「悔しい部分もたくさんあった。でもそれを次のステージに繋げたい」THE SUPER FRUIT(スパフル)、自身最大キャパ「TOKYO DOME CITY HALL」でフルファミに見せた嬉し涙と決意。<LIVEレポ/Emo独占写真も!>



2024年11月3日(日)、THE SUPER FRUIT(スパフル)が「THE SUPER FRUIT WORLD 2024 in TOKYO DOME CITY HALL」を行った。スパフル活動史上、最大キャパとなる公演だ。

フルファミ(THE SUPER FRUITのファンネーム)を非日常の空間へと連れ出す、エンターテイメントに溢れた公演の模様をレポートする。

開演予定時刻を少し過ぎたころ、期待感が最高潮に高まったころ、会場の照明が暗転した。一斉にカラフルなペンライトの灯りがきらめく。



ステージを覆っている幕に映し出されるアニメーション。車の運転席から見る景色のようだ。ドライブをしているのだろうか。森の中を進んでいく車だが、木にぶつかり、エンスト起こしたように見えたが、走り出す車。スピードアップした先には開けた通りが……。そして浮かび上がる招待状。そこは秘密のスパフルワールド。招待状を持っている人だけが入場することができる。ここから夢のような非日常空間へとフルファミをいざなっていく。



幕が落ちると、カラフルな遊園地のようなセットが登場し、ワクワク感が一気に盛り上がる。真っ白な衣装で登場した7人がオープニングを飾るのは「Seven Fruits」。大きな歓声がTDCホールに響き渡り、そこにフレッシュな歌声が広がっていく。さらに生カメラがそれぞれのキュートな笑顔を捉える。

2曲目の「パノラマ」ではフラッグ隊と楽器隊に扮装したダンサーたちも登場し、ポップに。二段構えとなっているステージも使って、立体的にパフォーマンスを見せていく。



田倉暉久が「コーレスで盛り上がっていきましょう!」と声をかけ、会場の温度をさらに上げたところで白のコートを脱ぎ捨て、カラフルな衣装にチェンジし、「らりるサプライズ」を。ここではステージから飛び出し、客席へ。よりフルファミに近い場所で楽曲届けていく。その様子はさながらテーマパークのパレードのようだ。



3曲を披露したところで、改めてフルファミにご挨拶。今日のスパフルは「スパフルワールド」の案内人ということで、「スパフルワールドは招待されたみんなしか来ることができない素敵な空間だよ。今日はたーっくさん案内するから覚悟しててね」と松本勇輝。星野晴海も「日常の嫌なことはぜーんぶ忘れて楽しもうね」とにっこり。



そして案内人のスパフルがそれぞれ自己紹介。案内人らしく?今回は自己紹介のあとに甘い一言付きだ。「絶対離れないでね」(阿部隼大)「みなさん僕についてきてください、迷子にさせません!」(堀内結流)、「今日はハルから目離さないでね」(星野晴海)、「最後までずっと一緒だよ」(小田惟真)、「迷子になりたくなかったら、この手、離すなよ」(田倉暉久)、「今日はみんながそばにいてくれないと泣いちゃう。だから一生そばにいて」(松本勇輝)、「あんま俺に惚れんなって」(鈴木志音)……とそれぞれ熱い一言でフルファミを沸かせた。

それから、改めて「スパフルワールド」について説明。さまざまなエリアがあって、これからそのエリアをスパフルが順に案内していってくれる……というわけだ。



続いてはいろんな仕掛けがあるという「ジューシーソーダタウン」。キラキラとピンクの照明が煌めく中で披露するのは「サクラフレフレ」。サビでは客席も一体になって体を動かしていく。そして会場にはシャボン玉が舞う。そんな中、田倉の実況で三輪車リレーがスタート!? 途中で迷走したりセットにぶつかったりしながらもゴールし、アトラクション感を盛り上げたあと、「素敵なMy Life」とポップな楽曲が続く。



そこから、小田の落ち着いたソロから始まる「Juicy Smile」。ここでもちょっとした仕掛けがあり、セットにあるウィンドウのようなスペースに阿部、堀内、松本、鈴木が入る。窓越しにポーズを決め、フルファミをときめかせる。ラストは全員がウィンドウの中に入り、まるで一枚の絵画のような演出となった。

続いてトロピカルスクールランドは「SCH。。L!」からスタート。スンッとした真顔だったり、ふいに溢れる笑顔だったりと表情管理も光る。そこから、星野が「みなさん一緒にクラップー!」と促し、「学園天国」へ。冒頭からフルファミのコールも大きく響き渡る。



