから映画を作るんだったら、なんでもいいから関わりたいっていう話をその時にしていましたね。それでとにかくスタンバイしていました。」と明かし居酒屋の店主に抜擢されたそう。それに対し北村は「そうですね(笑) 本当に贅沢なシーンになりましたし、このドラマで新さんと過ごす中で、新さんがどうやって映画と過ごしてきたかとか、自分が子役の時に僕と新さんの一番最初の出会いは「ウルトラミラクルラブストーリー」っていう映画でした。当時バンドのMVに子役だったんですけど小学5年生くらいの時に出てて、初めてMVでちゃんと中心人物みたいな感じで撮ってもらった時の監督がその映画を撮っていて、試写会に呼んでいただいて観たんですよ。そしたら首のない人が出てくるんですよね、映画の中で。首がないな、あの人怖いなと思っていたら、ARATAって当時ローマ字表記の時の新さんでした。ずっと首がない人だと思っていたんですよ(笑)」と衝撃的な印象を当時抱いていたのだそう。

それに対し井浦は「今回も首がないんですよ(笑)」と本作でも首がないことを明かし、北村は「この映画の脚本を書いていく上で久々に『ウルトラミラクルラブストーリー』を観て、首がない新さんの写真を送った事があったんですよ(笑) 」と井浦は「『新さん見っけ』とかいって唐突に送ってきて・・・(笑)」と年齢は違えど仲の良さが伝わるやりとりが繰り広げられていた。

また、プライベートでも交友のある4人だからこそ、北村から無茶な演出があったのか?という質問が飛び藤堂は「匠海は僕が出会った中で初めてくらい、いろんな顔を持っている人で、DISH//であったり、俳優であったり、今回監督であったり、普段遊んでる時の顔であったり、ゲームしているときの顔であったり、それがほんと全部違くて。何事にも直向きに向き合っているからだと思うんですよね。でも今回、僕が匠海に新しく思ったことであって、すごく真剣にゼロ距離でモニターに向かってヘッドホンかけながら、『はい!オッケー!』『カット!』って、かなり新鮮でしたよね。あぁ、監督だって思って。本当に自分の知らない匠海をまた見れたなって現場でした。」とすると北村が「日向によく言われるんですけど、仕事の話する時めっちゃお前怖いよって」と仕事中、目が豹変するのだという。

今回、監督という立場になって、友人でもある萩原・藤堂にニマニマしながら寄って行き『いいよ!』と大御所監督のようだったと暴露され北村は「まずいなぁ(笑) 楽しんでやってました(笑)」と初めて監督をしているとは思えない態度だったとのこと。



さらに萩原にも同様の質問がされ萩原は「匠海ですか?僕はでも逆にちょっとその最大まで演じた匠海すら想像していたので、逆にあーやっぱ匠海は匠海だなーって思う機会の方が現場中は多かったかもしれないです。ただ本当にいつカットかかるかわからないんですよ。ご飯食べ終わったらとか、ていうか食べ終わらないとかけないよとか、本当不安になるくらいかからないんですよね。『生きて』って言ってそのまま始まったり、どうやったら終わるんだろう含め、いきなりポイってだだっ広いところに放り投げられるような感覚は、なかなか体験できない演出というか。滅多にないとは思うので、そういう経験はすごく残りますね。強いていうなら、違う匠海でいうと、忙しいじゃないですか匠海って、毎日働いてるとひげを毎日剃るじゃないですか。あの期間っていうのは演者じゃなかったので毎日ちょっとずつひげが伸びていくんですよね。だからある意味レアな匠海を見たなって今振り返ると思います。(プライベートで)会うときは仕事終わりに会ってたりするので、このフォルムの匠海に会うことが多いのでツルツルフォルムの(笑) レアな匠海だったなーって思いますね。」とレア匠海を見れたことを明かした。



また、限られた日程の中で撮影を進めていく中で、ビルの屋上であったり、Nikonの撮影スタジオナオでも撮影をしていたということで北村は「脚本を書いている段階で、大きく書いてたんですね、背景を。ザッピングしていくとか、でもいざどうやるんだろうとなって途中彼方の背中に景色がどんどんザッピングしていくシーンがあるんですけど、そこでNikonさんのスタジオをCMさせていただいてるんで使わせていただきました。

今宣伝させてもらってるんけど、使わせていただきまして、もうスタッフと試行錯誤しながら、日々撮影の中でいろんな風景をみんなで撮りながら、そのシーンをさせていただきました。楽しみにしてほしいシーンですね。そんなワンシーンなので見たことがない、いい挑戦ができたなと思っております。これはもう、僕がNikonさんのCMをやってなければ叶わなかったです。」と井浦が「PR中です。さすが」とすかさず北村のPR活動を後押し。

