森次政裕(超特急)主演の朗読劇『同姓同名』開幕!円陣は”超特急”仕様!?「頑張ってね」メンバーからのエールも。<ゲネプロ&取材会レポート>



5月7日、東京・三越劇場にて朗読劇『同姓同名』の公開ゲネプロが行われた。
本作は登場人物が全員同姓同名というミステリー作品。
ベストセラー『闇に香る嘘』の著者、下村敦史氏による『同姓同名』を朗読劇化した。
出演は森次政裕(超特急)、京典和玖、宮島優心(ORβIT)、伊万里有、熊谷魁人、大川泰雅、樽見ありがてぇ、中島弘輝、松田大輔(東京ダイナマイト)、波岡一喜。
ゲネプロ終了後に行われた取材会の模様と合わせてレポートする。



赤いライティングの中始まる物語。
起点は幼い女の子の残酷な方法で殺すというシーンから始まる。犯人はフードをかぶっており、その表情は見えない。
ショッキングな事件は話題となり、連日報道を賑わせる。まもなく犯人は捕まるが、高校生による反抗だったため、少年法に守られ実名報道がなされない。犯人は少年A。
加熱する実名公開への声、なぜ加害者が法に守られているのか……そんな中、ある週刊誌が少年Aを実名報道した。
その名は「大山正紀」。
検索するとさまざまな大山正紀がいる。研究者、高校サッカーで活躍する者、中には少女へのわいせつ行為で逮捕された者も……。
ある大山正紀は言う、自分は何者でもない大山正紀だと。
しかし、その名前のあり方は事件によって大きく変わった。
一方、華やかスポットライトの下にいた高校サッカーで活躍する大山正紀。彼はサッカーでの大学推薦も決まっており、夢に向かって邁進していた。が、直後、取り消される。それはあの事件が影響しているのか……。



時は流れ、7年後。
某所では第一回同姓同名被害者の会が行われていた。
大山正紀と同姓同名であったために、人生が狂わされた者たちだ。
主催の大山正紀をはじめ、研究者、中学生、家庭教師、サッカー…さまざまな大山正紀が集う。なぜ今、集まるのか。犯人である大山正紀が釈放され、さらに被害者の父が大山を切りつけ、事件を起こしていたからだ。沈静化していた「大山正紀」への誹謗中傷がSNSを中心に再び再燃し、同姓同名の者たちを苦しめていた。
会では大山正紀と同姓同名であったために受けた理不尽な仕打ちを話し合う。が、名前が同じでも職業も性格もバラバラ。穏やかな会とは言い難い。
そんな中、音楽の仕事に携わるという大山は「犯人である大山に対してどう思うか」「これからどうしていくつもりなのか」と問題提起をしていく。
彼らの思いはひとつ。自分の名前を取り戻したい。そのためには……と危うい手段を取ることに……。



物語の中心となっていくのは同姓同名被害者の会。集まるたびに自分たちが目指すべき方向性はどこなのか、ということを定めていく。
もちろん、物語が進んでいくにつれて、それぞれの大山の事情も明らかになり、物語は二重三重に絡み合っていく。
ミステリーということで、物語の作りも伏線が張り巡らせている。誰がどのような行動を起こし、事件を引き起こしているのか。シルエットとセリフだけで現される「裏」のストーリーにも要注目だ。



常にピリピリとした緊張感のある展開だが、フッと緩んだ瞬間も。被害者の会でのシーンだ。いじめに遭っているという中学生の大山(宮島)。辛くて……という中学生の大山を励ますように樽見ありがてぇが演じる大山が「最近、よく男性アイドルをみるようにしていて。ネットで誹謗中傷ばかり見ていると魂が穢れる気がして。アイドルに癒しを求めていて」と声をかけると「アイドル……?」と反応を示す中学生の大山。そんなふたりが意気投合したのは「超特急が好き」ということ。ふたりで「超特急です!」とポーズと共に一緒にあいさつをした。これに森次がふたりの後ろでひそやかに笑みをこらえるような表情を見せる場面も。