フルファミがメンバーの名前をコールするところから始まったのは「君はリアコ製造機」。曲中でも、フルファミの元気いっぱいのコールが響く。キュートで元気だが、小田、堀内、田倉のそれぞれのソロはどこか憂いをおびていて、ギャップを見せる。これがまさに「リアコ製造機」の威力かもしれない。田倉の曲間の「絶対迷子になんてさせないから。一生俺についてこい」というセリフにも歓声が沸き起こった。ラストは「一斉にジャンプしたいのでしゃがんでください」と小田が呼びかけ、全員揃って大ジャンプで楽曲を盛り上げた。



MCでは、堀内が今回の衣装……ではなく、スパフルワールドの制服を紹介。「ボタンがメンバーカラーになっていたり、スパンコールもすごく綺麗でお気に入り」とオススメポイントを語った。また、「テーマパークといったら、グッズじゃない?」と小田が手にしていたタオルを、松本はカチューシャを紹介。「このカチューシャは“おデコレーション”してもかわいいの」とアピールした。



さて、ここまではアトラクションを案内してきたが、次はちょっと趣向を変えて、お化け屋敷ターンへ。というところで、7人が立ち去ったステージ上には代わりにカラフルなモンスターが7人登場。ステージを縦横無尽に動き回っていたが、突然雨音と雷が響き渡る。

再びモンスターたちと入れ替わるようにしてメンバーカラーの傘を手にしたメンバーが登場し「馬鹿ばっか」を。傘を手に、傘を活かしたパフォーマンスで魅せた。毒々しさのある色合いのライティングの中、いつも以上にクールな表情も見せた。ラストはモンスターも再び登場し、入り乱れてのパフォーマンスを披露した。




そこから一転、静かにピアノの音と、阿部の歌声が響いたのは「DanDanDanDance」。ダンサブルな楽曲でしっかりとダンスも見せ、続く「Someday」では前半は田倉と小田、阿部の3人でしっとりと聴かせ、大人な表情を見せつつ、モンスターとのダンスセッションも。後半は星野、鈴木、松本、堀内も加わり、より迫力あるステージを見せた。そして「青い果実」でこのセクションを締め括った。

スパフルワールドのスタッフが客席に現れ、記念撮影が行われるパートを挟みつつ、続いて、スパフルが案内してくれるのは「セントラルフレッシュパーク」。



衣装をチェンジしたスパフルがまずはダンスセクションで盛り上げたところで「ポップコーンフィーバー」を。この楽曲は撮影がOKということで、フルファミはスマホを構える。ポップなだけではなく、激しいダンスパフォーマンスも見どころの楽曲がそれぞれのスマホに収められた。



曲を終え、フルファミがスマホをしまったところで、鈴木がアイスクリームカーに乗って登場。アイスといえば、やっぱり夏、だろう。「サマー☆★げっちゅー」へと続く。鈴木が笑顔と共にアイスをメンバーに手渡す。アイスというアイテムがメンバーのかわいさを倍増させているように見えるのは気のせいだろうか。さらにアイスを使ったポーズもかわいい。さらに「歌え!踊れ!届け!」というパートでは会場が声を揃えてコーレスをし、自然と熱が上がっていく。

テンションがググッと上がったところで「叫べない僕らの」ではいつもと少し異なるDance Rock Ver.で披露。激しいダンスだが、どこかエモさの感じる楽曲でフルファミを魅了した。



続いて、小田が「つんく♂さんがつくってくれた曲です」と言って初披露したのは「君との僕とのサクセス論」。心地良い言葉のリズムと、思わず真似したくなる振り付けだけでも魅力的だが、しっかりと歌唱力を聴かせるパートもあり、スパフルの魅力がギュッと詰まった楽曲だ。

さらに中毒性の高い楽曲もある。ヒャダイン制作の「どーぱみんみん あどれなりんりん」だ。コールのパートも多く、会場の一体感が高まる。激しいダンスに、耳に次々と飛び込んでくるメロディに自然とテンションが上がっていく。しかし、まだまだアガる曲は続く。星野の「みなさん会場ひとつになって踊りましょう」という言葉と共に始まった「チグハグ」。会場のボルテージは最高潮だ。



そんな盛り上がりバツグンの楽曲を立て続けに披露したところで星野が「ペンライトをさげて、スマホの懐中電灯をつけてください」とリクエスト。少しずつ強い白色の光が会場に広がっていく。ペンライトとはまた違う、光の光景に「綺麗!」「宇宙みたい」と感激の声をあげるメンバー。

