【佐藤新(IMP.)インタビュー】水泳、筋肉、金髪……準備万端で挑んだ撮影「すごくやりがいのある役だなって思いました」<映画『青春ゲシュタルト崩壊』>



他者からの目線を気にしすぎたり、キャラクター化された自分を演じ続けているうちに「自分を見失ってしまい、顔が認識できなくなる」青年期失顔症。

映画『青春ゲシュタルト崩壊』はそんな青年期失顔症を発症した女子高生・間宮朝葉(渡邉美穂さん)と、朝葉の異変に気がつき、彼女に寄り添う佐藤新くん演じる朝比奈聖の物語です。
悩み俯く中で、やがて自分と向き合い、前に進め始める青春ストーリーとなっています。

今回は佐藤さんに作品についてたっぷりとお聞きしたほか、グループのこと、この夏チャレンジしてみたいことについてお聞きしました!



金髪に感じる「縁」



■プロデューサーさんが原作を読まれて、朝比奈聖に佐藤くんがぴったりだと思ってオファーされたとのこと。オファーされたときのお気持ちを教えていただけますか?

佐藤新 演じる役が金髪だったということもご縁を感じました。「佐藤新」という名前をたくさんの人に知ってもらったときも俳優のお仕事で、その役も金髪だったので。
それに、ぴったりだと言ってくださって仕事が決まるのは本当に嬉しいことだな、と思います。プロデューサーさんもIMP.のことを気にかけてくださって、すごくありがたいです。

■青春も感じられると同時に、考えさせられる部分も多いお話かといます。原作や脚本を読まれたときの印象はいかがでしたか?

佐藤 原作を読んだときはめちゃくちゃ刺さりました。こんなにリアルな物語、久しぶりに読んだな、って。
あとは、台本が出来上がって読んでみると、原作の聖とは絶妙に話し方が違うんですよね。原作はわりと悪ガキなんですけど、台本の聖はニュアンスに優しさがにじみ出ているというか。いい意味でナチュラルな、リアルな世界観に沿った聖になっていました。これはこれで聖だな、って。
なので、原作らしい不器用な優しさとか、悪ガキっぽさも出しつつ、映画での朝比奈聖を作っていこう、という意識はずっと持っていました。原作を知っている方に納得していただけるお芝居ができたらいいな、と思っているんですけど、こればかりは公開されてみないと分からないので。今の時点ではすごくソワソワしています。

演じた聖は「中身はもう俺じゃん」



■プロデューサーの方からぴったりだ、というお話がありましたが、ご自身でぴったりだな、と思った部分はありますか?

佐藤 中身はもう僕じゃん、と思う部分はわりとありました。聖は芯が強いわりには友だち関係で私生活に支障をきたすぐらい悩んじゃって、それがきっかけで金髪にしちゃってるし。芯が強いんだか弱いんだか、繊細なんだか強いんだか、みたいな不安定さは過去の自分と似ている部分はあるな、と思います。それこそ、高校時代の僕と重なる部分があるので、すんなりと入ってきましたね。過去に人間関係で悩んだり怒ったり、泣いたりしたことも思い出しながら演じました。

■自己分析もすごくしっかりされているんですね。

佐藤 お芝居はちょこちょこやらせていただいていたんですけど、ここまで長尺で、W主演として本格的にお芝居するのは初めてだったので。やっぱり経験不足なところもあったし、少しでも自分なりにプロファイリングして、ひとつでも多く設定を自分で考えて臨むようにはしていました。もうそこでがんばるしか、その時の自分にはなかったので必死でしたね。渡邉さんもすごくいいお芝居をする方なので。

■今回、渡邉さんとW主演です。だからこそ、現場で意識されたことはありましたか。

佐藤 正直、目の前のことにいっぱいいっぱいで……渡邉さんのお芝居に応えようとすることにも精一杯でした。うまく渡邉さんの隣に並ばないと、と思って、お芝居のことばかりになっちゃって……。座長らしいことは多分できていないです。

渡邉さんは座長経験もあって、僕より余裕があって、広い視野で周りを見ていたし、現場の雰囲気も明るくしてくださって。W主演だったからこそ、救われたところはあったかもしれません。

お芝居に関してもずっと引っ張られっぱなしだったとは思うんですけど、その時の自分の精一杯は間違いなく出せたと思っているし、悔いはありません。

高校時代は一匹狼だった?



■ご自身の経験が生きた部分があるかと思うんですが、どんな学生時代を過ごされていたんですか?

