「フィクションとも言い切れない。いろんなことを見つめ直すきっかけになる作品」超特急・カイがオススメする韓国映画『コンクリート・ユートピア』<Emo!映画レビュー>



第48回トロント国際映画祭で「『パラサイト 半地下の家族』に続く傑作」(Screen Daily)と高く評価され、第96回アカデミー賞国際長編映画賞の韓国代表作品にも選出。世界中から注目されたエンターテインメント大作、映画【コンクリート・ユートピア】が2024年1月5日に日本公開される。

世界規模の大災害によってソウルで残った1棟のマンションを舞台に、生き残りをかけた選択が想像も絶する闘乱を引き起こす。元凶となる臨時住民代表・ヨンタク(イ・ビョンホン)。そしてヨンタクに傾倒していくミンソン(パク・ソジュン)と不信感を抱く妻のミョンファ(パク・ボヨン)。極限状態に陥った人間の本質があぶり出されていく衝撃のパニックスリラー作品だ。

そして、今回Emo!miuでは、本作の日本公開を記念して、昨年『非常宣言』の試写会レビューインタビューも担当してくれた、韓国好き&映画好きな、9人組メインダンサー&バックボーカルグループ超特急の【カイ】に一足早く本作を鑑賞してもらい、その直後にインタビューを実施した。

「他人事とは思えない。いつ自分たちの身に降りかかるかもわからない。」と考えさせられたと話すカイに、作品から感じ取ったメッセージや、映像・演技など様々な視点から本作の魅力についてたっぷりと語ってもらった。さらに、もし自分がアパートの住民と同じ状況になったら?もし何かの災害に見舞われたら?の“タラれば”トークでは、家族愛&過去の経験談や、自身にとってのユートピアは?の問いには、映画好きならではのお茶目なエピソードが飛び出す場面も。パーソナルな部分もお届けする。

※インタビューは、2023年12月に取材したものです。
※映画【コンクリート・ユートピア】では、災害による地盤隆起の描写がございます。ご鑑賞にあたりまして予めご了承いただきます様、お願い申し上げます。


冬の韓国に行くなら。雪景色の綺麗なところに行ったり、自分の経験を広げたい。




■今回、韓国映画『コンクリート・ユートピア』を観ていただいたということで、まずは韓国系の質問に答えていただきたいと思います。最近気になっている韓国スポットや韓国カルチャーはありますか?

カイ ポテンツァ(POTENZA)を受けたいです(笑)。肌の施術なんですけど、韓国発のダーマペンのようなもので、肌にいいって聞いて。
だから、ポテンツァを韓国に受けに行きたいです。肌の治療を。それが最近の韓国のちょっと気になることですね(笑)。

■冬公開の映画ということで、もし冬の韓国に行くならどんなことをしたいですか?何かを食べたいでも、どこに行きたいでも。

カイ 辛い物を食べたい!辛い物も韓国料理も好きなんですよ。
だから、地元の人しか入らないような寂れたところというか、大衆店みたいな、食堂みたいなところに行きたいですね。

向こうに日本人の友達が住んでいるので、韓国に行ったらその子の家に居候して、ひたすら案内してねっていうのもずっと言っていて(笑)。それを叶えます。



■韓国料理は何を食べたいですか?

カイ わぁぁ、、迷うけどイイダコかな。
から~いイイダコを食べたいですね。イイダコってめっちゃおいしくないですか!?

■おいしいですよね(笑)。温かいものではなくてとにかく辛いものですね。

カイ 火を噴くくらい辛いものを食べたいです。
日本だとレベルがあるじゃないですか。商品として提供できるレベルというか、日本人の舌に合わせた辛さになっていますけど、韓国の方は、日本人と比べると刺激系の辛みに強い方が多いので、現地の方々が食べている本場の辛いものを食べてみたいですね。

■食べる以外にやりたいことは?

カイ あまり詳しくないけど、観光地というよりは、韓国の現地の方が旅行で行くようなところにいきたいかな。

今も服は好きなんですけど、去年くらいから服にあまりお金をかけなくなってきていて、経験にお金を使いたいシーズンなんです。2023年も国内なんですけど、福岡に旅行に行ったり。食べるものとか、自分が行くっていうことにお金を使いたいなって思っています。
なので、韓国に行ったら、もちろん服も買うけど、それよりもおいしいご飯を食べたり、景色の綺麗なところに行ったり。あとは寒い時期だと、向こうは大体雪が降っているので、雪景色の綺麗なところに行ったり、自分の経験を広げたいですね。


完全にフィクションではない感じがする。




■ここから作品に関することを聞いていきたいと思います。
まず、映画『コンクリート・ユートピア』をご覧になられていかがでしたか?


