北大路欣也、83歳でなお挑み続ける理由――涙のサプライズと佐藤流司ら共演者絶賛『三屋清左衛門残日録 永遠の絆』舞台挨拶<イベントレポ>



日本映画放送とJCOMは、北大路欣也主演、藤沢周平原作によるシリーズ最新第9作【三屋清左衛門残日録 永遠(とわ)の絆】を2026年3月7日(土)より放送する。

放送を前に、2月19日(木)に舞台挨拶付き特別上映イベントが行われ主演を務める北大路欣也、本作の鍵を握る若き夫婦を演じた佐藤流司、山谷花純、さらに山下智彦監督も駆けつけ、イベントに登壇した。



舞台挨拶は上映後に行われ、客席には作品を先行して観た観客たちがキャストが登場するのを今か今かと待ち侘びていた。呼び込みと同時に北大路欣也から姿を現すし一礼すると次に佐藤流司が呼ばれ、北大路と客席にそれぞれ一例すると、北大路から先にステージへ上がるようにと促されるやり取りも見受けられた。



挨拶冒頭、北大路欣也は「時代劇ファンの皆さんの大きな力を得て、応援を得て、この作品も9作目を迎えることができました。私たちもその力をいっぱいいただいて、現場で一生懸命やってきました。今回も新しい素晴らしい出会いがあり、私もこの作品の中で何度も感動いたしました。そんな思いを持って、今日はちょっと興奮をしながらこの場に立っております。」と佐藤流司は、本作の放送がまだしていなかったことに触れ「本日は放送直前イベントですが、まだ放送してなかったんだって、そう思うくらい、イベントや取材など沢山本作に携わらせていただいております。素晴らしい愛される作品です。改めて携われて良かったなと思った次第です。」と冒頭挨拶をしイベントが始まった。

2016年にシリーズがスタートし、今回で9作目ということで、今のお気持ちは?と問われ北大路は「1番初めにこの作品のオファーを受けた時は、私が60になったばかりかな。その時原作を読ませていただき、この三屋清左衛門という方が高いところにいらして、自分がなんか届かないんじゃないかと思って、その時はちょっと待ってくださいってお断りしたんです。そして70歳になった時にもう一度オファーをいただいて。こんな嬉しいことはないですよね。その時に藤沢先生の世界へ参加でき、その清左衛門を通しての心を体現できるっていう、なんか夢のようなお話で、『よし、これはもう今回どうしても挑戦してみたい!』と思って出演をさせていただきました。もちろんいろんな方々の支えがあり、お力添えがなければできませんが、遠藤展子さんとそのご家族の皆さん、そして脚本家のいずみ玲さん、山下監督、それからスタッフの皆さん、出演者の皆さんにしっかりと支えていただきながら、清左衛門を務めることができました。なんて言ったらいいんでしょうね。そういう世界に入り込めるっていうことと、その世界の人間を自分が体現できるっていうのは、そこにはもう喜び以外ないんですよね。もちろん大変なこともあります。いろんなことありますけれども、やっぱりそれを乗り越えていかなきゃいけない。そして、いつもその作品が終わるために、ある感動をいただいてます。

そして、少しでも何か自分自身も人間として成長させていただいたという実感を持って、1回目、そして2回目、それが3回目になり、4回目になり、だんだん、だんだんと膨らんでいくわけですよね。そんな思いを持ちながら、今回の新しい出会いがあり、新しいストーリーがあり、その中でいろんなものを感じながら勤めさせていただきました。ですから、もう9作目っていう感じですね。」とシリーズ最新作へは様々な人の力で成り立っていると熱く語った。



