ワンエン・TETTA「号泣しすぎて歌えなかった」思い出の曲披露に、げんじぶ・大倉空人「昔から大好きな曲」だという超特急「Yell」を歌唱する場面も。<LIVE Meets vol.4 ライブレポ>




超特急ら数多くの男性グループが所属するEBiDANを擁するSDR(スターダストレコーズ)。その社内クリエイティブレーベル・MeMe Meetsによるライブイベント『LIVE Meets Vol.4』が、9月12日にSHIBUYA PLEASURE PLEASUREにて開催された。MeMe Meetsは日々変化していく世界に迅速に対応し、音楽だけに捉われないコンテンツを生み出すレーベルとして、2022年に立ち上げられた。
昨秋にスタートした本ライブシリーズも4回目となり、今回はMeMe Meets所属のあたし、翌13日に配信デビューを控える凜翔のほか、ONE N’ ONLYのTETTAに、原因は自分にある。の大倉空人、小泉光咲、武藤潤らEBiDANの面々も友情出演。カバー曲も交えつつ、この日だけのスペシャルなパフォーマンスで、満員の客席を楽しませた。



トップバッターは沖縄出身、シンガーソングライター・凜翔。まずはアコースティックギターを抱えた弾き語りのスタイルで、オリジナル曲「先」を雄大に放ち、耳にしたとたんハッとせざるをえない力ある歌声で存在感を示していく。「初東京ライブです」と、楽屋裏で迷子になってしまったという初々しいトークを挟んでからは、「ハッピーな曲を」と平井大の「Slow & Easy」をカバー。軽快なリズムと心地よい空気でクラップを呼びつつ、途中で “幸せはPLEASURE PLEASUREにある”と歌い替えるアドリブ力は、さすが高校2年から路上ライブを積み重ねてきた強さがある。

いったんギターを置き、ここで披露されたのは、毎週水曜深夜1:00より放送中のテレビ東京ほか・水ドラ25『沼オトコと沼落ちオンナのmidnight call~寝不足の原因は自分にある。~』(主演・原因は自分にある)の第3話テーマソングであり、翌9月13日に配信されるデビュー曲「Yoi」。アコースティックな弾き語りから一転、夜の香りのするグルーヴィーなトラックに、エッジの利いた気怠いボーカルが溶け合うナンバーは、ワインのような豊潤さに一抹のアイロニーを漂わせて、オーディエンスの心を躍らせる。

「メチャクチャ楽しいです!」と初の東京ライブの喜びも露わに、最後は「君が毎日」を再びの弾き語りでプレイ。手拍子を貰って“楽屋の場所ムズい……でも何より会えたのが嬉しい またどこかで会えましょう”と即興で歌うスタイルは、エンタメ性抜群で、その根本にある歌声の力を見せつけた。



続いて登場したのは、今春ブラジルでのワンマンツアーを成功させるなど、海外でも人気の高い6人組ダンス&ボーカルユニットONE N’ ONLYのボーカル・TETTA。ピアノ伴奏に合わせ、ONE N’ ONLY のバラード「STARLIGHT~未来ノトビラ~」を、普段は歌わないラップパートも含めて丸ごと1曲1人で歌い上げれば、その美しいファルセットを交えたエモーショナルなボーカルに、場内から万雷の拍手が湧きおこる。

いつもは6人で歌い踊り、パフォーマンスしている彼が、1人でステージに立って歌うのは初めてということで、「非常に今、緊張して、心臓がドクドク言ってます」と告白しつつ、「歌を届けたいなと思って」と、ONE N’ ONLY の楽曲をピアノ伴奏で次々歌唱。グルーヴィーなダンスチューンゆえ、タイトルコールから驚きの声があがった「Get That」では、踊らないぶん歌声に抑揚や熱を滾らせて圧倒し、全英詞のミディアムソング「10,000miles」では、どんなに離れても繋がっているという楽曲のメッセージを、ピアノ演奏とも息を合わせたクリアなボーカルで、しっかりと観客の胸に届けていく。



