【前田公輝×水沢林太郎】ドラマ『おいしい離婚届けます』インタビュー
2025.12.3
インタビューおいしい離婚届けますテレビドラマ前田公輝水沢林太郎

ヒューマンリーガルドラマ『おいしい離婚届けます』が放送中です。
公私ともにパートナーである弁護士・音喜多初と探偵の伊勢谷海。ふたりが取り組むのは、パートナーの裏切りに苦しむ人のための離婚弁護です。ふたりが依頼人のもとに導く「おいしい離婚」とは?
Emo!miuでは音喜多初を演じる前田公輝さんと、伊勢谷海を演じる水沢林太郎さんにインタビュー!作品への想い、互いの印象についてたっぷりと語っていただきました。
この作品が救いになればいい

■今回の作品についてお2人はどのように捉えていらっしゃいますか。
前田公輝(以下、前田) 救いになればいいな、という思いがベースにあります。その救いになる方々は、「自分が我慢すればまあいっか」「別に波風立てずにこのまま進むことができる」という人たち。そういう人たちって気づかないうちに自分の首を絞めている瞬間ってあると思うんですよ。人生を生きていて、特に家族なんてすごく感謝しているし、親しき仲にも礼儀あり、という言葉があるので、その分だけ伏せてしまう感情ってあると思うんですよね。初と海がいることによって、見ている視聴者の方が自分に対して諦めていたことに対して一歩踏み出す何かきっかけができるのであればとても幸せなことです。表現者としてやらせていただいてよかったな、と思えるかもしれません。
水沢林太郎(以下、水沢) 本当に人に寄り添うことは大切だな、と思いました。すごく浅く聞こえるかもしれないのですが、初さんほど誰かのためを思って自分の時間を犠牲にして寄り添うのは意外とできないことだと思います。お互いに問題を解決しないといけないっていうのは難しいことだったり、とにかく自分と他人に対しての優しさを大切に描いている作品だな、と脚本を読み終わって思いました。実際に演じてみて、優しさと愛のズレで全ての問題が起きていると僕は思うので、そこを正せる人が初さんだったと思います。その生き様が美しく描かれているのがすごく印象的ですね。
ふたりが語る、初と海、それぞれの魅力
![]() |
![]() |
■ご自身が演じる役について、どういった魅力を感じていらっしゃいますか。
前田 自分を犠牲にしすぎる部分はあるんですけど、自分の職種のルールをわかっていながらも、その依頼人だけに集中するってできないことだと思うんですよ。僕だったら仕事なくなりたくないですし。例えば僕で言えば、家族が危険な目に遭っているから主演ドラマの現場を1週間休みますというようなものです。でもそれができるのが音喜多初という人物なんですよね。そして彼のところに来る依頼人というのはギリギリな人が多いんです。本当にキャパシティいっぱいいっぱいになっている人たち。そういう人たちを初は引き寄せているんだと思います。
初のようなエネルギー値は羨ましくもあり、危なっかしくもあり、信頼にもつながります。そういう人が近くにいると日常生活が本当に変わるんだろうな、と思います。
水沢 海は色も変えられるし、いろいろなところにも行けるし、頭もいいし、感覚も鋭い人です。そして本当に優しさにも苦しさにも人一倍敏感。僕も比較的、過敏に反応しやすいからこそ、その苦しさというのはわかったので、そこを大切に描きたいな、という気持ちがありましたね。
■演じる上で意識したポイントはありますか?
前田 海といるとき以外は、外見的な感情は捨てようという意識でやっていましたね。それって俳優としてどうなのか、という感じなんですけど、もしそこに監督がOKを出してくださるのであれば、自分の中でステージが上がれたのかな、と思いました。
初はお姉さんの前でしか心を開くことができませんでした。で、法律によって救われた彼の人生があるんですけど、法律以外で彼が感情を出せたのが海だったんです。海に出会うまでは、紆余曲折があって、すごくそぎ落とされて、人見知りにもなったし。初めましての人に対しても寄り添い合いたいけど、最初に自分の情報を与えたくない。もし情報を与えたら、相手が違う感覚になるかもしれない、そのいろんな可能性を消すことが彼の寂しさでもあるんですけど、むしろ今回はそれが親しみやすさでもあると思っています。
水沢 自然体で居続けようと思いました。海の魅力はきっとそこかな、と思ったので。いろいろな人と会話をして、些細な言葉が励みと助けになればいいな、と。海と水沢林太郎が半々だったかもしれません。常にフラットでいるということは徹底していました。