また最新作で印象に残っているシーンは?と聞かれるとMCがまずは北大路に問いかけるものの「わかりました。」とスッと佐藤の方へ手を出して先にコメントを言うように促すシーンもあり、それに応えるように佐藤も謙遜しつつも「本当に色々あったんですけど、やっぱり、最後に回想のシーンで朔太郎(子供)と遊ぶシーンが入ってるんですけども、そこで脚本上では友助が抱き抱えると朔太郎が泣いちゃって、それをはなえにあやしてもらって朔太郎がやっと笑うみたいな脚本だったんですけど、その朔太郎役の子がめっちゃいい子で、ずっと笑ってて、結局機嫌が悪くならず幸せそうだったんで、なんかめっちゃいいことなんすけど、泣かないねってなり、監督も赤ちゃんだからねって、その場で台本を変えるからと言っていただいて。だからその場で結局楽しい、笑ってる3人で和気藹々としてるシーンに変わったんですけど、映像を見返しても、それはそれでとてもいいシーンに仕上がってるし、朔太郎も可愛かったなっていう思いがありました。」ほっこりエピソードが。



それに対し、北大路は深く頷きさらに夫婦役を演じた山谷花純が「すごく満面の笑みをこちらに向けてくれて。本当にいい子でした。」と佐藤・山谷ともに印象深いシーンとなったようだ。



そして北大路はの印象的なシーンについては「このお2人(佐藤・山谷演じる結城友助とはなえ)の人生は、すごい厳しい人生じゃないですか。普通は味わない苦しみをお2人と受けるわけです。でも、その根本にある、労りの心、それから思いやりの心。それを自然に清左衛門が受け取り、表には出さないけれど、感動してるんですよ。すごいなって。こんな若さでこういう思いが持てるっていうか、それを乗り越えようとしてるっていう。なんとか少しでもその前進できるよう力になれないかなっていう思いで、ずっと2人とやってましたね。」と子を亡くした若い夫婦役を演じ佐藤と山谷の演技に対しいたく感動したそうだ。



また、佐藤にとって大先輩である北大路からどんなことを学んだのか?という質問が飛び、佐藤は「これ、ダメなんすよ。ダメなんですか。ダメなんですよ。『どういったことを学びました?』って聞かれると、欣也さんが『いや、僕から学ぶことなんかないよ。』って。見たことあります?謙遜しすぎて怒る方。」と俳優としての大先輩でありながら、腰の低さに驚いているそうで、さらに「なのでいつもなかなか言う機会もあまり多くなかったんですが、本当はあるんです。個人的にはやっぱり欣也さんがその人のセリフだったり場面を受けてる時のお芝居がものすごく説得力を持たせる力というか、結局セリフをかっこよく言うとかって、結構割と誰でもできるって言ったらあれですが、それって役者の第1関門で突破できる気はするんです。でもやっぱりその受ける芝居、そのセリフを発してない時だったり、そこにいるだけの時間っていうのが、その役に深みとか説得力を持たせるすごく大事な時間だと思っていて。

そのセリフのない時の欣也さんの、佇まいとか風格みたいなものがやっぱり三屋清左衛門っていう、うん、逆に息吹を与えているというか、それがものすごく今回ご一緒させていただき、本当にすごく勉強になったなって思いますね。」と山谷は「私は、カメラの前に立っていない時の欣也さんがものすごく謙虚な姿勢であったりとか、スタッフさん1人1人に対しての愛情の向け方、感謝の気持ちの持ち方っていうのを、少し離れたところからずっと眺めさせていただいて、これをずっと続けてきた人がこういう誠実な作品と巡り合わされるんだなっていうのを現場ですごく感じて、勉強になりました。」と明かした。



それに対し北大路「全然違う話いいですか。僕は若い頃、勝 新太郎さんとご一緒したことあるんですよ。『悪名』っていう映画なんですが、その撮影の合間に時々ご飯を一緒に食べに行って。勝さんは三味線がすごくお上手なんですよ。久々にその時僕に弾いて聞かせてくださりその時、『お前も弾いてみろ。』って。僕もチン トン シャンなんて三味線の音は出せるんですが、だけど、『チンだろ。トン、こ間がある。この時無音だろって。その時にどう思うかで次のことが決まるんだ。』と。『チン トン シャン、この無音の時が大事なんだよ。それは、セリフもそうだぞって。書いてあることを一生懸命読むのはそれもいいけど、その点と次のセリフの間。そこで何を思うかによって次が決まるんだよ。いいか?覚えとけっ』て言われたんですよ。そのチン トン シャンがもういつ何時でも出てくるんですね。音は誰でも出せるよって。だけど、この無音の時に何を自分が思えるかで、その次の音が決まるんだつって、ものすごく、ある意味ではわかりやすく教えていただいて。だから、そのことは、いつも、どんな時でも、そういう、ふっとそういうのを蘇ってきますね。え。全然違う話で申し訳ありません。僕も、そういう経験を若い時にしてるんですよね。」と自身の若き時代、大先輩である勝 新太郎から教わった経験が、今の芝居や芝居をしていない時の佇まい、そしてスタッフ、共演者へ向ける真摯な姿勢の根底にあるのだと明かした。