佐藤 中学のときは部活に入っていたんですけど、人間関係に悩んで辞めてやる!と思うようなことはありました。一生懸命やっているのに誤解されたり……。もちろん自分にも非はあったと思うんですけど、人間関係がちょっとねじれちゃったりして悩んでいましたし、本当に苦しくなった時もありました。でも、今はそれも含めて青春だったなって思います。当時の友達とも「そんな時期もあったよね」って話せるぐらいにはなっていますし。

高校はどこのグループにも属していなかったので、わりと一匹狼でしたね。でも、それをおもしろがって寄ってきてくれる友だちもいて、その子とは仲が良かったです。それはそれでグループだったのかな、と思いますけど、ひとりが多かったですね。
で、聖もめちゃくちゃ浮いてるんですよ。クラスメイトと話している描写が一切ありませんから(笑)。そういうところでも自分と重なったから、余計に朝比奈聖はスッと入ってきたかな、と思います。

■ちなみに中学は何の部活をされていたんですか?

佐藤 剣道部でした。小学校6年間、中学で3年間やっていました。

みんな高いところを目指してがんばっていたからこそ、ぶつかるところもたくさんあったんだと思います。だから朝葉と同じような悩み抱えたりしていましたし、共感できる部分は多くありました。



■作中では水泳部でしたが、何か準備されたことはありますか?

佐藤 泳法は全部スイミングスクールで習っていたので。水泳は親に絶対にやりなさい、って言われていたので、とりあえずバタフライまではクリアして、「よし、君、選手にならないか?」と誘われて断りました(笑)。

■今回、体も鍛えられたんですか?

佐藤 本当に痩せていたので鍛えました。
メンバーの椿くんが筋トレに詳しいので、いろいろ聞きながら。できることはできたと思いますし、泳ぎ方も選手らしく見える角度をプロの方に教えていただいて。
水泳もやったし、金髪にしたし、筋トレもしたし…ひとつの役に対して、こんないろんな役作りしたの初めてだったんで、すごくやりがいのある役だなって思いました。

「リーダーがめっちゃかわいいんです」



■椿くんのお名前も出ましたが、IMP.のメンバーのみなさんと演技のお話をされるんですか?

佐藤 お芝居の話はしないですね。例えば、「現場のスタッフさんと仲良くやってる?」とか「あの台本来た? どんな感じ?」とか。

リーダー(影山拓也)はめっちゃかわいくて。自分の作品をメンバーに観られるのってちょっと恥ずかしいじゃないですか。家族に見られるのと同じ感覚というか。でもリーダーは逆なんです。「ねえ、見た?見た?」というスタンス。頭の上に「褒めて!褒めて!」っていう文字が見えそうです(笑)。でも実際にすごく良くて「めちゃくちゃよかったよ!」って。

■お互いの活動を見て刺激にもなっている?

佐藤 刺激しかないですね。やっぱりいい芝居しているほど焦りますね。

■焦るんですね。

佐藤 焦る焦る! 奏も映画『遺書、公開。』で数々の俳優さんの中で、負けないお芝居をしていて、スクリーンにも馴染んでいて焦りましたし。メンバーのお芝居が良ければ良いほど、自分もがんばらないとな、って思います。

後輩の存在に心を動かされた



■最近、心を揺り動かされたモノやコトはありますか?

佐藤 事務所の後輩のCLASS SEVENが今年デビューするんですけど、あの子たちのキラキラしたパフォーマンスを見て心が動きましたね。キラキラした正統派を任せてもらえるって、事務所から期待されている証拠だと思いますし、僕も正統派な路線は大好きだし、グループとしていいな、と思いました。

それに、あの年から経験値を重ねていけることは、彼らの大きな武器になってくるので、僕も負けられない、と気持ちが大きく動かされましたし、僕だけじゃなくてIMP.の7人も気持ちが引き締まる瞬間だったかな、と。

■後輩の存在も、刺激になったんですね。

佐藤 そうですね。僕たちも滝沢さんの舞台に出させてもらって、先輩にかわいがっていただいたので、僕も先輩方にしていただいたように、指導できるところは指導して、褒めるところはたくさん褒めたいし、僕に助けられることがあれば、なんか何でもしてあげたいですね。先輩にしてもらった分、CLASS SEVENちゃんにも何か返してあげたいなって思っています。

どんな自分も受け入れてあげることは自分らしさにつながる



■作中では、「自分らしさ」というのも大切なポイントかと思います。佐藤くん自身は、自分らしさはどういったところだと思いますか?

