【THE RAMPAGE岩谷翔吾インタビュー】構想から含めると4年。横浜流星と一緒に二人三脚で作り上げた物語。「ツアー終わりに、キャリーバッグを持ったまま流星の家に行って書いたこともありました(笑)」<小説デビュー作『選択』>
2024.11.12
THE RAMPAGEのパフォーマーとして活躍する岩谷翔吾が初の書き下ろし小説『選択』(幻冬舎)を発売!!
原作は高校以来の親友で俳優の横浜流星!なんとも豪華なコラボがついに実現。小説家デビューを果たした岩谷さんがEmo!miuに登場です。
自分たちが楽しくて面白くて書いていたものが、この『選択』です。
■まずは小説家デビュー、おめでとうございます!
岩谷翔吾 この作品は構想から含めると4年かかったので、やっとカタチになったなという思いですね。本を実際に手に取って、実感が湧きました。
■今回、GL-16~THE RAMPAGE BOOKS~の4作目として出版されたのですが、ほかのメンバーが写真集などを出しているなか、“小説”を選んだ理由は?
岩谷 すでに書き溜めていたから、というのが大きいですね。お話をいただいたときは、この『選択』とは別に自分の自叙伝的なものを書いてみたりはしたんですけど、自分のフィールドの物語をデビュー作にはしたくないなと思って、この『選択』を出させていただきました。話をいただく前から書き溜めていた小説で、高校の同級生である横浜流星とノリで始めたものなんです。出版する機会を待っていたというより、自分たちが楽しくて面白くて書いていたものが本作なんです。
流星(横浜流星)と一緒に二人三脚で作り上げた物語
■実際、執筆はいかがでしたか?
岩谷 元々、流星が俳優として活動するなかで、「こういう役が演じていて楽しかった」とか「こういう役を演じてみたい」とか、そういうのがあるのかな?と思って聞いたことがあるんです。そのときの流星の返しが面白くて、それが『選択』の着想になりました。その話を聞いてから僕がプロットをばーっと書いて、原稿用紙50枚くらいだったかな?1週間くらいで書いたものを流星に見せたら「めっちゃいいじゃん」と反応してくれて、「こういう役を足そう」とか「こういうシーンを入れたい」とかふたりで話していたのが始まりで、お互い仕事の合間にやり取りしながら書いていましたね。そんなやりとりをしていると、どんどん自分たちの熱量が上がっていって、僕から「こういうシーンを書いてみたよ」と流星にプレゼンしたこともありました。
逆に流星から提案されることもあって。僕が、主人公が振り返る方向を“左”で書いていた箇所があったんですけど、流星が「亮(『選択』の主人公)は絶対に右から振り返ると思うよ」と細かい部分を提案してくれたんです。そんな流星とのやり取りを多分100回くらい繰り返していましたね。だからひとりで書き上げたという感覚はなく、流星と一緒に二人三脚で作り上げた物語という感覚です。
ツアー終わりに、キャリーバッグを持ったまま流星の家に行って書いたこともありました。
■俳優の横浜さんらしい指摘が面白いですね。
岩谷 そうですね。とくにセリフ回しとか、日常会話の中にたしかにそんな細かいところまで言わないよなって。でも僕は文章を書くうえで、ついリズム的に入れてしまうんですけど。流星に「日常会話でこういう言葉は出てこないかも」と指摘されたことで気がつきました。俳優としての流星のなかですでに亮の人格が出来上がっていて、「亮のこのセリフは言えない」とか「こういうことを言いたいなら、こういう言い回しになる」とか。
■そういうやり取りをしながら書いていると楽しそうですね。執筆はTHE RAMPAGEの活動と平行して行われていたんですよね?
岩谷 そうですね。THE RAMPAGEの活動だけでめちゃめちゃ忙しいんですが……。あるときはツアー終わりに新幹線に乗って東京に帰ってきて、キャリーバッグを持ったまま流星の家に行って書いたこともありました(笑)。そのまま夜通しふたりで話しながら書き直して、「朝日が昇ってきたから帰るわ」と。ふたりともそのまま仕事に行ったりしていましたね。
■横浜さんはすでに本を手に取られていますか?
岩谷 はい!完成した小説を直接渡したのですが、喜んでいました。
(佐藤)大樹さんにもお渡しさせてもらったんですけど、相関図まで書いてくださっていて。
■後々、映像化を考えていたりしますか?
岩谷 小説にこだわらず、いろんな人を巻き込んで、いろんな人に届けて、いろんな人がワクワクする、そんなひとつのプロジェクトみたいなものにしていきたいなとは思っています。そういう意味では、ここからどんな未来が広がっていくんだろう?と楽しみです。
■執筆中に、この役はあの俳優さんに演じてもらいたい!みたいな思いはありましたか?
岩谷 ありますね(笑)。でもイメージがつきすぎてもあれなので、今は具体的なお名前は控えておきます(笑)。いずれ話すかもしれません(笑)。
■メンバーや身近な方には本を渡しましたか?(※発売日前のインタビュー)
岩谷 完成してから渡そうと思っていたんですけど、山彰(山本彰吾)さんとかには一足先に、完成前に読んでもらって、「めっちゃよかった」と言ってもらえました。(佐藤)大樹(EXILE・FANTASTICS)さんにもお渡ししたんですけど、相関図まで書いてくださっていて。小説にはマーカーまでいて、「あそこはさ…」と直接聞いてくださったりしましたね。
東京ドームの景色をステージ側から見ている人って限られていると思うので…。今後挑戦したいジャンルとは。
■今後、作家として挑戦してみたいジャンルや題材はありますか?