カイ やっぱり面白かったっていうのが最初に来るんですけど、その中でもいろいろ考えさせられる部分というか。東京でも何十年以内に大災害が来る可能性があるとか言われてるじゃないですか。
そう考えると、アパート1棟だけってことはないかもしれないけど、本当にほとんどの建物が崩落して、この映画に近しい状況にならないとも言えないと思う。完全にフィクションではない感じがするというか。

ディストピアではないかもしれないけれども、近しい状況になる確率は、今の日本でも、世界中どこでも、ありえるなってことを考えながら観ていましたね。


盲信したくなる気持ちもわかる。すがってないと、生きていけないよなって。




■人間ドラマ的な部分だといかがですか。

カイ そりゃそうなるよなっていうのと、あえてだと思うんですけど、徹底してソウル以外を映さなかったり、テレビやラジオも流れている様子がなくて、外の情報が完全に遮断されている状況だったからこそ、余計にディストピア感、ディザスター感がすごいありましたね。瓦礫とか灰とか、景色もほとんど灰色で。青空もあんまり見えないですし。

こういう状況になったときに、誰か1人を祭り上げて、もてはやして、一つの指針となる何かを作って、それを盲信したくなる気持ちもわかるというか、この状況下だったら人間そうなるよねって。何かにすがってないと、生きていけないよなっていうのはすごく思いましたね。



■灰色の景色という言葉もでましたが、冒頭から地盤隆起していく映像などとても迫力あるものがありました。より没入感を高める映像はいかがでしたか?

カイ いや~すごかったですよね。どこまでがCGで、どこまでがセットなのか、その境目がやっぱりわかりづらいっていうのは、韓国作品ならでは。やっぱり簡単に言っちゃうとお金がかかっているし、どうやって撮ったんだろうって気になっちゃいました。

それこそ全然違う作品ですが、マーベル作品になってくると、床はあるけど、背景は完全にグリーンバックで撮ったりするし、ヒーローのスーツとかもあまり着ていない状態で撮ったりもするから、その撮影風景だけを観ると結構滑稽なんですよ。
そこからCGや本人の演技でどんどん肉付けしていくんですけど、特にこの作品はどうやって撮ったんだろうってすごく気になりました。背景とかは確実にCGではあるんでしょうけれども、何かが降ってくるシーンとか、火事のシーンとか、そういうところが本当にリアルで、セットにしてもCGにしてもすごく大変な作業だろうなと思いました。

それに時間の経過とともに、どんどん見た目も変化していくじゃないですか。どの人も満足にご飯が食べられなかったり、お風呂も入れないし、どんどん汚れてくし、髪の毛もいわゆるチリチリになっていくし、顔も薄汚れていったりとか。女性もメイクをするような余裕もないし、みんな唇はカサカサだったり。ちょっと埃をかぶっている感じとかっていうのもすごく生々しいくらいに再現されていて。そこはすごいリアルだなと思いました。
見た目も人との関係値も、すべてがそりゃそうなるよなと思いましたね。


目の輝き方が変わるのは、さすが俳優さんだとすごく思いました。




■特にビジュアル面で印象に残っている俳優さんはいらっしゃいますか?

カイ イ・ビョンホンさんのあの冴えないおじさん感よくないですか。ものすごくイケメンな、いわゆるダンディー俳優じゃないですか。韓国を代表するイケオジみたいな方なのに、この映画の中では登場から最後までずっとなんか冴えない感じというか。

言葉は悪いけど、みすぼらしいというか。そういう姿はすごいなと思ったし、主演級がたくさんいらっしゃるから、本当にすごく豪華だなっていうのは思いましたね。



■そんな韓国を代表するベテラン俳優から今をときめく若手俳優など豪華キャスト陣が集結している作品ですが、韓国のスター俳優陣の演技はいかがでしたか?キャスト陣のファンの方々にとっても、ほかの作品では見られないような姿をたくさん見られる作品になっているのではないかなと。

カイ 本当にそうですよね。
ヨンタク役のイ・ビョンホンさんはやっぱりすごいっていうのはもう当たり前だと思うんですけど、最初のちょっと冴えない感じから、みんなに「代表!代表!」ってもてはやされて、いわゆるちょっと図に乗るというか、ちょっと狂っていく様。ルールをどんどん作って、周囲を縛っていくようになってからの目が胡散臭いというか。

最初、「代表!代表!」って言われて、マンションの住民をまとめようと頑張っていたときの目の輝きと、後半のちょっと狂っていくにつれて目の輝き方が変わるのは、さすが俳優さんだとすごく思いました。

あと、どんどん住民たちが、狂信的になるというか。「代表!代表!」ってこう持ち上げていくシーンで、オペラのような曲が流れるんですけど、あの感じもすごい気味悪いなって感じましたね。

