ONE N’ ONLY「来年も絶対笑顔で、また集まりましょう!」今年も恒例のクリスマス公演を開催! SWAGだけが知る“はっちゃけた”可愛らしい表情とパフォーマンスで会場を沸かせた<ライブレポ>
2024.12.26
SNSで公開したMVやダンス動画などが世界中でバズり、TikTokフォロワー数は国内男性アーティスト第1位。南米でのワンマンツアーを成功させたほか、最近では各メンバーがTVドラマやバラエティでも活躍するなど、人気急上昇中の6人組ダンス&ボーカルグループのONE N’ ONLY(通称・ワンエン)が、ワンマンライブ『ONE N’ LIVE 2024 ハピホリ~Merry Xmas SWAG~』を12月24、25日にTOKYO DOME CITY HALLで開催した。結成以来、クリスマスライブが恒例となっている彼らだが、今年はクリスマスメドレーや今日のために作られた新曲の披露、そして一昨年に行ったハンドベル演奏のリベンジも。普段のツアーやライブでは見せない“はっちゃけた”表情とパフォーマンスを披露し、25日の公演では2025年春に開催されるツアー情報を解禁、以前から目標としていた日本武道館がツアーファイナルとなることが発表された。ワイルドなパブリックイメージのみならず“SWAG”と呼ばれるファンだけが知るフレンドリーな可愛らしさの両面を見せた上で、ビッグなクリスマスプレゼントを満員のSWAGに贈った。
クリスマスツリーに6人が寄り添うオープニング映像が流れ、場内に“シャンシャン”と鈴の音が鳴ると、ステージ2階に複数種類の赤い生地を合わせたのローブを着た6人が登場。サンタにも王子様にも見えるゴージャスな姿に大歓声が湧くなか「メリークリスマス! 今日は最高の日にしようぜ!」とリーダーのHAYATOが挨拶し、ズバリ「GIFT」という名の愛あふれるナンバーで、SWAGにジェントルな歌とダンスの贈り物を捧げていく。6人の想いにSWAGたちもグループカラーの白いペンライトで応え、「一緒に!」と誘われて左右に手を振る様は、まるで雪景色を思わせるような美しさ。「どこよりも熱いクリスマスにしようぜ!」とNAOYAが呼びかけての「Call me」でも、プレゼントボックスが散らばった2階建てステージを上に下に、右へ左へと移動して目線を奪い、離れていてもつながっている想いを、今回は間近でアピールしていく。
そこからも『ハピホリ』というライブタイトル通りの笑顔いっぱいの展開に。初日の24日は「今日は俺ら6人が、お前らを幸せにしてやるよ」というNAOYAの殺し文句を実現すべく、「この曲でハッピーにします!」とTETTAが手をあげて「Freaking Happy」へつなぐ。軽快なビートに乗って脚を振る可愛いダンスで“明日の悩みたちは ここではいらない”と告げ、鮮やかな日常の喜びを歌ってハッピーな空間を作り上げていった。また、2日目の25日には「クリスマス、俺らにくれてありがとう。今日はワンエンとSWAGで最高のクリスマスにしようね」(NAOYA)と「Nice Guy」でヤンチャに跳ねながら、SWAGと“hey! ho!”とコール&レスポンス。ペンライトを突き上げるSWAGたちと歌詞にもある“Hearty, Smiley Day”を繰り広げていった。
MCでは4階まである客席の構造に驚き、初日のEIKUは「今日はワンエンサンタになって、みなさんに素敵なプレゼントは……ないんですけど(笑)、気持ちをプレゼントしたいと思います」と決意表明。生中継も入った2日目にはカメラに手を振って、画面越しにも想いを届けた。「せっかくだからクリスマス感を存分に味わってもらいたいなと思いまして」(HAYATO)と紹介されたセットには雪だるまやクリスマスツリーも置かれ、セットの中央にはメンバー6人のイニシャルが刻まれたプレートも。ちなみに今回のライブ衣装はすべてNAOYAが担当しており、1着目のサンタ風な赤いローブ衣装に関しては「コートっぽい物を着たくて、フードは絶対付けたかった」そう。さらに「脱いでも可愛いよ!」とローブを脱ぐと、胸元に白いフリルが付いたブラウスに、金のデザインが入った赤地のベスト、ボトムはチロルパンツという出で立ちで、客席からは黄色い声が湧く。NAOYAいわく「下がダボッとしていて上がシュッとしている、サンタさんなシルエット。SWAGのサンタさんですよ」とのことで、SWAGにプレゼントを届ける準備は万全だ。
