萩原利久「無限に増え続けるかもしれない、新たな肩書きの匠海とまたどこかで会いたい」!北村匠海初監督映画「世界征服やめた」プレミア上映イベントに登壇<イベントレポ>



アーティストにして俳優の北村匠海が初めてメガホンをとった映画【世界征服やめた】のワールドプレミア上映イベントが、東京・ユナイテッド・シネマ アクアシティお台場で行われ、北村をはじめ萩原利久、藤堂日向が揃って舞台に登壇した。

本作は、内向的な社会人・彼方(かなた)の人生が、どこか飄々としつつ白黒をはっきりさせたがる同僚・星野の決断によって揺れ動く様が描かれている。

原作は、独特な言葉のセンスとパフォーマンスで注目を浴びながら、2011年6月23日に不慮の事故でこの世を去ったポエトリーラッパー・不可思議/wonderboyの代表的な楽曲の1つ「世界征服やめた」に強く影響を受けた北村が、この楽曲からインスパイアされて脚本を書き下ろし、自らメガホンをとった短編映画だ。



イベント冒頭で北村は「人生で初めて、監督という立場でこの場に出させていただくんですが、もっと緊張するもんだと思ったんですが、全てが初めての彼(藤堂)がいるので、緊張するまもなく彼を慰めてここに来ました。」と初めて大舞台でのイベントに参加する藤堂日向への思いやりで挨拶がスタート。

北村が「振り返ってみると、1番最初は2021年3月に話しが始まり 映画を作りたいんだというところから。最初プロットからみたいな。結構そのプロットを書くのが好きなんですよ、基本的に。そういうのから入って脚本をスタートさせたんですが、本当に右も左もわからないので、たくさんの脚本をこれまで読んできたのに、いざ自分が書くとなるとすごく難しくて。そんなところからスタートしました。でもずっと自分の口で喋りながら書いてましたね。役者としての立場に立ちながら、脚本を作る本当に楽しい作業だったんですけれど、難産というか、本当に難しいな脚本はっていうところから始まりました。」とこの作品ができていった工程を明かしてくれた。

また脚本を書くことが好きかどうか?という質問に対し北村は「普段、音楽活動の時に歌詞を書くのは自分で書くので、書くときは移動しながらってことが多くて。ただ今回、脚本に関してはわりとずっと向き合い続けながら、移動しながらポンっと浮かんだものをフラッシュで書くというよりかは、かなり熟考しながら考えてました。今回この『世界征服やめた』の楽曲は、高校生の時に出会っていて、その時に漠然とwonderboyさんから頂いたものを自分は何か形にしなきゃいけないっていうのがあって。勝手にその責任感みたいなものを背負いながら、常に逃げちゃダメだと思いながら向き合い続けましたね。」とwonderboyへのリスペクトをどうにか形にしたいと思ったのがきっかけであると明かしてくれた。

さらに「やっぱり自分の人生の中でも、映画と音楽に救われるという瞬間がたくさんあったので、今回はある意味、自分の中でそれがすごく複合的になった作品というか。そこを形にしたかったんです。決して音楽映画ではないのですが、いただいた感情を具現化するという、そこは自分で決めたテーマだからこそ楽しいかつ難しいっていう思いでした。」と楽しさと難しさが混在していたことを語った。



続いて台本を渡されたとき、それを読んだ時の印象を聞かれ萩原は「多分おそらく、この匠海の映画っていうのは、一番最初はいつかの年末にご飯を食べた時にちょうど書いてるぐらいの時だったのかな?書き初めとかで、いろんなものが形になってないけれど、とりあえず書いてるみたいな段階の時に、ちょっとそれを話してくれて、すごく『むじー、むじー(難しい)』って言ってたのはすごく覚えていて、そこからだいぶ時間が経って正式にオファーをもらって本をもらってって。びっくりしましたよ、僕は正直。1番最初に聞いてた時からすると、なんか体感的に『あ、もう来た』って思ったし、え?こんなに早くこんな形になるんだ!って思ったし、役者として出会ってそこから友達になってっていう。あんなにいろんな匠海を見てきたはずなのに、全然知らない革命をいきなり、突きつけられるような、あれ?こんなのどこにしまってたんだろうみたいなのを結構、脚本から感じた記憶がありますね。」と脚本を読んだ時の感想を述べた。