■オペラのような音楽に、笑顔の住民たちの映像が合わさったときの気味悪さすごいですよね。

カイ あれすごいですよね。あと、最初から細かい伏線が、どんどんつながっていくので、すごく面白かったです。

中でもすごい細かいなと思ったのがパク・ソジュンさん演じるミンソンの奥さんのミョンファだけは、全然笑顔じゃなかったんです。あのシーンでも1人だけ笑顔じゃなかったんですよね。


最後のミョンファのセリフが全てだった。




■住民代表のヨンタク、ヨンタクに傾倒していくミンソン、ヨンタクへ不信感を抱くミンソンの妻ミョンファ。それぞれの印象は?

こういう状況になって、絶対住民以外を追い出す追い出さないって、いろんな意見も出るし、そこに正解も不正解もないなって。今の僕たちの状況だったら追い出すことは間違っているって思う人も多いと思うんですけど、実際こういう状況になったら、食料も限られているし、自分たちの命がかかっているから、追い出したいって思ってしまう。もちろんそこに共感もするし。
でもミョンファの、看護師という職業柄もあるのかもしれないですけど、正義感というか困っている人は救うみたいな心意気のようなものは、こういうディストピアの世界でも唯一希望を感じさせられる部分なのかなとも思いました。

何が正しいとも言えないですけど、今の我々にすごく近いのはミョンファなのかなとも思ったり。果たしてミョンファ的な考え、我々的な考えが実際にこういう状況に陥ったときに、正解なのかはわかんない。本当は正しいことだけど、自分や自分の大切な人の命がかかっている状況ではこの判断が正しいとは言い切れないっていう部分も考えさせられました。

ヨンタクもいろいろな秘密があるじゃないですか。正体というか、目的みたいなのがあるけど、一概に悪人とも言えないというか。やっぱりヨンタクにも同情しちゃう部分ももちろんあるし。
実際ある程度ちゃんと住民たちをまとめたっていうのは事実だし、それが良かったのか悪かったのかっていうのは、さておきですけど。



パク・ソジュンさん演じるミンソンのどんどん傾倒していってしまう姿からは、本当にすがれるものがあるなら、それが何だってすがりたいっていう、みんなの思いが感じ取れるというか。
またちょっと別の作品を出して申し訳ないんですけれども、僕の好きな漫画の「東京喰種」っていう作品があって、その中の宇井っていうキャラクターがいるんですよ。

そのキャラクターが、同僚とか先輩とか、後輩とか、もう周りの人間がどんどんいなくなっていく絶望的な状況の中で、「すがれるものなら死神にもすがる」ってセリフを言うんですね。その言葉はこの作品にも通ずる部分があるなと思っていて。
そういう絶望的な状況だと、死神ですら、曲がりなりにも神様だし、妄信的に信じたくなるっていう人間の心理はすごくあるだろうなと思うし。それを善とか悪とか、って判断する余地もないんだろうなっていうのはすごく感じましたね。

だから、ある意味ヨンタクは、他の住民からしたら神様みたいな存在だったし、本人がそこでいわゆるおごったではないですけど、そういった部分があったから結末に向かっていってしまう。けれども、全員それぞれの感情をすごく理解できる、そんな作品だったかなと思いますね。



■登場人物全員に共感できてしまうような。

カイ そうですね。ああ結末を言いたくなってしまうけど、、言えないんだよね、、、言いたくなっちゃう(笑)。

でも迂闊にハッピーエンドにしないのはいいなと思いましたね。何も解決しないじゃないですか。結局、状況が改善するわけでもなく、本当にこれを観ると、同じようなことがきっと各地で起こっているんだろうなって思い知らされるというか、広い世界の片隅で起きた出来事でしかないんだろうなって考えさせられるというか。

このソウルで起こったことが果たしてソウルだけなのか。韓国全体なのか。世界全体なのか。っていうのが全くわからないからこそ、きっとどこの場所でもおそらく同じようなことが起こっていて、だからこの物語は、ただ世界の片隅での出来事だったんだなって思い知らされると同時に、人間誰しもこうなる可能性があるんだよっていうことを突きつけられたような作品だったなと思います。

最後のミョンファのセリフが全てだったなと思いました。これはネタバレになってしまうので、映画を観ていただきたいんですけど、この作品を表している一言だなと思いました。


どちらも間違いじゃないし、どちらも悪ではない。




■閉鎖的な空間・周囲の変化によって狂気的に変わっていってしまう主人公や、そこに影響される人々、輪からはずれることをゆるさないような集団心理の怖さのようなものが描かれていますが、そういった人間の狂気が目覚めていく姿をみて、どんなことを感じましたか?

