ONE Nʼ ONLY、全国ツアー「ONE N’ LIVE 2022~UNITE~」を完走!ファンとの“UNITE=団結”を再確認し、高みを目指してStep Up
2022.10.30
南米を中心とした海外のファンからも高い支持を受け、TikTokフォロワー数は驚異の470万人超と、日本人音楽アーティストでは堂々の第1位。7月には初の海外公演をブラジルで行った6人組ダンス&ボーカルユニットONE N’ ONLYが、全国7都市を回るライブツアー『ONE N’ LIVE 2022~UNITE~』の“Special Edition”となる追加公演を、2022年10月29日(土)に中野サンプラザにて開催した。
テレビ東京系アニメ『デュエル・マスターズWIN』のオープニングテーマとして9月にリリースされた「Step Up」にちなみ、階段=ステップ状に設えられたツアー仕様のステージで、この日だけのメドレーに客席下り等、“Special Edition”たるファイナルにふさわしい画期的なライブを昼夜2部制により展開。夜公演では恒例のクリスマスライブを12月25日に開催することも発表し、彼ららしい力強さで魅了しながらもSWAGとの絆を強く意識したステージで、オーディエンスとの“UNITE=団結”を果たした。
天井のミラーボールが場内にカラフルな光を瞬かせ、妖艶なサウンドから代表曲をリミックスしたSEが流れると、ステージを覆う白幕に6人の影が。HAYATOの不穏なラップを皮切りに、うごめくシルエットがディープ&ハードな「LA DI DA」を歌い継いで、サビで一気に幕が落ちると、階段状の舞台に6人が気だるげに腰かけているという、なんともバッドガイなムードで最終日は幕開けた。「調子はどうだ! 手あげて盛り上がっていこうか!」というREIの煽りに応えて客席ではグループカラーである白のペンライトが振り上げられ、「暴れていこうぜ!ブチ上がっていこうぜ!」というKENSHINの号令からは間髪いれずに「Sexy Beach Party Yes!!」へ。階段上を素早く移動して縦、横、斜めに列を作る立体的なフォーメーションで目を楽しませるが、不安定な足場でもしっかりと自身の力を発揮できるのは入念な準備と、それぞれの高いスキルの賜物だろう。ダイナミックに殺傷力の高い「Category」では、SWAGたちのペンライトもメンバーの動きに見事シンクロし、連続で代表曲を畳みかけた「Dark Knight」では、なんと6人全員がフロアに下りて通路で歌い踊りながら一階席を周回するというサプライズも。「全員でUNITEしようぜ! 暴れようぜ!」(KENSHIN)とSWAGたちを熱狂させたその余韻は、さらにラテンチューン「L.O.C.A」で観る者の身も心も狂おしく火照らせていく。
MCではNAOYAから「僕たちとSWAGがもっと熱い絆で結ばれたい、団結したいと、このタイトルを付けさせてもらいました」「ONE N’ ONLYと言うからには唯一無二のグループになってやる、どんな階段や壁もブチ壊して上っていくぞ、やるからにはてっぺんを目指していくという想いを込めて、ステージを階段にしてみました」という言葉も。『UNITE』と名付けられたツアーの趣旨やステージセットに込めた想いをしっかりと説明し、「Special Editionということで、スペシャルな1日にしたい」という言葉に続いては、ステージが二つに割れて白煙の中から現れたHAYATOが高速ラップを投下する。低音も活かしつつ、リアルな感情をそのままぶちまけるようなパフォーマンスは、楽曲中で聴かせるラップよりも攻撃力を増して、時代の先頭を行くのだという覚悟に満ちたもの。ツアーコンセプトに連なる強靭な意志を全世界に向けてリーダーが叩きつけるや、次の瞬間スタートしたのはツアーの集大成とも言えるスペシャルメドレーだ。ここまでの6公演では、アンコールの日替わり曲を各公演の担当メンバーがプロデュースしており、そこで披露された2曲×6公演の計12曲を昼夜2公演で6曲ずつ披露していくというものである。
