【豊田裕大インタビュー】生きている上で執着したくない、でも食には?「食べたいものばっかりです(笑)」<映画『火喰鳥を、喰う』>



10月3日公開の映画『火喰鳥を、喰う』。

信州のとある村に暮らす久喜雄司(水上恒司さん)と夕里子(山下美月さん)夫婦。そんなふたりのもとに、ある日一冊の日記が届きます。それは太平洋戦争末期に戦死したとされる雄司の大伯父・久喜貞市の遺品でした。日記に記されたのは生への執着と、最後のページには「ヒクイドリ、クイタイ」の言葉が……。それから雄司たちの周りでは不可解な出来事が起こり始めます。

今回は、夕里子の弟・亮を演じた豊田裕大さんにインタビュー! 不思議な世界観の作品にどのように取り組んだのかお話を伺いました。



作品と自分がリンクしている部分があった



■原作や脚本を読まれたときの印象を教えてください。

豊田裕大 「ホラー苦手なんだよなあ」と思いながら最初は読んだんですけど(笑)、1回目は複雑でどういうことなんだろう? という感想を抱きました。何回も読んでいくうちにいろんな解釈がある、どんどん理解が深まっていく読み応えがある本だな、と思いました。

■理解が深まっていく中で、どういったところにおもしろさを感じられたのでしょう?

豊田 この作品で出てくる「執着」の話とか世界線の話って、現実世界では起こりえないような話だと思うんですけど、僕自身は執着というか、強く念じることで自分に暗示をかけている部分があるので、そことリンクしているのもおもしろいですし、もしかしたら別世界ってあるのかな、と思いながら読んでいったので、そういう点でもおもしろかったですね。



■戦時中のギリギリの極限状態の中で火喰い鳥を見るという人の心理も描かれていますが、その点についてはどのように感じられましたか。

豊田 きれいごとじゃないところが描かれているのが僕自身はすごく好きなので、そこは観ていて気持ちいいというか。
でも、僕の祖父が満州の戦争に行っていて、その話を聞いたときに、日本に戻るときにいろんなものを奪われて、人も殺されて……という状況を経験している話を聞いたこ
があって。改めて、戦争というものが起こらないといいな、とは思いましたね。

■おじい様からお話を聞いたのは子どものころに?

豊田 大人になって戦争映画を観たときにたまたま「どうだったの?」と聞いたんですけど、涙を流しながら話してくれたんです。おじいちゃんが泣くことなんてなかったので……。

「どんどん人間味が出てしまった」



■今作で演じられた亮はどのような人物ととらえていらっしゃいますか?

豊田 物語をまた別の形で導いていく役というか。観ている人と同じ立場に立てる役でもありますし、物語の中で、別の鍵を握っている人物だな、という印象を受けています。なので、ちょっと冗談を言ったり、懐に入るのがうまかったり、軽薄に見られるんですけど、そうではないように作っていきました。

■演じていて、難しいな、と感じた部分はどういったところでしょう?

豊田 僕の最後のシーンが、現実にいるのかいないのか……少し人間を逸脱したような存在だな、と読んでいて思って。それが表現できればいいな、と思ったんですけど、思いを伝えていくうちに、どんどん人間味が出てしまったんですよね。少し声も強くなったし。でも、メイクもしていましたし、そのメイクと併せて、雰囲気が出ればいいかな、と思いました。

■逆におもしろかった点は?

豊田 末っ子なんですけど、役を通して自分の体験が重なるときって意外とすんなり役に入れるときがあるな、と思って。そこは楽しかったですね。

遊び心やワクワク、感動は忘れていない人になりたい



■今回の作品はいろんなタイプの役者の方がいらっしゃったかと思います。刺激になったな、ということはありますか。

豊田 みなさん刺激になりましたね。役者を始めてからずっとそうなんですけど、毎回違う人に会って、今回も同い年のふたりが主演だったりとか、ほかの作品で観ていた森田望智さんだったり、マルチに活躍されている宮舘涼太さんとか。 みなさんの濃いパワーに自分も乗っていくぞ、というところは思っていましたね。

■今回、山下美月さんとは久しぶりの共演だったと思うんですけど、何かお話されたことはありますか?

豊田 前回ご一緒したときより目に見えて大人っぽくなっているというか。同い年なんですけど、以前と全く違って見えたんですよね。そんな話は多分したと思います。すごくいい歳の重ね方をしているんですね、って。



■同い年で姉弟役というのも印象的かな、と思ったんですけど、そこはどういった感じで作ろうだとか、お話はされたんですか?

豊田 向こうがドシッと構えてくれていたので、そこに飛び込めば完成する感じになっていましたね。水上さんと山下さんは先にインしていたので。

■年の重ね方というお話がありましたが、豊田さんご自身は理想としている年の重ね方はありますか?

豊田 こういう仕事をしてるからかわかんないですけど、すごくフレッシュな年上の方に出会うことが多くて。自分もそうなりたいなって思いますね。いい意味で礼節はわきまえているけど、遊び心やワクワク、感動は忘れていない人にはなりたいですね。

気がついた食のこだわり




■「執着」が作品のキーワードのひとつだったかと思うんですが、この作品を通して、執着について考えたこと、思ったことはありますか?