そんな中で「ここでしか聴けない曲を披露します」と小田がコールしたのは「SUPAFULU WORLD」。フルファミの光で明るく照らされた会場内で、互いの絆を確かめ合うような楽曲で心をひとつにした。会場の光景に阿部は「みなさんきれいです、ありがとうございます」と微笑み、小田は涙をこぼし、そんな小田の肩を阿部と星野が抱く温かな様子も見られた。

曲を終え、「みなさん楽しんでいただけましたか」と星野。「みなさんのおかげでハルたちもすごく楽しかったです」と笑顔で言い、本編を締めくくった。





すぐにアンコールの声が響き渡る中、スクリーンにはゲーム画面が表示される。リズムゲーム形式でクラップとコールを行い、ゲームをクリアしたらスパフルに会えるというシステム。ゲームのレベルがアップしていく中、フルファミもしっかりとクリアしていく。ラストはクラップとコールを合わせたもので盛り上げていく。

見事にフルファミが全てクリアしたところで、客席から登場したスパフル。「I My Me Meow」からアンコールをスタートさせた。松本を始め、この曲にピッタリなねこ耳カチューシャグッズをつけて登場しているメンバーもいてキュートな振り付けも際立つ。



そして、「この曲でスパフルワールドは閉園になります」と阿部が言い、初披露となる「御伽話」を。阿部、星野、松本がマイクを握り、激しいサウンドに合わせて、ダンスと共に魅せた。

こうしてスパフルワールドが閉園し、1人ずつメッセージを……という前に、重大発表の映像が流れだす。サプライズのお時間だ。メンバーもまだ知らない情報の解禁とのことで、その場にいる全員の期待が高まる。ひとつめはスパフルメンバーだけが出演する舞台「OH BABY!! PLEASE GO HOME!!」の決定だ。草月ホールで開催が発表され、驚きの様子を見せるメンバー。



しかし、これよりもさらに大きな発表が控えていた。夢のアリーナツアーへの第一歩となった今回のTDCホールでのライブ。そんなスパフルの第二歩目となる次のステージとして用意されたのは、幕張メッセだ。2025年11月23日の開催が発表されると、座ってVTRを見ていたメンバーも、思わず弾かれたように飛び上がり、呆然とした様子を見せた。収容人数は5000人規模。

映像が終わっても、しばらく動けないままでいる7人。そんな7人に会場からは温かな拍手が送られた。呆然としたまま、フルファミに向きなおると、田倉は「えーっと、『馬鹿ばっか』やれば良いんだっけ……」と混乱している心中を現しているようなリアクションで、場を和ませた。



そして、ここで改めてメンバーそれぞれからフルファミに向けてメッセージが送られた。トップバッターは阿部。「今日、フルファミとこのTDCホールを埋められただけでも奇跡だと思っていた」と言い、「次の、幕張メッセという大きな一歩が現れたので、これからも気を抜かずに頑張りたいなと思っています!」と意気込みを語った。



鈴木は「今日来てくれたみんな! また絶対に絶対に幕張で会いましょう!まだまだ、まだまだ、僕たちのスパフルワールドは続きます!」と宣言。



堀内は「今日、本当に楽しみで、みなさんとTDCホールっていう会場で一緒にライブできるとなって今日までずっとリハして、このめっちゃ綺麗な景色があって……夢みたいで、昨日も全然寝れなくて」と回顧。「こうやって(ステージに)立ってみてみなさんのライトとか笑顔を見てすごい幸せで。幕張メッセというもっともっと大きな会場が本当に嬉しかったし、もっと綺麗な景色が見られるのだと思うと今でもドキドキか止まりません。だからこそ、みんなも同じ景色を見てほしいし、もっともっとみんなの笑顔を見たいと思うので、これからの僕たちもよろしくお願いします」



「本当に今日TDCホールに向けて47都道府県とかずっと回ってて、日本全国のフルファミとか、初めて来てくれた人にこうやってTDCに集まって僕たちのスパフルワールドをお見せできて、本当に嬉しかったです」と松本。「これからまだまだ高い目標はたくさんあるけど、きっと僕たちのフルファミなら一緒にライブを見てくれるかな、と思い続けてこれからもライブをがんばりたいので、よろしくお願いします。」



