【神尾楓珠 インタビュー】その偶然が重ならなかったら、今ここ(芸能界)にいなかったかもしれないです。全部巡り合わせなんだなって思います。<ドラマストリーム「階段下のゴッホ」>
2022.11.2
TBS深夜ドラマ枠・ドラマストリームで放送中の「階段下のゴッホ」(毎週火曜24:58~)に出演している、若手実力派俳優の1人【神尾楓珠】のインタビューをお届け。
本作で神尾が演じるのは、SUMIREが演じる、高収入超エリート会社員の主人公・鏑木都が画家を目指し通う美術予備校で出会う、ミステリアスで飄々とした藝大志望の浪人生・平真太郎。顔立ちの細やかさから通称“ダビデ”とも呼ばれている役どころで、まさに神尾の圧倒的なビジュアルと演技力で見事に演じている。
今回Emo!miuでは、平真太郎を演じる上で意識したことや共感できる部分と自身とは異なる部分について、共演者とのエピソードや運命を変えた出会いについて、今後挑戦したい趣味や最近心揺さぶられたエモいエピソードなど、作品の魅力からパーソナルな部分までたっぷり伺いました。さらに、ラストに、最終回がさらに楽しみになる7話&8話について掘り下げたインタビューも掲載!ぜひ最後までチェックしてね!
役作りの苦労。どうやったら天才に見えるんだろうって。
■まず、脚本を読んだ感想をお願いします。
神尾楓珠 世界観がしっかりあって、セリフの言い回しがちょっと独特だと思いました。
あと、僕はそんなにないんですけど、SUMIREさん演じる都目線でのナレーションが多くて、誰か宛ての手紙を読んでいるようなナレーションなんですけど、そういうのも含めて、世界観が他のものとは違うと思いましたね。
■演じるにあたって、どのように役作りをされたかも教えていただけたらと思います。
神尾 キャラクター作りに関しては、もう現場で本当に思いついたことをやっていく感じで。ただやっぱり、絵を描く天才の役なので、それはちょっと苦労しました。どうやったら天才に見えるんだろうって。だから絵を描いていない場面でも、ちょっと周りとの意見が違ったり、やっていることが違ったり。そういうところで、この人なんか周りと違うなって視聴者の方に思っていただけたら嬉しいなと思いながら演じていましたね。
■撮影に入る前に何か準備したことはありましたか?
神尾 もちろん絵の指導はありましたけど、やっぱり現場に入ってみないとわからないなと思っていましたし、どういう風に撮るのかもわからなかったので。とにかく現場入ってからやるしかないって思っていました。役柄についてもあまり固めすぎずに入りました。柔軟に対応できるように。
アートが持つ力がすごく大きく描かれている作品。
■神尾さんはこれまでもオリジナルストーリーを何作もやられていると思うんですが、その中でも本作は一線を画した作品になっていますよね。
神尾 そうですね。天才なんだけど、実はいろいろな葛藤を秘めている役で。都も仕事と両立する難しさとか、そういう悩みを抱えている。登場人物にとって、アートが持つ力がすごく大きく描かれている作品ですね。
絵一つ一つにいろんな見方があって、同じ題材を描いていても、描き手によって見え方も変わってくるから全然違うものになる。そんなアートと登場人物の心情を上手く絡めて、表現されているなと思いました。
■アートを取り入れた撮影だからこそ苦労した部分や面白かったエピソードがあれば教えていただきたいです。
神尾 やっぱり絵を描くのは難しかったです。絵って描けば描くほど上手くなるものじゃないですか。それを一ヶ月で自分のものにするのはやっぱり難しかったですし、正直自分のものにできた感覚もないです。でも真太郎が抱えている問題的に、ちょっと絵がぶれていても、成立はする感じだったので助かったなって思います(笑)。
■ご自身から見て、真太郎はどういう風に映っていましたか?また似ている部分やここは違うなという部分もありましたら教えてください。
神尾 真太郎は自由ですし、他の人とは物事を見る視点が違いますね。あとすごく合理的というか。本当に絵のためにならないものは別に何もいらないみたいな。そこがすごく今風だなっていう風に思いました。
僕もそんなに色んな物事に興味を持つタイプではないので、1個のことにハマったらもうそのことしか考えない感じなので、その辺はちょっと似ているかなって思います。
でもあそこまで周囲とは違う存在になれないです。やっぱり何人かと一緒にいたら、合わせようとしちゃうじゃないですか。そうしないで生きていくっていうのは、すごく大変だなって思うんですけど、それを真太郎はやっているので、そこは自分とは全然違うなと思います。
高橋侃くんがめちゃくちゃ話しかけてくれる(笑)。
■真太郎は絵に関すること以外は周囲とコミュニケーションを取らないようですが、役に入るにあたって、撮影現場で共演者の方とコミュニケーションを取らないようにしていたなどありますか?
