【板垣瑞生インタビュー】「表裏ぐらい、人間だからある。」復讐よりも家族、仲間、友達、恋人とか、大切な人を守れる人になりたい。<ドラマ「夢で見たあの子のために」>



Emo!miuイチオシの若手イケメン俳優【板垣瑞生】のインタビューをお届け!

約1ヶ月ぶり3度目の登場となる今回は、Lemino(レミノ)オリジナルドラマ「夢で見たあの子のために」で主人公の中條千里とその双子の兄・一登の2役を演じる板垣くんが、1人2役の楽しさや人間誰しもがもつ“表裏”について、熱いメッセージをこめて語ってくれました。さらにクランクアップ直後に大好きな友達に会い、手料理を振る舞ったという微笑ましいエピソードも♡︎

板垣くんの美しいまなざしから目が離せなくなる…!!鏡をイメージして撮影したエモいインタビューカットも必見です!


表裏のある自分を、この作品や役を通して受け入れたい。



■最初に、出演が決まった時と脚本を読んだ時の感想を教えてください。

板垣瑞生 とにかく嬉しかったです。
ただ正直、2役ってどう演じればいいんだろうって、自分の中で結構悩みましたね。それと同時に、2役を演じるということは“主演の芝居”と“助演の芝居”じゃないけれど、自分で演じ方を選べるから、そんな経験はなかなかできないので、とても面白そうだなと思いました。

それから脚本を読んで「今の自分にとてもハマる内容だ」って思って、撮影が始まる前からやりがいを感じる作品でしたね。

■「自分にハマる」というのはどういうところでしょうか?

板垣  “1人2役”っていうのが結構自分にハマっていると思っていて。
たとえば、親と一緒にいる姿と社会に出ている姿って、絶対に表と裏じゃないですか。22歳になって、それをすごく感じるようになってきて。同じ人間だし同じ顔をしているけど、社会に出ているときと家の中では違う。人間の表裏ってこういうことを言うのかなって。そういう表裏のある自分を、この作品や役を通して受け入れたい。そういう気持ちがすごく強かったです。



■演技への向き合い方や、感覚、役の切り替えなど、どんなことを思いながら1人2役を演じましたか?

板垣 「空気感を変えよう」とは思いました。千里を演じているときと一登を演じているとき、2人が同時に現場にいることはないので、「この役で来たときって現場の雰囲気がちょっと変わるよね」とか「千里のときはちょっとこんな感じだよね」とか、周囲の方に言ってもらえるように演じるのが好きでしたし、楽しかったですね。

■役を切り替えるのは難しくなかったですか?

板垣 難しくなかったです。むしろ切り替えたほうがやりやすかったです。切り替えなかったら結構しんどかったかもなとも思います。

■現場に入る時点で「今回はこの役だからこのモチベーションで入ろう」という気持ちができていたんですね。

板垣 そうですね。役で会話をしているテンション感も決まっていました。観ている側からすると一登の方が怖いイメージがあると思うんですけど、物語中でもどんどんいろんなことに挑戦していく役でした。
そんな“サイド”の一登と、もちろん挑戦することも多いけど、でも“主演”として、物語を経て進化しようとしている千里は、やっぱり立ち位置が違うから自然と変わってくるんですよね。

“内に秘めたひねくれピュアマン”の一登と、“表に出ちゃうひねくれピュアマン”の千里



■千里と一登、それぞれの性格や人間性をどう解釈して演じられましたか?

板垣 千里は……「助けたい人」です。 でも、助けたいがあまり裏切られることだってあるんですけど、それだけ信じる力がすごく強いと思います。逆に一登は「疑う力がある人」というのを根本において演じていました。

でも「助ける」って行動原理で言ったらきっと2人とも一緒なんですよね。
台本の内容を疑ってかかるのは一登だし、台本の内容を信じてその現場に行くのは千里。もちろんお互い両方の側面があるんですけど、持っている力やアプローチの仕方が違うかもしれないです。

■一登は、台本に書いてあることとは裏腹に、心の内では違うことを思っているんだろうな、と感じられる部分があるということでしょうか。

板垣 そうですね。一登は正直な人ではないから……いや、すごく正直な人なんだけど……“ひねくれピュア”ですね(笑)。

■なるほど(笑)。

板垣 どっちもひねくれピュアですけど、“内に秘めたひねくれピュアマン”の一登と、“表に出ちゃうひねくれピュアマン”の千里みたいな違いかな(笑)。



■これから話が進むにつれ、一登の心の内も見えてきて面白くなりそうですね。

板垣 そうなんです!面白いですし、発する一言ひとことにちゃんと意味がある。一登は適当にノックを返して話しているように見えますけど、 でも実はすごく考えて、人を守るために1本1本ノックを打っている感じ。

千里はもっと「勢いでかっ飛ばしてくぜ!」みたいな感じですね。

■そう聞くと、1話目から2人のタイプの違いが現れている気がします。

板垣 そうですね。すごくピュアに話してそうな一登のほうが実は全然ピュアに話してなかったりとか。本当に彼らは表裏ですね。結局は……これ言ったらダメか(笑)。ドラマを観てもらいたいので、これ以上は我慢します(笑)。

■セリフ1つひとつも、注目ポイントになりそうですね。

板垣 きっと観ていて引っかかるところがあると思うので、一登に注目して観てくれたら嬉しいです。

演技の枠を広げてくれる相手が自分。



■撮影するにあたって、苦戦した部分や難しかった部分はありましたか?