さらに「なんか僕の中で1番不思議だった感覚があって、多分 もう後にも先にもこんなことないと思うんですけど、僕の今回の役って、絶対北村匠海もできるんですよね。おそらく。だから自分に当てて書かれてるようで、これ絶対、北村匠海がやってるのもすごく想像できるし、共感というか、多分言葉ではちょっとおさまらない感じで、どこか共鳴してるところがあるじゃんって隅々に脚本から感じられたので。だからなんか、匠海もきっとできる、が、だからこそ自分色じゃないですが、俺はこれをやったんだっていうのを刻みたいというか、出したい、表現したいみたいな、そんな感覚が読んでから、沸々と出てきた感じです。」と明かし、だからこそ「すごくフラットに用意しました。特別こう準備するっていうより、割と読んで自分がこう初見でパッと感じたものを、ここが多分、もしかすると、僕のオンリーワンの部分で、だからそこを変に考えすぎず、塗り重ねていくといかは、そこを忘れないように、そのまま初めて読んだ時のあの感覚を現場に行くまで忘れないようにしました。そのアプローチが今回は大事だったかなっていうのはありましたね。」と友人でもある北村が苦労していたこと、そしてオファーを受けた時の感想を明かした。



藤堂は「初めてお話をいただいた時に、監督の家でご飯を食べていて、その時にちょっと日向で書きたいやつあるんだよねって言われて、自分その時全く冗談だろう、と。その時は『すごい嬉しい。ありがとう』みたいな軽い感じで返したんですが、本当に仕事の話になった時、びっくりして。(台本を)読んだ時、北村匠海らしさっていうのがやっぱり出てるなっていうのがあって。wonderboyさんの<世界征服やめた>を監督から教えてもらった時に、その歌詞とリンクするようなセリフもたくさんあったり。匠海君ってかなり温度がある人間だと思っていて。すごく、言葉の1つ1つのチョイスがあったかいんですよね。そういうところを脚本を見た時にすごく感じて。<世界征服やめた>と歌詞もリンクしていて、混然一体となっている感じっていうのが印象としてありました。」と本当にオファーが来た時の驚きと、リンクする世界観に感動したそう。



さらに、キャスティングについて聞かれ北村は「キャスティングにおいては、2人が感じてるいるのがかなり的を得ているというか、1番最初にまだ本も書いてない段階で、この人とこの人、そして自分監督で、撮りたいなって。監督としての立場で見て見たいなって思った役者は藤堂日向だったんです。これがほうがの時に出会って、自粛期間とかある中で、仲が深まっていくうちに彼が持っている役者をしたい!という活動でもオーディションとかもコロナの影響でなかったり、そういうチャンスすらない。でも自分は役者として生きたい。でも周りに道がないっていう状況は彼も知ってたので、その活動を撮りたいなって思ったのが1番最初でした。(脚本を)書いていく中で、どんどん自分になっていくわけですよ。主人公2人の。もう表地一体なんですが、どんどん自分になっていく。じゃあ自分みたいな役者って誰だろうってなったら、もう利久しかいなくて。もうこの2人にしか出せないというか、確かに自分が演じる姿も浮かんだりもして、だからこそ、自分と同じ感覚だったりとか、言葉の間だったりとか、なんかその表情1つ、 なんか役者的感覚が近いであろうってなったら利久しか浮かばなくて。萩原利久という役者が持ってるその不思議な存在感というか。でも途中から、何もこの2人にキャスティングを投げていない段階で書き上げてしまえって思って。どんどん『利久にこれ言わせよう。』『日向にこれ言わせよう』って自分の中で想像を広げていった感じでしたね。普段は、役者としてキャスティングされる側というか、お話いただいたり、時にオーディション行ったりみたいな、作品のパーツとしてハマる立場ですけど、それをこうはめる立場、全体をこうパズルとしてみてはめる立場になると、やっぱキャスティングの段階でもう作品って、もう僕の仕事は終わってるのかもしれないって思う瞬間もあるんですよ。もう2人が揃った段階で、ある意味では自分のやれることはこの段階で完成してるんだなって思った瞬間が、本読みを2人でやってもらった時でした。役者として生きてると、監督に『出会った時にもう大丈夫だと思った』とか言われると、『嘘つけ』って『そんなわけあるかい。』って、『芝居も見てないのに?』とか思ってたんですけど、本当にその感覚が訪れて。キャスティングってなんか、すごいなって。役者が揃うってすごいんだなって感じました。」と実際に自分も過去の作品で監督から言われた言葉の意味を役者が揃って感じ取れたそうだ。