そして今回、物語の鍵を握る富商・能登屋役で上川隆也が、そしてまた伊東四朗が佐伯熊太を演じさらに、佐伯の旧友・榊甚左衛門を藤岡弘、が演じていることに触れ北大路は「お2人とも以前に作品でご一緒させていただいてるんですが、藤岡さんは柳生十兵衛の役で、僕は(宮本)武蔵をやった時に、その柳生十兵衛で復讐したんですけど、まごい迫力で。それこそ刀が本身なんですよ。いや、当時はね、本身が許されたんですよ。現在でもダメですよ。それをもって構えられた時のその迫力がすごかった。だけど、僕は、宮本武蔵なので『やられるものか』と思ってやったんですけどね。素晴らしかった。その、藤岡さんと、この前、久しぶりにお会いして、全然雰囲気が変わっていて、いきなり2人で抱き合ったんですよね。それくらい、懐かしかったんです。しかもご子息も出てらした回もあって、すごい嬉しかったですね。また、上川さんとも以前ご一緒してて、1年ぐらい前に、他のスタジオでお目にかかった時に、『どうも、ご無沙汰してます。三屋に出してくださいよ。』ってそんな忙しい人なのに出られるわけないと思って、パッと本作の台本を見たら上川って書いて、うわ。と思って。その役柄と、また上川さんとのすごい膨らみが、現場で僕は感じて。いや、嬉しかったですね。やっぱりそういう思いの方とご一緒できるっていうのはね、本当に役者の冥利につきます。幸せです。」と9作目に出演している名優たちの凄さを語った。



そして、本作をはじめとする時代劇には今の時代にも通じる普遍的なテーマが描かれていることに触れ、時代劇を通じて若い世代へ伝えたいメッセージは?と問われ佐藤は「朔太郎ぐらいの令和生まれの子供?にですかね?」と自分から見た若い世代が本当に子供宛になるのでは?と一瞬戸惑いながらも「わかりました。今は、スマホのデジタル世界じゃないですか。携帯開けばもう新しい情報だったり世界中の情報が入ってくる。しかも、今やっぱり流行り廃りがあったり、自分が欲しい情報、要はエコーチェンバーとかバイアスなんていう言い方も最近はありますが、やっぱり自分が欲しい情報しか出てこないんですよね、結局。なので、個人的に思うのは、人生って、自分が欲しくない情報を知っていくことが人生だと思うわけです。

好きなことばっかり追いかけるのも悪くはないと思います。やっぱりこういった時代劇っていうのは、昔の日本の美しさだったり、昔の日本人の生き様みたいなものがすごく映像として映し出されているものの、でも最近はなかなかそれを自分で選んで観ようとは思わないかと思います。

今は、踊るのがかっこよかったりだ、髪型がかっこいい人がいいみたいな、だけど、色々調べられる情報は自分のアイデンティティを確立するので、やっぱり知識だったり歴史を知るってことが人間の深みに繋がると思います。知らない人ほど観ていただけたらいいんじゃないかなって思います。」と時代劇を通じ日本の良さや歴史を知ることが今の若い世代に必要なことなのではないかと語り、それを横で聞いていた北大路が思わず前に乗り出して佐藤の話をじっくりと聞く場面が見受けられ「今、若い方から私の年齢に対して、いろんなことを教えてもらいました。すごいですよね。僕らの少年時代ってもう紙芝居かめんこかラジオしかなかったですから、情報なんて何もないわけですよ。ですから、目の前にあることだけが現実で、それを掴んで成長していった時代ですから、今話を聞いて僕らの何百倍っていういろんなものを周知してらっしゃる、若い方々が。

