連載【高杉の「フッ軽」になりたくて…】日本のバーテンダーの美しい技術に触れ、初のモクテル作りに挑戦!<第5回>



俳優・高杉真宙が“フッ軽になりたい…”をテーマに、今まで興味はあったけれどフッ重ゆえに挑戦できなかったモノやコトなどに挑戦していく連載企画【高杉の「フッ軽」になりたくて…】。

第5回目は、バーテンダーの学校「ジャパンバーテンダースクール」さんと坪井吉文校長ご協力のもと、<バーテンダー>の心得や基本を学び、初のモクテル(イギリスを発祥としたノンアルコールのカクテルの総称)作りに挑みます。

カクテルが提供されるまでの時間もお客さんにとって楽しいひと時にしようする、おもてなしの心が詰まった、美しい日本のバーテンダーの基礎となる技術と心得を学ばせていただきました。

高杉さんの艶めかしいバーテンダー姿に注目!記事の最後には、高杉さんが選んだ今月のベストショット(フィルム写真)&手書き一言も。お楽しみに。

一杯のカクテルを作る。基本からレクチャー。



バーテンダーに必要な基本の技術3つ「メジャーカップを使った材料の軽量」「シェイカーを使ってのシェイク」「バースプーンを使ったステア」を学びます。

まずは材料を図る技術から。

左手でボトルの口を持ち、右手に持ち替え、左手でキャップを覆い、少し手前に手首をひねりながらキャップを取ります。そして親指と人差し指の付け根にキャップを固定させて、人差し指と中指の間で挟み込むような形でメジャーカップを持ちます。

水を注ぎ入れる時は、なるべくシェイカーの近くで注ぎ入れ、手首をかえしてシェイカーに注ぎ入れるのがポイント。

注ぎ入れたら、メジャーカップを置いてから、キャップを閉めてボトルを置く。





キャップをカウンターに置かない理由は、カウンターに置いた時に、キャップについたほこりなどの異物がお酒の瓶に付着してしまう可能性があるという、衛生面の問題と1秒でもスピードよくカクテルを提供するためだそう。

また、メジャーカップからシェイカーに液体の注ぎ入れる時、流れを止めないというのがポイント。今回使用した一つのメジャーカップで測れる満タンの量30mlの線にいく手前で、シェイカーにこぼしながら30mlぴったりをシェイカーに入れられるのが理想。これも一秒でも早くカクテルを提供するため。

とはいえ、満タンになる手前でこぼし入れながら30mlぴったりにするのはなかなか難しい技術。序盤から高度の技術に悪戦苦闘しながらも、先生の技術を少し緊張した面持ちで見つめ真剣に取り組む高杉さん。



次に、シェイクの準備へ。

まずは、シェイカーの7分目~8分目くらいに氷をいれる。この時、いきなりシェイカーを閉めようとすると、空気で押し出されて、先端部分が飛んでしまうので、自分の体と直線状にシェイカーに添わせるようにセットし、時計回りに回しながらスッと蓋をするのがポイント。

これは即コツを掴んだようで、先生のお手本を一度見ただけで成功!





「本当に横を向くんですね!」

蓋の閉め方を学んだところで、ついにバーテンダーといえば!なシェイクの基本へ。

まずは、シェイカーの持ち方から。右手の親指を蓋の先端に乗せ、人差し指はくぼんでいるところに乗せ、小指だけが自分の体を向くように乗せる。この時、左手の中指と薬指で底を軽く抑えながら、手のひら全体でふわっとシェイカーを包み込むイメージで手を添わせます。

バーテンダーがシェイクをする時、横を向いているイメージがありますよね。これは、シェイクする時に、万が一手が外れてお客様の方に飛んでいってしまわないようにするためだそう。一つ一つの動作から、おもてなしの心が感じられます。



基本の持ち方を学んだところで、先生が構え方を教えようとしたところ、自然とできていた高杉さん。シェイカーを構える時には、下半身との連動がすごく大切だそうで「実はそれで完璧です!いきなりできていますね!スポーツをやられていました?」と驚く先生に「よし!あまりやってこなかったんですよ。だからこのシェイカーも結構重くてびっくりしちゃいました笑。」と喜びながらも、お茶目にはにかむ場面も。

シェイカーも踏み出した左足と左腕、シェイカーの位置を一直線上に同じにするのことが大切だそう。これを言われる前からできてしまう高杉さん流石です!