と、北村の監督としてのどうだったか?という質問に萩原は「こんなにコミュニケーションが円滑に進んだことはないってぐらい、円滑に進んで。円滑っていうのも、円滑すぎて多分言葉もそんなになかったんですよね。ああしてほしい、こうしてほしいって、ほぼなくて。本当に感覚的な。ちょい、こう、みたいな。で、あ、なるほどってなる、この感覚は感じたことがない。それは匠海がプレイヤーとしてやってるっていうのもすごく大きいと思いますし、逆に作品の演出というか中で、1番僕の中でバシーっときたのが、余白が長すぎるっていう。余白というか、もうほぼ放置されてんじゃないか?これカメラ終わってるかわからない、そのくらい、無限に時間をくれちゃうんですよね。どこまでも。大体、このセリフが終わって、これしたらカットかかるだろう。でも、これがないんですよ。だからいつ終わるかわからないみたいな。何をしてても誰も何も言ってこない、無限にカメラ回っているから」といつまでもカットがかからないそんな現場であったことを明かした。

それに対し北村は「(萩原)彼が家で歯を磨いたりとか、ソファーに座ったりとかっていうシーンがあったんですが、あ、そこ、もうテスト無しで。じゃあ、回すから、生きてって。」萩原「もうすごいです。『おはようございます。よろしくお願いします』って、『じゃあやろうか』みたいな感じで、そのまま」北村「あそこ、お風呂だから。で、ここで洗面所、ここ歯ブラシあるし、ソファーでゆっくりしてくれてもいいから、『生きて』って。」と監督すぎない役者としても活動する北村だからこその空気感で現場が回っていったのだという。さらに萩原はガチでシャワーを浴びたのだとも明かしていた。また萩原は「だからそれに関しては、正直脚本を読んでる段階でそんなことになるとは思っていなかったから、ビックリですよ。あんな始まり方をすると思ってなかったし、しかもすごいのが、現場の人が誰1人として、そのシチュエーション、その行われる空間に誰も『何言ってるんだろう』ってなってないんです。もう準備できちゃってる感じ。」と北村が「この作業が本当に面白くて。そこに至るまでが。『スクロール』っていう映画をまるまる手伝ってくれてる(仲間で)。自分ともう感覚がわかり合ってる中で、『すごいやりたいんだけど』『だよね。』みたいな人しか集まらない。『じゃあもう俺ずっと回していくから。』『じゃあ、どうぞ』って」と萩原は「だから誰も迷いがないから、こっちが超迷うんです。何もない空間でこんなにも進んでるの?この物事が。すごい自分だけ置いてかれているような。だから本当に始まる直前くらいかな?いいや、もう、やろう!このまま。と思って。」と北村だからこそ、そして北村のことをわかっているスタッフだからこそ醸し出される独特の空気感の中で、現場が進んでいったのだという。

ここで北村が「利久のアドリブなんですけど、携帯を充電するんですよ、彼が。これから首に縄をかける人が携帯を充電するはずがないんですよ。それを僕は何も言ってないんですけど、彼が携帯をピッて充電した時に、『さすが・・・!それそれ!』これだけを待っていたと思う。」と北村の想像に想像を重ねた萩原に賛辞を贈った。