正直、何を書いてもラストへのネタバレになってしまいそうで憚られる。ただ、最初から伏線とも言えるシーンは張り巡らされているので要注目だ。
ゲネプロを終えると、「本日は雨の中お越しくださり、ありがとうございました」とあいさつした森次。思わず隣にいた波岡が「めっちゃ冷静やん」とつぶやいたほど、落ち着いた様子を見せていた。

<取材会レポ>初挑戦にして初主演、プレッシャーもあった



森次にとって初主演となった本作。どのような心境だったのか。樽見ありがてぇがMCを務めた取材会には森次を始め、被害者の会の主催者の大山を演じた京典和玖、中学生の大山の宮島優心(ORβIT)、犯人の大山の伊万里有、そして物語を動かすひとりでもある大山役の波岡一喜が出席した。

Q.樽見:舞台初挑戦にして、メインのキャラクターを演じられる森次さん。本作への出演が決まったときの感想を教えてください。

森次:まず率直に嬉しかったという感情と、初挑戦にして初主演という荷の大きさと言いますか、ちょっと僕自身もプレッシャーに感じてたのが正直な感想です。
でも、台本や原作をいただいて読んでいくうちに、この役を僕がやらさせていただいけるんだな、という実感が湧いてきたときには本当にみなさんの邪魔をしないように、じゃないですけど、責任を果たせるように、全力で頑張りたいという素直な気持ちが芽生えてきて、今日を迎えました。

Q.樽見:森次さんが初主演、初舞台というので、周りのみなさんも心がけたことはあります?

京典:俺だったら逃げるね。隣に波岡さんいるし。

森次:僕も小さい頃からテレビ大好きで、ドラマや映画を観て来たので、そのときから観ていた方と一緒に舞台やらさせていただいけるのは本当に光栄なことですね。

波岡:そんな心配は全然なく、日々、できないところを努力して、忙しい中、ツアーをやりながら練習している森次さんの姿を見たら、我々ももっとがんばっていこうね、となった次第ですよ。

まるで男子部だった稽古場



Q.樽見:稽古期間中の雰囲気、印象的だった出来事について教えてください。

森次:初日は結構みなさん探り探りな……。

樽見:そうでしたね。特に顔合わせの日とか。

森次:だったんすけど、それこそ樽見さんがやっぱり……

樽見:えっ。

森次:空間を……作ってないか?(笑)

Q.樽見:それは作ってるんじゃないですか?(笑)


森次:僕はそれがすごく大きかったな、と思います。

Q.樽見:京典さんはいかがですか?

京典:差し入れが毎日入ってましたね。

Q.樽見:確かに。差し入れ合戦でしたね。
でも、火付け役は京典さんででしたからね。

京典:そうですね。

伊万里:水ね、水。

京典:有さん? まあまあまあ(笑)。
あとおしゃれなコーヒーとか入れておいてくださって。



Q.樽見:伊万里さんは稽古の雰囲気はどうでした?

伊万里:いや、男子部でしょ。部活みたいな。

宮島:男子高校生みたいな感じもあったんですけど、でもやるときすごいしっかりやって、すごく好きな空間でしたね。

Q.樽見:そんな中で波岡さんはどうでした?

波岡:松田さんが最年長でいらっしゃってくださって、松田さんが盛り上げてくださってたなと思います。松田さんが樽見をいじってとか、僕がいじってとか。松田さんに僕はすごく助けてもらったなという気持ちはありますね。

Q.樽見:今回、波岡さんという大先輩がいる中で、稽古場で緊張感などありましたか。

伊万里:緊張すると思ったんですけど、浪岡さんが緊張といてくれたんですよね。柔らかくしてくれて。

森次:ミニゲームもしたりして。

波岡:僕は顔合わせに行けなかったので、1日遅れて稽古に行って席についたらもう矢継ぎ早に全員が挨拶にきて(笑)。

樽見:そりゃそうですよ!