カイ 怖さはあったんですけど、そりゃそうだよなとしか思えないというか。それに対して、いやいやそれはないでしょうとも思えないというか。

多分僕たちが生きていく中でここまで絶望的な状況じゃないけど、意見の多い方に流されるというか、集団心理が働く場っていくらでもあると思うんですよ。
学校とかもそうだし。会社とかでもおそらくあると思うし。状況が違うだけで、そういう僕たちが今まで生きてきた中で見てきたもの、感じてきたもの、経験してきたものが、ただ現れているだけなんだよなってことをすごく感じましたね。

■本当に誰にでも起こりうる、じゃないですけど。

カイ うん。本当に誰にでもあり得るし。おそらくほかの住民の方からしたら、ミョンファはすごく意味がわかんない偽善者にも見えるんだろうなってことも感じましたね。



■特に先が見えないこの状況下だと、輪から乱れる人がいたら否定したくなる気持ちもわかる?

カイ みんなこうなのに、なんであなたは違うのってやっぱり思うだろうし、でもこの状況だとそれを間違っているとは言えないですよね。

■まして、それぞれ命がかかっている状況下ですからね。

カイ そう、自分の命がかかったときに、何を大事にするか。
自分や家族の命が脅かされているときに、何を感じて、何ができるのか、何をするのか。人それぞれ価値観が違うので、そこも変わってきますよね。

ミョンファの本当にみんなで助かりたいっていう考えも、ほかの住民や自分と自分の家族が生きていればそれでいいっていう考えも、どちらも間違いじゃないし、どちらも悪ではないなと思います。

ただ、意見の違い、価値観の違いでぶつかっているだけで。
だからといって、この状況下なので話し合えばわかるとは思わないです。でもこういうときに、自分とは違った意見を受け入れるか受け入れないかどうかっていうは懐のでかさだなと思いますね。ここは人によって全然違うのかなと思いました。


人間って欲深い。




■自分たちの住居と食料を守りたいマンションの住民たちと、極寒のソウルで寒さと飢えをしのごうと集まってくる人々との対立が深まっていきます。そんな両者の立場の人々の気持ちもわかりますか?

カイ 外から来た人は、そりゃ、いさせてくれよとはなるし、でももう1棟のマンションの方が高級で、そっちが崩落して、「逆だったら門前払いだよね」って言ってるファングンアパートの人たちの気持ちもわかるし、、、これは難しいですよね。

この状況になったら、上も下もないよなとも思うし、でも絶対こういうときって普段我々はこんなふうにされていたんだから、こうする権利があるはずだとも思っちゃうだろうし、なんか人間って欲深いなと思っちゃいました。



■ファングンアパートの住民だったら、入れてあげようよって思いますか?

カイ うーん…自分の大事な人たちが元気であれば、それでいいと思ってしまう人間なので、、何とも言えないです。

全く知らない人だったら僕はあんまり優しくできないかもしれない。全く知らない人たちを家に入れて暮らすことはストレスだし、結構しんどいかもしれないですね。リアルはそうなるかなぁ。
でもわからないですよね。実際に傷ついて苦しんでいる人を目の前にしたとき、同情しちゃうかもしれないですし。

■その状況下に立ったことがないから難しいですよね。

カイ うん、想像ができないんですけど、、ただただ今の僕の状況でフラットに考えると、自分と自分の周りの大切な人たち、家族だったり友人だったりが無事であればいいと思っちゃうかな。


自分の命を守るためにほかの人の命を危険に冒していいかって言ったら、絶対にそうじゃないけれど…




■人間の怖さを感じたシーンは?

カイ ずっと怖さは感じていたんですけど、個人商店を襲ったシーンですかね。
襲おうと思ったわけではないけど、無人だと思って入ったら銃を持ったお店のお父さんがでてきて。取り押さえようとして、争いになってしまうんですけど、、、

そのシーンもめちゃくちゃ難しいなと思って。自分の命を守るためにほかの人の命を危険に冒していいかって言ったら、絶対にそうじゃないじゃないですか。でもそれすら間違っているとは言えない状況で、間違っていると言った人が間違っているとされるというか。それこそ集団心理が働いているから、難しい。このシーンはいろんな意味で、怖さを感じたシーンですね。

その後、ミンソンが奥さんのミョンファに「人を殺したの?」って聞かれたときに、ごまかしてしまう感じとか。特にミンソンは見てたじゃないですか。もう…なんとも言えない気持ちになるシーンでした。

ただ映画を観ていた方からすると、醜いなとも思いましたけど。


みんな結局“愛”を持っていた。




■一方で人間の愛を感じたシーンは?

