【八木勇征×井上祐貴インタビュー】同世代の現場で盛り上がったアイテムは駄菓子?「ちょっとしたきっかけで一気に盛り上がりが爆発しました」<映画『僕らは人生で一回だけ魔法が使える』>
2025.3.8
インタビュー井上祐貴僕らは人生で一回だけ魔法が使える八木勇征映画
絶賛公開中の映画『僕らは人生で一回だけ魔法が使える』。
緑豊かな自然に囲まれたとある村では、少年たちが18歳になると人生で一度だけ魔法が使えると教えられます。魔法が使えるのは20歳まで2年間。18歳を迎えた4人の少年たちは、最初は半信半疑だったものの、やがて真剣に魔法の使い方について考え始めます。その魔法の使い道が、4人の人生を動かすことに……。
今回は主人公・アキトを演じる八木勇征さん、ハルヒを演じる井上祐貴さんにインタビュー。現場でのエピソードや、作品への想いを語っていただきました。
本読みで「絶対大丈夫」と思った
■脚本を読まれて、どのように役に取り組もうと思われたのでしょう?
八木勇征 もともと朗読劇であることは実写化前から知っていました。
メンバーの大樹くん(佐藤大樹)が朗読劇で同じアキト役を演じて、台本も読ませてもらったんですが、本自体は朗読劇と少し変わっているんですけど、大事なメッセージ性や、本当に伝えたい部分は全く変わっていないなという印象です。本を読んでいるだけで胸が熱くなる、本当に涙が出てしまうような……本の力がすごく強い脚本だな、というのは思っていました。
本読みのときにその凄さを改めて強く感じましたね。
井上祐貴 本読み、やばかったね。
八木 やばかった。祐貴くんも含めて、メインキャスト4人のシーンの空気感が一発でハマッているのも感じながら読んでいましたね。
だから、祐貴くんとの終盤のシーンが結構辛くて。本当に本読みなのかな、本番じゃないかというぐらい、思いが溢れてセリフがつっかえたぐらいでした。あの本読みを経験して、これは絶対に大丈夫だという安心しましたね。
井上 僕は、朗読劇は観られていなくて、脚本を読んだときが作品との初めましてでした。タイトルに「魔法」というワードがあるので、ファンタジーなのかな、という入口での印象だったんですよね。でも、読んでいくうちに、魔法だとかファンタジーなのかなということは忘れて、思春期真っただ中の男の子たち4人の葛藤を本当にすごく繊細に描いているので、そこに入り込めましたね。
■井上さんは本読みでの印象はいかがでしたか?
井上 ホッとしたというか。僕も初めて読んだときの感覚と全く一緒の空気感になったんですよ。自分が思っていたこと、感じていたことが正解だったんだな、と確認できた瞬間だったので、もう大丈夫だ、と思いました。
■本読みでそんなふうにハマることって……。
八木 ないよね。
井上 正直、本当にないです。空気、すごかったよね。
八木 すごかったね。
役の中にある「強さ」
■八木さんから見たハルヒ、井上さんから見たアキトの印象を教えていただけますか?
八木 ハルヒは4人の中で一番心が優しいのは間違いないです。自分が一番辛いはずなのに、誰かを思いやれるのはすごいことだなと思いますし、弱いようで、一番強い役柄というか。本を読んでいてもそういう性格だったのかなというのは思いましたけど、祐貴くんが演じていたハルヒが本当に人としての強さと優しさをすごく体現していたからこそ、僕もグッとくるシーンがたくさんあるんですよ。
■ハルヒとアキト、ふたりのシーンも多くありますもんね。
八木 旅立つアキトをハルヒが見送ってくれるシーンがあるんですけど、あのときアキトはハルヒが魔法を何に使ったか知らないわけで。でも、僕は知っているから、ちょっと耐えるのが難しかったですね。心苦しかったというか、それぐらい影響を与えてくれる役でした。
■井上さんはいかがですか?
井上 アキトはまず強いな、というのが一番ですね。強い、という一言だけだと薄っぺらく感じるかもしれないですけど、やっぱりアキトがいないとハルヒとみんなの関係も動かなかったと思うんです。
ハルヒは、きっとナツキもユキオももちろん大切だし、大好きな友達だけど、アキトっていう存在は、仲間に入れてくれたきっかけでもあるし、たぶん、憧れの存在だったんだろうな、って。
進路のことも、自分の力でそこに進みたい、という選択をしているアキトを見て「やっぱりすごいな」という思いがどんどん、どんどん強くなっていく瞬間のひとつでもありましたね。
僕から見ても、ハルヒから見ても一緒だと思うんですけど、本当にかっこよくて強い存在です。
距離が縮まったのは駄菓子のおかげ!?
■現場でのエピソードがありましたらお聞きしたいです。
八木 ほぼ同世代なので、そこから生まれる空気感はありますよね。4人だからこそ生み出せた空気感は絶対にありますし、そんなに初めましてと言う感覚もあんまりありませんでした。
井上 海ちゃん(櫻井海音)は初めましてじゃないんだっけ。
八木 いや、全員初めまして。鈴鹿央士がもともと仲良くてその話を聞いていたけど。
井上 共通点みたいなところか。
八木 そうそう、本読みのときが全員初めましてだったんだけど、そこで全部がハマってるなって。撮影中もそうですけど、何気ない休憩時間でもずっと思っていました。
■昔からの仲間みたいな空気感があったんですね。井上さんは八木さんに対してどういう印象だったんですか?