波岡:みなさんご丁寧に挨拶していただけて、嬉しいですね。
ただでさえ、怖いイメージを持たれつつあるから。そんなことないんですよ? だからそれをできるだけ解きたいなと思って。

宮島:そういう役を見てたというのもあって、本当にちょっと怖いイメージがあったんですけど、僕には「中学生役? 本当は何歳なの?」だとか、他の方には「サッカーやってた?」とか、挨拶だけで終わらせないでちゃんと一つ一つの会話を深掘りしてくださっていて。

波岡:(笑顔)めっちゃいいやつじゃん!

宮島:ははは!浪岡さんから踏み込んでくれてすごく優しいなって思いました。

Q.樽見:浪岡さんから見て、若手俳優たちが多い現場はどうでしたか。

波岡:やっぱりいい座組だと思います。みんなで助け合って楽しみあって。本当に男子の部活だよね。何よりもマーくんがちゃんとリーダーになってやってたのが印象的です。

超特急メンバーの反応は?



Q.樽見:超特急のメンバーには役者として活躍してる仲間もいますがメンバー同士で演技の話などはしましたか?

森次:メンバーには特に何も聞かずにあえて挑みたいな、というのがありまして。
もちろん10年以上やってるメンバーもいるんですけど、そこにいきなり「どうすればいいですか」ってむやみに聞いても、それって自分じゃない気がして。自分なりに一旦原作と台本を読んで自分の役作りしてみて、そこから波岡さんだったり、脚本・演出の吉村(卓也)さんに演技指導していただいて、今のこの自分が何とか出来上がりました。

樽見:本当に森次さんが早く来て稽古をしていたりという姿勢を見て僕らもっと頑張らなきゃって気持ちになりましたもんね。

波岡:忙しい中、目一杯時間使ってね。

Q.樽見:舞台出演が決まった際のメンバーの反応はどうでしたか。

森次:それはもうシンプルにいじられましたね。『同性同名』をやることも僕は言っていなかったんです。超特急の公式から告知が出て初めてメンバーが知ったんですけど、「よっ、同姓同名!」ってリョウガくんあたりに言われたり。
でも、みんな「頑張ってね」とか「初挑戦なんで全然リラックスして楽しんだ方がいいよ」って。タクヤくんとかもすごくいい優しいお兄ちゃんなんで。
でも、全員から「観に行けるタイミングで行くよ」とか、それこそいつも一緒にいるメンバー、シューヤとかも「何日に行くね」、って。みんな優しく「頑張ってね」というシンプルな応援をしてくれていますね。

ゲネプロは「緊張した」



Q.樽見:ゲネプロをやってみましたが、どうでしたか。

波岡:マーくんはすげえ緊張したらしいよ。

森次:初舞台で、しかも昨日初めてここの会場に入って。みなさんで確認していくうちに今からいよいよ始まるぞ、みたいな。

波岡:超特急のツアーとどっちが緊張した?

森次:余裕でこっち(舞台)です。あっちはもう気が楽に。僕のテリトリーみたいな感じなので(笑)。

波岡:俺が今日そんな感じ。何の緊張もないよっていう。

森次:本当にみなさんの顔を見て、頑張ろうと思いましたね。

京典:あまり緊張はしなかったんですけど、ゲネプロの雰囲気があって。ここでいろんなものを修正して初日に挑めたら、と思いました。やっぱり劇場に入って初めて通したので、そこの空気感だったり、新しい発見みたいなのがいくつかあったので、そこは修正してしっかり挑みたいなと思います。

伊万里:場当たりも短かったんですけど、もうみなさんのスピーディーな動きのおかげでまとまったんじゃないですかね。

宮島:こうやってひとつずつ稽古を重ねて本番、今日迎えるわけなんですけど、今日のゲネプロでマーくんが明らかにステージのモードに入ってるというか。やっぱり今までステージでやってきてる人だなと思って、僕も感化を受けて頑張れました。

円陣は超特急仕様?