昼公演ではダークな「Black Hole」にデジタリックな「SMASH」と、自身のラップから始まるナンバーで強さを押し出したKENSHINセレクトの2曲から、階段に上下一列に並んで顔を覗かせる姿がキュートな「Beautiful」、「一緒に踊ってUNITEしていきましょう!」と誘った「Video Chat」とREIチョイスの2曲で空気をガラリと変えて、ワンエンの両極端な側面をアピール。最後はTETTAが選曲した「Bla Bla Bla」で夕焼け色の照明のなか自慢の歌をじっくり聴かせ、さらに名バラード「Only One For Me」でSWAGへの愛と感謝を真摯なパフォーマンスで表し、場内の感動を呼んだ。
夜公演ではワンエンのハードなイメージを決定づけたデビュー曲「I’M SWAG」とディープな「GuRu GuRu」で始まり、SWAGから“可愛い!”の声が漏れるラブソング「Everything’s Changing」にSWAGと一緒に手を振る「POP! POP!」が連なって、選曲者のHAYATOとEIKUそれぞれのパーソナリティを投影する。そして、心の内を表すようなダンスで遠く離れた君への想いを切なく綴る「Don’t worry」に、HAYATO & KENSHINのラップをフィーチャーして贈られた「Only One For Me」にはNAOYAのこだわりがふんだんに。“絶対になってやるONE N’ ONLY”という強い意志とSWAGへの愛が、ここでも痛いほどに伝わってきた。
ちなみに、今回の追加公演ではグループとメンバーそれぞれに公約が定められており“1曲撮影OKにします”というグループの公約に則って、「Video Chat」と「POP! POP!」では特別に撮影がフリーに。“SWAGと今までで一番近い距離でパフォーマンスします”という公約を掲げていたTETTAに至っては、客席に飛び出しSWAGたちに手を振って、忘れられない思い出をスマホの画面で切り取らせてくれた。メンバーの意志が詰まったメドレーは、特殊なステージ形状も相まって、普段とは異なるアレンジが加わったものに。楽曲のポテンシャルを示すと共に、新鮮なインパクトを与えてくれたのが嬉しい。
しかし、新鮮さを感じていたのは観客の側だけではなかった。ラッパー組のMCでは、久々の客席下りに「みんなの近くに行けて嬉しかった。コロナ禍でできなかったのが、やっとここまで来れた」とNAOYAが喜びをあらわに。前代未聞だったHAYATOのラップパフォーマンスに対しても「ラップカッコよすぎ!」(NAOYA)、「初日から全然変わった」(KENSHIN)と、メンバーならではの目ざとい感想が集まる。また、ツイッターで募集した結果“爆レス”と“メンバーといっぱいイチャイチャする”を公約に選んだKENSHINは、さっそくNAOYAとHAYATOにハグしてSWAGから大拍手。さらに特筆すべきが、ミラーボールが純白の光を場内に投げかけるなかで、ステージに1人立ったTETTAが「STARLIGHT~未来ノトビラ~」をアカペラで歌い始めるというワンエン史上初の試みだ。情感たっぷりのボーカルでSWAGたちを圧倒すると下手からREI、上手からEIKUが現れ、3ボーカルで創り上げる清らかな世界に心が浄化されていく。そこにダンサー3人が加わり、今ツアーがお披露目となった未発表曲「QUEEN」へと続けば場内の空気は一変。黒ベースの衣装にREIの発案によるハットを被り、それぞれスタンドマイクを時に女性に見立てるような仕草で器用に操りながら、紫のライトを浴びてアダルトなムードを演出していくのが眩しい。そこからテクニカルで切れ味の鋭いダンスアクト、そして艶やかにセクシーな「What’s Your Favorite?」へとシームレスでつなぎ、SWAGたちのトキメキと溜息を奪いつくしてのダメ押しは「We Just Don’t Care」。ONE N’ ONLYの成り立ちを彷彿とさせるドラマティックな振りつけに、TETTAの高音フェイクも透明に響き渡って、満場の拍手を巻き起こした。「STARLIGHT」での温かな始まりから、大人びた表情も見せつつ、最後は包容力いっぱいのパフォーマンスでSWAGを抱きしめるという一連の流れは、今のONE N’ ONLYが持つ高いアーティスト性を最大限に証明したものと言えるだろう。