カイ 先ほどの話にもつながるんですけど、一貫してミンソンとミョンファのシーンは愛を感じるというか。ミョンファはもちろんどの人に対しても自愛の心を持っていると思うんですけど、特に旦那さんのミンソンに対して、何よりも無事でいてほしいという気持ちが強かっただろうし、どんどん傾倒していくミンソンを近くで見ながらすごくつらかっただろうなと思います。
逆にミンソンも自分たちの生活というか。ミョンファを何があっても守るって言っていたし。それも愛だよなって。ミンソンとミョンファのシーンはすごく愛を感じましたね。

■ミンソンもどんどん変わっていきますが、一貫して大切な人を守るっていう部分は変わってなかったですもんね。

カイ そうそう。そこは変わってなかったですよね。
でもこれはミンソンだけじゃなくて、みんながそうでしたよね。
結局、自分の生活だったり、自分の家族だったりを守りたいという想いが常にあって。みんな結局“愛”を持っていたんだよなって感じました。


会長のグメさんはすごかった。




■オム・テファ監督は現地のインタビューで、「ヨンタク(イ・ビョンホン)、ミンソン(パク・ソジュン)、ミョンファ(パク・ボヨン)、ドギュン(キム・ドユン)など多様な人物の中で、誰に感情移入するかがこの映画を見る楽しさではないかと思います」とおっしゃっています。カイさんが、感情移入された登場人物はいましたか?

カイ 結構しちゃうタイプ、割とみんなにしてた(笑)。

でも序盤の住民だけが集まって、誰を代表に立てるのかの話し合いになる前の住民以外を追い出すか追い出さないかみたいな話し合いのときに、「20何年間働いてやっとアパートを買って」みたいな話をされている男性の、「苦労して掴んだ自分たちのこの生活を守りたい」っていう気持ちは、そりゃそうだよねってめちゃめちゃ思いました。

その意見と対立していた住民の方で「じゃあ、みんな野垂れ死ねってことか」って言っていたんですけど、口先だけだったら、それは言えるよなって思っちゃいましたし。だんだん食料が尽きてきたら、やっぱり住民以外は入れなきゃよかったって思うだろうなと思うし。



■登場人物の中で印象に残っている方はいますか?

カイ 会長のグメさんはすごかったですよね。いいキャラでした(笑)。
住民以外を追い出すか追い出さないかを、ブーツに碁石を入れて投票で決めたじゃないですか。あれ絶対にもう追い出すことになるってわかってやらせているよなって。あの状況で、匿名でやったら絶対に追い出すが多くなるじゃないですか。

だからすごい搾取だなって。誰かを祭り上げて、自分は上には立たないけど、実はコントロールしているというか。すごく欲深い人だなって思いました。

■逆に共感しづらい人だった?

カイ そうですね(笑)、この人はあまり共感できない(笑)。
でもその子供に対しての愛は本物だったから、そこはやっぱりみんなそうだろうなと思います。


きっと彼(ヨンタク)にとってはユートピアだったんだろうな。




■印象的なタイトルですが、作品を観たうえで、改めて『コンクリート・ユートピア』というタイトルを聞いてどんなことを思いますか。

カイ ネタバレになるので詳しくは言えないですけど、ヨンタクはある秘密を抱えているじゃないですか。それでも人の上に立つっていうのを選んだのには、やっぱりどこかに後ろめたさはありつつも、自分は正しいと思いたかったっていう部分だったり、人の上に立って何かをするっていうことが越だったんだろうなって。

ほかの人にとってはわかんないですけど、きっと彼にとってはユートピアだったんだろうなってすごく思いました。

『コンクリート・ユートピア』というタイトルもいいですよね。正直絶対にユートピアじゃないと思うじゃないですか。マンションの外から見てたら絶対にディストピアだし。

でも本人たちは、ここが最高だ!選ばれた!って思い込むしかなかったんだろうなとも思うと、いろいろ考えさせられる作品だなと思いますね。何をもってユートピアとしているかは人によって違うから。


ちゃんと参加しているふりはする(笑)。ある種一番悲観しているのかもしれない。




■もし『コンクリート・ユートピア』のアパートの住民と同じ状況下にいたとして、ヨンタクやほかの住民に従う?