板垣 いや、特に……。難しいとかはなかったと思います。
とにかく面白かったです。「一登がこうきたから、じゃあ千里もこうやるところを増やそう」みたいな、演技の枠を広げてくれる相手が自分だったので。

■自分に対して自分で演技をしているということですもんね。

板垣 主演だと、周りがはしゃいでくれればくれるほど動きやすいじゃないですか。たとえば周りが好きなことを好きなようにやってくれていたら、自由な作品になるし。それを自分でやるっていう(笑)。

■確かに。なかなかない経験ですね。

板垣 ない経験でしたね。なのですごくやりがいがありました。「やりきった!」って感じがしました。



■千里は復讐をするという目的のために生きています。自分が汚れることも厭わないといった状態ですが、そんな千里を見て客観的にどう思いますか?

板垣 うーん、良くないな。良い悪いじゃないけど、なんだか自分のようだなと思うんですよね。

たとえばアクションとか役をやるときに、周りのことや家族のことをもちろん考えるんだけど、やっぱりドラマを作るってなったら、 どうしたって身を削らなきゃいけない部分があるじゃないですか。

結果的に千里は「行動がクズ」って恵南に言われるんですけどね(笑)。
それがいいことか悪いことかって話ではないけど、自分のことを大切にしてない部分があるってことだから、周りにいる自分を大切に思ってくれている人からしたらクズだよなって納得もするし。そういうことに改めて気づけたので、千里を演じて自分自身も結構変わったなあとは思います。

友達とも距離を置いたり。ストイックな役作り



■役への向き合い方がすごく誠実なんですね。

板垣 その役を演じるうえで誰にも負けない自信はあります。勝ち負けじゃないけど、いつも演じる役のことを1番に考えていますね。

ケースバイケースなんですけど、今回は、友達とも距離を置いたり。

■ストイックですね。千里も一登も孤独な役ですもんね。

板垣 はい。だから友達に会わないようにしていたんですけど、やっぱり会いたくなりましたね。

■誘われても意識的に会わないようにしていたのか、意識していたわけではないけれど役に入り込んで自然と距離が離れたのか、どちらでしょうか?

板垣 忙しいからって思ってた部分もあるし、愛琉(窪塚愛琉)とか尋也(清水尋也)とかが連絡をくれていたんですけど、断って。「今、俺が向き合わなきゃいけない問題があるから、ちょっと待ってて!」みたいなテンションで現場に行ってました(笑)。



■まさに千里のようです。

板垣 本当にその感じでしたね。やることやってから会ったほうがすっきりするじゃないですか。

■撮影も終わったということなので、もう会えますね!

板垣 実は会えたんです!撮影が終わった日に(笑)。
「ちょっと家遊びに来てよ。俺、シチュー作ったんだけどさ」って(笑)。

■手料理を振る舞ったんですか?

板垣 そのつもりだったんですけど、「俺お腹いっぱいだからいいや」って言われて……(笑)。「ちょっと食べていきーよ」って言って、「ごめん。食べてきちゃって。1口だけもらうのもな……」って言われて、「いいよ別に。また今度食べに来てよ」みたいな感じだった気がします(笑)。

■撮影が終わってすぐに会うほど、友達に会いたい気持ちが高まっていたんですね。

板垣 そうですね。とはいえ “終わった初日に会った”って面白いですよね(笑)。

一登のビジュアルに、結構しっくりきました。いくつかの候補から白髪に。



■続いて、一登についても聞いていきたいと思います。一登のシルバーヘアのビジュアルが出たとき、SNSではファンの方からも「似合う」「意外性がある」と好評でした。

板垣 確かに意外性ありますね。

■衣装を着たり、完成したビジュアルを見たとき、板垣くん的にはしっくりきましたか?