豊田 あんまり意識してなかったんですけど、生きている上で執着したくないな、と思っていて。それはこう……後悔を残したくないみたいなことと一緒なんですよね。できる限りのことを尽くしていきたいな、と改めて思いましたし、思いの強さみたいなところというのは、自分の背中を押してくれるようなところもあるものなんだなって再確認しました。今回の作品は観方によってはバッドエンドにも見えますけど。

■人はどうしても執着してしまいがちなところがあるかと思うんですが、ご自身なりに手放すコツはあるのでしょうか。

豊田 自分で決めてしまうこと、ですね。この先行ったらヤバそうだなって思っても、行く人生と行かない人生があるなら、行った人生の方が納得するな、と思うのであればそれを選ぶという感じですかね。



■そんな中で執着してでも欲しいものだったり、手に入れたいと思った経験はありますか?

豊田 あります、あります。そういうものばっかりな気はしますけど、最近で言うとやっぱり食ですかね。食べたいものばかりで(笑)。
仕事では、いいな、と思っていた小説が映画化されていたりすると、「そっかあ」とは思います。でも、仕事も、生きていく上でも、自分の力じゃどうにもできないところもあるものじゃないですか。だから執着はありますけど、次だよな、って思っています。

■食についてのお話も出ましたが、食のこだわりはありますか?

豊田 できるだけ自然なものを食べるということですね。あとは味噌汁を飲もうとか、水をたくさん飲もう、フルーツ食べようとか。できるだけ人の手がかかりすぎてないもの、無添加のものとか、そういうものを摂りたいなと思いますね。

■そう思うようになったのは何かきっかけがあったんですか?

豊田 好きだな、って気がついたんですよね。もちろん、ジャンクなものも好きなんですけど、口に入れるものはやっぱりナチュラルなものがいいな、と思っています。




■ちなみに最近ハマッている食べ物はありますか?

豊田 蕎麦とか……あとはオクラとか。最近、大葉とミョウガをよく食べますね。大葉とミョウガを切って納豆に入れて、それを海苔で巻いて食べるとか。

■おいしそう!

豊田 おいしいです、ぜひ!

■料理もされるんですか?

豊田 料理っていうほどじゃないんですけどね。本当に簡単にできるしゃぶしゃぶとかはします。
先輩に中村倫也さんがいらっしゃるんですけど、事務所の企画で勝負に僕が勝ったので、ジェノベーゼパスタを作ってくださって。それはちょっと難易度が高いなと思いましたね。めちゃくちゃおいしかったです。ジェノベーゼパスタって人生で数えるぐらいしか食べたことなかったんですけど、これからも食べたいなと思いました。

銭湯での心が動いたできごと



■最近、心を揺り動かされたモノやコトはありますか。

豊田 最近、銭湯に行ったんですけど、そこの銭湯が47℃ぐらいでお湯がすごく熱いんですよ。入る時も、番台さんに「うちは熱いから気をつけてください」って言われて鍵をもらったんですけど、いざ入ったら本当に熱すぎて入れない。どうしようと思っていたら、常連のおじちゃんたちが「本当はダメだけど水出していいから」とか「意外と入っちゃえば大丈夫だから我慢すればいいんだよ」とか「俺はちっちゃい頃から来てるから慣れっこなんだよ」って言ってくれて。ああ、なんかあったかいなって思って心が動きましたね。

■結構そういう場でナチュラルに溶け込めるタイプなんですね。

豊田 はい、もう仲良く。「気持ちいいですね」なんて言いながら入っていました。

■最後に作品の推しポイントを教えてください!

豊田 いろんな解釈ができる映画だと思いますし、いろんな角度で観られる映画だと思うので、ぜひそこを楽しんでいただければ嬉しいです。

■ありがとうございました!





【Movie】
coming soon…




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―PROFILE―



豊田 裕大
1999年4月10日生まれ。神奈川県出身。
2019年「メンズノンノ・モデルオーディション」において、ラボシリーズ賞を受賞し、専属モデルとなる。
2021年テレビ東京系ドラマプレミア23『じゃない方の彼女』で俳優デビュー。2022年には映画『レッドブリッジ / レッドブリッジ ビギニング』にて映画初出演・主演を務める。
そのほか主な出演ドラマに、「妖怪シェアハウス-帰ってきたん怪-」(2022)、「推しが武道館いってくれたら死ぬ」(2022)、「正しい恋の始めかた」(2023)、「沼る。港区女子高生」(2023)、「それってパクリじゃないですか?」(2023)、「最高の生徒〜余命1年のラストダンス〜」(2023)、「高額当選しちゃいました」(2024)、「コスメティック・プレイラバー」(ダブル主演/2024)、「御上先生」(2025)、「DOPE 麻薬取締部特捜課」(2025)などがある。また、2025年10月18日よりドラマ「そこから先は地獄」への出演や、来年1月にはドラマ「コスメティック・プレイラバー」(ダブル主演)のSeason2の放送が決定している。

[Instagram]@yudai_toyoda_official


【STAFF CREDIT】
Photo:須田卓馬、Text:ふくだりょうこ


―INFORMATION―
映画『火喰鳥を、喰う』
大ヒット公開中!
出演:水上恒司、山下美月
森田望智、吉澤健、カトウシンスケ、豊田裕大
佐伯日菜子、足立正生、小野塚勇人 / 麻生祐未
宮舘涼太(Snow Man)
監督:本木克英
脚本:林民夫
原作:原浩「火喰鳥を、喰う」(角川ホラー文庫刊)
配給:KADOKAWA、ギャガ
企画・制作:フラミンゴ
制作協力:アークエンタテインメント

[HP] https://gaga.ne.jp/hikuidori/

©2025「火喰鳥を、喰う」製作委員会

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