カイ 一人暮らしだったらできるだけ関わりたくないんですけど、僕はそういう集まりとかもできるだけ行きたくないし、できるだけね(笑)。

知らない人と喋るのも結構苦手なので。でも、家族がいたら、うーん、、、難しいな。結構冷めているんで、ヨンタクきもいとか思いながらちゃんと参加しているふりはするかな(笑)。
こいつなんか調子乗っているわと思いながら、一応表向きはちゃんとやって、配給もちゃんともらって、家族にはあいつなんかしゃしゃってるけど、頑張ろうみたいに言うと思う(笑)。

■カイくん、どんな状況下でも賢く上手く生きていけそうですね(笑)。生きる術を知っている。

カイ はい、したたかに(笑)。

でも笑っちゃうかも、こういう状況になったら。
もちろん絶望はあるけど、みんな必死だなって。それこそ多分逆にすかしているかも(笑)。そんな気がします(笑)。

だからある種、一番悲観しているのかもしれないです。どっか諦めとかあるからこそ、必死にやっているふうにできるというか、たぶんですけどね(笑)。

■なるようにしかならないような状況ですもんね。

カイ そう。だからやれることはやるけど、死ぬときは死ぬって思っちゃうかもしれないですね。絶対何が何でも生き残りたいってもちろん思うけど、なるようになってしまうって半分諦めもありそうな気がします、自分だったら。


学校みたい。規模が大きくなっただけで、このマンション内で起きていることは同じ。




■まして映画から読み取れる限りは、外の連絡手段も全部遮断されたような状態ですもんね。

カイ それがしんどいですよね。やっぱりコミュニティが狭ければ狭いほど、本当に学校みたいだなと思いました。外の世界を知らないからというか。

この話を出すのは難しいですけど、いじめとかもそうじゃないですか。外の世界はもっと広いし、外にはもっといろいろなことがあるけど、この世界しか自分にはないって思っちゃって、ふさぎ込んでしまうっていうのもパターンとしてあると思うんです。

その規模が大きくなっただけで、このマンション内で起きていることは同じだなって。はみ出た人を淘汰するみたいな。出過ぎた杭が打たれる感じというか。だからミョンファのちょっと行き過ぎた行動は、周りの人間からしたら、え?なんで?ってなるんだろうなって。

だからこの作品を観ながら、何かこの感じ知っているって思いました。学校の感じだなって。
狭いからこそ、外の世界を見られないからこそ起こりうることというか。それにこの場合、マンションの外の世界はみんな敵じゃないですか。救助もないし、全員が絶望している状態だから、よりそう思っちゃうよなって。

でもミョンファはその中でも希望を見つけるのがうまい人だなと思いました。見い出すのが上手いのか、彼女自身が希望なのか、ちょっとわからないですけれども、すごく幸せ探しがうまい人だなって思いましたね。
小さなことに幸せを見い出せる人はすごく素敵だなと思うので。ある種、ポジティブに変換できる人なのかなと思いましたけど。


連絡手段と水の確保。おそらく過去と同じ行動をする。




■ちなみに、仮に災害が起きたなら、まず最初にどんな行動をとると思いますか?

カイ これ過去に本当にあったことなんですけど。高校1年生の春休みというか、テスト休みの日に新宿や新大久保の方に買い物に行っていたんです。そこで地震が起きて。
『コンクリート・ユートピア』の地盤隆起みたいなことはなかったですけど、ビルもめっちゃ揺れるし、ビルの看板もぺラペラの紙みたいに揺れているし、やばいやばい壊れると思って。で、そのとき、僕が最初に取った行動が、すぐ近くのコンビニに駆け込んで、持っていたお金全部で、少しの水と、携帯充電器と乾電池を買えるだけ買うことでした。連絡手段が途絶えたら駄目だと思って。そのときに奇跡的にウィルコムを持っていたんですね。僕2台持ちで、さすが現代っ子(笑)。

あのときウィルコムだけがつながって、それで家族に連絡が取れて。お母さんは普通に家にいて、妹が当時中学生だったので家の近くの学校にいて。親父は働いているので外でしたけど、親父も無事で。
僕だけ家から遠い新宿にいたので、ずっと神奈川県にいる親と連絡を取り合いながら。我ながらファインプレーだったなと思います。

■その年齢でその判断ができたのがすごいですね。

カイ 高1で、、奇跡です(笑)。
で、今だったら新宿から神奈川県だったらできるだけ歩いて帰るけど、当時はそんな知恵もなかったから、親が車で迎えに来てくれて。あれ確か地震が起きたのが昼の2時か3時ぐらいだったんですけど、東京まで車で迎えに来てくれて、そこから家に着いたのが深夜の2時。だから本当に申し訳ないなと思って。

■いやいや、ご両親からしたら、会うまできっと気が気じゃないですよね。

カイ ウィルコムが生きていて本当によかったなと。1回抱きしめました、ウィルコムを(笑)。

だから、ライフラインの確保というか。連絡手段の確保はまず最初にするかなと思います。
ただここまでの大災害が起きたらさすがに連絡手段も途絶えるだろうから、ちょっと難しいけど、過去にそうしたので、おそらく同じような行動をとるだろうなって。
連絡手段と水があれば何とかなると思うので、それは絶対に確保すると思いましたね。


高校3年間ずっと極限でしたね、もう必死(笑)。




■過去を振り返って、極限だったなと思うエピソードはありますか?