岩谷 こういう作品を書いてみたいという構想はありますね。今回とはまったく違うジャンルにも挑戦してみたいですし。あと例えば小説を書いている方のなかでも、東京ドームの景色をステージ側から見ている人って限られていると思うので……。
■それはなかなかいませんね!
岩谷 想像では書けると思うんですが、僕は実際に立たせてもらったので、そういう自分にしか書けないものを書いてみたいです。
■東京ドームのステージ側に立つ側の感情って、そこに立った人にしか味わえないことですからね。
岩谷 僕も知りませんでした。でも実際に立つと、すごくいろんな感情が湧いてくるんです。
■それは単純に“嬉しい”という感情だけではないと。
岩谷 そうですね。いろんな感情が入り混じっていました。いずれはそういうものも取り入れた小説を書いているかもしれないですね。
本好きになったきっかけは、(川村)壱馬
■本、読書が好きな岩谷さん。好きになったキッカケとなった作品は?
岩谷 実は本をここまで好きになったのはTHE RAMPAGEになってからなんです。キッカケはメンバーの(川村)壱馬が貸してくれた『ルビンの壺が割れた』という本。その本がめちゃくちゃ面白くて、そこから本にハマりましたね。
■それまではあまり本を読むタイプではなかった?
岩谷 全く読んでいなかったわけではないんですけど、あの本をキッカケに読書熱が爆発しました。今、移動中はほぼ本を読んでいます。元々スマホとか好きじゃないし、SNSも苦手なので(笑)。ちょっとでも時間があるなら本を読もう!となるタイプです。
僕にとってターニングポイントになった作品
■タイトル『選択』にちなみ、これまでの岩谷さんの人生のなかで大きな“選択”を教えてください!
岩谷 それこそ、この作品を世に出すことが大きな“選択”でしたね。普段はTHE RAMPAGEという大きなグループにいるので、“THE RAMPAGEの岩谷翔吾”なんですけど、この作品は“岩谷翔吾”として世の中に出すので、僕の名刺代わりになる作品でもあるし、この『選択』を引っ提げて、これから自分はどう進んで行くのか。そこには無限の可能性があると思いますし、僕にとってターニングポイントになったと思います。
■ちなみに普段の生活のなかで、“選択”は迷わずにできるタイプですか?
岩谷 時と場合によります(笑)。いや、結構周りに相談するタイプかな。その後の人生が関わるようなことだったら、“選択”の前にまわりに相談するタイプですね。
■誰に聞くことが多いですか?
岩谷 メンバーが多いかもしれないです。
■自分の中に答えがあるけれど、一応相談をしたとき。相手が自分とは違う答えを出してきたらどうします?
岩谷 メンバーが言うんだったら、「うんうん、そっか」と聞き入れると思います。
「醤油を出そうとしたら、ぴゅっ!っと……」間違えちゃった“選択”とは。
■ちなみに、間違えちゃった“選択”はあります?
岩谷 最近、EXILEのTETSUYAさんと仕事で福井に行ったんですよ。帰りの新幹線の席が隣で、福井名物の鯖寿司を半分ずつ食べようとなったんですけど……。僕、後輩なので「全部やります!」って感じで、鯖寿司を開けて醤油を出そうとしたら、ぴゅっ!っと……ズボンに飛んで。僕のズボンだったからよかったんですけど、白だったんです(笑)。
■先輩が隣にいるし、自分は白いズボンだし、焦りますね(笑)。
岩谷 慣れないことをやろう!と“選択”してしまったので、こんなことになりました(笑)。
後悔さえも優しく抱きしめてあげられるような作品
■たくさんのお話をありがとうございました。では最後に読者にメッセージをお願いします!
岩谷 横浜流星と二人三脚で、頑張って書き上げました。人生にはいろんな選択があると思います。みなさんも人生を振り返ったときに後悔がひとつもない人なんていないと思うんですけど、そんな後悔さえも優しく抱きしめてあげられるような、「自信を持っていいんだよ」と優しく包みこんであげられるような作品になっていると思うのでぜひ読んでください!
普段、本や読書に慣れていない方もぜひ手に取って、冒頭だけでも読んでみてください。それで気になったら、ぜひ最後まで読んでもらえたらと思います。そんな方たちにとって、最初に触れる作品が『選択』になったらこれ以上に嬉しいことはないです。ぜひ読んでください!
■たくさんの素敵なお話をありがとうございました!
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岩谷翔吾(THE RAMPAGE)
1997年3月11日生まれ。大阪府出身。
2017年、THE RAMPAGEのパフォーマーとして1stシングル「Lightning」でメジャーデビュー。ダンス以外にも活動の場を広げ、俳優としてドラマや舞台への出演、朗読劇の脚本や演出、読書情報誌「青春と読書」での連載など、多方面で活躍中。また、読書だけではなく、日本将棋連盟三段や、実用マナー検定準1級の資格を取得するなど趣味が多いことで知られる。本書が作家デビュー作となる。2024年3枚目シングル「Endless Happy-Ending」が10月30日発売中。
[Instagram] @shogo_iwaya_official
―INFORMATION―
【岩谷翔吾 小説『選択』】
価格:1,760円(税込)
原案:横浜流星
発売日:2024年10月10日(木)
発行元:幻冬舎
■GL-16~THE RAMPAGE BOOKS~
2017年のメジャーデビューから、ひとりも欠けることなく16人全員で走り続けてきた、ダンス&ボーカルグループ THE RAMPAGE。本プロジェクトは、16人それぞれの個性を引き出して書籍化し、2024年7月より12ヵ月連続で刊行する大型企画となる。
Photo:Tamami Yanase、Text:Kyoko Fuse