板垣 自分的にも結構しっくりきましたね。 実はカツラの色も結構相談したんですよ。

■そうだったんですね。

板垣 「何色がいいかな?」って話し合って、「白色がいいんじゃない」という結果に落ち着いたんですけど、金とオレンジも候補にありました。

実際役を演じていても、 なんだか白がしっくりくるというか。千里と一登は表裏一体で、“光と影”のような感覚が僕の中にずっとあって。そうなると、オレンジとか金だと“表裏”ではないなって思って。



■金やオレンジだと、一登とは違う生き生きとした雰囲気も出てしまいそうです。

板垣 まさにそうなんです。「ちょっと変わった髪色だな」じゃなくてガラッと変えたくて。

金やオレンジだと地毛というより、「染めたんだ」ってなるじゃないですか。でも一登の生活を考えると染めに行くところもないだろうし。で、白髪だったらって考えると「なんで白くなったんだろう」と気になったりするんじゃないかなって。だから白い髪でよかったと思います。

本当に髪の毛一つとっても、みんなが真剣に考えている作品です。

■髪色を決める段階から板垣くんの意見も取り入れられていたんですね。

板垣 というか、ずっとみんなで意見を出し合うみたいな感じでした。僕だけじゃなくて、カメラマンさんもそうだし、監督さんもそうだし。現場でもみんなの意見を出し合うというのが普通でした。



■撮影中でも意見を出し合いながら、現場で作品を作っていくという雰囲気だったのでしょうか。

板垣 そうですね。撮影中もそれが当たり前って感じで。
誰か1人の意見だけじゃなくて、みんなの意見があって切磋琢磨というか。それもあって、これもあって、結果いいアイディアとして1つのものが生まれるみたいな。それがすごく体感としてもやっていて面白かったですし、楽しかったです。

■演者も含めてみんなが制作チームのような感じだったんですね。

板垣 そうですね。作品作りってそもそもそういうものであるべきだと思っていて。
現場によるかもしれないですけど、基本的にみんなのアイディアで1つのものが生まれていくべきじゃないかなって思うんです。いろんな部署のアイディアが作品を作っていくと思うので。

今回の現場では「こうやったらいいんじゃないですか」「衣装はやっぱこっちがいいんじゃないですか」とか、みんなが意見を出し合っていました。メイクさんも「こっちのコンタクトのほうがいいですよ」とか。こんなにみんなの意見がいっぱい出てくる現場ってあるんだなと思ったし、自分は主演としてそういう現場を作りたかったから、実際にできたのがすごく嬉しかったです。

自分と大切な人を守れる方向に進んでほしい。



■現場の熱量が伝わってきます。最後に、作品の見どころを教えてください。

板垣 千里と一登、この2つの役は1人の人間を表していると僕は思っています。家族に見せる姿も、友達に見せる姿も、どこかに影があって、どこかに光があるものだと思っていて。それがいいとか悪いとかじゃなくて、みんながそうで、それが当たり前で。世の中での自分と、家族の中での自分って全然違って表裏があると僕は思います。
だからもし自分の中の表裏に悩んでる人がいたら、この作品を観てみてほしいです。

このドラマを全話観てもらえたら、きっと大切な人たちを守る方向に心を向けてあげることで、自分も大切な人も幸せにできるということに気づけるんじゃないかなと思います。

ぜひいろんな方々にこの作品を観てもらいたいですし、みなさんの心に残る作品になったらすごく嬉しいなと思っています。

■インタビュー以上になります。素敵なお話ありがとうございました!



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ーPROFILEー




板垣瑞生

2000年10月25日生まれ、東京都出身。
2014年に『闇金ウシジマくん Part2』で映画デビューを果たすと、翌年『ソロモンの偽証 前篇・事件 / 後篇・裁判』では、第25回日本映画批評家大賞 新人男優賞を受賞。主な出演作品に『アオハライド』(14)、大河ドラマ「花燃ゆ」(15/NHK)、連続テレビ小説「エール」(20/NHK)、「社内マリッジハニー」(20/MBS)、大河ドラマ「麒麟がくる」(21/NHK)、「SUPER RICH」(21/CX)、『HiGH&LOW THE WORST X』(22)など。5月に「舞台・エヴァンゲリオン ビヨンド」(23)、「ドロップ」(23/WOWOW)、『交換ウソ日記』など2023年も多数の話題作へ出演。2024年初冬に「正直不動産スペシャル」(24/NHK)が控えている。
[Twitter] @itagaki_staff
[Instagram] @mizuki_itagaki_loveandpeace


―INFORMATION―
【Lemino(レミノ)オリジナルドラマ「夢で見たあの子のために」】
配信日時:毎週火曜日12時配信(最新話を1週間無料公開。1~2話は現在無料配信中)
話数:全10話
出演:板垣瑞生、桜井日奈子
浅香航大、藤原樹(THE RAMPAGE)、西原亜希、宮本茉由
堀家一希、岩永丞威、佐久本宝、白宮みずほ、持田将史/野村周平/モト冬樹、松金よね子、板尾創路、戸次重幸
主題歌:女王蜂「ファウスト・改」(Sony Music Labels inc.)
原作:「夢で見たあの子のために」三部けい(KADOKAWA刊)
監督:中茎強
[HP]https://lemino.docomo.ne.jp/contents/Y3JpZDovL3BsYWxhLmlwdHZmLmpwL2dyb3VwL2IxMDBhOGY=

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