■お互いのキャラクターの魅力はどういったところだと思いますか。
前田 初はあんなに家ではポンコツで何もできないのに、海は何も言わずに……でも本当にパーソナル的なことに対しては、言うべきことは言っているんですけど。林ちゃんも林ちゃんで20代前半の方ってこれはいろんな考え方があるかもしれないから、この意見は伏せておこうかな、というところがあるかもしれないですけど、林ちゃんはちゃんと自分の表現をするので。それはすごく魅力的だし、そこは海にも乗っている部分なのかな、と思います。
海は共感力が本当に高いので、どんな人生の方がいても、海に相談することによって、少し気持ちが軽くなる存在ではあるんじゃないかな、と思います。
水沢 初さんのことを好きだからこそ、いろいろな場所に行ったときに様々な表情を見られるのがすごく楽しくて。それは水沢としてなのか、海としてなのかはわからないですが。弁護士事務所にいるときの初さんを見るのがすごく好きだったし、一緒に探偵をやっていて、追いかけているときの初さんも、家にいるときの初さんも好きでした。無表情に見えるかもしれないんですけど、すごく表情豊かになっている部分が多いからこそ、そこまで気づいて見てもらえたら嬉しいです。実は情報をとっても発信している人なんです。
「林ちゃんみたいな人が増えたらいいな」!?

■お互いの第一印象と、撮影が進む中で感じた魅力について教えてください。
前田 第一印象は、すごく等身大の方なのかな、と思ったんですよ。特に、ご自身のことを自分で一番わかっているというか……。20代前半って、自分が何者なのかってあまりわかっていないような気がするんですよ。林ちゃんの場合は、それがないんじゃないかな、と思うぐらい。
あとは、会話をしていても、林ちゃんみたいな人が増えたらいいな、と思うようなこともありながら。2人のシーンはすごくやりやすかったですね。
で、お芝居で言うと、リズムが狂わない俳優だな、と思いました。深夜ドラマって本当に時間がないので、すごくタイトなスケジュールで撮るんですけど、その中で日々変わるのももちろん魅力的です。でも、点を追うという作業はすごく大事になっていて。記録さんもいなかったので、それを自分で把握しないといけないというところをこの年齢でできるのはすごく強みだな、と思いましたね。
水沢 いろいろとお話させていただくことはあったのですが、ここまで面と向かって言われたことはなかったので、今、どういう気持ちで話したら喋ればいいかわからないです(笑)。すごく嬉しいです。
■水沢さんみたいな人が増えればいいとおもった、というのはどういう意図なんでしょう?


前田 パーソナルな部分ですかね。考え方が浮き足立っていないんですよ。紆余曲折あって、20代後半とか30代にそうなるのはよくあると思うんですけど、すでにその道が見えていてるような感覚と言いますか……ちょっと言語化が難しいんですけど、とにかく業界で水沢林太郎が増えればいい、という。
水沢 初めて言われました。でもそれだと僕の仕事が減ってしまいます (笑)。
■水沢さんは前田さんに対していかがですか。
水沢 さまざまな役をやられているので、本当に素がわからない人だな、というのが第一印象です。怖い時もあれば、すごく屈託なく笑っているときもあって、本当はどんな人なんだろうな、みたいな。
前田 あ、それは本当に言われる。
水沢 素がわからないってこういうことか、というのを前田さんで初めて体感しました。実際、初めましては本読みの時だったのですが、本当にまっすぐ向き合って、適切な言葉で自分の意見を正しく発言する方だなと感じました。それが間違っていることはほぼないですし。
前田 いやいやいや……。
水沢 仮に前田さんが間違った発言をしたら、潔く謝る方なんじゃないかな、と感じました。初めましてでこの方に頼りたい!とここまで思ったことはなかったです。この先一緒にやっていく上で心強い方だな、と思いました。
実際、現場で初めて役の衣装を着てメイクをちゃんとして向き合ってお芝居をしたときに、本当にやりやすくて。僕が言うのもあれですけど、前田さんは僕のお芝居の延長線上に僕もいると思っています。すごく似ているものを感じるときもあれば、似ているんだけど、どこか違う魅力があるお芝居をされている瞬間も多くあります。そこは1人の俳優として、勉強になることがたくさんありました。実際に現場で誰かのためにがんばる、というのは一番近くで見ていたので、気遣いであったり、感謝の伝え方というのは、僕がなりたい大人の理想像に前田さんが一番近いな、と思いましたね。
前田 ……。
■前田さんのその表情は一体どういう感情で……
前田 いや、詳しく聞きたいと思って(笑)。
水沢 撮影が終わったあとも、これからやる作品であったり、イベントの打ち合わせの時は当時の前田さんの話し方を真似してしまいます。こういう言葉遣いなのかな、とか、こんな話し方かな、このくらいの間合いかな、テンポ感はこのぐらいかななど意識しながら話してみたりしていました。なので、僕はすごく前田さんの喋り方が好きなんです。
初日のシーンで息はぴったり!