カイ いやもう、高校のテスト勉強ですね。人生で一番緊張したことが高校の定期テストです(笑)。

高校生のとき、めちゃめちゃ勉強を頑張っていたんですよ。中学生のときはバカだったんですけど、高校の授業料を免除にしたくて。
総合とか、特進とか、スポーツ芸能とかいろんなコースがあったんですけど、学年で10位までの人が特待生になるんです。
それに入っていたんですけど、前期後期で期が変わるごとにその評価に繋がる定期テストがあるから、絶対に頑張らなきゃいけないと思って極限状態で頑張っていました(笑)。

■もう睡眠時間を削って?

カイ 本当に寝てなかったです。テストの前日って大体学校がお昼に終わるじゃないですか。都内の学校だったので、そこから神奈川県の家に、1時とか、2時とかに着いて、一旦寝て。夜の6時とか7時に起きて、そこから朝まで勉強っていう。完全に一夜漬け。受験勉強はできないタイプです(笑)。

■でもそれでちゃんとずっと成績をキープしてきたんですもんね。すごい。

カイ はい、キープしてきました。3年間。
3年間ずっと極限でしたね、もう必死(笑)。


ディストピアとヒューマンと、どっちも入っている作品。




■災害映画?パニックスリラー?ヒューマンブラックコメディ?映画を観る人によっていろいろなとらえ方をする方がいると思いますが、カイくんは『コンクリート・ユートピア』をどんな映画作品だと思いましたか?

カイ すごい僕の好きな感じでした。
ディストピア系だなと思います。「進撃の巨人」とか、その世界しかない中での出来事で。「進撃の巨人」も話が進んでいくと人間同士の戦いになったりするし、そういうディストピアとヒューマンと、どっちも入っている作品ですね。
それでいてすごく生々しいので、ちょっとドキュメンタリー的な部分もありつつ、極限状態で人間はこうなるんだなって、改めて考えさせられると思います。

だからリョウガにすすめたいと思います。リョウガ、「進撃の巨人」好きなので、多分好きだと思う(笑)。
こういう極限状態とか閉鎖された中で、何かが起こる作品は、面白いですね、やっぱり。

■おすすめするなら、そういう要素?

カイ うん、僕はそういう要素でおすすめしますね。でも、僕おすすめするの得意じゃないから(笑)。

■全部言いたくなっちゃうんですよね(笑)。以前のインタビューでもおっしゃっていましたよね。

カイ そう、全部言いたくなっちゃうから。
だから早くみんなも観て!喋りたいから(笑)。昔からそういうタイプです(笑)。

■冒頭でも話されていたように、他人事じゃない自分事で見られるので、多くの方が楽しめる作品でもありますよね。

カイ そうですね。他人事とは思えないなというのはありますね、やっぱり。自分だったらどうなるんだろうっていうのを、考えさせられるし。

それこそ戦時中とかきっとこういう感じだったんじゃないかなって思うし。今も世界各地でリアルタイムに戦争が起こっているわけで、戦禍にいる人たちは、おそらく食事だったり、お風呂だったり、トイレとかも満足にできない状況で、日々自分の命がいつなくなるのかっていう危険をはらんだ中で生きていると思うと、世界で起きている問題でもあるので、あながちフィクションとも言い切れないし、それがいつ自分たちの身に降りかかるかもわからない。
絶対にないよとも言えないので、改めていろんなことを考え直すというか、見つめ直すきっかけになる作品なのかなって思います。


“みんな観て!” 1年後に観たらまた僕の感想も変わるのかもしれない。




■メンバーと観に行くならリョウガくん?

カイ リョウガ、、タクヤ、、、ハルかな。
ハルは、芝居をしているからこういうのみたいだろうなって。

■なるほど、勉強の一環としても。

カイ やっぱり韓国作品ってちょっとレベルが違うというか。日本作品と比べるとお金のかかり方や規模感がもうハリウッド級に違うので。日本映画がどうとかじゃなくてやっぱり規模の違い、スケールのでかさっていうのは、一線を画すものがあるなって感じました。だから勉強にもなるだろうなって。

でも、本当に面白いので、みんな観てって思います(笑)。誰が観ても楽しめると思うので、純粋に観てっていう感じですかね(笑)。

■それは8号車に対しても。

カイ そう!太字で書いてください。“みんな観て!”って(笑)。

■本当にそれぞれ感じることも共感する箇所も違うだろうし。

カイ うん。おそらく育ってきた環境とか今いる環境とか、仕事によっても感じ方が違うし。それこそ看護師の方だったらミョンファと本当に同じように思うのかっていうのも気になるし。

