【市川染五郎インタビュー】初の現代劇ドラマに挑戦「現代の生活感を出すのは大変でした」<Prime Videoドラマシリーズ『人間標本』>
2026.1.30

湊かなえさん原作のAmazon MGMスタジオ製作の新ドラマシリーズ『人間標本』がPrime Videoにて全5話世界独占配信中。
盛夏の山奥で発見された6人の美少年の遺体。息子・榊至(市川染五郎さん)を含む少年たちを「人間標本」にしたと自首したのは有名大学教授で蝶研究の権威・榊史朗(西島秀俊さん)だった。幼少期から蝶の標本作りを通し、「美を永遠に留める」執念に取り憑かれていた彼は、なぜ事件を起こしたのか。その真相が複数の視点によって姿を変えていく。
“イヤミスの女王”と呼ばれるベストセラー作家・湊かなえが、デビュー15周年を記念して書き下ろした同名小説を原作とする禁断のミステリーサスペンス。
今回、至役を演じる市川染五郎さんにインタビュー。初の現代劇で感じたギャップ、また、最近心を揺り動かされた出来事についても教えていただきました。
なおさら意識的に若く演じようと思った

■原作、脚本を読まれたときの印象はいかがでしたか。
染五郎 演じる側としては、数カ月の撮影期間の間、集中力を切らさずに、この世界観の中にいることになるので、それができるかな、という不安はありました。でも、とても引き込まれる内容で、重いテーマなのですが、読み始めたら止まらないような魅力を感じたので、映像化にあたっても、その部分は表現されていると思います。
■榊至という役は、最初の段階ではどのようアプローチしようとお考えになられたんですか?
染五郎 原作と脚本を読んで、至はとても純粋で真っすぐな青年だな、と感じました。歌舞伎の場合だと自分の年齢よりも上の役をやることが多く、同世代の役をやる機会があまりないので、とにかく若作りしないと、と。やはり年上の役を演じる感覚が染みついているので、歌舞伎でも若い役を勤める時は「若く演じる」ということは気をつけているんですけども。現代劇ですし、なおさら意識的に若く演じようと思ってやっていました。
■逆に若さをそのまま出すことのほうが難しいんですね。
染五郎 難しいです。ドラマでは原作通りの年齢より少し上の年齢の設定だったと思いますけど、それでも慣れないので。とにかく、若く若く役を作ってやっていました。
意識した役との切り替え

■物語が進んでいくと、至に対しての観ている側の意識が変わっていく部分もあるかな、と思うんですが、気持ちの変化はどのように作っていかれたのでしょう?
染五郎 映像だと物語の順通りに気持ちの変化をつけていくことはできないので、撮影の順番はバラバラでも、「あのシーンがあって今日はこのシーンなんだな」とか、「あのシーンは今日のシーンより後に来るんだな」とか、いろいろ考えながらやるのは特に難しかったです。
■気持ちを絶やさないために、撮影中に意識されたことはあるんでしょうか。
染五郎 特別に意識してなにかしたことはないですが、普段まで至を引きずってしまうと、撮影期間中に持たないと思ったので、ちゃんと切り替えるとこは切り替えるというところは意識していました。
かつらを被っていないのが違和感

■今回、初めて現代劇ドラマに出演されることも話題になりました。今改めて振り返ってみていかがでしたか。
染五郎 本当に新鮮なことばかりでした。着物を着ていないとか、かつらを被っていない、刀を刺していないとか、それが違和感でした。でも、祖父や父も現代劇の作品もやってきたので、歌舞伎をやりながら現代劇の映像作品もやらせていただくということは、当たり前の道として持っていた部分もありました。祖父や父が現代劇をやっている姿を小さい頃から見てきていたので、そんなに抵抗はありませんでした。でもいざやってみると、もちろんいつもとは勝手が違う部分もあります。生活様式が時代物とは全然違うわけですから、現代の生活感を出すのは大変でした。
■この作品を現代劇ドラマ初出演作として選んだきっかけのような理由はあるんですか?
染五郎 あまり初めてだとかということは意識していなかったです。初めてとか初めてじゃないとか関係なく、素敵な作品だな、というところでお話を受けさせていただきました。
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■多くの同年代の方との共演にもなりました。
染五郎 今回は自分を除いて6人同世代の方がいらっしゃって、なかなか同世代の方とご一緒する機会もなかったので、とにかく新鮮でした。でも本当にみなさん役の個性というものをきっちり捉えて、それぞれ役を作って来られていたので、刺激をいただきながらやっていました。
■印象に残ったやりとりなどありますか。
染五郎 伊東蒼さんと共演させていただいて、本読みの段階からもう役が完成されていてすごいな、と思いました。いい意味で裏ではモンスターとお呼びしていたのですが、役者として化け物というか、圧倒されっぱなしでした。でも、感覚で分かる方なんだな、と思ってご一緒していたのでそれはすごくやりやすかったです……と言ったら偉そうですけど。とても自然にお互いの役として現場にいられたな、と思いました。
大事なのは才能を伸ばせる場所を自分の手で見つけること
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■今回の作品は、さまざまな人たちが才能という言葉に魅了され、振り回されている部分があるのかなと思います。染五郎さんご自身は「才能」という言葉をどのように捉えていらっしゃいますか。
染五郎 やはり生まれ持ったものだと思います。でも才能はあっても、その才能を活かす環境や場面、またそれを引き出してくれる人との出会い。それは、自分の力で手に入れていく部分もあると思います。才能があっても、自分の才能を最大限活かせる環境じゃなければ発揮できないと思いますし。才能をきっちり伸ばせる場所を自分の手で見つけるというのが大事なのかなと思います。
■ご自身の才能についてはどうお考えですか。
染五郎 才能があるかわからないですけども……絵を描くことやデザインをすることなど、自分の発想を形にするのは子供の頃から好きなんです。なので、それを活かして、演じるだけではなくて、舞台の演出や作る側の立場に立ちたい、というのは、子どもの頃から思っていることですね。
魂を揺さぶられながら、そして代々続く精神というものを感じながら毎日舞台に立っている