■今回、公私ともにパートナーという間柄ですけど、現場でパートナーのごとく息が合ったな、という場面はありますか。
前田 僕は1話の冒頭のシーンですかね。朝、寝ている初を海が無理やり起こす、みたいなそれぐらいのト書きだったんですけど、海が初のことを起こそうとしてくれているときに、なんだか僕は嫌で。起きたくなくて。台本にも言葉にならない言葉を発する、と書いてあってたんですけど、僕が「あああ」って言ったときに、なぜかわからないけど海も「あああ」って言ってるんですよ。なんか、2人で変な競技始まった、みたいな(笑)。あれはなんかすごく波長を感じましたし、そんな台本絶対に書けないんで。監督にも伏線にしていただいているシーンなんですけど、作品の中でもう一回出てくるときがあるんです。あのシーンが初日に撮れたときに、そこからの撮影がめちゃくちゃ楽しみになりました。
で、カットになったあとに爆笑して。林ちゃんが大の字になっている僕に覆い被さっている状態で、ガハガハ笑ってるんです。何してんだ、何のシーンだっけ、あれこんなコメディだっけ、みたいな。でも、そういう部分も今回の話は大事なんですよね。弁護という少し堅いところ、締めなきゃいけないところとの緩急でいうと、初速はすごくよかったんじゃないかということは印象に残っていますね。
水沢 初が起き上がるものだと思っていたら、想定と違って(笑)。
前田 俺も俺も俺も。
水沢 監督にも引っ張ったら起きるからって言われていて。そんな人形みたいな扱いでいいのか、と思いながら引っ張ったら、岩ぐらい動かないんです(笑)。
前田 ははは!
水沢 全体重をベッドに預けていて、初さんは体だけが横にズレているから、僕が踏ん張る力がどんどん強くなって声が出ちゃうんですよ。そしたら、どんどん右の腿裏が攣り出して、本番中に「攣ったー!」って叫んでました(笑)。で、もう倒れ込むしかないから、爆笑して……本当に何やってるんですかね。
前田 その覆いかぶさって笑いあっているのがなんか良かったんだよね。
水沢 僕もあのシーンはとても同じぐらい印象に残っています。
前田 そうなんだよね。出会って2日でそれがおもしろいとか楽しい、って思えたのは大きかったな、と思いました。
![]() |
![]() |
■水沢さんはほかの場面で息が合ったな、と感じたシーンはありましたか?
水沢 わりとアドリブが多かったのですが、杏奈ちゃん(増田梨沙ちゃん)を含めて、3人のアドリブの時間っていうのは、すごく楽しかったですね。やりすぎて長いって言われました(笑)。
前田 まあ監督も止めなかったから。
水沢 全然止まらないから、話し続けるしかなかったんです。そういうシーンは毎話あるんですよね。本当に楽しかったです。
ベースは「ゴミ出しの日」
![]() |
![]() |
■作中で初と海は生活を共にしていますが、おふたりが生活の中で大切にされていることを教えてください!
前田 僕は、本当によく水を飲むので、それが例えば、生活空間の中でなくなるとしたら、だいぶしんどいですね。多分、通常よりよく飲むんですよ。その分の水が確保できていないと、ちょっと調子悪くなるかもしれないですね。
■硬水、軟水とかそういうところでのこだわりもあるんですか?
前田 軟水です。まあ、有名な温泉水99なんですけど。本当によく飲んでいます。昔からのことで、家族の教育ですよね。
水沢 僕はゴミの日をベースにして生活している気がします。ゴミの日を忘れない。それで、ゴミの量とかを考えるし、ごはんを食べるときも家にするか外食にするかどうかも変わってきます。だって、この仕事上、一日でも逃したら……。
前田 来週になっちゃうもんね。
水沢 それって結構しんどいので、意地でも捨てるようにゴミの日をベースにしています。
最近、心を揺り動かされたできごとは?