神尾 みんなですごく仲良く喋っています(笑)。でも、SUMIREちゃんとはそこまで距離を近くならないように。そんなに意識をしていたわけじゃないですけど、ある程度の距離はありましたね。役の距離感的に、あまり干渉しない方がいいのかなっていうのはなんとなく思っていました。
■では他の共演者の方とは、仲良く話をされていた感じなんですか?
神尾 そうですね。全員でいる時は結構喋りましたね。あと、高橋侃くんがめちゃくちゃ話しかけてくれるので(笑)。で、話していくうちにどんどん仲良くなって…みたいな。この5人の空気感は侃くんが作ってくれた感じですね。
あと倉(倉悠貴)とは結構いろいろ話しました。役柄のことについても、作品のことについても結構いろいろ話しましたね。作品のことについて話したのは、倉だけかもしれないです。
■みなさんとはどんな話をされたんですか?
神尾 食べ物とか、好きな芸能人とか、普通の話を(笑)。
■撮影がスタートした時に切り替える感じですか?
神尾 でも基本的に役の関係性と普段の関係性がちょっと似ていたので、撮影中に切り替える意識もせず、そのまま撮影に入る感じでしたね。
アウトドアな趣味を作りたい。
■神尾さんが今挑戦したいと思っていることはありますか?
神尾 趣味を作りたいんですよ。音楽を聴くとかアニメを観るとか一応趣味はあるんですけど、その他にアウトドアな趣味があったらいいなって思っています。キャンプとか釣りをやってみたいなって。
■今のお話を聞くとインドアな趣味が多いと思ったんですが、アウトドアなことに今まで挑戦していない理由はありますか?
神尾 インドアな趣味が好きだったんですけど、最近家にいてもちょっと楽しくなくなってきちゃって(笑)。マンネリ化しているんですよね。あと、最近ちょっと外に遊びに行くとか体を動かす機会が中々なかったので、自然を感じながら何かできたらリフレッシュになるだろうなって。
釣り堀くらいしかないです(笑)。ただ、かかるまでの間待てるかなっていう(笑)。でもきっと友達と行けば大丈夫ですよね、きっと(笑)。
偶然が重ならなかったら、芸能界にいなかったかもしれない。
■主人公の都は、とある絵に出会って人生を変えていきますが、神尾さんがこの出会いがあったから、人生や考え方が変わったというものはありますか?作品や人でも。
神尾 出会いで言うと、事務所の前社長さんが僕がオーディションを受けてその時に気に入ってくれて、所属になったんですよ。
オーディションを見ていたマネージャーが書類をちらっとめくっていた時に、たまたま前社長が後ろを通って、その時たまたま僕のページで、「この子を所属させる」って言ってくれて所属することになったらしくて。だからその出会いがなかったらこの世界にはいなかっただろうし。オーディションもこの1個だけで、他を受けるつもりはなかったんですよ。
■そうなんですね!
神尾 だから奇跡的だなと思います。
■神尾さんのページをめくっている瞬間に前社長さんが通らなかったら人生が変わっていたかもしれないですもんね。
神尾 そうですね。その偶然が重ならなかったら、他の人に埋もれて、今ここにいなかったかもしれないです。全部巡り合わせなんだなって思います。
中学・高校の時から、言葉の裏にすごく敏感だったんです。
■この仕事をする上で、大切にしていることはありますか?
神尾 心が廃れないようにしないといけないなって思います。それはお芝居をする上でも必要ですし、自分の人生を生きる上で必要なことなので。お芝居する上ではやっぱり感受性が必要ですし。
あと行間を読むこととかすごく大切だなって思っていて。そこにちゃんとセンサーを張れるようにしたいなって思っています。
■そう思うようになったきっかけが何かあったのでしょうか。
神尾 元々文系なので、脳がそっち系なんですよ。中学・高校の時から、言葉の裏にすごく敏感だったんです。この言葉を言ったってことは、裏ではこう思っているのかなとか。そこはものすごく考えるタイプだったので、その時からだと思います。
■では、役者脳というか。俳優さんになるべくしてなった方だったんですね。
神尾 でも言葉の裏を理解できても、表現できるかどうかはわからないですけどね(笑)。表現力は元々そんなないと思っていて。幼少期から表現することがあまり上手ではなかったので、それはまだまだ勉強中です。
喫茶店に1時間くらい1人でいて、すごくエモい時間でした。
■本作も心揺さぶられる作品ですが、神尾さんが最近心揺さぶられた、またはエモかった出来事はありますか?