さらに完成した作品を観た時の話となり、藤堂は「僕はやっぱり台本の中で思い描いていた想像とはちょっと違って。それは悪い意味とかそういうわけでは全くなく、匠海の思い描いていた映画ってこういうことかって。それが映画的な表現にとてもなっているなと思って、直接的な意味合いを持つ映画ももちろんあると思うんですけど、個人的に余白がある映画が大好きなので、観終わったあとに動けなくなる余韻に浸れるのって余白が多い作品だと思っているので、そういったものに仕上がっているなと思いました。」と萩原は「思い返すと僕が現場で匠海に偏執的な意味で、『生きて』というのはすごくキーだったなと。完成した作品を観て『生きて』というのが、観たことによりようやく僕の中で100%になった感覚がありました。演じていると、なかなか自分の体感で100%を実感しながらやるっていうのは難しく、限りなく極限まで尽くしてきたんですが、(作品を)観た時にすごく自分の中では『生きて』という演出が100%になったのかなと感じましたね。」とそれぞれ完成した作品を観た時の率直な感想を述べていた。

また、井浦は「まずは台本読んだ時の視点と、映画となって観た時の視点が様々に向けられるようになって、台本読んだ時と全然印象が違う世界を楽しめるなという風に思ったのと、僕も不可思議/wonderboyすごく好きで、彼が存命の時から音楽を聴いていたので、ここで匠海くんがこのアンサーを出していくんだというのが、すごくグッと感動させられました。

この作品を見た時、監督の等身大のリアルなものが、その時にしかきっと作れなかったであろうものが本当に全部1時間の中に詰め込まれていたと、すごく感じました。きっと皆さん観てくださったら北村匠海監督の頭の中、心の中が味わえるんじゃないかなと思います。」と北村の想いが詰め込まれた本作を観た感想を明かした。

最後に北村は「本当にこの映画を選んでくださり、皆さんありがとうございます。なんか利久に言ってた『生きる』っていうことですけど、僕はやっぱり生きることって大変なことだと思うんです。ただ単にご飯を食べていれば、理論上、生きていけるかもしれないけど、この社会を生きる上では、なかなか元気よく気持ちが歩いていかない毎日っていうのはあるなって、テレビをつけていてもなんか暗いニュースばかりやっていたり、自分が仕事場に向かう道中もなんか天気が曇っていたりとか、空気が美味しくなかったりとか、本当生きるのってなんだかしんどいなって、毎日だったりしてました。

そういう中で、僕が不可思議/wonderboyさんの楽曲に救われたように、エンタメが日々を少しでも明るくさせてくれることって、一度くらいきっとあると思っています。エンタメの力をこれからも信じていきたいですし、映画を作って、役者でも監督でも、カメラマンだったり何でもいいんですけど、でも映画というものを作り続ける、自分をさらに生きさせてくれるきっかけでした。

不可思議/wonderboyとこの御三方と、この映画に出会ってくれたみなさんに感謝しております。まだまだこの映画がどう展開していくのかは未知数ですが、東京だけじゃなくていろんな県の映画館で観て欲しいなと思っています。またどこかのタイミングで皆さんがこの映画に出会った時は、どうか観てやってください!と思います。ありがとうございました。」と挨拶しイベントは終了した。

<あらすじ>
主人公・彼⽅(萩原利久)は、社会の中で⽣きる内向的な社会⼈。変化の乏しい日常をやり過ごす中で、「自分なんて誰にも必要とされてないのではないか…」と自分の無力さを感じていた。そしてどこか飄々として、それでいて白黒をはっきりさせたがる彼⽅の同僚の星野(藤堂日向)。星野の選んだ決断に彼⽅の⼈⽣は⼤きく揺れ動く。「死」の意味を知る時、明⽇の選択は⾃分でできることを知る。世界征服という途方もない夢を追いかけるよりも、自分にしか描けない道がきっとある。

■詳細
【映画「世界征服やめた」】
公開日:2025年2月7日(金)よりヒューマントラストシネマ渋⾕ほか全国順次公開
原案・主題歌:「世界征服やめた」不可思議/wonderboy(LOW HIGH WHO? STUDIO)
企画・脚本・監督:北村匠海
出演:萩原利久、藤堂日向、井浦新(友情出演)
製作・制作プロダクション:EAST FILM
チーフ・プロデューサー:小林有衣子
プロデューサー:本多里子
ライン・プロデューサー:古賀爽一郎、小楠雄士
撮影:川上智之
照明:穂苅慶人
サウンドデザイン:山本タカアキ
美術:松本千広
スタイリスト:鴇田晋哉
ヘアメイク:佐鳥麻子
編集:清水康彦
音楽:HAPPY BUDDHA HILL
助監督:草場尚也
制作担当:福島伸司、佐佐木基入
スチール:高橋春織
台本デザイン:柴崎楽
撮影協力:ニコンクリエイツ
制作協力:ニコン
企画協力:Creatainment Japan
配給・宣伝:SPOTTED PRODUCTIONS

©『世界征服やめた』製作委員会

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