【岩田剛典インタビュー】「あるある」が満載?「ご自身と比べながら楽しんでもらえるといいかな」<映画『金髪』>



主人公となるのは中学校教諭の市川(岩田剛典さん)。大変ではあるけれど、平穏な教師生活……と思いきや、ある日、彼のクラスの生徒数十人が髪を金髪に染めて登校してきたのです。生徒たちは校則への抗議だと主張しますが、学校どころかSNSやテレビも巻き込んでの大騒動に……。

初の教師役ながら、ちょっと情けない、自分を客観視できていない‘イタい’市川を演じた岩田さんにインタビューしました。



『金髪』は世代間のあるあるを浮き彫りにした作品



■令和らしい風刺が効いた作品かと思うのですが、脚本を読まれたときの印象を教えてください。

岩田剛典 めちゃくちゃおもしろいと思いましたね。この主人公を演じたいな、と思いましたし、本当におっしゃる通り風刺が効いている内容でもあるんですけど、世代間のあるあるを浮き彫りにした作品でもあるので、共感していただける方がきっと多いだろうな、と思いました。それをシリアスなトーンではなくて、コメディテイストで描いていくんですよね。こういう作品は意外とやったことがなかったかもな、ということで、ぜひご一緒したいな、と思いました。

■演じられた市川の最初の印象はいかがでしたか。

岩田 本当どこにでもよくいる人ですよね。一言でこの人を言い表す言葉が見当たらないんですけど、うーん……。本当に現代人の心の声を代弁するキャラクター像だと思っているので、自分も共感できる部分が多かったです。劇場にいらっしゃった方々は市川目線で物語が進んでいくので、ティーンエージャーの方以外はきっと多分みなさんに共感していただけるんじゃないかな、と思いますね。

■ちなみに、岩田さんはどういったところに共感されたんですか?

岩田 社会人になると、いろんな理不尽と戦わないといけないじゃないですか。今回は脳内ナレーションで呟くキャラクターです。その内容にたぶんみなさんは、多分みなさん共感できるし、笑えると思いますね。

思わず笑いを我慢したシーン



■役作りで意識したところはありますか?

岩田 この作品はもうセリフだけですね。本当にセリフがやばかったです。でも、撮影期間が長くなかったので。1ヶ月ちょっとだったかな。もちろん大変だったんですけど、終わりは来るっていうのはわかっていたので乗り越えられました(笑)。

■特に印象に残っているシーンやセリフはありますか?

岩田 お店の前でたむろしている若者の中に突っ込んでいくシーンはめっちゃおもしろかったですね(笑)。脚本を読んでいてもおもしろかったんですけど、撮影中は本当に笑いを我慢するぐらい意味不明なシーンなので。ああいうのは初めてやりました。本当に「意味不明だな」と思いながらやってましたね。

■現場の雰囲気はいかがでしたか?

岩田 ほんわかしてましたよ。監督がほんわかしているというか、癒し系なのであんまりギスギスした瞬間はなかったし、なんだかんだ毎日巻いて終わっていた気がします。

■監督からのアドバイスだったり、「ここを大切にしてほしい」という要望はありましたか。

岩田 白鳥さんが演じた板緑と市川が学校で「校則がなぜダメなのか」と議論するシーンが4カ所ぐらいあると思うんですけど、そこですね。そのシーンだけは1日リハーサルもしました。あとは、意外と現場で何か言われた記憶があまりなくて。多分、そこが監督的にも力を入れたかったシーンでもあったし、そのシーンが撮れたら、もうほぼこの映画は大丈夫という感じでもあったと思います。

■そのシーンについて、具体的なディレクションはあったんですか?

岩田 テンポ感は言われましたね。セリフの掛け合いなので、ふたりとも早口でもありました。市川はそんなに賢いキャラじゃないのかもしれないけど、板緑はすごく頭の回転が早いので、そこに負けじと言い返す市川のスピード感ということなのかなと思いながらやっていましたね。

あんまりよく映ろうと思わないタイプ



■完成した作品を観ていかがでしたか。

岩田 作品として、すごくおもしろい上がりになったなと思いました。僕は脚本が頭に入っている状態で観ているので少しまた違うと思うんですけど、それでも笑えるシーンがあったので、所見の方はみんな笑う可能性はあるな、と思っています。

■いつもと違う岩田さんの表情が多くあった作品でもあったと思うんですが、ご自身で俺こんな顔するんだとか、そういうのは?

