“儚く、美しい、ひらきよ2人の物語”が大スクリーンとオーケストラの生演奏で再び煌く!『劇場版 美しい彼~eternal~』 シネマ・コンサート<イベントレポ>



本屋大賞2020年・2023年と二度に渡る受賞をとげた作家・凪良ゆうによるシリーズ累計発行部数150万部突破の大人気小説を、萩原利久、八木勇征をW主演に迎え実写ドラマ化した「美しい彼」。その続編として2023年4月7日(金)に公開され大ヒットを記録した【劇場版 美しい彼~eternal~】のシネマ・コンサートが、2024年12月25日(水)パシフィコ横浜 国立大ホールにて開催された。

2シーズンのドラマ放送を経て公開された本作は、TOHOシネマズ動員ランキング《初登場1位》、Filmarks初日満足度ランキング《第1位》を獲得!

“陰と陽”正反対な2人のすれ違う恋心を瑞々しく、美しく描き、国内外問わず“沼ハマり”する人々が続出した本作劇場版が、クリスマスの夜に大スクリーンでの映画全編上映×オーケストラの生演奏“シネマ・コンサート”となり帰ってきた。贅沢な生演奏と臨場感あふれる大スクリーンによる極上の鑑賞体験をレポートにてお届け。



本公演は2部制で、1部は『劇場版 美しい彼〜eternal〜』シネマ・コンサート。映画の全編上映にオーケストラの生演奏という贅沢な鑑賞体験となっている。指揮は、国内外の活発な指揮活動とともに、様々なジャンルとのコラボも積極的に行っている栗田博文。演奏は、今回のシネマ・コンサートのために組まれた「美しい彼」特別オーケストラだ。

会場では「美しい彼」のコミカライズを手掛ける北野仁がこの日のために描き下ろした来場者限定クリスマスカードがプレゼントされた。またロビーには“ミニひらきよ”パネルが設置され、写真を撮影するため、ファンの皆様が長蛇の列を作った。「美しい彼」が多くの人に愛されていることを開演前から感じさせる光景となっていた。



平良一成役の萩原利久のナレーションで1部の幕が開き、オーケストラの美しい音色とともに本編がスタート。冒頭のシーンでは、大迫力の生演奏によって、2人の出会いが一段と美しく、感動的に表現されており、観客の心を引き込んだ。通常の映画上映であれば、登場人物の台詞のみに注目してしまいがちだが、シネマ・コンサートでは作品の世界観を作る劇伴にも焦点が当たる。これにより、音楽と台詞、そして感情がリンクしていることがよく分かり、美しい台詞の数々が心地よく耳に入ってきた。また、楽器個々の音が明確に聞こえるため、その楽器の持つ音の温度が伝わり、コミカルなシーンではより面白く、切ないシーンではより切なく、シーンごとの感情を増幅させていた。

安奈(仁村紗和)がゲリラ豪雨の中撮影するシーンでは、大きな雨雲が近づいてくるような力強い音が会場全体に鳴り響き、それは徐々にリズミカルに。平良の気持ちが大きく揺れ動く様子を見事に表現していた。ラストの平良と清居のシーンではコーラスが加わり、演奏はより神秘的に。大スクリーン×オーケストラによる生演奏で平良と清居、2人だけの“青春”が一層キラキラと輝いて見えた。温かな雰囲気の中シネマ・コンサート本編は終了し第2部へ。



第2部は、本作品の監督である酒井麻衣と今回コンサートで披露された楽曲の監修、そして映画の音楽を担当したフジモトヨシタカによるトークショー。

シネマ・コンサートを“生”で聞き、酒井は「すごい迫力で心が揺さぶられました。」と語り、フジモトは「ぶつかってくる生の音楽を感じました。家で作っていた音楽がこのようなコンサートで奏でられると思っていなかったので感激です。」と感想を語った。また、『劇場版 美しい彼~eternal~』がシネマ・コンサートになると初めて聞いた際の心境を聞かれ、酒井は「シネマ・コンサートになると聞いたときは本当に驚きました。奇跡だと思いました。」と振り返った。

今回のシネマ・コンサートがこのようにアレンジされた経緯を聞かれ、フジモトは「美しい登場人物にマッチするよう、内面の繊細な部分を表現したいと伝えました。映画の音楽は、ドラマの音楽を再編集したものになっていて、曲の把握が大変だったと思うのですが、それをこのようなオーケストラ仕様に編集していただき感謝しています。」と話した。