ここでもう1人の主人公である藤堂に北村監督と一緒に仕事をしてみた感想を聞かれ藤堂は「監督は、すごく『生きて』って言葉を使う人で、プライベートで会話する中でいろんな相談とかもしてるんですが、そういう時にも結構“生きる”ことを大事にするというか、そういう人で。役作りが自分なかなかうまくいかなくて。それで、監督に、2人でいる時にどうすればいいかなみたいな、足がかりもなかなか掴めなくて、そん時に、とにかく陽の存在でいてほしいっていうのは言われていて、でも、悲しみとか痛みとか悔しさみたいなのをひっくるめた涼しさを持っていてほしいって言われて。難しいなと思い、でも、それってちょっと役者サイドの寄り添い方というか、抽象的にみえて、それこそ匠海らしいアドバイスの仕方をしてもらって、そこで足がかりをつかめて、本を読んでって、みたいな感じで。だから、それを言ってくれるのが逆に匠海でよかったし、それで安心もできたし、うまくできましたね。なんか、いろいろと。」とスッと北村の言葉が入ってきたそうだ。

それに対し北村は「2人とはプライベートから仲良くさせていただいている中で、現場で立ち位置の違う関わり合い方をするというのも、すごく個人的に嬉しかったですし、監督として、頑張ろうではなくて、役者兼監督として今後2人に寄り添うとしたら、どうするべきかっていうのをずっと考えていて。僕がその監督をする意味っていうところで言うと、やっぱり役者だから、役者に寄り添いたいっていうのはスタッフ全員に伝えてて。だから脚本のト書とかも、現場ではその余白をすごく大事にしたんですが、ト書には感情も全部書くみたいな。そこが共通認識でみんなあるといいなと思って。ナレーションみたいな時ばっかだったと思うんですよ、僕の脚本って。そういう感情の部分は実際に言葉で交わすのではなく、みんな読んで咀嚼してもらうっていうところで共通認識で持ってもらって、あとは現場に来てって『どうぞ』って感じでした。日向くんのシーンも屋上のシーンとかも、あれが彼の1番最初のシーンで。やっぱり撮影期間が短い中で、奇跡的に晴れたんです。僕が、深夜1時くらいに入って、彼を待ってて。『どうする?テストやりたい?段取りどうする?』って『やらない。やらないよね?』って。自分が役者だったらそれが1ばん嬉しいなっていう。なので、2人への接し方もちょっと変えてましたね。自分と似ている利久だからこそ、自分はこう寄り添うとか。最初に言った通り、芝居をする渇望がある彼だからこそ、とにかく彼がその芝居でアンサーを返していくっていう。だから『2回目はないからね』ってひたすらプレッシャーを面白がった顔をして投げかけて。この人やるなっと思いながら、1回だよね?っていう。」そんなプレッシャーを常に荻原にかけていたとのこと。

また、監督として特にこだわった部分について聞かれ北村は「自分は、8歳からこの業界にいるので。それで言うと、いわゆる社会というものを実は知ってるようで知らないというか。会社に勤めたこともないですし。だからこそ、自分の知ってる社会ってなんだろうと思って考えたら、それこそ、『世界征服やめた』の楽曲と出会った当初は、やっぱ自分にとっては社会って学校だったので、だから全部学校と同じにしたんです。チャイムでみんなが起立して、バーってみんなが固まって1つの黒い丸のように固まって出ていく中で、1人を残すっていうのとか。すごく抽象的にシーンを書いてたんですけど、スタッフの中ではこいう概念だよね、こういう感覚だよねっていうのは共有し合いながらやったりとか。あとは、景色がどんどんザッピングしていって、彼が1人前を歩いていて、屋上につながるシーンとか、あれ、すごいですよね。」と会場にいる観客に不意に同意を求める場面もあり、笑いが巻き起こっていた。「本(脚本)と書いた時にも、自分の中で絵はできてたんですけど、それが現実にどうしたら・・・というのとかも、自分がNikonさんのCMとかに出させていただいていたので、ちょっと協力していただいてやりましたね。『すげぇな〜』って思って。現場で。自分で作り上げてるのに、自分が1番びっくりして。『これすごくない?すげぇ』」と小声で“すげぇ”を繰り返し、それに対して笑いが起こっていた。また「井浦さんも、もうほぼボランティアのように来ていただいて。新さんがアドリブで「水いるか?」ってセリフを付け足していただいて、僕はもう店閉めるぞっていう一言を書いたんですが、そうじゃなくて、水を飲めば・・・っていうアドリブの会話が彼を救ってくれたなって。本当に新さんに助けられて。」と井浦の存在の大きさ感動したことを明かしてくれた。

