鈴木おさむが原作・脚本を務め、主演に八木勇征、共演に井上祐貴、櫻井海音、椿 泰我(IMP.)で贈る、映画『僕らは人生で一回だけ魔法が使える』が、2025年2月21日(金)より、TOHO シネマズ日比谷ほか全国の劇場にて公開した。

「もしも人生で一回だけ、魔法が使えるとしたら――」
自分の願いか、誰かの幸せか。彼らが選んだ魔法の使い道とは？18歳の4人の若者たちのかけがえのない人生の選択を描く、リアルな人間ドラマであり、観る者の胸を打つ、切なくて優しい青春感動作が誕生。

今回公開翌日の2月22日(土)に、公開記念舞台挨拶が開催され、八木勇征、井上祐貴、櫻井海音、椿泰我(IMP.)のメインキャスト4名と本作でメガホンをとった木村真人監督、さらに原作・脚本を務めた鈴木おさむが初登壇した。



映画を観終えたばかりのお客さんと余韻に浸りながら、遂に公開を迎えた心境や、鈴木おさむの故郷・南房総市で行われた撮影秘話などを語った。冒頭の挨拶で、椿が「IMP.の元気印、2つの筋肉ばきばき、ツーばきばき、椿 泰我でございます！」といつもこの空気感でこの自己紹介をやるかどうか悩むそうだが、今日はテンションMAXでいつもの自己紹介を行い、会場から温かい拍手が送られていた。



そもそもこの作品は鈴木が朗読劇として書き下ろした脚本で、今回八木を主演に迎え実写映画されたことに触れ、鈴木が「勇征とはデビューしてから色々な形でお仕事してきて、アキトという役を勇征にやってもらえたということで、ぼくの中で非常に嬉しいところです。映画はやっぱりずっと残るので、このような形になって本当にありがとうございます。」と八木に対し主演を演じてもらえたこと、それが映画化されたことにお礼を述べていた。



それに対し八木は「すごく嬉しいです。実写化が決まる前から、おさむさんからアキトのイメージが僕っていうことを伝えていただいていたので、逆に僕も朗読劇の時にやってみたいなって思っていたんですよ。だからそれがこうして実写化される時に念願というか、ようやくその夢が叶って、こんな素敵なキャストの皆さんと一緒にこの作品を作り上げることができて、すごく幸せです。」と作品に対して、そしてこの4人でこの映画を撮れたことに笑みをこぼしながら、喜びを語った。



また、撮影中印象に残っているシーンについて聞かれ八木は「アクシデントも含めてすごく印象に残っているのは、子供達が追いかけっこというか、していて、僕たちが高校生になった4人と交差してその子供達と世界線というか時間軸が一気に高校生になった僕たちの時間軸と切り替わるという演出があって、あそこはやっぱり子供達とも絡めたし、ほっこりした時間を過ごせたのと同時に、1回目のアキトの自転車。あれちょっと使い古されてる仕様の自転車だったんですけども、それを2人乗りしてるんですが、ほんとに使い古されてて、サビサビだったんですよ。1回祐貴くんと一緒に2人乗りして、ワンシームを撮っていこうってなったときに、一撃でタイヤが曲がって。撮影ができないとなっちゃって、それでスタッフさんが急遽、そんな近くもない、8キロぐらい離れた自転車屋さんに行って、新品を買ってきていただきました。」と急遽買った自転車を使って無事撮影することができたエピソードを明かしてくれた。



そのエピソードに監督が、「今日終わろうかみたいな話になって」と天気も良く、絶好の自転車撮影日和だったにも関わらず用意した自転車が使い物にならなくなり、焦ったそう。



続けて井上は「アキトとハルヒの別れのシーンでのエピソードなんですけど、最後アキトが電車に乗って、旅立つというか、夢に向かっていくシーンあったじゃないですか。あそこで、見送るハルヒ。あれ、ハルヒの顔、最初台本になかったんですかね、確か。現場で決まって。そのとき台本にはなかったけど、もちろん感情としてはあるけれど、どんな風に撮るんだろうみたいな。台本いなかったからこそ、自分の中にもなかったものが入ってきて。嬉しく思う反面ちょっとドキドキするみたいな感じだったんですよ。2パターンくらいとって話し合ってこっちがいいねって、その部分が使われているんですが、あの時の感情が僕、忘れられなくて。それこそあそこでかかっている音楽とか聞くと思い出すんですよ、いまだに。なんかちょっとうるっと来ちゃった。そういう思い出が僕の中では、あのシーンにはありますかね。」と明かし、監督も現場で見ていてこの顔は撮らないでどうするといった気持ちになったそう。



続く櫻井は「前の完成披露の時もちょっと話したんですけど、サッカーのシーンあったじゃないですか。あれリアルで私やっていまして、現場に行く前から。夕方からの撮影だったんですが、午前にサッカーしに行って、1回仕上げて現場行ったんです。現場入ったら、カメラマンさんがセグウェイに乗って、撮ってるんです。その兼ね合いとかもあって、なかなか難しかったというか。僕も、ドリブルの動線、数センチだったり、シュートのコースも、ニアなのかファーなのかとか、本当にちょっとなんですけど、難しくて、1番やり直しましたね。」と監督が八木とのシーンでも1箇所セグウェイで撮ってる部分があったのだと明かしてくれた。

