「ジェットコースターのように感情を揺さぶり続けるドラマ。観始めたら止まらなくなりました」超特急・カイも夢中で一気観!?「ペントハウス」の制作陣が手掛けた衝撃の復讐劇・韓国ドラマ『7人の脱出』<Emo!レビューインタビュー>



社会現象を巻き起こした「ペントハウス」シリーズを手掛けたチュ・ドンミン監督×脚本家のキム・スノクが再タッグ!ある少女の失踪を巡り最後まで予測不可能な展開が続く愛憎渦巻く衝撃の復讐劇、ドラマ「7人の脱出」(シーズン1)の全話配信を記念して、韓国好きといえばこの人!9人組メインダンサー&バックボーカルグループ超特急の【カイ】に本作を鑑賞してもらった。

普段は、感情移入して心がしんどくなるからとあまり”マクチャンドラマ(とんでもない展開が連続するドラマ)”系を観ないというカイだが、忙しいスケジュールの中、続きが気になって全34話中20話までつい一気観したという。
「観れば観るほど自分が綺麗になっていく感じがする」「自分を見つめ直すきっかけにもなった」と、カイも夢中にさせた単に”復讐劇”という言葉では表せられない本作の魅力を、ストーリー・演技・演出面、さらにK-POP好き&アーティストならではの視点からたっぷり語ってもらった。

本作のキーとなる人物、マシュー・リーをイメージした、光と影を感じさせるミステリアスなインタビューカットも必見!

ーあらすじー




トクソンの高校に通うダミは、養父母の愛を一身に受けて温かい家庭で育ってきた。ある日突然、彼女の前に実の母親だと名乗る女性クム・ラヒが現れる。ダミは幼い頃から心臓が弱く、養父母は多額の借金をして治療費を払ってきた。そんな養父母の借金をラヒが肩代わりするという条件で、ダミは実の母親のもとで生活することに。しかし、これがすべての地獄の始まりだった━。ダミの祖父は莫大な財産を抱える資産家で、ラヒは実の孫であるダミを利用して彼からドラマ制作資金や遺産を得ようとしていたのだ。また、ダミが転校した先の高校で一番の人気者でありアイドル練習生のハン・モネも、自身の秘密を隠すための身代わりとしてダミに目をつける。モネと深い関わりを持つチェリーエンタのヤン代表は、モネの秘密を隠すためダミを標的にしたフェイクニュースを流す。事態は次第に大きくなっていき、罪のない養父母まで巻き込んでいく。そして、数々の嘘が重なりある事件が起こった日、欲望にまみれた悪人たちの運命が大きく変わっていく…。嘘がさらなる嘘を呼び、裏切りが新たな裏切りを呼ぶ怒涛の展開。果たしてダミは救われるのか?



想像しうる最悪の状況が常に起きている感じ。その分、どんな風に7人が成敗されていくのか、そこはすごく楽しみ。




■韓国ドラマもよく観ているカイくんですが、今作のような”マクチャンドラマ”もよく観ますか?

カイ マクチャンドラマは感情移入してしんどくなっちゃうので自分からはあまり観ないんですよ。面白いよって教えてもらったりしたら観ます。

今回も前半すごかったな。いろんな人たちがしんどいよりも、1人が徹底的にしんどいから余計につらい。

■確かに、9話あたりまで復讐が始まるまでの土台となる話ですもんね。

カイ あのフェーズしんどいですよね。観るのが嫌とかじゃなくて自分の心がきついっていう。もう途中1人で笑っちゃったもん、これしんどいって(笑)。



■普段そういう系統のドラマを観ないから尚更衝撃が強かったんですね。

カイ そうですね、尚更。日本の作品でもいわゆるいじめとか、追い込まれるみたいな描写って結構あるじゃないですか。そういうのよりもえぐみが強いというか、こうなったら嫌だなが全部起きるみたいな。想像しうる最悪の状況が常に起きている感じ…
でもその分、最後まで観たらすっきりするんだろうなっていう期待値は高まります。

あとはいわゆる復讐劇がベースにあるじゃないですか。そこがどういう風に展開していくんだろうとか。どんな風に職種や年齢が違う7人が成敗されていくのか、そこはすごく楽しみですよね。

■ちなみにあんまりマクチャンドラマ系は観ないということですが、こういった作品の面白さはどんなところだと思いますか?