Q.樽見:最後に、ここに注目してほしい場面はありますか?

森次:全部ではあるんですけど……いや言っちゃうと面白くないしな。最後のどんでん返しじゃないですかね。ちょっとどこまで喋ればいいんだろう(笑)。
でも本当にみなさんがそれぞれのキャラクターの大山正紀になりきって、それを言葉で表現していて。普段の、僕の体で表現するアーティストというよりは、言葉で表現するという違いにも注目してほしいですし、みなさんの演技も素晴らしいものなので、注目してほしいなと思います。

波岡:あと最後にちょっと付け足していいですか。
舞台で円陣を組むんですけど、それが今回、超特急仕様なんです。超特急を味わえました。
ここから本番10回。10特急やります!(笑)

<ストーリー>


大山正紀が殺された。
犯人は――大山正紀。
登場人物全員、同姓同名。
ベストセラー「闇に香る嘘」の著者が挑む、前代未聞、大胆不敵ミステリ。

大山正紀はプロサッカー選手を目指す高校生。
いつかスタジアムに自分の名が轟くのを夢見て練習に励んでいた。
そんな中、日本中を騒がせた女児惨殺事件の犯人が捕まった。
その名は大山正紀。
サッカー推薦が消えた大山正紀を始めコンビニで働く大山正紀、アニオタの大山正紀など、名もなき大山正紀たちの人生が狂い出す。

■詳細
朗読劇『同姓同名』
公演期間:2024年5月7日(火)〜5月12日(日)
会場:三越劇場(東京都 中央区 日本橋室町 1-4-1 日本橋三越本店本館6階)
会場チケット:[S席]9,800円(1階1~10列・2階A~B列/キャスト選択制非売品しおり特典付き)、[A席]7,800円(一般席)*全席指定・税込
配信チケット:[各公演チケット]4,000円(税込)、[通しチケット]7,500円(税込)
出演者:森次政裕(超特急)、京典和玖、宮島優心(ORβIT)、伊万里 有、熊谷魁人、大川泰雅、樽見ありがてぇ、中島弘輝、松田大輔(東京ダイナマイト)、波岡一喜
原作:「同姓同名」(幻冬舎文庫)下村敦史
脚本・演出:吉村卓也
音楽:TAKE(FLOW)
プロデューサー:熊坂涼汰
主催:Tie Works

<公演スケジュール>
5月7日(火)18:00
5月8日(水)13:00、[追加公演]18:00★
5月9日(木)18:00★
5月10日(金)13:00、[追加公演]18:00★
5月11日(土)13:00、[追加公演]18:00★
5月12日(日)12:00、16:00
★アフタートーク開催回

<アフタートークスケジュール>
5月8日(水)18:00〜森次政裕(超特急)、京典和玖、伊万里 有
5月9日(木)18:00〜下村敦史、森次政裕(超特急)、波岡一喜、吉村卓也
5月10日(金)18:00〜森次政裕(超特急)、京典和玖、宮島優心(ORβIT)
5月11日(土)18:00〜森次政裕(超特急)、松田大輔(東京ダイナマイト)、波岡一喜
MC:樽見ありがてぇ

<配信チケット>
【5月7日(火)18:00公演】
販売期間:4月26日(金)~5月14日(火)20:59
配信期間:5月7日(火)18:00~5月14日(火)23:59

【5月12日(日)16:00公演】
配信期間:5月12日(日)16:00~5月26日(日)23:59
販売期間:4月26日(金)19:00~5月26日(日)20:59

【通しチケット】
販売期間:4月26日(金)19:00~5月14日(火)20:59
配信期間:5月7日(火)16:00~5月26日(日)23:59
※対象公演:5月7日(火)18:00公演・5月12日(日)16:00公演

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