続いて、2人への質問コーナーに。まずは「1番好きなシーンはどこですか?」という問いにフジモトは「水かけで2人がお互いに心を開くシーンが好きです。他には清居が平良に写真を撮ってもらった後に「きもっ」というシーン。清居は嬉しいときに「きもっ」としか言えないんですがそれがほっこりとして可愛いなと思います。」と回答。酒井は「設楽を殴る平良の狂気的なシーンが好きです。本編にはのっていないですが、撮影ではもっと殴っているんです。そういうブラックな平良が良いなと思います。」と回答した。

つぎに「平良と清居をそれぞれ楽器に例えると何だと思いますか?また曲中でその楽器(音)を使用していますか?」との問いに酒井は「音だけで考えると平良はアイリッシュフルート。特徴的な音色で、曲によっては悪目立ちすることもあれば、メインにもなる、味があるところが平良にぴったりだと思います。清居はピアノです。大きくて主役感がありますが、繊細な音を奏でられたり、いろいろな顔があるところが俳優として活躍する清居と合っていると思います。」と答えた。フジモトは「清居は完璧で繊細なバイオリンのソリスト。高い音や鋭い音を出せるところが清居の気高さとマッチしていると思います。平良はアコーディオン。一人で完結できるところや、少し地味だけど日常感があって、優しさのあるところが似ています。」と答えた。

また「酒井監督に質問です。ここだけは譲れない1番こだわったシーンやセリフがあれば教えて下さい。」との問いが。酒井は「鏡のシーンです。原作には鏡のシーンがあり、それを実写で再現するにはハードルが高いと思っていましたが、お風呂のシーンであれば自然に鏡を使った演出をできるのではないかと思いました。曇り加減などを調整し、鏡越しに2人を美しく撮れるようにこだわりました。」と撮影秘話を明かした。

さらにここで主演の萩原利久・八木勇征からのスペシャルメッセージが上映された。12月25日ということで2人は可愛らしいクリスマスリンクコーデで動画に登場。アヒル隊長の指令により、「クリスマスとシネマ・コンサートにまつわる質問に1問10秒以内」で答えることになった。

「平良と清居 クリスマスプレゼント交換するなら?」の質問に、八木は「清居のブロマイド」、萩原は「マフラー」と回答。続いて、「クリスマスに食べるならエビコロor牡蠣コロ?」という問いに八木はまさかの「牡蠣コロ」を選択、すかさず萩原から「エビコロだろっ!」とツッコミが入り、会場には笑い声が響いた。最後にはシネマ・コンサートに来てくださった「美しい彼」ファンの皆様へ、八木より「来てくれて本当にありがとうございます。「美しい彼」がこんなに愛していただけているのがすごく嬉しいです。」とコメントがあった。続いて萩原も「皆さん本日はとてもありがとうございます。そしてメリークリスマス!素敵な夜を過ごしてください!」とコメントし、スペシャルメッセージを締めくくった。

久しぶりの“ひらきよ”の姿を見て、会場は大盛り上がりとなり、トークショーは終了。アンコールの前には酒井から「最高のクリスマスになりました。永遠の先を見たいです。」とコメントがあり、会場のファンの共感を呼んだ。

アンコールでは本作で音楽を担当したフジモト本人がタクトを振り、この日のために制作された「美しい彼のテーマ」スペシャルバージョンを演奏。クリスマスの夜にふさわしい暖かなメロディーから始まった演奏は、中盤のリズム隊の加わりによってガラッと雰囲気を変え、一層ダイナミックに。空から雪が次々と舞い落ちてくるような美しい音色で盛り上がりは最高潮に達し、フィナーレを飾った。公演中、涙する観客も多く見受けられ、ファンの「美しい彼」に対する想いが伝わった感動的なシネマ・コンサートになった。

本公演『劇場版 美しい彼~eternal~』シネマ・コンサートはU-NEXTで独占見逃し配信中。見逃し配信は2025年1月24日(金)23:59まで。また、本公演がBlu-rayに!2025年4月9日発売予定。

■詳細
【「劇場版 美しい彼~eternal~」シネマ・コンサート】
開催日:2024年12月25日(水)
場所:パシフィコ横浜 国立大ホール

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