カイ こういうドラマの面白いところは、すっきりするというか。
最初しんどい分、徐々に悪人が成敗されていくところが観ていてストレス解消になるのかな。まっすぐ生きることが正しいと気づかせてくれる部分もありますよね。


観始めたら止まらなくなるドラマ。「ペントハウス」よりしんどいと思います(笑)。




■少し作品の感想も喋っていただいたんですけど、改めて「7人の脱出」を観ていかがでしたか?

カイ とにかくすごく面白かったですし、1話1話が30分~45分くらいで長すぎないのですごく観やすかったのと、毎話気になるところで終わるから、韓国ドラマあるあるですけど、観始めたら止まらなくなりました。気が付いたらちょっと外が明るくなっているみたいな(笑)。30分ならあと1話ぐらい観れるかなってつい観続けちゃうドラマだなと思いましたね。

あとまだここで寝たくないっていう気持ち的に?精神的に?(笑)ダミがかわいそうで…。

■ちなみに何話くらいまで観ました?

カイ 結構観れて、20何話とか。もうここまで来たらネタバレだらけですよ(笑)。

■本作は「ペントハウス」「皇后の品格」シリーズを生み出した脚本家のキム・スノクとチュ・ドンミン監督が再び手を組んだ作品になっているのですが、「ペントハウス」はご覧になられたことありますか?

カイ 知ってはいるんですけど、マクチャンドラマ系なのでちゃんとは観ていなくて。でもこれだけは言える、「ペントハウス」よりしんどいと思います(笑)。

「ペントハウス」はいろんな思惑がありつつだけど、これは1人がずっとしんどいから悲しい。8話くらいまでは、もうこれ以上はいいよ…って思っちゃうくらい。

でもその分、悪役7人へ対する憎しみじゃないけど、そういう気持ちも強くなっていくので、ちゃんと成敗されて欲しいっていう思いがどんどん強くなっていきますよね。



■観ていて感情移入させられますよね。

カイ 韓国ドラマってやっぱり感情が入りやすいですよね。文化の違いとか価値観の違いがあれど、近い国だからか感覚的にのめり込みやすいというか。
「7人の脱出」もすごく…いやどこまで、どう言えばいいのか…(笑)。

でも僕は基本的にモネが憎いです。モネもつらいのはわかるよ、わかるけどそうじゃないじゃんって。

■特にひどかったと思う登場人物となるとやっぱりモネですか?

カイ 先生もかな。モネもすごい嫌だったけど、先生も純粋に嫌!(笑) 私はそこまでひどくない、みたいな顔をしてるし。

あと警察のナム・チョル。いきなり出てきて、麻薬の入ったドリンク剤を飲ませて、急に嫌なやつ出てきたなみたいな。


行き過ぎた善意が知らぬ間に悪意にもなりうる。




■自分の保身のため、自分の欲望を叶えるためには一人の少女を落として入れてもいい。そんな自分勝手な、人間の嫌な部分が詰まった登場人物たちはどんな風に写りましたか?

カイ 程度の違いはあるとはいえ、よくあるんだろうなって。
人の命をどうこうっていうのはやっぱりあっちゃいけないことだけど、自分を守るために嘘をつくとか、陥れるというか誘導するというか、そういうのはよくあることだろうし。みんなも別にわざわざ言わないだけで学校とか会社とかでも遭遇してきただろうし。規模感の違いはあれど、自分たちもよく見てきたり経験してきたようなことだからより入り込みやすいんだろうなって。

でも難しいですよね。自分も意識なく当事者になってるんじゃないかって思いますし。いわゆる誰かのマイノリティを虐げるじゃないけど、自分も無自覚に何かしちゃっているときがあるかもしれないって、見つめ直すきっかけにもなりました。



■ましてネットで事実とは違うフェイクニュースが拡散されていく描写もありました。今社会問題になっている部分でもありますよね。

カイ 例えば日記に殴り書きするのと、ネットに書くのだとその意味合いは変わってくるじゃないですか。
人の目に触れるか触れないかとか、触れることを考えてるか考えてないかとか。
これは1人1人がちゃんと意識しなきゃいけない部分だなって改めて思いました。