さらに「居酒屋のシーンでは美味しいご飯いっぱいにしようと、美味しそうに2人で会話しながら完食したいねって。」と萩原が「『完食するまで、カメラ止めないから!』って。実際入ってみて、すっごい量だなと・・・。」と北村が「彼らの芝居を邪魔したかったんですよ。これは僕自身が受けた演出でもあって、過去に役者としてご飯3杯お代わりしてくださいっていうのがあって。だから15分くらい長回しして、『この間にお代わりしてください』「相手に3回タッチしてください』って。深川さんという監督さんなんですよ。やっぱり食べるシーンは、食べるのみたいしなって。だから2人にもとにかく飲んで食べて、完食してください。ビールとかおかわりしてもいいし、(カメラを)回しとくんでって。」と自分が役者の時にあった手法を取り入れたことを明かしてくれた。



そして北村は「初めは5分の脚本でした。ショートで撮ろうと思って。そのあとでお話が来て長編にしませんか?ってなので、次に1時間半で脚本を書いたんです。でも今まで裏側を知らないから、1時間半の脚本を書いた時に、これがどのくらいの期間と予算がかかるのかっていうのは、わからなかったんです。なので(脚本を)読んでいただいた時に、『これは無理だ』って。『じゃあ、どうすればいいですかね?』なって、そこから一旦全てを無視して、好きな尺で思いのままに書いてみてくださいって言われて。30分の脚本にして。そもそも30分の脚本なんです。これって。これを現場で撮り進めて行く中で、自分が編集して気がつけば50分になってたっていう偶然の産物というか。本だけ読むと、31〜32ページくらいの、だいたい1ページ1分になるんですね。でもまあここでの会話でわかる通り、自分があまりにも長く待つから、止まらないんです。でも見てて、この2人の空気感が良すぎて、こんなん切れるわけないじゃんって。」

ここで時間となり最後に3人に今後チャレンジしてみたいことは?と問われ藤堂は「チャレンジしてみたいことはたくさんあるんですが、昔から“道”がつくものをやってみたくて。柔道とか、茶道とか。そういう中で、昔、自分の母が弓道をやって地て、物置にその弓道の一式みたいなものを見てて、弓道ちょっとやってみたいなっていうのはかなりありますね。役者としては、ハッキングする役みたいなのに、ちょっと憧れますね」というと2人から「おお〜〜」っと驚きの声が上がった。



萩原は「今回、匠海と役者として出会って、友達になって、そこから匠海の音楽というアーティスト・北村匠海を知って。そして今回監督・北村匠海というまた違った匠海と出会えて。なんかふと思うんですよ。匠海って今後何をしてるんだろうなって。なんか無限に匠海は増えるんじゃないかなと思って。1年後に撮影分にいたり、照明にいたり。ほんと無限にこのパターンってもしかしたらあるのかなって思うと、基本的に役者に出会った人に関して、また共演したいとか割とあるんですが、匠海だけはもはや匠海じゃない匠海に会ってみたいっていうのが僕の中でちょっとあって。お芝居を一緒にする、だけじゃない、ありとあらゆる北村匠海という人間に、もはや仕事じゃないかもしれない。無限に増え続けるかもしれない、新たな肩書きの匠海とまたどこかで会いたいなっていうのが、今回の映画をやってまた1つある。まあ、僕1人ではできないチャレンジではある大分依存はしてるんですが、本当にいろんな匠海と出会ってみたいなというのが、今後1個あるチャレンジというか目標ではあります。」そんな言葉で締めた。