神尾 舞台の稽古中に、中空きみたいな時間があって、稽古場の近くの喫茶店に1人で行ったんです。
普段は中空きにどこかに行くこともあまりしないですし、自分には合わない場所だと思っていて喫茶店にもあまり行かないんですけど、いざ行ってみたらすごくリフレッシュできました。
喫茶店に1時間くらい1人でいて、すごくエモい時間でしたね。何も考えずにいられるから、時間もゆっくり流れている感じがして、喫茶店っていいなって思いました。だからこれからも機会があったら喫茶店に行きたいと思います。
ラストに、最終回がより楽しみになる7話&8話を掘り下げたインタビューをお届け!
■全8話を通した中で、真太郎の抱える伏線的なところは実際にどのように演技に落とし込んでいかれたのでしょうか?
特に7話は真太郎の過去が紐解かれる回想がメインの回とのことですが、長い年月を演じるにあたり気をつけたことや工夫したことはありますか?
神尾 真太郎がどうして排他的になってしまったのかという部分を初めて描くのが7話で、それまでは過度に匂わせすぎずに、でも何かあるという風に見せられるようにしました。回想シーンはだいぶ幼い頃からだったので今の真太郎との違いも考えつつ順を追いながら演じました。
■兄役の倉悠貴さんと演技をするにあたって話したことなどはありますか?
また、倉さんの印象と、倉さんの演じた光也というキャラクターに対して感じたことを教えてください。
神尾 倉とは二度目の共演でしたし、お互い芝居の部分で何でも言い合える関係性なので兄弟としての細かいところは話し合いつつ、楽しんでお芝居ができました。
光也については、このドラマの概念のようなものだなと感じました。
それくらい、真太郎においても物語においても大事な存在だと思います。
■後半は真太郎を主軸に物語が進んでいっているように感じましたが、撮影現場の雰囲気や、空気感はどうでしたか?
そしてラストに向けて何かスタッフやキャストと、後半を演じるにあたり話したことや、人物を構築する際に工夫したことはありますか?
神尾 基本的にはキャストみんなで和気藹々としていましたし、キャストだけでなくスタッフさんも含めてすごく仲が良く、良い雰囲気の現場でした。
後半は特に真太郎の葛藤が見えてくるので、今の真太郎のキャラクターは活かしながら、感情の揺らぎ方に関しては都度話し合いをして演じていました。
■最後に、神尾さんが考える後半(7.8話)の見どころを教えてください。
神尾 真太郎の過去は後半すごく大事になってくる部分ですし、それを踏まえた上での都との出会いによる真太郎の変化も見どころだと思います。
■ありがとうございました!
\神尾楓珠 インタビュー記念/
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1999年1月21日生まれ。東京都出身。
2015年、24時間テレビドラマスペシャル「母さん、俺は大丈夫」で俳優デビュー。2019年にはTVドラマ「左ききのエレン」で連続テレビドラマ初主演。主な出演作は、ドラマ「3年A組 ―今から皆さんは、人質です―」、「顔だけ先生」、「17才の帝国」、「ナンバMG5」、映画「20歳のソウル」、「恋は光」、「カラダ探し」。
―INFORMATION―
【TBSドラマストリーム「階段下のゴッホ」】
地上波放送時間:毎週火曜深夜24:58~25:28
(※一部地域を除く)
出演: SUMIRE 、神尾楓珠 、朝井大智 、田辺桃子 、倉悠貴、石川瑠華 、高橋侃 、秋谷郁甫 、美波 、田中隆三 、利重剛
脚本:加藤法子
劇中メインテーマ:小瀬村 晶
テーマソング:ゆうらん船「春」(O.O.C Records)
テーマソング:ROTH BART BARON「赤と青」(SPACE SHOWER MUSIC / BEAR BASE)
演出・プロデューサー:小牧 桜
協力プロデューサー:佐井大紀
配信プロデューサー:大原拓真、近藤貴明
※「Paravi」「U-NEXT」にて1話から最終話まで全話先行配信中 (地上波放送後、「TVer」「TBS FREE」「GYAO!」にて無料1週間見逃し配信)
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