あと、ヤン・ジンモの手下のチュ・ヨンジュとホン・マンドゥが配信者になるじゃないですか、それが一気に大人気配信者になって、才能ありすぎだろって思いました(笑)。
弱小YouTuberみたいな感じだったのに一気に大人気だし、家に侵入したり、人権侵害どころの騒ぎじゃないし。始めた元となるヤン・ジンモたちは、純粋な悪意があるけど、周りの野次馬みたいな人たちは、からかいもあると思うけど、悪意ってよりは行き過ぎた善意のような気もしていて。正義を突き詰めすぎて生まれた、行き過ぎた善意が知らぬ間に悪意にもなりうるんだなって。

正しくありたいけど正しくあろうとして何か虐げるのも違うし、そのバランスの難しさも感じる作品でした。
もちろん作品として没入して観れる部分もあるけど、現代社会への警鐘も感じましたね。

■ネット社会が身近な学生も共感しそうですよね。

カイ そうですね。あとは学校というコミュニティも物語のベースになっているので、学生の子が観たら今の僕たちとはまた違った感じ方をするのかもしれないなって。
学生の感想も聞いてみたいなと思いました。


血の繋がりを超えた愛情を感じた、胸にグッときたシーン。




■辛いシーンが冒頭多いですけど、一方でパン・ダミと養父母とのシーンはとても暖かい気持ちになるものばかりでした。

カイ いやー、最高ですよ。

■家族愛を感じるこの3人の関係性やシーンはいかがでしたか?

カイ 本当に血の繋がりだけが親子じゃないってすごく感じました。
特に、ダミが心臓の手術の痕を気にしてるという理由で、養父母2人がそれぞれ胸に手術痕とそっくりなタトゥーを入れて、この痕は特別な家族の証なんだよって話すシーンで血の繋がりを超えた愛情を感じましたし、そこはすごく好きなシーンでした。

コンプレックスだったりする部分を誰かが受け入れたり特別にしてあげることで、その人の世界が広がることもあると思うので、ここのシーンはすごく胸にグッときというか。血の繋がり以上のものがあるって、3人の愛の深さが垣間見えたシーンでしたね。


イ・ジュンさん大好きです。




■振り切れた演技も没入感を高めます。よく韓国ドラマを観られているということですが、今作で気になった俳優さんはいますか?

カイ 僕はもうイ・ジュンさん!やっぱり僕世代はイ・ジュンさん大好きです。MBLAQ(エムブラック)はデビューのときからずっと好きです。

元々グループ在籍中もお芝居をされていたし、MVの中のお芝居もめっちゃ上手かったんですが、契約満了で脱退されてからもずっとお芝居されていて、やっぱり上手で…さすがだなと思いました。

イ・ジュンさんはいろんな作品に出演されているんですけど、全部大げさじゃないというか。本人の延長線上で演じられている感じがするので、見ていてすごくナチュラルだなって思いますね。わざとらしくない、ちょっと飄々としてる感じを出したり、すかしている感じを出したり、全部の演技がすごくナチュラルなので見ていて違和感がないというか。
あまりK-POPに詳しくない方が観たら元アイドルだってわかんないぐらい純粋にお芝居が上手な方だなと思います。

あと見た目が変わらないんですよ。ずっとシュッとした感じでかっこよくて大好きです。

■ほかにお芝居が衝撃だった俳優さんはいらっしゃいますか?

カイ 養父母のお芝居はどちらもすごく好きでしたね。
表情というか、セリフをあまり多く発しなくても表情で感情が伝わるみたいな。特にお母さんは絶望感のある表情がすごかったな。
あとは、マシュー・リーがダミの事を話すとき、お父さんのように見えるのがすごいです。顔は違うけど同じ人に見えるっていうのが芝居のすごさだなって思いますね。


10話まで何も言わずに観てほしいです。とにかくみんな観て!