■最後に、最近心を揺り動かされたモノやコトを教えてください。
前田 今、僕らが中学高校ぐらいの時に流行っていた歌、それこそオレンジレンジとかがリバイバルして令和バージョンで『イケナイ太陽』を出したりとか、ああいうのはもうエモでしかないのかなって思って。そこから、当時よく聴いていたYUKIとかYUIとか、チャットモンチーとか女性アーティストの楽曲もよく聴いています。
最終的には、SOUL’d OUTの『ウェカピポ』をこの間、インスタのフィード投稿のBGMにしていましたね。
水沢 夜、花火をしたのは、個人的にはよかったな、と。
前田 お~。
水沢 お仕事でもありつつ、自分たちがやりたいことができました。それをフィルムカメラで撮ったりしていました。それがすごくおしゃれに撮れていたし、今のエモいという表現の中に含まれるようなテイストの写真になっていたりするんじゃないかな、と思います。
■たくさんのお話をありがとうございました!
\前田公輝×水沢林太郎 インタビュー記念/
直筆サイン入りチェキを
Emo!miu読者<2名様>に豪華プレゼント♡
応募締切:2026年1月3日(土)
<応募条件>
Emo!miu公式X(@emo_miu)をフォロー&応募用投稿をRT!
OR
Emo!miu公式Instagram(@emomiu.jp)をフォロー&応募用投稿をいいね!
※X&Instagram両方からの応募もOK!!
[X応募方法]
① Emo!miu公式X(@emo_miu)をフォローする。
@emo_miu をフォローする
② プレゼント投稿をRPする。
プレゼント投稿をRPする
③ インタビュー投稿をRPする。
インタビュー投稿をRPする
[Instagram応募方法]
① Emo!miu公式Instagram(@emomiu.jp)をフォローする。
@emomiu.jp をフォローする
②応募用投稿をいいねする。
インタビュー投稿をいいねする

前田公輝
1991年4月3日生まれ。神奈川県出身。
主な出演作品には、映画「HiGH&LOW THE MOVIE」(2016、7)、NTV「今からあなたを脅迫します」(2017)、NTV・YTV「探偵が早すぎる」(2018)、KTV「転職の魔王様」(2023)、NHK「大奥2」(2023)、NTV「セクシー田中さん」(2023)などがあり、日本テレビ「私をもらって」(2024)、2025年日テレ7月期「完全不倫-隠す美学、暴く覚悟-」にて主演を務める。また11月には映画『正体』への出演も決まっている。
[X] @maeda_gouki
[Instagram] @maeda.gouki
水沢林太郎
2003年2月5日生まれ。埼玉県出身。
2017年デビュー。メンズノンノ専属モデル。
主な出演ドラマに、「17.3 about a sex」(2020)、「恋に無駄口」(2022)、「スタンドUPスタート」(2023)、「マイ・セカンド・アオハル」(2023)、「ビリオン×スクール」(2024)、大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」(2025)「なんで私が神説教」(2025)、映画「この夏の星を見る」(2025)などがある。
[Instagram]@rintaro_mizusawa_official
【STAFF CREDIT】
Photo:Tomohiro Inazawa、Text:ふくだりょうこ
―Information―
【ドラマ『おいしい離婚届けます』】
放送開始日:2025年10月1日(水)スタート
時間:水曜プラチナイト・毎週水曜24:24~
放送:中京テレビ・日本テレビ系全国ネット(日本テレビ系28局+TOS・UMK30局ネット)
主演:前田公輝、水沢林太郎
出演:増田梨沙
監督:桑島憲司
脚本:今西祐子、伊藤竜也
チーフプロデューサー:栗田美和
プロデューサー:田中勇也、堀尾星矢、林弘幸
企画制作:CTV MID ENJIN、ハピネットファントム・スタジオ
制作プロダクション:UNITED PRODUCTIONS
製作著作:中京テレビ
<ストーリー>
公私共にパートナーの弁護士・音喜多初と探偵・伊勢谷海。
法的に結ばれることが叶わない彼らは、パートナーの裏切りに苦しむ人のため、離婚弁護を請け負う。
戦うは…好感度の裏で後輩女子アナを次々と襲う“下劣な有名司会者”、
同性の恋人を裏切り、なぜが異性との結婚を選んだ“気まぐれ女”など曲者ばかり。
そしてついには、“死者からの離婚依頼”が…。
二人が導く「おいしい離婚」とは?
「あなたは本当に好きな人と一緒にいますか?」
法では結ばれない2人が問いかけるヒューマンリーガルドラマ。
[HP] https://www.ctv.co.jp/oishii-rikon/
[X] @ctv_dorama
[Instagram] @ctv_dorama
©中京テレビ






