だから、ものすごく進んでらっしゃるのね、わかりますよ、悔しいけど。だけど、一旦ちょっとストップして、なんとなく日本人の生まれた時とか育った環境ってどうなんだだろうっていう、一瞬振り返る、そこに戻ってみて、また新たな出発の起点としてこの時代劇を捉えていただければ嬉しいなと。なんか今話を聞いてるとね、すごいそう思いましたね。

それと、彼(佐藤)なんか、僕と立ち回りも一緒にやったことがあるんですけど、その動きがすごい!それはダンスもあるかもしれない、いろんなスポーツもあるかもしれない。僕なんかはその立ち回りをやるためにそれなりの訓練をしてきているわけで、そうしないとできなかった。

彼はそういう訓練をしたかどうかわからないけれど、すごい綺麗な動きをする。もうびっくりしましたね。どこかおかしなところがあったら、なにか言ってやろうって思ったんだけど、全然!いや、凄いなと。だから私若い方々から様々なものをこの作品を通して教わってます。」と佐藤を絶賛していた。






ここで一度フォトセッションのため、ステージ転換が行われ、再度4人が登壇したところで、サプライズとして2月23日に83歳を迎える北大路にケーキと花束が贈られ、ピンクの薔薇の花束を山谷が、大きなケーキは佐藤がそれぞれ運び入れると予期せぬことに北大路の目に光るものが。大きなケーキには三屋清左衛門の顔がプリントされ、「これ食べていいんですか?」とほっこりする一言も飛び出す。監督、山谷、佐藤と1人1人としっかり握手をしそして最後に北大路から「83歳になって清左衛門をまだ演じさせていただけるというのは、本当に幸せなことだと思います。その思いに応えられるように、これからも精進してまいります。



本当に今日のこの催しに集まっていただいて嬉しく思っております。これからも私たち現場の人間として、皆様の温かい応援をしっかりと受けて、1歩1歩前進していきたいと思います。」と述べイベントは終了した。

<あらすじ>
家族との穏やかな日々を大切に過ごす清左衛門(北大路欣也)。

亡き妻の墓参の帰り、小さな墓前に立ち尽くす若い夫婦、結城友助(佐藤流司)と妻・はなえ(山谷花純)に出会う。

一年ほど前に幼い息子を亡くし、深い悲しみに沈んでいた。

友助は、はなえを思いやり、励ましとして絹の着物を贈り、はなえも一時は元気を取り戻したように見えたが・・・。

一方、富商・能登屋(上川隆也)の支援を受け進められていた藩の開墾工事が突如中止に。

その指揮を執っていた佐伯熊太(伊東四朗)の旧友・榊甚左衛門(藤岡弘、)が切腹したとの報せが届く。

清左衛門と熊太は榊の死に疑問を抱き、その真相を探り始める。

そんな折、藩が倹約令を出す。

それは友助、はなえの生活にも暗い影を落とし、やがて二人の身にある事件が―。

果たして、清左衛門がたどり着いた哀しき真相とは―。

「日残リテ昏ルルニ未ダ遠シ―」

■詳細
【三屋清左衛門残日録 永遠(とわ)の絆】
放送開始日:2026年3月7日(土)
原作:藤沢周平『三屋清左衛門残日録』(文春文庫刊)「切腹」新潮文庫『龍を見た男』所収 /「木綿触れ」新潮文庫『闇の穴』所収
出演:北大路欣也、優香、松田悟志、小林綾子、佐藤流司、山谷花純、上川隆也、佐野史郎、池田鉄洋、藤岡弘、、金田明夫、麻生祐未、伊東四朗
監督:山下智彦
脚本:いずみ玲
音楽:栗山和樹
製作:宮川朋之(日本映画放送)、岩木陽一(J:COM)
エグゼクティブ・プロデューサー:秋永全徳(日本映画放送)、塚田英明(東映)
プロデューサー:槌谷英孝(日本映画放送)、荒瀬佳孝(日本映画放送)、井元隆佑(東映)、百瀬龍介(東映)
制作:日本映画放送 東映

©日本映画放送/J:COM/BSフジ

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