■マシュー・リーさんの存在感もすごいですよね。

カイ いいですよね。

あと演技ではないんですけど驚いたことがあって、なかなかマシュー・リーが出てこない(笑)。
配信のサイトにちょっとだけあらすじ書いてあるじゃないですか。で、U-NEXTを見たら、“サバイバルゲームが始まる”って書いてあって。そういう作品だと思って観始めたら、全然サバイバルゲームじゃないからびっくりして(笑)。あのあらすじだけ読むと、「イカゲーム」みたいなどんどん人が死んでいく話なのかなって思うじゃないですか。でも全然サバイバルゲームが行われてなくて(笑)。

しかも無人島でのサバイバルなシーンもそんなにやり合うみたいなシーンではないじゃないですか。だからちょっとそこはびっくりしましたね(笑)。
でも、逆にちゃんとドラマ性というか人間の感情の揺れ動きを描いている作品だからこそ、ずっと楽しく観れるんだろうなって思ったのでよかったです。

あと、最初マシュー・リーの名前すら全然出てこないです(笑)。オープニング映像の最後に出てくるこの眼鏡の人全然いないなと思いながら見てたら、いきなり済州島で出てきて。全然出てこないからびっくりしました(笑)。



■10話あたりから、ここに繋がるんだなってなりますよね。

カイ そうなんです。

あとマシュー・リー普通に経営の才能ありすぎじゃない?って思いました(笑)。LINEみたいな、カカオトークみたいなチャットアプリを1代で作り上げて、たったの5年間で大成功を収めるってすごいですよね(笑)。

■マシュー・リーの魅力を改めて。

カイ いろんな感情はあるけど、最初は結構冷静に徹しているキャラなのかなって思ったんです。感情の起伏をあまり作らずにいるキャラなのかな、と。
でも感情を振り乱したりするシーンでは思いっきり泣き叫んだりもするし、見た目は白髪の綺麗なイケオジみたいな感じでスマートな風貌ですけど、根っこの熱い部分もしっかり感じるというか、信念を持って行動するし、それに対する努力だったり、投資だったりっていうものを惜しまないっていう姿勢もすごくかっこいいなと思いました。

もっと話したいことが沢山あるんですけど…10話まで何も言わずに観てほしいです。とにかくみんな観て!
観たら全てのピースがちゃんと繋がって、こうなるんだってすっきりしていくから、ぜひ観ていただきたいです。



■最初はダミが中心に、10話あたりからはマシュー・リーを中心に、物語がどんどん進んでいきますもんね。

カイ そこも面白いところですよね。
最初はダミが主人公っぽいけど、その後はマシュー・リーが主人公っぽくなって、どんどん物語を展開していって。ちゃんと意味があってマシュー・リーが主役級になっていくから、ぽっと出じゃないよっていう。

最初1~2話観て、全然あの白髪の人出てこないんだけど?って多分僕と同じ感情になると思うけど(笑)、観続ければ最初から出ていない理由も納得できるし、マシュー・リーの登場シーンではやっときた感もあるのですごい期待して観てほしいなと思います。

■マシュー・リーの他のキャラクターとは違う雰囲気をまとっているのがまたいいですよね。

カイ いい意味で、お前たちと同じフィールドにいないよっていう感じ。1個上のステージで、言い方あれですけど、7人をある種見下してるじゃないけど。

実際に登場したときも上から見下している構図で登場していたので(笑)、7人の悪人と同じフィールドにいないっていう感じがしっかり伝わってきていいなと思いました。


7人中モネが一番嫌。最初から最後まで全部自己保身だった




■ほかにキャラクターとして、特に印象に残っているのは?

カイ チェリーエンタの社長のヤン・ジンモですね。
すごく悪くてすごく嫌な奴なんだけど、なんか馬鹿そうで憎めない(笑)。やり手の社長なのはわかっているんですけど、なんか嫌いになれない。そういうところが社長たる所以というか、きっとカリスマ性はあるんだなって、思いました。

あとはインタビューの冒頭でも話したようにモネがすごく嫌な奴に見えるってことはやっぱり演技が上手いんだろうなと思います。韓国の気の強い女性の表情を全部やっているんじゃないかなってくらい、口角とか目の動かし方とか、すごいなと思いました。

■7人の悪人の中で一番苦手なのはやっぱりモネ?