井上 僕は、良い声だな、って。
八木 いい声!嬉しい(笑)
井上 さすがだな、って思いましたね。
八木 はははっ。
井上 でも同世代だからこそ盛り上がる話題が本当に多かったですね。例えば、魔法を何に使うか話し合う「魔法会議」では駄菓子が4人の前にあるんですよ。その駄菓子が実際に僕らの世代が食べていたもので「これ、近所の駄菓子屋で買ってた!」みたいな、もう見覚えのあるものしかなかったです。そういうちょっとしたきっかけで一気に盛り上がるのは、同世代ならではなのかな、と思いました。そういうアイテムがあるだけで、距離もぐっと縮まった気はしますね。
ふたりが青春を感じたシーンは?
■今回、青春ものということで……20代になってから、青春を感じた瞬間はありますか?
八木 僕はグループ活動していてメンバーがいるので、言ったら男子校の集まりみたいなものなんですよね。仕事ではあるけど、ライブだったりとか、リハーサルであったりライブ後だったり、そういったときに青春を感じることはよくあります。
あとはやっぱり学園ものの作品をやったときは感じますね。そんな中でも男の友情だったり、絆や仲間という青春感を一番感じたのはこの作品でしたね。
井上 そこは僕も一緒です。やっぱり作品で制服を着ると青春が感じられますね。
僕はグループ活動をしていないので、そういう話を聞くと、いいな、青春だなと思います。
■今回の作品で一番青春感じたシーンをお聞きしたいです。
八木 うーん……。
井上 俺、迷わず一個だな。
八木 俺は……あれかも。じゃあ、せぇので行く?
井上 行く?……でも、合う気がする!別に言葉は違ってもシーンが合えば。
八木 俺も合う気がする。
井上 じゃあせぇので。
八木・井上 せぇの
八木 魔法会議。
井上 自転車。
井上 (笑)。違った!
八木 迷ったんだよね、自転車かなって(笑)。
でも、放課後に集まっているあの感じもなかなか青春だなと思って。
井上 頭になかったな、魔法会議。
八木 ああいう他愛もないくだらない感じがね。
井上 確かに、確かに本当にそうなんですよ。
八木 本当しょうもない、どうでもいい話して(笑)。
■井上さんは自転車のシーンが。
井上 僕はそうですね。もう制服着て2人乗りをすることってないじゃないですか。よくしていたので、昔は。それはやっぱり自分の高校時代を思い出しましたね。
ある作品で大盛り上がり!
■最近お2人が心を揺り動かされたものやことはありますか。
八木 Netflixで配信されている「白と黒のスプーン」っていう韓国のドキュメンタリー番組を観たんですけど……
井上 俺も観た!
八木 観た!? えっ、全部?めちゃくちゃおもしろくない?
井上 全部観た!おもしろい。丁寧な料理したくなる。
八木 そう!本当につい最近、3日ぐらいで全部見て。
井上 そう、見ちゃうんですよ。
八木 100人の韓国の有名な料理人のうち、ミシュラン一つ星がついてるような店の料理人20人が白のコック服を着ていて、あとの黒の80人は居酒屋経営してる人もいれば、YouTube動画投稿してる人もいたり、でもお店を持っていて、料理は天才的にうまいけど隠れている人たちがいて。その人たちがしのぎを削って1つ1つ戦っていくわけなんですけど、それを観て普段食べている食事だったり、作り手の人たちの気持ちを深く知ることができたのでめちゃくちゃ心を動かされて泣きました。
井上 いや、分かる。そうなんですよ。観た方がいいと思う。めちゃくちゃおもしろいですよ。
八木 セットもやばいし。韓国では知らない人いないらしいですよ。
井上 本当にすごい作品でしたね。
僕は最近、父親が定年退職して。家族仲は別に悪くはないけど、すごく良いというわけでもなくて。弟が2人いるんですけど、3兄弟だけで連絡取ったりしたことがなかったんです。だけど、初めて僕発信で弟と自分の3人のグループラインを作って、父親が定年退職するからといろいろ企画したんですよ。
八木 へぇ~!