■それぞれどう思ったのかちょっと知りたくなりますね。

カイ すごく気になりますね。難しいけど、過去に学校で何かつらい目に遭ったことがある方は感じ方もよりナイーブな部分があるかなと思うし、その人の背負っているもの、その人の状況によって全く感じ方が違う作品だろうなと思います。
1人暮らしの人が観るのと、実家暮らしの人が観るのでも全然違うし。パートナーがいる、いないでも違うだろうし、そういった意味でもすごく面白いなと思いますね。

1年後に観たらまた僕の感想も変わるのかもしれない。だから、また観たいと思います。


カイのユートピアとは。




■最後に、カイくんにとってのユートピアは?

カイ おいしいご飯です(笑)。
あと、これを観ながらずっと風呂に入りたいって思っていました。僕めっちゃお風呂が好きで、ほぼしずかちゃん状態なんです(笑)。

だからユートピアは、1日頑張った後のお風呂かな。

■結構長風呂するタイプですか?

カイ めちゃめちゃする。追い炊きまでして。

■じゃあ映画1本分くらい入ってる?

カイ でも2時間まではいかないかもしれない。観ている途中で、い~こうってお風呂に入って、映画はエンドロールまで観るから1時間ぐらい入ってるかもしれないですね。

■湯舟ってことですね。1時間すごいですね。

カイ で、そろそろ終わるってときに、やばいお風呂に結構入っちゃったなと思って、体洗おう、髪洗おうって、湯舟の栓を抜くんですよ。でも思ったより、エンドロールの後が長くて、何もない浴槽でただ映画を観ているときとかもあります(笑)。裸の俺が何もない浴槽で、こうやって横になって映画を観続けるっていう(笑)。よっぽどお風呂が好きなんだと思います(笑)。



■本当に好きなんですね。映画の途中で出るっていう選択肢は?

カイ ないですね。だって、観切らないといけないから、これはもうマストなんで!(笑)裸の俺が湯船でこうやって観て(笑)。

■となると、『コンクリート・ユートピア』のような状況になったとき、すごく苦労しそうですね。

カイ 本当に!多分こういう状況になったときに一番僕が思うのはお風呂に入りたいだと思う。
無人島に行くって想像したときも、お風呂に入れないことが結構苦痛で。
だから僕は無人島では暮らせないです!(笑)

■(笑)。

カイ シャワーも嫌なんですよ。湯船につかりたいから。

■じゃあユートピアは、

カイ お風呂と美味しいご飯ですね!

■ありがとうございました!


<ストーリー>
世界各地で起こった地盤隆起による大災害で一瞬にして壊滅したソウル。唯一崩落を逃れたファングンアパートには、居住者以外の生存者たちが押し寄せていた。救助隊が現れる気配は一向になく、街中であらゆる犯罪が横行し、マンション内でも不法侵入や殺傷、放火が起こりはじめる。危機感を抱いた住人たちは、生きるために主導者を決め、住人以外を遮断しマンション内を統制することに。臨時代表となったのは、902号室のヨンタク。職業不明で頼りなかったその男は、危険を顧みず放火された一室の消火にあたった姿勢を買われたのだった。安全で平和な“ユートピア”になるにつれ、権勢を振るうヨンタクの狂気が浮かび上がる。そんなヨンタクに防衛隊長として指名されたのは、602号室のミンソン(パク・ソジュン)だ。妻のミョンファ(パク・ボヨン)はヨンタクに心服するミンソンに不安を覚え、閉鎖的で異様な環境に安堵しながら暮らす住民たちを傍目でみながら生活をしていた。生存危機が続くなか、ヨンタクの支配力が強まったとき、予期せぬ争いが生じる。そこで目にしたのは、その男の本当の姿だった………。


【MOVIE】
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応募締切:2024年2月4日(日)


<応募条件>
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ーPROFILEー




超特急・カイ(小笠原海)
9月27日生まれ。神奈川県出身。

メインダンサー&バックボーカルグループ「超特急」のメンバーとして活躍中。

[Instagram] @927_kai
[Instagram] @bullettrain8
[X] @sd_bt
[HP] http://bullettrain.jp/


―INFORMATION―



映画「コンクリート・ユートピア」
公開日:2024年1月5日(金)より全国公開
監督:オム・テファ
出演:イ・ビョンホン、パク・ソジュン、パク・ボヨン、キム・ソニョン、パク・ジフ、キム・ドユン
字幕翻訳:根本理恵
配給:クロックワークス|G

[公式X]@Concrete_Utopia
[公式サイト]映画「コンクリート・ユートピア」

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