カイ そうですね。最初から自分の身代わりにするっていう目的で近づいてきているので。

ダミと直接関わった悪人の中でいうと先生とお母さんもいるけど、最初から悪意があったわけではないというか。先生はダミに弱みを握られたからっていう理由があったり、お母さんももちろん交渉の道具として使っていたり、最終的に非情な決断をしたけど、命を奪うまでとは思っていなかったと思うし。
最初から最後まで全部自己保身だったのはモネだけだったなって思いますね。



■ちなみに共感するのは難しいかと思いますが、そりゃこうなるよなと納得したり、心が動かされた人物は?

カイ そうなるよなっていうのは、産婦人科医の人。
せっかく自分がおじいさんの財産をもらおうと思って尽くしていたのに、いきなりずっといないと思っていた彼氏の孫とその母親を名乗る人間が現れて財産を横取りされそうになったら、それは意地悪したくなるよなって。自分の人生何だったのって思ったりするよなとかとも思いました。

もちろんやっていることはひどいけど、そういう感情になる理由は理解できますよね。
自分が妊娠しない焦りとかもあっただろうし。

■それまでおじいさんを支えてきたのはきっと事実ですもんね。

カイ そこは嘘じゃないですよね。もちろん目的はお金かもしれないけど、会長もちゃんと信頼してたし、彼女への想いは本物だったって言ってましたもんね。


視聴者は島にいる35人の中に入らずに俯瞰で居られる演出がすごい




■セレブな生活も垣間見える作品ですが、豪華なセットやCGなど、撮影のスケールも大きな作品です。そういった面での見どころはいかがですか?

カイ いやすごいなと思いました。やっぱり予算感が日本と全然違う。
プールや島やらロケでいろんなところに行っているし、規模感というか、セットもCGもとにかくすごいですよね。

でもあの無人島のシーンはCGってわかるCGにしているのが良かったです。登場人物たちはそれを本物と信じ込んでいるけど、視聴者はいやCGじゃんって、島にいる35人の中に入らずに俯瞰で居られるっていうのがすごく上手いなって。

事実はわかんないですけど、わざとちょっとチープにしているのかなと思ったぐらいで。絶対にもっとリアルなCGにすることもできたと思うんですよ。でもそうしないことで、あの人たちは今おかしくなっているっていうのを言葉で説明しなくても伝わってきたから、すごく面白い演出だなと思いました。

あとずっとふわふわしているというか、靄がかかっているみたいな雰囲気の映像になっていて、そこからも非現実を感じながら観られたのが良かったです。

■特に印象に残っているシーンは?

カイ 結構先になっちゃうんですけど、先生がPTAの方々が集まっている中、教壇に立たされているシーンですね。自分は被害者なのに何を言っても、証拠を出せと言われて全然信じてもらえず、ダミが連れていかれるシーンがフラッシュバックしたみたいなのは、今かい!って(笑)。やっと気付けたのかよ!って思いましたけど、当事者になってみて、やっと被害者の気持ちを理解できる、経験しないとわからないこともあるんだなって感じたのと、あのシーンはすごく印象的でしたね。いろいろフラッシュバックしているところが。



■特に衝撃的だったシーンは?

カイ 嫌なのは、ダミがおじいちゃんに許してもらうために雨の中家の前にいるのを、ずっと車でお母さんが見ているシーン。
ダミをモノとしてしか見てないというか、交渉の道具としか見てない感じがつらかったです。

あとは食べ物の匂いがするからって養父母が届けてくれた手作りのご飯を捨てるのとかもきついですよね。家は安らぐ場所でなきゃいけないのに、ダミにとっては安心できない場所の1つだから精神的につらいだろうなっていうのはありましたね。

■心揺さぶられたシーンは?

カイ イ・ジュンさん演じるドヒョクのお母さんと弟が亡くなったときのお葬式で、ダミの養母の祭壇をめちゃめちゃにするシーンですね。

過去に自分が悪いことをしたから家族に標的が向いたのかもしれないけれども、何で家族が…って気持ちになるだろうし。笑い泣きみたいな、もうどうすることもできないっていう、諦めの笑いと悲しみの涙と…いろんな感情がごちゃ混ぜになっている表現に、グッときたというか、引き込まれました。

自分の無力感とかいろんな感情がごちゃまぜになった整理のついていない感情というか、自分が悪いっていう思いもあるし、でもなんでこうなったんだろうっていう怒りもあるし、っていういろんな感情が混ざっている表現がすごかったです。


許せないです。プリンは帰ってこないから。




■予測不可能なストーリー展開で、終始ハラハラドキドキさせる展開も沢山詰め込まれている本作にちなんで、最近ハラハラドキドキした出来事はありますか?