「メッチャ楽しいですね!」と高揚するまま、ステージに絨毯が敷かれているのを見て「絨毯っぽい衣装で」とオーダーしたことを暴露してからは、なんと自身が作詞・曲に携わり、温めてきたオリジナル曲を続けて披露。4年ほど前に一度だけライブで歌う機会がありながら「そのとき号泣しすぎて歌えなかった悔しい、苦い思い出があるので」という「マーマレード」では、張りのある歌声で“会いたいよ 会えないよ”と切ない心情を、思いのまま存分に歌い上げて、見事にリベンジを果たす。さらに「これは一度も歌ったことのない曲。3、4年ほど前、友人の家に行って2人で作った思い出の曲です」と贈られた「優しい朝に」は、永遠の愛を誓うスケールの大きなラブソング。子守歌のような優しさや荘厳な響きに、ダンスを通じて得たグルーブ感を取り込んで、彼にしか作れない劇的な物語を身体いっぱいで表現してくれた。もともと歌唱力には定評のあったTETTAだが、この日は純粋な“音楽”への愛情を、グループの枠を超えたソロの場でいかんなく発揮。さらなる可能性への期待が高まるステージだった。



再びピアノの音が流れ、始まったのは、あたしのステージ。高校在学中に投稿した“歌ってみた”動画が500万再生を記録し、SDR主催『クリエイターズマッチングプロジェクト』の歌唱部門・チーム部門でW受賞したのをきっかけに、MeMe Meetsの第1弾アーティストとなった20歳だ。1曲目に届けられたのは、超特急のメンバーである(髙松)アロハが主演したMBSドラマシャワー『4月の東京は…』の主題歌でもあった「イベリス」。一途すぎる“愛してる”を繰り返す息交じりの声は、シンプルなピアノの音色と相まって聴く者の胸を締めつけ、知らず涙腺を緩ませる。

「YouTubeやXなどで、歌ってみた動画やオリジナル曲動画を投稿してます」と自己紹介をしてからは、5月に配信されて若い女性の共感を得たラブソング「着心音」を歌唱。恋する女性の臆病で切なすぎる感情を、儚さとか弱さの入り混じる声音で語ってオーディエンスの琴線を揺らしながら、一転「AtoZ」ではダイナミックなピアノ演奏に乗せ、低音域を活かしたアンニュイな歌声で強くて大胆な女の一面を見せる振り幅の広さも見事だ。

最後に「夏の終わりの儚い感じを切なく歌った曲です」と歌われたのは、『沼オトコと沼落ちオンナのmidnight call~寝不足の原因は自分にある。~』の第2話テーマソングに起用された「そっか」。どうにもできない激しい想いや惑い、諦めといった繊細な喜怒哀楽を、1曲の中に落とし込んだナンバーは、まるで1本の映画のようにドラマティックで、オーディエンスの五感を惹きつける。恋に笑い、恋に泣き、恋に嘆き、恋に惑う人々の心模様を、特有のエアリーな歌声で直球に歌い綴る彼女のステージは、胸躍らすときめきに満ちている。



劇中で「そっか」が流れた『沼オトコと沼落ちオンナのmidnight call~寝不足の原因は自分にある。~』第2話で主演を務めた武藤潤に加え、大倉空人に小泉光咲と、原因は自分にある。(通称・げんじぶ)の面々が登場すると、げんじぶの「Up and Down」を3人で歌唱。普段はダンスを交えて7人でパフォーマンスするところ、黄昏色のライトのなか、げんじぶの年上組が歌だけに専念して、晩夏にピッタリの気怠い哀愁を漂わせるというエモすぎる光景に、3人のイメージカラーである赤・黄・白のペンライトが揺れる。

通常とは異なる3人での出演ということで「脚がガクガクなので見ないでください、顔だけ見てください!」と小泉が緊張のほどを伝えれば、ソロで出演した先輩のTETTAに触れて「1人じゃなくて本当によかった!」と大倉が語りつつ、3人出演ならではの演出も。「今回は、それぞれが歌っていきたい曲をカバーしていきたいと思います」(大倉)とソロコーナーが始まり、小泉は自身が俳優としてMVに出演し、1億回再生を記録したヤングスキニーの「本当はね、」をカバー。げんじぶ楽曲では聞けない率直な言い回しのラブソングで、“あなた好みの可愛い女になりたいわ”と女性目線で歌う姿は新鮮に映り、独特の愛らしさがにじみ出る。「昔から大好きな曲」という超特急のウエディングソング「Yell」をセレクトして、タイトルコールから歓声を招いたのは大倉。挑発的で鋭いラップも得意とする彼だが、ここでは柔らかくまろやかな声の響きをフィーチャーし、思いの丈を真っすぐ朗々と歌い上げた。いわく「両親が好きで、よく車の中で流れていた」というMr.Childrenの「名もなき詩」で、武藤は持ち前の情熱的なボーカルを全開に。Cメロの早口パートからクライマックスへの盛り上げも凄まじく、会場の空気と楽曲を自分のものとした。