「二段振りのほうが上手いですね!なかなかできないんですよ!」

ついにシェイクへ。

シェイクは、シェイカーの中で材料を冷やし、混ぜて、空気を含ませながら急激にかくはんさせることでおいしくする技術。中でも空気を入れて味をまろやかにするのがこの工程で大切なポイント!だからこそ、シェイクする時は、空気が入るように勢いよく手首を使って混ぜるのが大切だそう。

上記のことを意識しながら、初級編の一段振りと少し難しい二段振りの練習へ。

「はあ難しいな。」と首をかしげながらシェイクの難しさを痛感する高杉さん。

しかしみるみるうちに・・・難易度の高い二段振りが上達!先生も驚きつつも「せっかくなので今日は二段振りでいきましょう!」と本番も二段振りに挑戦することに。



そしてグラスへの注ぎ方や、グラスに氷をいれて冷やしておくなど、細かい基本的な動作を学び、ついに「ステア」という、基本的な技術の最後にして一番難しい技術練習へ。

「回り始めたはいいものの、どんどん下に行っちゃいます(笑)」

ステアとは、パースプーンでカクテルをかくはんする技術のこと。バースプーンは、親指と人差し指で持って、その下を中指と薬指で挟んで持ちます。大事なのは、バースプーンの背中の部分がグラスの内側をずっと添うように動かすこと。

押さえつけながら回すと勝手に回るようにできているのがバースプーン。だからこそ、力を入れすぎると、どんどん持ち手が下に進んでいってしまい、高杉さんも悪戦苦闘。

「人差し指と親指の動きが重要で、中指と薬指はあくまで添えているだけなんですよ。力を抜きつつ、人差し指と親指には力を加える。難しいですよね。」と先生からアドバイスをされるやいなや、まさかのコツをつかんでうまく回しはじめる高杉さん。

「いけてますね(笑)。いい感じですね!」またしても急激な成長っぷりに先生もびっくりです(笑)。

カクテル作りの基本を学んだところで、いざ本番へ!



「じゃあ君でいこう!」

カクテルの場合は、ジン、ウォッカ、テキーラなどベースとなるお酒を決めますが、今回はモクテルなので、ベースとなるジュースと組み合わせるシロップを選んでいきます。

まずは、シロップ選びから。マンゴー、ブラッドオレンジ、チェリープラム(ミラブル)、キューカンバー、ブルーキラソーの候補を一つ一つ見ながら慎重に選ぶ高杉さん。

「キューカンバー、気にはなる。まずくないのも知っている!うーん、ここは直感を信じてキューカンバーで行こうか。じゃあ君でいこう!」冒険心からシロップは、ご自身の好きな色でもあるグリーンのキューカンバーをチョイス。



次に、ベースとなるジュースは、グレープフルーツジュース、オレンジジュースから選ぶはずだったのですが、キューカンバーを選んだ時点でジュースは自動的にグレープフルーツに決定!(笑)

オレンジジュースの色とキューカンバーの色を混ぜると色合いがよくないからだそう。「確かになんかすごい色になりそうですね(笑)」

シロップとジュースに加え、シロップの甘さを少し打ち消すためにレモンジュースも用意していただき、モクテル作りの材料が決定!

同じようなモクテルを飲んでみたい方は、ぜひ、以下の分量を参考にしてみてください♪

[分量] ※日本のショートカクテルは60mlの規定がある。60mlくらいに収まるように味を調整していく。
キューカンバーシロップ・・・約20ml
グレープフルーツジュース・・・約30ml
レモンジュース・・・約10ml



次に3つの候補の中からカクテルグラスを決めていきます。

「見たことあるのも見たことないのがいいですよね。これに入ってたら面白いかな。」とカッコいい系とかわいい系で迷いつつ「このかわいいのにします!」と柔らかいフォルムのものをチョイス。

グラスが決定したので、ついに先ほど学んだことをフルで活かして、初のモクテルづくりへ。



「止まったなって思ったら(先生)お声がけお願いします(笑)。頑張ります!」と先生にお声がけしていざモクテル作りへ。

まずは、グラスに氷をいれてグラスを冷やしておきます。





冷やしている間に、先ほど学んだ手順で、シェイカーにキューカンバーシロップ、グレープフルーツジュース、レモンジュースを入れていきます。



3つの材料を入れたシェイカーに7~8分目まで氷を入れ、シェイク!



練習で習得した二段振りを25回ほどしたら・・・ついに最後の工程へ。





冷やしておいたグラスにモクテルを注いでいきます。

右手の人差し指と親指でシェイカーのくぼんでいるところを持つように手を添え、左手で蓋をつまみ外し、その左手をグラスの下の方に軽く添えながら、右手でグラスにドリンクを注ぎ入れます。

この時、シェイカーの中にドリンクがなくなったタイミングでちょっとシェイカーをあげて、ねじ切りながら、下に引いていくイメージで手元にシェイカーを戻すと、シェイカーのちょっとした水滴が飛び散ることなく綺麗に最後まで注ぐことができます。

完成!初の自作モクテルの味は・・・?



仕上げに、グラスを選んでいる間に先生が作ってくださっていた、レモンのデコレーションを乗せて・・・



ついに人生初モクテルの完成!



「いたただきます!」

初の自作モクテルの味は・・・?



「あ、上手い!!