カイ 事前にタクシーを予約していたのに、その日が大雨すぎて”タクシーは来れませんでした”って当日になって連絡がきて、遅刻ギリギリになったときはめっちゃ焦りました。結局ギリ間に合ったんですけど、すごくびっくりしました。

今朝も”タクシーの予約取れませんでした”ってきて、でもその後普通にタクシーをお願いしたら来るんですよ(笑)。どういう状況?って思って。
というのはちょっとハラハラドキドキしましたね。最近スコールみたいな雨が降るから怖いですよね。



■復讐劇ということで、やり返すまではいかなくとも許せない!と思った出来事はありますか?

カイ 子供の頃、ずっと楽しみにしていたプリンを妹に食べられたりしたら、怒りますよね。許せないです。プリンは帰ってこないから。
お菓子系を楽しみにしていたら食べられていてって話よくあると思うんですけど、今は買えばいいじゃんって思うけど、そういうことじゃない、それを食べたかったんだ!っていう(笑)。そんな許せないエピソードはありましたね。

■それは何歳くらい?

カイ 小学生のときです。きっと小学生の頃はみんな同じような経験あると思う(笑)。

■最終的に許してあげたんですか?

カイ 許してないですよ。怒りは収まるけど、結果許したことはないです(笑)。今でも許してないですよ(冗談)。食べ物の恨みは怖いですよ!(笑)


7人の秘密が明らかになった結果、関係値がどう変わっていくのか注目。




■20話まで観たカイくんが、これから観る人に注目した方がいいよと改めておすすめしたいポイントは?

カイ 僕の観ている段階だともう結構そこは解消されている部分なんですけど、10話・11話の段階だと、7人がそれぞれの秘密を全部知っているわけじゃないというか。それぞれ秘密を抱えながら、ここまでは言うけどここからは言わないとか、計算し合っているんですけど、話が進むにつれて隠していたことが明るみになったり、7人の関係値がどんどん変わっていきます。その部分がすごく生々しく感じられて、良かったです。

それこそ、モネの秘密も10話前後で明らかになってくるじゃないですか。全てが明らかになるのは先になるけど、それぞれの関係値とかそれぞれが持っている秘密がどこで明らかになるのか、秘密が明らかになった結果、関係値がどう変わっていくのか、結構めまぐるしく展開して観ていて面白かったので、そこは期待して観てほしいなと思いました。



■ダミの練習シーンなども描かれますが、アーティスト目線で観たときに思うことはありますか?

カイ ジェニー(BLACKPINK)の「SOLO」流れすぎだろって(笑)。あの曲の版権買い取ったのかなって思うくらい「SOLO」流れるなって思いましたけど(笑)。

あとはモネが初登場のシーンで、みんなにすごくもてはやされていたじゃないですか。
その後の教室のシーンでもリップをあげる、タブレットあげる、ってみんなのご機嫌を取っていてかわいそうだなってすごく思いました。実際実力があったり綺麗だったりするのかもしれないけど、心の底から友達と思える人はいないんだろうなって。
お金持ちだと思われているからちやほやされているというか、そういうのがあるからこそ、自己保身じゃないけど、自分のことしか考えられないんだろうなって…でもかわいそうだけどいまいち好きになりきれない(笑)。

■やっぱり、モネ苦手なんですね(笑)。

カイ 駄目ですね。今後どんだけいいことが出てきても難しいかな。
だって結局全部自己保身。偽のお母さんを出したり、自分がクビになりそうになったら、また違った情報でゆすって契約を元に戻したりとか、結局自分のことしか考えてないから、そういう人は売れないよって思ってました(笑)。

ドラマの世界だからうまくいってるけど、実際は自分のことだけ考えている人は売れないよって。売れている人はみんないい人だよって思いました。


超特急メンバーみんな面白いって言うと思います。性別とか、年齢問わずいろんな方が楽しめる。




■ちなみに誰にこの作品をおすすめしたいですか?