岩田 そういう目線で見たことはないですね。自分はどうでもいいっていうか。あんまりよく映ろうとか思わないタイプなので。

■それはどの作品でもそうなんですか?

岩田 僕、モニターチェックもしないんで。自分がどう映っているかは本当にどうでもいいと思ってるタイプで、芝居がOKって言われることが全てなんです。気に食わなくても何か言うということはありません。

■じゃあ、あとから見て、このときの自分の演技がうまかったな、とかダメだったな、とかそういったのも……。

岩田 確かにそういうのはありますね。この作品でいうと自分の芝居がちゃんとできたと思ってるんで、あんまり気になった部分はなかったかな、と思ってます。

真面目な中学生でした



■今回、中学教諭という役どころでしたが、岩田さんご自身はどんな中学生だったんですか?

岩田 中学生のときはスポーツ、部活動に励んでいましたね。あとは男子校であまり色気づいていなかったので、真面目だったと思います。

■校則は守っていたほうですか?

岩田 守っていましたね。

■学校は厳しかった?

岩田 中学校までは厳しかったですね。ただ、厳しいのは当たり前、守るのが当たり前だと思っていたので、あまりそこに対して反発することはしてなかったですね。

■じゃあ、ちょっと板緑さんの気持ちはわからない?

岩田 当時は分からなかったんじゃないですか。でも今は、本当に板緑が合ってると思います。外見なんてね、って思っちゃいますから。ミックスルーツだったらどうするの? って言われた時に多分誰も言い返せないんじゃない?って思いますし。なんとなく決められたルールの中で生きてるっていうようなこともこの作品は風刺してるんじゃないかな、と思います。

■逆に、これをやっておけばよかった、みたいなことはありますか?

岩田 ほかの中学生がどういう生活してたのかわかんないけど、やっておけばよかったと思うことは特にないですね。自分の人生はこれでいいと思います。

■満足していた、というか。

岩田 スポーツに時間をかけて、そこで仲間と目標に向かって頑張っていたっていうだけでいいんじゃないかな、と。

中学のころ、大人に対しては……



■本作に登場する子どもたちは、少なからず大人にがっかりしている部分もあるのかなと思うんですけど、10代のころに岩田さんが思い描いていた理想の大人像はありますか?

岩田 うーん……いや、そんなに視野は広くなかったですね。当時はまあ大人は全員好きではなかったですね。
その時期の日常生活で関わる大人って親か先生しかいないと思うんです。いろいろ言ってくるから基本、やっぱりうるさいと思うし、あまりいいイメージは大人に対してなかったですよね。

■どの辺りから、大人に対して理想像を持つようになったんですか?

岩田 大学生のときになりますね。高校もあんまり考えてなかった気がするし。

■将来のことを決める段階で。

岩田 そうそう。本当にね、良くないんですけど、就活を始めて、社会人になっていく準備や心構えをいろいろ作っていった感じでした。

■大学生の時にはどういった理想像を思い描いていらっしゃいましたか?

岩田 本当に世間知らずというか、あまり社会のことをわかっていなかったですね。ぼんやり、なんとなく就活して、大手のいい会社に入れば安定した生活が手に入れられるのかなというぐらいでした。意外に夢や大志があったかと言われると、そういう感じで生きていなかったですね。あわよくば好きなもので仕事ができたらいいなとは思っていたけれど、それも現実的じゃないなってどこかで思っていましたし、運良く本当に今があると思います。当時は本当に今も考えていませんでしたね。

■でも当時から考えるとだいぶ理想に近づいてるところは……

岩田 いやいや、理想どころかもう想像もつかないところに来ています。もう全く違う、波乱万丈人生って感じですね。

■この先、こういう歳の重ね方していきたい、という思いはありますか?

岩田 体力と気力があるうちにチャレンジをしたいですね。

まさかの年齢確認!?



■最近、心を揺り動かされたモノやコトはありますか?