ボーカルトリオのMCでは「アカペラならではの良さを出したくて挑戦してみた」「会場の空気感やSWAGの目が感じられるので、歌っていて気持ちいい」と述べるTETTAに、「袖で聴いててウルッときました」(REI)、「SWAGと(気持ちの)キャッチボールしてたね」(EIKU)という賞賛も。また“サンプラ限定のお手紙をプレゼント”という公約を果たしたREIに、手紙を書く姿を横で見ていたというTETTAは「一つひとつ文章を大切に書いていた」とSWAGに報告する。一方で“本番中にきゅん♡ポーズします”という公約を守っていたEIKUに、昼公演ではほとんどのSWAGが気づいていなかったという悲しい結果もあったが、こんな公約が成立するくらいカッコいいも可愛いも似合うのがワンエンの大きなアドバンテージ。SWAGと一緒に踊るのが恒例になっている「HOLIDAY」の曲中では、ステージ上の階段を使って昼は“じゃんけんグリコ”、夜は“だるまさんがころんだ”で遊んでみせるのだから恐れ入る。“EBiDANのグループのポーズや振りを入れます”を公約にしていたNAOYAが「M!LKです!」のポーズを取る場面もあり、客電を落としてからはSWAGのペンライトで光のウェーブを出現させ、会場の全員が少年/少女の頃に回帰して心からの笑顔を引き出された。そこから全英詞の「LUCKY」に「Step Up」と、今年に入って発表された晴れやかなナンバーを続ければ、「最後全部出し切れ! 回せ!」(NAOYA)と6人が振るタオルに応えて、客席からは真っ白なペンライトがライズアップ。妖しい大人っぽさも、エモーショナルに爆発する若さも、どちらもONE N’ ONLYの実態であることに違いはない。
「今日はありがとう!みんな幸せな日にしようぜ」(EIKU)と、アンコールでは10月26日に配信リリースされたばかりの最新曲「Good Day」が本日のステージで初披露。パステルカラーの爽やかなスーツスタイルで、リズミカルなビートに乗せて軽やかに届けられるナンバーは、彼らがキャンペーンモデルを務めるXEBIO×アディダス“WHICH IS YOUR STYLE?”のタイアップ曲だけあってスポルティブなエナジーにあふれている。愛らしさも垣間見せつつ、滑らかな歌いつなぎに差し込まれるパキパキのダンスは心躍るもので、“毎日を生きるすべての人へのエールとリスペクトが込められたナンバー”というキャッチフレーズにも納得。「皆さん、今日はGood Dayになりましたか?」というNAOYAの呼びかけにも、ペンライトの光が当然の“YES”を告げる。昼は「FOCUS」、夜は「YOUNG BLOOD」と公演替わりのナンバーで十八番のアグレッションをクールに、はたまた熱く刻みつつ、ONE N’ ONLYのワンマンを締めくくる曲といえば、もちろん「My Love」。“ラップではなく歌唱する”という公約を果たすべく、通常はEIKUが担当しているサビをHAYATOが歌ってメンバーに捧げられ、曲後半では全員で客席に下りて「ありがとう!」と懸命に手を振る一幕も。曲終わりに6人でハートを作る恒例の場面でも、昼公演では階段を利用して身体全体で大きなハートを象り、夜公演ではステージギリギリまで前に出て腕でハートを作るという違いを出して、最後の最後までSWAGへの愛を示した。
夜公演では6人一人ひとりがツアーを完遂した今の心境を伝え、「このライブを通してSWAGとONE N’ ONLYが1つになれたなって感じられました。これからも共に体の一部として進んでいきたいなって思います。SWAGの言葉はすごく僕たちの力になっているので、これからも力を貸してください」と口火を切ったのはEIKU。
続くKENSHINは涙があふれて言葉にならず、「自分一人じゃここまで来れてない……ホントにメンバーの5人がいるから、スタッフがいるから、そして応援してくれてるファンのみんながいるから、ここまで来れてます。まだまだ未完成な自分ではあるんですけど、僕を、ワンエンを応援してくれてありがとうございます!」と絞り出した。
そんな彼に「想い、籠ってたぞ!」と激励したTETTAも「公演をやればやるほど、いろんな人に感謝の気持ちがあふれてくるんです。SWAGが支えてくれるからステージに立てる。これからも成長して、もっともっと大きい景色を見せるのでついてきてください。SWAG大好き!」と力を込める。