カイ 誰だろうな…でもタクヤかな。元々韓国ドラマよく観るって言ってたし。でも観たらメンバーみんな面白いって言うと思いますよ。
リアルなドラマとしても見れるし、ちゃんと作品というか、そういう感覚でも見れるから、観る人によって捉え方が変わる作品な気がします。

僕はめっちゃ感情移入しちゃうから、ダミ…!って思いながら観ちゃうけど、多分ゲームをやっている人とかはそれぞれのキャラクターが動いているような感覚で俯瞰で観て楽しめると思うし。
意外とこういうドロドロ系の作品は女性が好きだったりするイメージもありますけど、男性が観ても面白いと思いますよ。あんまり性別とか、年齢問わずいろんな方が楽しめる作品だと思います。

■先ほどおっしゃっていたゲーム的な観方も面白そうですね。

カイ それぞれのキャラクターが動いてるみたいな見え方もすると思うので、よくゲームやってる人とかも見たら面白いかなと思いますね。



■リョウガくんとか、そっちの見方になりそうですね。

カイ うん。いろんな選択肢があるゲーム。
「Detroit: Become Human」みたいなゲームの一番非情な選択肢を選び続けている感じ。1個でも多分ボタンを掛け違ったら、ダミはまた違った結果になっていただろうし、それこそマシュー・リーも登場しなかったかもしれないっていう。
だからゲームをやっているから方も楽しめる部分があるんじゃないかなって思います。

■タカシくんは観れそうですか?

カイ タカシもダミにすごい感情移入して最初は一緒にしんどくなっちゃうと思う(笑)。でも面白いので観てほしいですね。


汚い部分に触れるからこそ、観れば観るほど自分が綺麗になっていく感じがする作品。




■改めてこのドラマを一言で表すと?

カイ 表現難しいな…。
表現違うかもしれないんですけど、コップの中に水と油で層ができてる感じ。

上澄みのところはすごいドロドロしていて、ぐちゃぐちゃで、汚かったりとかするけど、もっと奥まで行くと、それこそマシュー・リーとかダミとか、愛情だったり純粋な思いがちゃんと奥底にある感じ。汚い部分に触れるからこそ、観れば観るほど自分が綺麗になっていく感じがする作品。

いいものを観て、いい感情になったり、癒されるものを見て、自分の心が洗われるとは逆の作品だったりするんだけど、結構ドロドロしている物語だからこそ、観ていて自分の粗が取れていく感じがするというか。人間の生々しい部分が見れるからこそ、自分を見つめ直せたりもする、まっすぐ生きることが一番大切だって改めて思わせてくれる、そんな作品です。

今もすごい続きが気になってるんですよ。20話まで一気観したんですけど、続きが気になって仕方がない(笑)。



■それぐらい没入感が高いということですよね。

カイ 本当に没入感がすごいです。

あとはやっぱり見やすい。もちろん結構ハードなシーンも多いけど、愛情に触れるシーンとか、純粋な思いに触れるシーンもその分あるし、そこがすごく清らかだからこそ、結構ハードなシーンにも耐えられます。
だから今絶賛“面白い”中です(笑)。シーズン2もあるみたいなので、めっちゃ楽しみですね。

それに今まで観てきた中でも結構ハードめな作品だったんですけど、ちゃんと悪人が成敗されていくので後味が今のところ悪くないです。

個人的には、7人の悪人には、脱出しないでほしいしちゃんと成敗してほしいですね。でもイ・ジュンさんだけ難しいな。まだそんなに悪いとは思えてないから、直接ダミに何かをしたわけでもないし、パンウルっていう名前をつけたのと、過去にいろいろしてたっていうのがあるけど、7人の中ではそこまで悪人とは思えないというか。
なのでイ・ジュンさんはいいけど、他の人たちはやっぱり悪人なので、ちゃんと成敗されてほしいな(笑)。