「メリークリスマスワ?」と呼びかければ「ッグ!」と返るクリスマスだけのコール&レスポンスを挟み、続いて「I Don’t Know」のイントロが鳴ると歓声が。80年代を彷彿させるレトロなトラックで、君への情熱を悩ましい表情と歌声、そして細かくメリハリをきかせたダンスで表していく。また、ピンク色のライトを浴びて始まった「What’s Your Favorite?」も、君への強い欲望を表したナンバー。ボーカル陣の抜けるようなハイトーンと歪んだラップの対比に、色気をまとわせたパフォーマンスも濃厚で、ONE N’ ONLYの高い技術力に由来する豊かな表現力を、危険な2曲で見せつけてくれた。
ここからは物語がスタート。まずはオモチャの人形になった6人が家主のいない間にパーティーを楽しむ映像が流れ、SWAGに“可愛い!”の声をあげさせると、人形体のままステージに飛び出して、クリスマス曲メドレーを披露する。EIKU人形を台車で運び入れたHAYATOがメンバーを1人ずつ起こしての「ジングルベル」では、1階からREIが大きなリースを2階のメンバーに投げ上げたり、「RUDOLPH THE RED NOSED REINDEER(赤鼻のトナカイ)」ではテーブルでのトランプバトルも。
だが、ステッキを用いて「Happy Holiday」をショーダンス風に見せたあと、TETTAが場内の拍手を煽ったがために、あやうく家人にバレそうになってNAOYAとケンカを始めてしまう。そこで仲裁に入ったHAYATOが取り出したのは、ギラギラと光るLEDサングラス。それを全員でかけての「Dark Knight」からは、アグレッシブなヘヴィチューンメドレーで空気を一変させていった。スモークの中で身体をうねらせ、反骨心と向上心を剥き出しにする「LA DI DA」ではバッドボーイ感を全開にし、今年の彼らの代表曲とも言えるブラジリアンファンク曲「DOMINO」ではダイナミックに躍動。このままアガり続けるのかと思わせたところで、ピュアな愛情をディープに届けるバラード曲「You are」で優しく鎮めていくのもニクい。TETTAからREI、EIKUとステージ1階で歌うボーカル陣の頭上、星のような光が灯る2階でNAOYA、KENSHIN、HAYATOとダンサー陣がエモーショナルに舞う光景は、実にドラマティック。2番ではボーカルとダンサーが時に寄り添い、時にポジションを入れ替えて、最後は全員で“世界中の誰よりも 幸せになろうよ”という大いなる愛と決意を、SWAGに向けて放っていった。
さらに、12月13日に配信リリースされた新曲「Ring The Bells」も初披露。星の降る夜、純白の世界に“君を連れて行こう”と歌いかけるリズミカルなダンスチューンは、MCでHAYATOが話した通り「メチャクチャ冬感全開」で、EIKUのロングトーンも冬の朝のように清々しい。ちなみに今回のライブ演出にはTETTAが携わっており、「可愛らしい、子供のオモチャの世界をテーマにやりたかった」と告白。オモチャに扮した彼らの動きや表情は、事あるごとに“可愛い!”の声をSWAGにあげさせていた。「Ring The Bells」でも笑顔いっぱいで鐘を鳴らす振りつけや、最後に6人で顔を寄せる決めポーズに、客席から“可愛すぎる!”の声が。ここまで可愛いワンエンが堪能できるのも、クリスマスライブならではだろう。
MCタイムではメンバー同士のクリスマスプレゼント交換会も行われ、初日にはメンバーの私物を、2日目には上限1万円で購入したプレゼントを交換。NAOYAは初日に髪の毛付き電気バリブラシ、2日目にリカバリーガンと両日ともにTETTAからのプレゼントを引き当てて「お前、俺の欲しがるな!」とTETTAにからかわれていた。また、プレゼントする私物として洋服やインテリア雑貨を選んだ面々のなか、なんとEIKUは履き潰したダッドスニーカーを出し、それが当たったREIは「足のサイズ合わないからコレクションで飾っておきましょうか」とやや呆れ気味。ちなみに2日目はスーツケースや香り物、キャンドルといったプレゼントらしい品物がそろったにもかかわらず、またもやREIは蛇の置物という謎のアイテムを手にしてしまう。しかし、それを買ってきたHAYATOは「メチャクチャ良い材質で作ってる蛇です! 来年ヘビ年なんで、玄関に飾るとメチャクチャいいことあると思います!」と胸を張っていた(笑)。
続いて『ハピホリ』というライブタイトルにちなみ、HAYATOが「ハッピーなHOLIDAYを過ごしていきたいんで!」と前置いてからは、もちろん「HOLIDAY」へ。SWAGとのコール&レスポンスが恒例となっているポップチューンで、今回は“クリスマス!”“サンタさん!”“ハピホリ!”といった特別なコールも聞かれた。加えてREI、EIKU、KENSHINの動きをSWAGが真似するエクササイズタイムに続き、TETTA、NAOYA、HAYATOはウェーブやクラップを先導。曲中で着替えたブルー&ブラックの凛々しい衣装も歓声を呼んで、SWAGたちにハッピーな休日をプレゼントしてくれた。