REIは「ずっと自分勝手な発想ばかりしていて、リハーサルでも上手く行かない場面が多かった」と赤裸々な反省を口に。「それをメンバーが必死に支えてくださいまして、スタッフさんが僕を見捨てず、ここまでやってくださいました。正直言うと、毎日“悔しい”と思ってます。できることを尽くして必ず大きくなるので、皆さんついてきてください」と涙ながらに本音を漏らすと、「メンバーの涙が一番弱いんですよ」とNAOYAが受け取る。
そして、来年で始動から5年になることに触れ「今回のツアーは特に進化を感じまして、今の“チームワンエン”の雰囲気、とても良いと思っているんです。僕たちならもっと上に行けるし、そのためにはもっと頑張りが必要だし、新しいことにも挑戦しないといけないし。SWAGたちの力が必要だと思っているので、これからも末永く応援よろしくお願いします」と、まだ出会ってないSWAGにも想いを馳せた。
最後にリーダーのHAYATOが、準備期間にはメンバー同士でぶつかることもあったという今回のツアーを振り返り、「そういう時間を重ねて、改めてツアーのタイトルが『UNITE』で良かったな、ピッタリなツアーになったなって」と断言。「メンバーみんな、もっと上に行きたいという気持ちが強くて、それが前に出すぎることもあるかもしれないけど、一歩ずつ“Step Up”して、どんどん大きな景色を見れるようにチームワンエン、そしてSWAGと楽しんでいきたい。これからもONE N’ ONLY、よろしくお願いします!」と、清々しく決意表明してくれた。
全員のコメントが終了し、NAOYAが手渡したタオルで顔を覆っていたKENSHINが「ごめん、マジ泣いた!ライブ楽しいっすね!ホントに生き甲斐です!」と笑顔で復活すると、この中野サンプラザ公演の模様が11月12日にHuluストアにて配信されることが発表。翌日から1週間見逃し配信も可能なうえ、ZAIKO経由で海外に向けても配信されるというのが、さすが国際派の彼ららしい。さらに、毎年恒例のクリスマス公演が12月25日にZepp Haneda(TOKYO)で2部制により行われることが告げられると、初のクリスマス当日の開催にSWAGたちも思わず色めき立つ。ちなみに『ONE N’ LIVE 2022 Holy Night~Merry XmaSWAG~』というタイトルは、NAOYAの命名によるもの。昼公演で「いつでもみんなのこと待ってるから、気軽にライブに遊びに来てください」と告げた彼は、夜公演でも「My Love」でみんなの側に行ったとき、自然に笑みがこぼれてしまって、この景色を見るためにやってるんだと思いました。みんなの力は大きいし偉大なので、自信をもって応援してください!」とダメ押しして、SWAGたちの心を鷲掴みにした。
最後は舞台セットの扉が閉まる直前まで手を振り、全員で「SWAG大好き!」と笑顔で締めくくられたステージは、ダンスのシンクロ度合いにハーモニーの幅の広がりのみならず、スキルの高さに立脚する楽曲の多彩さも印象的だった。ハードもソフトも、ポップもダークも自在にこなせる彼らだからこそ、一番大事なのは“心”でありファンとの“絆”。いわば“UNITE”なのだと再確認させられたステージは、5周年を迎える2023年に向けての絶好の“Step Up”になるだろう。
【ONE N’ LIVE 2022~UNITE~』の“Special Edition”】
開催日:2022年10月29日(土)
場所:中野サンプラザ
〜setlist〜
M1.LA DI DA
M2.Sexy Beach Party Yes!!
M3.Category
M4.Dark Knight
M5.L.O.C.A
〜HAYATO RAP PART〜
M6.メドレー
M7.STARLIGHT~未来ノトビラ~
M8.QUEEN
M9.What’s Your Favorite?
M10.We Just Don‘t Care
M11.HOLIDAY
M12.LUCKY
M13.Step Up
EN1.Good Day
EN2.1部FOCUS/2部YOUNG BLOOD
EN3.My Love
【M6.メドレー】
<1部>
Black Hole
SMASH
Beautiful
VideoChat
Bla Bla Bla
Only One For Me
<2部>
I’M SWAG
GuRu GuRu
Everything’s Changing
POP! POP!
Don‘t worry
Only One For Me
文:清水素子
カメラマン:笹森健一、小坂茂雄