再び3人が揃ってからは「げんじぶはピアノロック調の楽曲を特徴としているので」(大倉)と、ピアノ伴奏1本で、げんじぶの人気ナンバーを披露。まずは、ライブ鉄板のアップチューン「嗜好に関する世論調査」を、ボーカルの細かい掛け合いまで3人で見事に組み立て、叩きつけるようなピアノ演奏と共に、楽曲のスリリングな空気感を普段とは別の角度から表していく。旅立ちを祝す歌モノ「桜Ground」を伸びやかな歌声で、力強く、晴れやかに届ければ、場内には大きな拍手が。「げんじぶの曲をピアノの生演奏で歌えるなんて幸せ!」と笑顔で告げる大倉に、「ピアノ弾きたくなったね」と小泉が続け、「俺、パソコンのタイピングならできる」と武藤が答える彼ららしい流れにも心が和む。

最後は8月末に配信された最新曲で、彼ら自身が主演を務める『沼オトコと沼落ちオンナのmidnight call~寝不足の原因は自分にある。~』の主題歌「蝋燭」を、3人で歌詞を割り振った特別バージョンでお披露目。電話をモチーフにしたドラマのために書き下ろされた主題歌らしく、バイブ音から幕開ける彼ら初のチルポップは、揺らめく蝋燭の炎のように曖昧に揺れ動く感情を写し取ったナンバーで、さりげない湿度の高さが杪夏の夜にはピッタリだ。なめらかに移りゆく3人のボーカルは、そんな楽曲の個性にしっくりシンクロして、今夜だけのスペシャルなパフォーマンスに華を添えた。

すべてのメニューを終え、呼び込んだTETTAがパフォーマンス中にかけていたサングラスを外していたことを3人が突っ込むと、「オリジナル曲で外そうとしたのに、気持ち入りすぎて外すのを忘れてた。皆さんに目を見せないと!」とのこと。続いて、10月13日からONE N’ ONLY 初の47都道府県ツアー『ONE N’ SWAG ~Hook Up!!!!!!〜』がスタートする旨を伝えれば、原因は自分にある。の3人も現在放送中の主演ドラマ『沼オトコと沼落ちオンナのmidnight call~寝不足の原因は自分にある。~』と、11月5日にぴあアリーナMMで開催される初のアリーナ公演『因果律の逆転』を告知する。ジャンルは違えど、音楽へのリスペクトにあふれた空間で、オーディエンスの心を満たした『LIVE Meets』の今後の展開に期待したい。

Set List

凜翔
M1. 先
M2. Slow & Easy(cover)
M3. Yoi
M4. 君が毎日

TETTA(ONE N’ ONLY)
M1. STARLIGHT~未来ノトビラ~
M2. Get That
M3. 10,000miles
M4. マーマレード
M5. 優しい朝に

あたし
M1. イベリス
M2. 着心音
M3. AtoZ
M4 そっか

大倉空人、小泉光咲、武藤潤(原因は自分にある。)
M1. Up and Down
M2. 本当はね、(cover)(小泉光咲ソロ)
M3. Yell(cover)(大倉空人ソロ)
M4. 名もなき詩(cover)(武藤潤ソロ)
M5. 嗜好に関する世論調査
M6. 桜Ground
M7. 蝋燭


■詳細
【Live Meets Vol.4】
開催日:2023年9月12日(火)
場所:SHIBUYA PLEASURE PLEASURE
時間:開場18:00、開演18:30
出演者:あたし、ケタチガイ、凜翔(りんと)、TETTA(ONE N’ ONLY)、大倉空人(原因は自分にある。)、小泉光咲(原因は自分にある。)、武藤潤(原因は自分にある。)

PHOTO:武石早代
TEXT:清水素

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