さらに、11月に配信リリースした新曲「SAVIOR」のイントロが鳴ると場内は沸騰。KENSHIN(上村謙信)がW主演するTVドラマ『未成年~未熟な僕たちは不器用に進行中~』のオープニング主題歌を、爽快なトラックと緊張感のあるダンスでストイックに届けていく。ラッパー陣も含めた全員で歌いつなぐメロディ歌唱により、現実と理想の狭間でもがきながらも“君”へと救いを求め、ワンエンとしてまた1つ新たな魅せ方を提示。最後はKENSHINが“君が僕の救いだよ”と愛しい想いをシリアスに訴えて、清々しくも切ない空気感を呼び込んでいく。
だが、その直後にクライマックスの熱狂が一掃。24日はHAYATOの一喝から「Departure」の重低音が轟き、レーザー光線と赤いライトに彩られたステージで狂乱の宴を催していく。さらに「ラストスパート、最後まで楽しんでいこうぜ!」(HAYATO)と純度120%のラテンチューン「Fiesta」が投下されれば、客席は“yessir!”とペンライトを振って一気にヒートアップ。おまけにメンバーが1階客席に降りて、なんと通路を行き交いながらお立ち台に上がってSWAGを煽動するのだから“Oh-e-o”と返る声は大きくなるばかりだ。25日はKENSHINの「Hook Upしようぜ!」という煽りから、ヒップホップな「Hook Up」をドロップ。抜群のボディコントロールでSWAGの目を奪い、タイトルに込められた“仲間になる”という意味合いを現実のものとする。そして、やはりラテン曲の「EVOL」で1階客席へ。ヘヴィなレゲトンのリズムに合わせて「TOKYO DOME CITY HALL! 暴れようぜ、お前ら!」とKENSHINは渾身の力で叫び、場内を熱くて厚い“Hey!”のコールで満たした。
そして最後に「ラスト、この曲で最後まで素敵な思い出、作っていきましょう」と贈られたのは「We Just Don’t Care」。ワンエンの成り立ちを象徴するような2組に分かれてのパフォーマンスから始まるバラードは、不安を抱えながらも前へと進もうとする人々を抱きしめるスケールの大きな愛の歌だ。それは彼ら自身の道のりとも重なり、TETTAの伸びやかなファルセットが、聴く者に大いなる勇気を与えてくれる。赤いドレープ幕がゆっくりと閉じて6人の姿を隠すと、客席からは感銘の拍手が。心と身体を燃やす熱いナンバーと胸に沁みるメッセージソング、その両輪を同じように武器として持つ今のワンエンは強い。
しかし、この2日間は普段のワンマンとは異なるクリスマス公演ということで、SWAGの“ワンエン!”コールが招いたアンコールには、さらなるお楽しみが待っていた。トナカイの引くソリに乗って飛ぶサンタクロースの姿が映し出された幕が開くと、なんと黒のタキシード姿でハンドベルを構える6人が! 慎重に「ジングルベル」を生演奏し始める彼らを、SWAGたちはまるで子どもの発表会を見守る母親のように見つめ、成功すると“おおーっ!”という歓声を、失敗すると“頑張れ!”と激励の声を送る。ちなみにハンドベルの生演奏には2年前のクリスマスライブでも挑戦しており、今回はそのリベンジということ。24日は成功に終わったものの、25 日は何度か演奏が止まるシーンもあり、HAYATOが「こりゃまた来年リベンジですな。ワンエンのクリスマスと言ったらハンドベルですから!」と明言する一方、REIに「絶対この企画やんないでくださいね」と断固拒否されていた(笑)。
国内ではこのクリスマス公演が2024年のラストライブということで、「また来年、笑顔で会えるように。この会場をハートでいっぱいにしたいなと思います」とHAYATOが伝えてのラストソングは「My Love」。荘厳なパイプオルガンやスレイベルの音など、ゴージャスなクリスマスアレンジが施されたイントロで「今年もたくさん応援ありがとうございました。来年もよろしくね。SWAGのみんなに感謝を込めて歌います」とKENSHINは告げ、24日の曲中に「みんな、愛してるよ!」と指ハートを作ったNAOYAは、翌日には「クリスマスのSWAGってバカ可愛いね!」とツンデレを発動する。歌いながらメンバーは指で、腕でハートを作り、SWAGに向けて手を振れば、クライマックスでは天井からフライングハートが! その光景にHAYATOは「みんなの愛で空からハートが降ってきました!」と喜び、ライブを終えての心境を述べる他メンバーも、クリスマスという大事な日にONE N’ ONLYのライブを選んでくれたことを口々に感謝した。