そして最後に椿は「僕、カンニング竹山さんが演じる父親とのシーンが結構多かったんですけれども、人生で怒ったことがなくて。でも結構、いろんな感情をあらわにするシーンがすごく多くって。監督に人ってどうやって怒りますか？って変な質問して、怒り方を教わりながら、苛立ちっていうのをどういう風に表現するか、どういう声で怒りますっけ？みたいな、すごく根本から今回は色々教えていただきながら挑んだなっていうのはありますね。そこらへんの、そういう感情の引き出しとかも生み出してもらったりとか、一般の普通の高校生としてどういう風に生活するかとか、表情作りとか、そういうところも色々やらせてもらって、もう1回軸から作らせてもらったなっていう風に思いますし、そこら辺は結構苦労しました。」と井上が「歩き方とか」と八木もそれに賛同して「俺も言おうと思った」と椿の歩き方がめちゃくちゃ好きなのだそう。それに対し椿が「恥ずかしいことにね、全く無意識に歩いたらめっちゃアイドルだったのめっちゃ恥ずかしい。」と普段椿は無意識化だと歩き方がアイドルなのだそう。しかもクランクインして撮り始めの最初のカットでアイドル歩きを披露したとのこと。

また鈴木は主題歌が本当にこの作品とマッチしていていたことが素晴らしかったと褒め、八木やFANTASTICS全員の力を借りた曲が、アキトが都会へと出て行くシーンでかかり印象深かったと明かした。



また、本作が『この冬、最も泣ける青春感動作』というコピーにちなみ、最近涙したことは？と問われ椿は「僕、先週誕生日を迎えまして、27歳になったんですけれども、誕生日当日にIMP.としてLIVEをやらせていただいて、その時のサプライズで泣きましたね。メンバーカラーがオレンジなんですけれども、会場がmみんなのペンライトをオレンジにしてくれて、ケーキのようにふうって吹いたら火のように、だんだんと消してくれてっていう。しかもそれ、メンバーが打ち合わせをしてくれてたんですけど、本当に僕の耳に全く入らないとこでやってくれてて。その時はステージ上だったんで、なんか号泣とかはなかったんですけど、本当に言葉に詰まって、ちゃんと涙ぐんじゃって。後日改めてその映像もう1回チェックして、家で1人で泣きましたね。いい日でした。」と櫻井は「リアルなことを言うと、お芝居ででしたが、プライベートだと恋愛リアリティーショーを見ていて、めちゃくちゃ泣きましたね。自分も過去、最初の方に出てたことがあるんですが、その時は感動とかってあるのかな？と思ってたんですけど、なんかいざ年を重ねて、ひとが恋愛してる様子とか見てると泣いちゃいますね。」と明かした。



そして井上は、「昨日なんですけど、映画が公開されて僕のinstagramのストーリーにすごい分厚い量の感想を送ってくださった方がいて。たまにそういう方がいらっしゃって嬉しいですし、ちゃんとじっくり読ませていただくんですけど、昨日の感想は、割と長い魔法会議でのシーンを視聴者目線じゃなく、ハルヒ目線で感想を書いてくださってる方がいたんですよ。それで、久々に魔法会議の撮影の日に戻った感覚になって、ポロポロ泣いちゃいました。それを読みながら、はじめての感覚だったんですけど、嬉しいというか、あの頃思い出しました、約1年弱前のこと。思い出して、わーって言っちゃって、たまたま昨日でした。嬉しかったです。」と自分が演じた役目線での感想に感動したそうだ。



最後に八木は「1週間前くらい前にとある撮影をしてまして、そこの気温がですね、マイナス7度だったんですよ。その環境下の中で、外で何時間も撮影した経験が人生なかったんで、寒すぎて泣きました。勝手に涙が出てくるんですよ。普通にはぁーってなってる時に、ぽろろ〜って。あれは初めての経験でしたね。そこで泣きました。」と会場からは笑いが漏れ聞こえていた。



そして最後に八木は「この作品を観て、皆さんそれぞれ感じ方だったりとか、いろんな感情、人それぞれ違うと思うんですけど、何よりも僕がこの作品を観て伝わってほしいなと思うことは、今自分がこうやって皆さんそれぞれ生きている人生の中で、良くないこともあれば必ず良いこともあって、そういった時にたまたまそれが運よく起きただけなのか、例えば誰かが自分のためにそういうこの作品にもある通り、良いことがあるようにという願いを、魔法をかけてくれて、今こういう幸せな瞬間が訪れているんだなって思っているだけで、本当に1人1人の人生がすごく豊かになるなって思いました。そういったことに1つ1つ感謝を持てる人たちになれば、もっと世界は平和になるんじゃないかなと思うので、皆さんもそういった気持ちになっていただけてたら嬉しいなって思います。友達でもいいし、家族でもいいので、誰か1人でも多く伝えていただけたら、この作品がどんどん広まっていったらなと思います。皆さん、今日は本当に足を運んでいただきありがとうございました。作品も観ていただきありがとうございました。」と挨拶しイベントは終了した。

さらに、八木演じるアキトら4人が魔法の使い道を話し合う「魔法会議」のシーンで踊る劇中のダンスをキャスト4名に舞台上で生披露。