後半には北村が「やってみたいことは、いくらでもあるんですが。祭りで焼きそば作ってたりとか。いや〜、憧れがあるんですよね。映画とかの作品においてずっとやりたいのは助監督さんです。エキストラの皆さんに芝居をつけるっていうのに、特化した仕事をしたいなと。例えば2人が、自転車で日本一周する旅番組のドキュメンタリーを撮りたいって僕が言って、事務所までわざわざ僕が企画書まで渡しにいき・・・。ここ1週間あけえてくれれば、自転車でなくても例えば、四国1週とか、1週間四国を自転車で1週。」というと萩原から「匠海、絶対1週間じゃ終わらない」とぼやきが。

また実は北村は新たな脚本を書いていることを明かし、「実現するかもわからない、いつになるかもわからない、ただ自分の蓄えとして書いておこうと思って書いてるものがあったりするぐらいですが、自分のライフワークとして進めていければなっていう思います。」とまだまだ作品作りをしたい心情を明かしてくれた。



最後に藤堂が「北村匠海監督と、萩原利久くんと、井浦新さんと自分がお芝居できるっていう環境を作ってくれたことに対して、ものすごく感謝してますし、このご時世に映画館に足を運んでいただけるっていうこと自体、我々従事している僕たちにとってすごくありがたいことなので、みなさん、今度とも何卒よろしくお願いいたします。」と萩原は「多分、先輩の役者さんとかで、こういった風に映画を作ってる役者さんっていますが、僕らの世代で、匠海がその先陣を切ってくれて、僕にとっても友達の作品に出るっていうのは初めてのことでしたし、普段の現場とは明らかに違いものを感じながら、この現場に参加させてもらって。1つ1つがものすごく財産になりました。そして匠海が作る映画に僕が参加して、何より観てもらうことが1番純粋にあるので、ぜひぜひたくさん観ていただいて面白かったら、何か感じるものがあったら、どんどん周りの人に勧めていただけたらなと思います。」と作品を多くの人に観てほしいと切なる願いを言葉にしていた。



そして北村は「皆さんが今日初めて、僕が企画・脚本・監督を担当した映画を観ていただいたお客様です。というのも、この映画は本当に少ないスタッフで助け合いながら、そして出演してくれたキャストの皆さんもそうですし、自主映画的に作っていったので、どこまでこの映画が広がっていくかっていうのは、正直僕らもまだ見えてない部分があるんです。こいうい場所でプレミア上映として出させていただくことも奇跡ですし、今後この映画が今2人が言った通り広がるためには、僕ら自身もちゃんと映画館に足を運んで『流してください!』ってやる必要があるし。でも本来映画の在り方として、僕はすごくそういうのがいいなと思ってます。やっぱり役者として生きてると、取材を受けたりとか、舞台挨拶に立ったり、そして撮影期間って1ヶ月、長いもので3ヶ月とかある中で、得る思い出って短く感じるんですよね。でも、そうじゃなくて、この映画が今こうやって皆さんの前で初めてお披露目できたわけですけど、日向も言ってましたが、家でも映画って観れる時代になりましたし、それって僕らにとってはすごく良いことなんですが、やっぱり僕らは映画館で映画を観るということが好きだったりするので、映画、映画館、そして役者との付き合い方というのを、今日を皮切りにしっかり考えていくので、ぜひとも皆さんにも力を貸していただければ嬉しいです。」と締めくくりイベントは終了した。

■詳細
【映画「世界征服やめた」】
公開日:2025年2月、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次
企画・脚本・監督:北村匠海
出演:萩原利久、藤堂日向、井浦新(友情出演)
制作・制作プロダクション:EAST FILM

©『世界征服やめた』製作委員会

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