ジェットコースターのように感情を揺さぶり続けるドラマ。僕にも感想を聞かせてほしいです。




■最後にファンの皆さんにメッセージをお願いします。

カイ 1話1話がすごく見やすいので、ぜひ観ていただきたいなというのももちろん大前提にありつつ、何か自分を見つめ直すきっかけになったり、ほっこりするシーンと、ギュッてなるシーンと、結構ジェットコースターのように感情を揺さぶり続けるドラマなんですけど、観てよかったなと思いますし…いやぁこの作品言葉で表現するのが難しいんですよね(笑)。




■要素が多いですよね。途中で話の展開が変わるのもそうですし。

カイ そうなんですよ。この登場人物とこの登場人物が繋がっているんだとか、話が進むにつれて登場人物が増えていくんだけど、その分減っていくので(笑)、登場人物の入場退場が激しいんですよ(笑)。
こういう作品って結構ドロドロしていて、人によっては取っつきにくいかなと思うけど、すごく面白いので観だしたらもう止まらなくなっちゃうと思います。

多分年齢によっても感じ方が変わると思うし、どこにフォーカスが当たるかは人によって違うと思うので、その違いも面白いと思います。
僕とかは割とまだ若い世代だからモネ嫌だわってなるけど、親世代になってくると、多分お母さんに対してこんな親になりたくないとか思うことがあるかもしれないですし。
僕は多分こういう仕事をしているから、出る側の人に対してそれは違うよって思ったりするかもしれないけど、職業によっても感じ方が変わると思うので、観て友達とか家族と意見交換をしてほしいですね。

8号車の皆さんも年齢性別いろんな方がいると思うので、その分いろんな感想が出てくると思います。ぜひ「7人の脱出」を観て僕にも感想を聞かせてほしいです。

■素敵なお話をありがとうございます。インタビューは以上になります!



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\超特急・カイ/


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ーPROFILEー




超特急・カイ(小笠原海)
9月27日生まれ。神奈川県出身。

メインダンサー&バックボーカルグループ「超特急」のメンバーとして活躍中。
エンタテイメント性の高いパフォーマンスと、<8号車>と呼ばれるファンとの一体感ある参加型ライブで人気を集めている。

また俳優としても活動中。主な出演作品は、映画『告白』『私の優しくない先輩』『君へ。』『東京喰種』シリーズ、ドラマ「アンナチュラル」「モトカレマニア」「FAKE MOTION -卓球の王将-」「僕もアイツも新郎です。」「理想ノカレシ」「これから配信はじめます」「御社の乱れ正します!」などがある。

近年は、「KCON JAPAN」(CONNECTING STAGE)でMCを務めるなど、趣味の”韓国好き”を活かした活動も精力的に行っている。

[Instagram] @927_kai
[Instagram] @bullettrain8
[X] @sd_bt
[HP] http://bullettrain.jp/


<衣装>
ジェケット/seyto、シャツ/STEALTH STELL’A(JOYEUX ¥24,800、パンツ/ANEI (JOYEUX)¥39,600、メガネ/Re:See、ネックレス/GARNI ¥29,000、リング/GARNI ¥36,000、靴/DUSK STUDIO(JOYEUX)¥46,200

<STAFF CREDIT>
Hair&Make-up:KABUKI RYOTA、Styling:TAKADA NANAKO
Photo:sugimoto haruka、Direction&Text:Editor O.E



―INFORMATION―
韓国ドラマ「7人の脱出」(全34話)

<配信サービス>
■見放題配信中:アジアプレミアム、FOD、ひかりTV、Hulu、Lemino、U-NEXT、ビデオマーケット
■レンタル配信中:iT’SCOM オンデマンド、J:COM オンデマンド、TELASA 、milplus

<スタッフ>
演出: チュ・ドンミン「ペントハウス」シリーズ
脚本: キム・スノク「ペントハウス」シリーズ

<キャスト>
オム・ギジュン「ペントハウス」シリーズ
ファン・ジョンウム 「彼女はキレイだった」「キルミー・ヒールミー」
イ・ジュン「最愛の敵〜王たる宿命〜」「静かなる海」
イ・ユビ「夜を歩く士〈ソンビ〉」「ピノキオ」

[HP]https://culture-pub.jp/lp/7escape/

© SBS

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