萩原利久さんが約2年ぶりにEmo!miuに登場！

ジャルジャルの福徳秀介さんの恋愛小説『今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は』を映画化。

冴えない毎日を送る小西徹（萩原さん）。しかし、ある日の授業終わりに見かけたお団子頭の桜田花（河合優実さん）に心を奪われます。

思い切って桜田に声をかけた小西。急速に距離を縮め、意気投合するふたりでしたが、ある衝撃的な出来事がその運命を変えていくことに……。

今回、萩原さんに作品の魅力についてたっぷりと語っていただいたほか、制作秘話もお聞きしました。

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自身が演じた`小西‘は今っぽいと言えば今っぽい

■脚本を読まれたときの印象はいかがでしたか？

萩原利久　現場に向かっていく前提で読んではいたので、おもしろさと同じように、演じる上での難しさは感じていた気はします。

■ご自身が演じる小西の第一印象はいかがでしたか？

萩原　ある意味、今っぽいと言えば今っぽい気がします。彼が抱く気持ち自体も別におかしなものではないというか。大人になる過程でわりと誰しもがどこかで経験しているものなのかな、と思います。なので、第一印象でいうと、20歳手前らしい男の子だな、と思いました。

■だからきっと、どの年代の方が観ても少なからず共感する部分がありそうですね。

萩原　やっばり通ってきた感情だったりするのかなあ、とは思います。10代のころは特に周りが気になりますよね。思春期を過ぎたあたりから、大なり小なり誰しもが持ち始めるものかな、と。全く周りの目を気にしたことがないという人のほうが少ないかな、と思いますね。そういう意味で、いろんな人が観て共感だったり、懐かしさだったり、いろんなものを感じるのかな、と思います。

河合優実さんの`桜田‘に助けられた

■萩原さんご自身は、出来上がった作品を見られていかかですか？

萩原　正直、自分が出演している作品を観るのがすごく苦手なんです。客観的な感想というのはまだあまり持てていないんですけど、現場で感じていた大学の雰囲気だったり、河合さんとのお芝居の中での空気だったり、そういうものは画面を通じて思い出しましたね。そのときに感じていたものが、画面を通してしっかり届いているのかな、という印象があります。
自分自身の客観的な感想はこれからなので、わりと観た方の感想が早く知りたいですね。



■終盤の河合さんとのお芝居には圧倒されるものがあります。共演されていかがでしたか？

萩原　すごく素敵な方でした。いろんなものを河合さんに担ってもらいながら、現場は進んでいた気がします。お芝居をする上で、良くも悪くも小西と桜田の関係って、桜田の言葉だったり、いろんなものを受けて、感じて、小西は次の言動の理由ができたりするんですよね。河合さんの演じる桜田の言葉を聞き続けなきゃいけなかったので、そういう意味で僕の中では全く心配はありませんでした。河合さんのお芝居、河合さんが出されるものを純粋に受けて追いかける、という作業が極めて大事で、そこにやりづらさはなかったですね。本当に、河合さんの桜田にすごく助けられた部分がたくさんあったと思います。



■小西と桜田は短い期間でギュッと距離が縮まる役どころですが、河合さんとは何かそういったお話はされましたか？

萩原　具体的に何かしよう、という話はほぼしていません。本当に、お芝居の中でキャッチしながらやっていたのかな、と思います。
カメラが回っていないところではずっと雑談していました。ごはんの話とか、日常会話に近いものばかりしていたがゆえに今、振り返っても全然思い出せません。

でも河合さんはすごくフラットな方で。ある種、理想的な現場の居方でした。あれぐらいオンオフの状態をちゃんとキープできて……カッコいいです。すごく素敵でした。

犬のさくらがトレーナーさんを好きすぎて……！？

■共演と言えば、犬のサクラとのシーンも多かったですね。共演はいかがでしたか？

萩原　楽しそうに見えていたならよかったです。

■大変でした？

萩原　サクラに求められるお芝居が多かったので、狙ったとおりにお芝居をするのは非常に難しかったです。いろんな試行錯誤のもと、がんばってくれたと思います。でも、「楽しかった！」の一言でまとめられるほど簡単ではなかったです。

■サクラがわりと自由に走り出したり、というシーンもありましたもんね。どうやって撮っているんだろう、と思いました。

萩原　ありとあらゆる手を使っていたと思います。

■仲良くなれました？

萩原　一定の距離感までは行ったんですけど、多分、トレーナーさんの次元までには至らない感じがしました。

普通の人であればあるほど難しい

■今回、小西を演じる上ではどのようなことを大切にされたのでしょう？

萩原　話を聞くということはいつもより意識したかな、と思います。小西が自発的に何かを始めたり、アクションを起こすわけではなく、いろんなキャラクターの「何か」を受けて言動が始まるので、そこについてあまり嘘をつきたくなかったんです。受けてもいないものを返したくないし、そこは嘘なくやろうと思って、いつもより意識していたところかもしれません。

■拝見していると、萩原さんは難しい役、というより難しい人を演じられることが多い印象があります。

萩原　少し非現実的なほうがやりやすかったりするんですよ。共感してもらわなくても成立する部分もあるし。

■なるほど。

萩原　極論、正解が誰も分からない領域になってくると、なんでもありと言えばありになってくるんです。

でも、誰しもが持っている感情だったりすると、いわゆるパッとイメージできる部分と、そうじゃない部分がない交ぜになる体感があって。例えば、冴えない子って漠然とイメージできるじゃないですか。でも、イメージだけでやりすぎると、すごく薄っぺらくなるんです。でも、このフワッと出てくるイメージの部分は観客のみなさんに共感で見せる意味では必要な部分ですし、ここが外れすぎるとそれもまた嘘だし。普通だったり、あるあるだったり、という部分があればあるほど演じるのが難しいのかな、と僕個人は思っています。小西に関してはそういう要素がすごく多かったのかもしれません。どういったものにするか、選択肢がありすぎて迷う瞬間もありました。これも、これも、これもそうだし、っていうのがわりとたくさん出てきてしまう。それを選んで行かなければならない難しさは感じていました。

■そういう役だからこそ、チューニングが難しそうですね。

萩原　聞くことを意識した、っていうのはそこにあります。現場でみなさんとお芝居をしながら、アジャストしていく必要があったんです。ある程度、自分で決めきったものにすると、変に嘘っぽくなるかな、と思って。見たもの、感じたもの、聞いたものを受け止めて注力した気がします。

萩原さんが最近ショックだったこと！？

■最近、心を揺り動かされたモノやコトはありますか？

萩原　心が動いたこと……（熟考）。
なんでもいいですか？　ポジティブでもネガティブでも。

■もちろんです！

萩原　ケビン・デ・ブライネのマンチェスター・シティ退団発表ですね。ショックでした……。
（※4月4日に自身のSNSで、今シーズンで同クラブを離れることを発表）

■最後に、今回の作品での心が揺さぶられるポイントというのはどういったところでしょう？

萩原　観られる方の環境だったり、現在の状況だったりで全く違う感想が出てくる気がしていて。
懐かしいと思う人もいれば、自分と重なる人もいるでしょうし。そもそものベースが違うので、そういう意味では動く部分もみんなそれぞれ違うのかな、と思います。自分と重ねる人はやっぱりそういった場面で動くだろうし、もがいている姿すら懐かしいと思う人は、また別の部分で動くだろうし、ある意味、どこで動くか、何を感じるか、ということを純粋に楽しんでほしいです。

■ありがとうございました！

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