「ここまで47都道府県も一緒にやってきて、今日名に伝えようかな、って一日考えていたんですけどまさかこんな発表があると思ってなかったです」と星野。「みんなが47で身近な距離感で応援してくれて、だから今日のこのステージだけは、さっき披露した『御伽噺』のように、非現実的で、空想的で、本当に夢のような空間をみんなに届けたいなと思っていました」とフルファミの心中を思いやり、「辛いことに直面している中でも、みんなが来てくれていて……時には辛いことから目を背けてほしいな、と思うし、辛いことから目背ける人はそこに気づく人だと思います。だからこそ、ここを現実離れした空想的な、すてきな空間にしたいな、と思ってここまでやってきました。それがこんな超満員というステキな形でできたことが本当に嬉しくて。はるたちも「御伽話」のようなステージを届けたいと思っていたけど、こうやってたくさんの人が来て、次幕張メッセ立てるっていうことは本当にはるたちは人生をかけて御伽話を書いているようだな、と思いました。正直、はるたちにも辛いことはたくさんあるし、ここまでくるのも正直辛いこともあります。でも、次は幕張メッセまではるたちと一緒に御伽話の続きを書いてほしな、と思います」



「こうしてサプライズイヤーが始まってから今日まで思い返すと、支えられて、助けられてばっかりだったこの半年だった」と田倉。しかし、「次からは僕たちTHE SUPER FRUITが皆さんを引っ張っていけるような存在になれたらいいのかな、と思うので、みなさんどうか、これからも一人残らず信じてついてくれると嬉しいです」。そして「最後にひとつ良いですか」と言うとマイクを外し、「今日楽しかった人手上げて!」と生声で呼びかけた。もちろん、特大の「はーい!」という返事が響き渡り、笑顔を見せる田倉。「いつかこの声が届かなくなるぐらい大きい会場に立ちます!」と宣言した。



ラストは小田。「いろんな発表があって僕、今日1日だけで3回ぐらい泣いてるんですけど」とはにかんだ。始まる前から、登場のVTRで歓声が上がるたびに幕の後ろでみんな泣きそうになっていたという。「本当にみなさんの歓声を聞くだけで、悩んで落ち込んでいた日々が本当に馬鹿みたいに思えて。環境に恵まれているな、と思います。『SUPAFULU WORLD』という曲をお届けしたんですけどそこにある『夢みたいだけど夢じゃない』のように、『夢じゃない』この景色を見れたことがすごく嬉しくて。これがどんどん、どんどん大きくなっていくって考えると、自分たちも、もっともっと完璧なステージを見せたいっていう思いが強くなっていて。今日は正直、自分は全力で楽しめたけど、悔しい部分もたくさんあったし、それを次の幕張メッセに繋げたいと思います」と決意を新たにした。



「最後に僕たちの思いを乗せて1曲歌います」と「ボクらの夜明け」を披露。泣いてる松本をハグする阿部と星野。それぞれが思いを確かめあうように、ハグをする。星野は涙を見せないように何度も俯くような仕草を見せていた。それぞれの溢れる思いが歌に乗り、フルファミの元に届いたのではないだろうか。




夢のアリーナへの第一歩となった本公演。そしてさらに、次のステージへのスパフルの前に伸びている。もしかすると、その道は平坦なものではないかもしれない。が、きっと、笑顔でその瞬間を迎えるはず、と予感させてくれる。新たなスパフルの旅路が始まった。


-Set List-


11月3日(日・祝)東京・TOKYO DOME CITY HALL
「THE SUPER FRUIT WORLD 2024 in TOKYO DOME CITY HALL」



– OPENING –
01. Seven Fruits (SUPAFURU WORLD Ver.)
02. パノラマ (Orchestra Ver.)
03. らりるサプライズ!
04. サクラフレフレ
05. 素敵なMyLife (Spring Ver.)
06. Juicy Smile
07. SCH。。L!
08. 学園天国
09. 君はリアコ製造機
10. 馬鹿ばっか (ヤミーモンスターキャッスル Ver.)
11. DanDanDaDance
12. Someday (Gospel Ver.)
13. 青い果実
14. ダンスセクション
15. ポップコーンフィーバー
16. サマー☆★げっちゅー
17. 叫べない僕らの (Dance Rock Ver.)
18. 君と僕とのサクセス論 ※初披露
19. どーぱみんみん あどれなりんりん
20. チグハグ (Orchestra Ver.)
21. SUPAFURU WORLD ※初披露

EN01. I My Me Meow
EN02. 御伽話 ※初披露
EN03. ボクらの夜明け (Strings Ver.)
– ENDING –


Photo:上溝恭香
Text:ふくだりょうこ

新着ニュース

Present

more