井上 今年の正月に帰省した時、家族が集まって。いつもは僕が帰ると「せっかく長男が帰ってくるから、おばあちゃんおじいちゃんも集まろうよ」と、家族5人だけっていう時間があんまりないので、それが本当何年ぶりかな?というぐらい久しぶりに家族だけで集まってお祝いをして、お疲れ様でした、って写真撮って。。
八木 エモいエモい……
井上 あの時間は自分も大人になったな、と思って。ちょっとホッコリしましたね。
■お父さんも喜ばれたでしょうね。
八木 嬉しいに決まってるじゃないですか(笑)。
井上 喜んでくれないと困りますよ(笑)
「最初は俺だったら何に魔法を使おっかな」って考えた
■この作品には小さな幸せに気づいて感謝できるような人間になれたら、というメッセージもあるかと思います。この作品に携わったことで感じたハッピーの秘訣や、自分なりのハッピーの秘訣を教えてください。
八木 周りの人たちがいてくれるからこそ、自分自身活動ができているというのは改めて感じたことなんですけど……今回の撮影で、2日目で自転車を2人乗りしてるシーンで僕の自転車が壊れたんですよ。
井上 あれはね、どうなることかと思いましたよ。
八木 使い古した自転車だったから重さで壊れて。
井上 年季の入ったママチャリだったんですよ。
八木 自転車の代えがないと。撮影場所も場所なので自転車がすぐに手に入るわけでもないですし。そうしたらスタッフさんが血眼で自転車を探してくれて、無事にその日に撮りこぼすことなく撮影を終えられました。小さな不幸と小さな幸せの小さな奇跡が起こった日でしたね。僕ひとりだったら買いに行けないじゃないですか。スタッフさんがいてくれたから無事に撮影が終わったと思います。
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井上 自分だったら何に魔法を使うか、ってやっぱり考えるわけですよ。でも、撮影の前と撮影が終わった後、特に試写で作品を観終わったあとだと変わってる感覚があります。最初は、にユキオの一言目じゃないですけど、例えば透明人間になりたいとか、ぱっと思い浮かぶような。
八木 自分のためとかね。
井上 そう。だけど、今じゃ1回だけとなると、果たして自分のために使うのかなとか。そういう考えに変わった感覚はあります。
最終的に何に使うかは分からないですよ?(笑)
でも本当に何に魔法を使うか悩む時間が生まれました。そこは変化かもしれませんね。
■ありがとうございました!
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八木勇征
1997年5月6日生まれ、東京都出身。
FANTASTICSのボーカル。2017年5月~12月、約3万人が参加した「VOCAL BATTLE AUDITION 5 ~夢を持った若者達へ~」に合格しボーカルとして加入。2021年に初めてダブル主演を務めたドラマ「美しい彼」で本格的に俳優活動をスタート。近年の主な出演作に、ドラマ「ばかやろうのキス」(22)、「沼る。港区女子高生」(23)、「美しい彼」シーズン2(W主演/23)、「ホスト相続しちゃいました」(23)、「18/40~ふたりなら夢も恋も~」(23)、映画『イチケイのカラス』(23)、『劇場版 美しい彼〜eternal〜』(W主演/23)、『矢野くんの普通の日々』(主演/24)などがある。また、2025年夏にW主演映画『隣のステラ』の公開が控えている。
[Instagram]@yuseiyagi_official
井上祐貴
1996年6月6日生まれ。広島県出身。
2017年にホリプロが開催した「第42回ホリプロタレントスカウトキャラバン」にて審査員特別賞受賞に選ばれ、ミュージカル『ピーターパン』(18)で俳優デビュー。翌年2019年に、特撮ドラマ『ウルトラマンタイガ』で初主演を果たす。
近年の主な出演作に、ドラマ「卒業タイムリミット」(主演/22)、「silent」(22)、「大奥」(23)、「unknown」(23)、「何曜日に生まれたの」(23)、「どうする家康」(23)、「マルス-ゼロの革命-」(24)、「虎に翼」(24)、「地獄の果てまで連れていく」(25)、映画『劇場版ウルトラマンタイガ ニュージェネクライマックス』(主演/20)、映画『NO CALL NO LIFE』(W主演/21)、映画『明け方の若者たち』(21)などがある。3月17日には主演ドラマNHK創作テレビドラマ大賞「明日、輝く」が放送予定、5月には舞台「マクベス」に出演予定。
[Instagram]@inoue_yuki_
―INFORMATION―
【映画『僕らは人生で一回だけ魔法が使える』】
公開日:大ヒット公開中!
出演:八木勇征、井上祐貴、櫻井海音、椿 泰我(IMP.)、カンニング竹山、阿部亮平、髙橋 洋、馬渕英里何、平野宏周 工藤美桜、笹野高史、田辺誠一
原作・脚本:鈴木おさむ
監督:木村真人
音楽:横山 克
主題歌:「春舞う空に願うのは」FANTASTICS
エンディングテーマ:「魔法みたいな日々」FANTASTICS
製作:菊池貞和、岡田美穂、鈴木 収、関 佳裕、櫻井克彦、石井正幸、菅井 敦
企画・プロデュース:栗原美和子
プロデューサー:内海 智、布川 均、久松大地
撮影:田村 翔
DIT:佐々木基成
照明:三浦大輔
録音:尾上啓太
美術プロデューサー:吉田 敬、林 政之
アートコーディネーター:渡邊康典、日下創太
スクリプター:上田悠莉
編集:阿部裕生
VFX:高岡直樹
サウンドデザイン:近藤隆史
音響効果:柴田妃菜子
助監督:小松真一
制作担当:福西 良
制作:共同テレビジョン
配給:ポニーキャニオン
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©2025 映画「僕らは人生で一回だけ魔法が使える」製作委員会
Photo:Tamami Yanase、Text:ふくだりょうこ