爽やかで、香りほど強くきゅうりが来ないです。スッキリさときゅうりの香りのバランスがちょうどいい。味はちょっとメロンに近いですね!」

慣れた手つきでフルーツをカット!







最後に、せっかくなのでグラスを見た目と香りで彩ってくれる、カットフルーツにも挑戦させていただけることに!

「同じ大きさに切るって難しいな。」

まな板と包丁はつねに平行に。親指でグッと包丁を抑えながら、白い部分と皮の部分の間に刃を進めていくイメージで切り込みを入れていきます。次に実と白い部分にも半分まで切り込みを入れ、白い部分の先をさしやすいように斜めにカット。

最後に2つ飾り切りを入れ、両サイドを内側に巻き、内側を外側にはねさせて・・・オレンジのカットフルーツが完成!

終始「難しい」と言いながらも、初めてとは思えないほどのスピードで技術を習得したり、慣れた手つきで包丁を使う高杉さん。そんな高杉さんのカリスマ性に何度も驚かされるスタッフ一同でした。レシピも掲載しているので、ぜひ同じようなモクテルを味わってみたい方は参考にしてみてください。

本日のベストショット&一言。




■バーテンダーの体験をしてみていかがでしたか?

「バーテンダーの方がいらっしゃるお店に立ち入った事がなかったので新鮮でした。雰囲気も素敵で、所作の美しさに魅入ってしまいました。僕が教えて頂いて真似をしても様になっている気がしなくて、難しかったです!
おもてなしの心の見える一つ一つの動作が、いつかこういうお店に一人で行ってお酒を嗜む様な人になりたいと思わされました!」

■苦戦した工程などはありましたか?

「なかなか苦戦をした気がします。どれが…と言われれば、やはり流れる様な動きですかね!慣れてないので当たり前ですが、ぎこちなさが残りつつ最後までやり切った!と感じます笑
写真だと上手く出来てる様に見えていたら嬉しいですね。」

■ズバリ今回作ったモクテルの出来栄えは100点満点で何点?

「こちらは、100点満点!!お味最高!お酒ではないのにお酒を呑んでいるのではないか!と思わされる雰囲気、出てた気がします笑
フルーツカットも上手くいけた気がします!」



■初めてお酒を飲んだ時の感想やエピソードを教えてください。

「映画、『PとJK』の撮影で北海道に行っており、そこで監督に誘って頂いてビールを呑みました!小さな手で持てる瓶ビールで呑んでいたのですが、最後まで呑みきれなかった記憶です…。」

■9月のQ&Aで、秋といえば「食欲の秋」と答えられていましたが、今秋美味しい秋の味覚は堪能されましたか?

「キノコ類、美味しく頂きました!!椎茸などをただ焼いて醤油を垂らして食べるだけで美味しいので!
秋はまだまだ堪能したいのですが…!」

■もうすぐ秋も終わりますが、今冬にやりたことはありますか?

「温泉にゆったりつかったり、こたつに入ってまったりゆったりする!!ですかね。
基本、まったりゆったりをやりたいと強く思ってます笑」




“高杉さんのInstagram(@mahirotakasugi_)には記事では見られないオフショットも!ぜひ合わせてチェックしてください♪”

<撮影協力>ジャパンバーテンダースクール

これからバーテンダーを目指そうという方や、BARの開業を考えている方への講義カリキュラムを組んでいる学校です。
[住所]〒101-0047 東京都 千代田区内神田2-14-9 2階
[公式ホームページ] https://www.jfb-businessacademy.com/

 

ーPROFILEー



高杉真宙(たかすぎまひろ)

1996年7月4日生まれ。福岡県出身。
2009年「エブリ リトル シング ’09」で俳優デビュー。以降、映画、ドラマ、CMと幅広く活躍。主演映画『ぼんとリンちゃん』でヨコハマ映画祭最優秀新人賞受賞。第9回TAMA映画賞最優秀新進俳優賞受賞。その他主な出演映画は『散歩する侵略者』(17)、『虹色デイズ』(18)、『ギャングーズ』(18)、『十二人の死にたい子どもたち』(19)、『見えない目撃者』(19)、『超・少年探偵団NEO -Beginning-』(19)、『前田建設ファンタジー営業部』(20)、『糸』(20)、『バイプレイヤーズ~もしも100人の名脇役が映画を作ったら~』(21)などがある。またアニメ『君の膵臓を食べたい』(18)では主人公・僕の声優を務めており、ファーストフォトエッセイ『僕の一部。』(幻冬舎)も発売中。
現在は、TBS系火曜ドラマ『婚姻届に判を捺しただけですが』に牧原唯斗役にて出演。また最新出演情報はTwitterにて更新中ですので、合わせてチェックを。

[公式ホームページ] https://www.takasugimahiro.jp/
[Instagram] @mahirotakasugi_
[Twitter] @MahiroTakasugi_

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