佐藤 自分に素直でいることですかね。言いたいことがあれば言うし、朝葉のように周りに合わせなきゃいけないときは合わせるし。自分の意見を言うことだけが自分らしさじゃないと思うんです。周りの意見に合わせることもそれはそれで自分らしさだし。
失敗したことに対しても自分を卑下しすぎず、どんな自分も受け入れてあげることは自分らしさにつながるのかな。それこそ『青春ゲシュタルト崩壊』の撮影が終わってから意識し始めていることかもしれません。

■逆に自分らしさを見失ったこともあったんですか?

佐藤 僕がグループのセンターに立たせていただいたとき、滝沢さんが初めてプロデュースするアーティストということで、そういう看板を意識しすぎてしまったんです。それで自分がステージを楽しむことを見失ったりして。それこそ本当に自分って何なんだろう? という状態に陥った時もありました。

でも、今はこの仕事の尊さを本当に理解しているから、そんなことを考えている暇ってないよな、って。結局、いつ何が起こるかわかんないし、生きているうちに何回ステージに立ってキラキラできるか分かりませんから。そのうちの1回をネガティブな気持ちで消化してしまうのはもったいない。キラキラした時間を精一杯、僕もステージに負けないぐらいキラキラ輝くことに没頭するようになってからは、少しずつ乗り越えられるようになったな、と思います。

この夏は食べたいスイカがある!?



■映画が初夏公開ということで、この夏、チャレンジしたいことを教えてください!

佐藤 マツコデラックスさんが番組で紹介されていたブランド物のスイカがすっごくおいしそうで。これは絶対に一玉食ってやるぞ!と思ってサイトを調べたんですよ。そうしたらマツコさんが紹介していたブランドは全部品切れで。

■影響力がすごいですね。

佐藤 やばいですよね。今年こそは、ってサイトを見てもまた品切れになっていて、もういつになったら食べれるの? という気持ちです。でも今年こそはサイトにビタッ!とくっついて、入荷した瞬間にカートに入れてスパーン!と購入ボタンを押そうと思っています。この夏はマツコさんが経験したあの味にたどり着けるように、精進したいと思います!

「どんな自分もそれはそれであなたで素敵なんだよ」というメッセージは伝えたい



■購入できますように!
最後、今作に佐藤くんが込めた想いについてお聞かせください。


佐藤 聖が「今ここにいるのが間宮朝葉なんだから」って朝葉に言うシーンがあるんですけど、「どんな自分もそれはそれであなたで素敵なんだよ」というメッセージは伝えたいですね。

朝葉みたいに周りに合わせすぎてストレスが溜まってしまう子もいるけど、周りに合わせられるってめちゃくちゃ素晴らしいことで、それはそれで「私」なんですよね。周りに合わせているからって、「私らしくいられない」「私って弱い人間だ」と卑下する必要は全くないんだな、と思いました。聖は自分の意見がしっかりあって人に助言ができるのも聖にしかない魅力だと思うし。

だから、どんな自分も素敵なんだよ、って。どんな選択をしても、それは選択であって、逃げじゃないし、もっと楽観的に自分のことを見て、愛していただけたらいいな。そんなヒントになる作品になっていたらいいな、と思います。

■たくさんのお話をありがとうございました!



【Message Movie】
coming soon…





―PROFILE―




佐藤新(IMP.)

2000年9月1日生まれ。東京都出身。
7人組男性グループIMP.のメンバーとして、2023年8月「CRUISIN’」で世界同時配信デビュー。IMP.のメンバー全員が地方局でレギュラー番組を持ち、佐藤は北海道放送「今日ドキッ!」で「ベタな旅人トラベター」に出演中。個人では映画『春の香り』に出演するなど、グループ、ソロで幅広く活躍中。
6月23日には、4thシングル「Cheek to Cheek」をリリース。

[Instagram] @_7mp_official_
[X] @_7mp_official_
[TikTok] @tobeofficial_jp


―INFORMATION―
映画『青春ゲシュタルト崩壊』
公開日:2025年6月13日(金)公開
出演:佐藤新(IMP.)、渡邉美穂、 田辺桃子、新井美羽、水橋研二、濱田龍臣、藤本洸大、河村ここあ、福室莉音、愛来、戸田菜穂、瀬戸朝香
原作:丸井とまと「青春ゲシュタルト崩壊」(スターツ出版刊)
主題歌:「青空」マルシィ(UNIVERSAL SIGMA)
脚本:三浦希紗
音楽:牧戸太郎
監督:鯨岡弘識
企画・プロデュース:横山祐子
プロデューサー:伊藤聖
配給:NAKACHIKA PICTURES
制作プロダクション:AX-ON

[Instagram] @seishun_gestalt
[X] @seishun_gestalt
[HP] https://seishun-gestalt.jp/

Ⓒ映画「青春ゲシュタルト崩壊」製作委員会

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