■最近心を揺り動かされたものやことについて教えてください。
染五郎 今月(※9月に取材を実施)、歌舞伎座に出ているんですけども、それこそ親の子殺しを描く『人間標本』とテーマが共通するような『菅原伝授手習鑑』という作品で。寺子屋の場面があるんです。江戸時代に、当時でいう塾みたいなところです。僕は生徒たちに読み書きを教えている師匠・武部源蔵という役を勤めました。そこにかつての自分の主人の息子の菅秀才をかくまっているのですが、それが敵方にばれてしまって菅秀才の首を打って渡せと言われるんです。でも、そこに菅秀才によく似た子供が入学してきて……源蔵はその子ども見て、「この子を身代わりにしよう」「そうしたら、自分の主人の息子は助かる」と考え、心を鬼にしてその子の首を打って渡すんです。実はその首を受け取りに来た敵方の松王丸が、自分の息子をその寺子屋に入学させて、首を打たせて身代わりにさせることを計画していたという話で……。松王丸は主人にもう嫌気が差していて、元々の主人であった源蔵の主人のところに戻りたいと思っていた。……という芝居なのですが、現代の価値観では片付けられないような話で、親子の別れみたいなものが描かれていて、昔からその芝居が好きなんです。
今回は源蔵で出ていますが、5歳の時にその菅秀才という子どもの役をやったことがあるんです。それが、15年経って、同じ歌舞伎座という場所で、今度は源蔵という菅秀才を守る立場の役をやらせていただいています。代々演じている役でもあって、その精神といいますか、魂というか、そういうものを感じながら毎日やっています。そういう意味では、毎日舞台で、お客様の心を動かさなきゃいけないですけども、自分自身も心を動かされながら、魂を揺さぶられながら、そして代々続く精神というものを感じながら、毎日やっていますね。
■ありがとうございました!

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市川染五郎
2005年3月27日生まれ。
2018年、八代目 市川 染五郎を襲名。
2022年6月、『信康』で歌舞伎座初主演を務める。
主な出演映像作品に、ドラマ「妻は、くノ一」(13)、大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(22)、映画『レジェンド&バタフライ』(23)、劇場版『鬼平犯科帳 血闘』(24)などがある。
また、2026年5月・6月には舞台『ハムレット』でストレートプレイ舞台初出演・初主演を予定している。
Hair&Makeup:桂川あずさ、Stylist:中西ナオ
Photo:Tomohiro Inazawa、Text:ふくだりょうこ
―INFORMATION―
【ドラマ『人間標本』】
Prime Videoにて世界独占配信中(全5話)
出演: 西島秀俊
市川染五郎
伊東蒼
荒木飛羽 山中柔太朗 黒崎煌代 松本怜生 秋谷郁甫
淵上泰史 田中俊介
市川実和子 村田秀亮 河井青葉
村上淳
宮沢りえ
原作:湊かなえ「人間標本」(角川文庫/KADOKAWA刊)
監督:廣木隆一
美術監修・アートディレクター:清川あさみ
主題歌: mono²「愛情」(ソニー・ミュージックレーベルズ)
製作:Amazon MGMスタジオ
作品ページ:https://www.amazon.co.jp/dp/B0FWX9LPYQ
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