岩田 最近ねー……年齢確認されましたね。ご飯屋さんで。めっちゃびっくりしてて。

■そんなことがあり得るんですね!

岩田 あり得るんですよ。海外ですけどね。見えるんだ、と思ってうれしかったです(笑)。

■岩田さんはクリエイティブな活動もたくさんされている中で、心を揺り動かす側かと思うんですけど、そんな中で、普段、軸にされていることがありましたら教えていただきたいです。

岩田 自分を信じることかな。

■なかなか難しいところではありますよね。

岩田 自分を信じるっていうことは、結局、たくさん準備するってことだと思うんです。準備をするということは、そこに対して情熱をかけたり、時間をかけたり、労力を使ったりしているということなので、そういうものが人を感動させることができるんじゃないのかな、と思います。

誰もが一度は大人になるまでに通過する悩み、あるあるを描いた作品



■今回の作品はどういったところに難しさを感じていらっしゃいますか。

岩田 なるべくセリフを言っているようにはしたくなかったんですよね。全部、言葉で説明していく映画でもあるから。あとは少しもどかしいセリフ回しが多いので、それが準備してきた感っていうか、セリフを言ってる感じに思わせたらこの脚本が台無しになってしまうので意識しましたね。

■魅力はどういったところでしょう?

岩田 この作品は世代の話です。誰もが一度は大人になるまでに通過する悩み、あるあるを描いた作品なのでおもしろいと思っていただけたら嬉しいですね。

■最後に、岩田さんが考える市川先生の楽しみに見てほしいところを教えてください。

岩田 今回はどこにでもいる人物を演じましたので、本当にご自身と比べながら楽しんでもらえるといいかなと思っています。

■ありがとうございました!



【Message Movie】
coming soon…





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―PROFILE―




岩田剛典
1989年3月6日生まれ、愛知県出身。
2014年『クローズEXPLODE』で映画デビュー。『植物図鑑 運命の恋、ひろいました』(16)で映画初主演を飾り第41回報知映画賞新人賞、第40回日本アカデミー賞新人賞俳優・話題賞、第26回日本映画批評家大賞新人男優賞を受賞した。2018年には、映画初単独主演作『去年の冬、きみと別れ』などで第31回日刊スポーツ映画大賞・石原裕次郎賞石原裕次郎新人賞を受賞。同年、「崖っぷちホテル!」(18/NTV)でドラマ初主演を務めた。その後も「シャーロック」(19/CX)、『名も無き世界のエンドロール』(21)、『バスカヴィル家の犬 シャーロック劇場版』(22)といった話題作への出演を重ねる。近年では、NHK連続テレビ小説「虎に翼」(24)や「アンチヒーロー」(24/TBS)、「フォレスト」(25/ABC)、『パリピ孔明 THE MOVIE』(25)、「DOCTOR PRICE」(25/NTV)での活躍で知られる。そのほか主な出演作に『AI崩壊』(20)、「金魚妻」(22/Netflix)、『ウェディング・ハイ』(22)、『死刑にいたる病』(22)、「あなたがしてくれなくても」(23/CX)、『赤ずきん、旅の途中で死体と出会う』(23/Netflix)、『聖☆おにいさん THE MOVIE ホーリーメンVS悪魔軍団』(24)など。
アーティスト業においては三代目 J SOUL BROTHERSとして活動しながら、2021年にはソロアーティストとしても歌手デビュー。11月から自身初となるアジアツアーも開催が決定しておりソロアーティストとしても活躍の場を広げている。

[X] @T_IWATA_EX_3JSB
[Instagram] @takanori_iwata_official


【STAFF CREDIT】
Photo:Tamami Yanase、Text:ふくだりょうこ


―INFORMATION―
映画『金髪』
主演:岩田剛典、白鳥玉季、門脇麦、山田真歩、田村健太郎、内田慈
監督・脚本:坂下雄一郎
音楽:世武裕子
配給:クロックワークス
2025年/日本/カラー/アメリカンビスタ/5.1ch/103分/G

[公式サイト] https://kinpatsumovie.com/
[公式X] @kinpatsumovie

©2025「金髪」製作委員会

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