NAOYAは「やっぱりSWAGと過ごすクリスマスが一番幸せだと思います。2025年も止まらず突っ走っていくので、ついてきてください」と宣言。KENSHINも「SWAGの皆さんにたくさん会えて、いろんな夢を叶えさせてもらった素敵な1年だったと思います。きっと来年はもっといい年になるんじゃないかな」と語った。今日のために服装やメイクなどを頑張ってくれたSWAGを表現しようとして、言葉のチョイスを間違えたEIKUは「この先もワンエンらしく、EIKUらしく頑張っていきたいと思います。みなさん、大好きです!」と照れながら告白。その言葉を受けてTETTAも「僕たちもSWAGのみんなにカッコいいって思われたくて準備してるし、お互いが高め合っていける関係性が僕は嬉しい。2025年も皆さん一緒に高め合ってこ?」と語りかける。また、REIは「小さい頃は自分がプレゼントをもらえる日でしかなかったクリスマスが、大人になってみるとメンバーとプレゼント交換し合ったり、SWAGが今日のために準備して笑顔でいてくれたり。そういうあったかい気持ちのコミュニケーションが自分にとってのクリスマスになりまして、素敵な日の意味合いがちょっとずつ変わってる感じがします」と真摯に述べた。
HAYATOも2024年を振り返って「SWAGのおかげで47都道府県ツアーを回れたり、改めて1人ひとりの応援の力を再認識できた年になった。この1年間もらった愛情を、また来年全力で返していきたい」と伝え、25日には「みんなにクリスマスプレゼントを持ってきました!」と、4都市10公演に上る春の全国ホールツアーを映像で発表。最後にファイナルとして「5/9(金)、5/10(土) 東京 日本武道館」の文字が画面に現れると、場内は歓喜の声であふれ返った。それもそのはず、日本武道館でのワンマンは数年前から彼らが“目標”として公言していたものであり、SWAGたちと共に向かっていた場所なのだから。
喜びの声を浴びて「武道館2days! SWAGとの約束が果たせそうですね。ホントにみんなの応援のおかげでワンエンの勢いがついてきて、武道館に立つことができるようになりました」とHAYATOが述べると、全員で「ありがとうございます」と一礼。「来年もONE N’ ONLYマジで止まらないぞって、そういう気持ちでやっていくので。来年、メチャクチャいっぱい楽しみが待ってますし、2025年もみんなのこと最高に幸せにする覚悟をもって年を越していきたいと思います。来年も絶対笑顔で、また集まりましょう!」(HAYATO)と続けて、年内ラストワンマンは幕を閉じた。それでも嬉しい発表に沸き立つ思いが止まらないのか、KENSHINが「武道館絶対来いよ! カマすからな!」と言い切ったのを皮切りに「愛してるぞ!」(EIKU)、「マジでやばいツアーにするから楽しみにしててね」(HAYATO)と、ステージを去るギリギリまでSWAGに言葉を投げかける。夢が叶った喜びに涙を流すSWAGたちを見つけ、NAOYAが「泣いてたら可愛い顔がもったいないぞ!」と言えば、TETTAは「泣いても可愛いぞ!」とフォロー。そして、普段冷静に話をまとめることの多いREIは「みんな武道館一番熱くするぞ! いつもありがとう!」と、いつになく感情を剥き出しにして叫びあげた。
年末にはタイ・バンコクでのカウントダウンライブ出演が決まっているなど、活動のすそ野を着実に世界に広げているONE N’ ONLY。現在は東名阪ツアー『¿Fiesta?』の真っ最中でもあり、残すところファイナルの1月18日・東京ガーデンシアターのみとなっているが、こちらのツアーも5公演すべてが完売している。来年4月15・16日の千葉・市川市文化会館を皮切りに名古屋、大阪、そして東京を回るホールツアーは、もちろん彼らにとって史上最大級の挑戦。だが、挑戦を次々に必然にしてきた彼らならば、きっと“夢”の日本武道館でも想像以上の“現実”を見せてくれるに違いない。
〜setlist〜
M1.GIFT
M2.Call me
M3.<24日>Freaking Happy <25日>Nice Guy
M4.I Donʼt Know
M5.Whatʼs Your Favorite
M6:クリスマスメドレー
a.ジングルベル
b.RUDOLPH THE RED NOSED REINDEER(赤鼻のトナカイ)
c.Happy Holiday
d.Dark Knight
e.LA DI DA
f.DOMINO
g.You are
M7.Ring The Bells
<プレゼント交換>
M8.HOLIDAY
M9.SAVIOR
M10.<24日>Departure <25日>Hook Up
M11.<24日>Fiesta <25日>EVOL
M12.We Just Donʼt Care
En1.ジングルベル(ハンドベル生演奏)
En2.My Love
Text:清水素子
Photo:笹森健一