【和田雅成×髙橋大翔インタビュー】互いに自然体でいられた「本当にただただ会話を楽しんでいた」<ドラマ『あなたを殺す旅』>



浅井 西による人気コミック【あなたを殺す旅】が実写ドラマ化!

情に厚い若頭・片岡錦司(和田雅成さん)はある騒動をきっかけにほとぼりが冷めるまでの間、行方をくらます旅に出ることに。その旅に同行したのは世話役として任命された組員・小田島漣(髙橋大翔さん)。しかし、実は小田島は「片岡を殺す」という使命を与えられていて……。

難しい役どころを和田さんと髙橋さんはどのように演じたのかお聞きしました!おふたりが最近心を揺り動かされた出来事についても!

「この先に繋がっていく作品になる」



■『あなたを殺す旅』というタイトルからしてインパクトがある作品ですが、本作への出演が決まったときのお気持ちを教えてください。

和田雅成 やっぱり作品に出演が決まるというのは嬉しいですね。あまり触れてこなかった世界だったので、昔の自分だったらやれなかったのかもしれないな、と思います。でも、34歳になるこのタイミングでこういう機会がいただけたっていうのは何か縁があるんだろうな、この先に繋がっていく作品になるんだろうな、と思いましたね。

髙橋大翔 周りでもBL作品に出ている人が増えてきていて。僕自身もいろいろ話を聞く中でやってみたいな、という気持ちが大きかったので、お話をいただいたときは「やってやろう」という気持ちが大きかったですね。嬉しかったですし、がんばりたいな、と。

原作は「読者に委ねる余白」がある作品



■原作や脚本を読まれたときの印象はいかがですか?

和田 原作は「うわあ、1回では読み解けないな」っていうところですね。上條監督とも「この一コマの意味ってどういう意味なんですかね?」とお話させてもらったり、原作の浅井先生から、何を見て題材にしているということを教えていただいたりして、ヤクザ映画だったらこういうのがあるな、って考えたり。ラストシーンについてもどういう意味なのか、というところはしっかりと話し合いをしました。深いんですよね。しかもちゃんと読者に委ねる余白を与えてくてれいるんです。こんなに考察できるのは大切なことだと思っていて。読者が考えることによって、ほかの読者とその考えを共有して、そこからまた考察が膨らんで作品が広がっていく。そこに僕は完全に魅了されましたね。

髙橋 もう、ハードで。(笑)
BL作品を読むのも初めてだったのですが大人のディープなところもヤクザ、の世界だからこそ、わりとしっくりできたというか。僕の中でBLとヤクザは離れていますけど、実はそんなに離れていないし、親和性の高いものだったんじゃないかな、と思っています。

髙橋大翔と和田雅成ではなく、片岡と小田島として自然な会話をしてた


■お互いの役に対してはいかがですか?片岡と小田島のそれぞれの気持ちは、最初はすごく遠いところにあるのかな、という印象ですが。

髙橋 片岡はずっとつかめなかったなあ、と思いましたね。完成した作品を観ても、片岡ってどういう人なんだろうな、って。6話だけじゃ片岡はまだ奥があるなあ、というふうに思いました。小田島は答えを出し切ったみたいな……「こいつはこういう人間です」というところが分かりやすい。

和田 言ったら、主人公は小田島だからね。

髙橋 あ、そうか、視点がね。だから小田島は何を考えているか分かるけど。

和田 そうそう。



髙橋 片岡は「どこまでも優しいその裏とは」というところもあるから、分かりやすいように見えた片岡が一番わからない人なんじゃないなか、と。

和田 本当にそうなのよ。僕も読んで、監督と話をして、自分の中で答えを出しちゃいけないな、って思って。小田島のことも最終的にどう思っているのかものらりくらりしていたけど、最終的にどうなの?っていうひとつしか出しちゃいけないんですよね。で、それを現すシーンを撮ったときに監督がそれを全て察してくれたんですよ。何も共有していないけど、自分のひとつの核としてここは絶対に持っておかなきゃいけない、ここまで隠しておかなきゃいけない顔がある、というものを出したときに、監督が「全部計算していたんだね」って言ってくれたことで全て報われたというか。ある意味、ドラマとして正解かは分からないんですけど、棒読みにする瞬間もあえてつけたり、下手だと思われてもいいから、片岡として生きたらこういう結果だった、というのが表現できればいいから、という挑戦はかなりしました。だから、片岡の人生を生きたな、という感じはします。



■小田島に対してはいかがですか?

和田 僕は大翔が小田島にしか見えなくなっている現象が、撮影中にずっと起きてたんで。

髙橋 嬉し。

和田 それを本人が意識的にやってくれていたのか分からないですけど、小田島にももちろん過去があって、それを背負って生きていかなければなりません。暗い過去を自分でイチから組み立ててきてここにいるんだな、ってもうその生き様だけでこっちはもう何も演じなくていいというか。もうそこに小田島がいるから、自分が投げかければそれで返してくれるし、返してくれるからこっちも投げるし、っていう。本当にただただ会話を楽しんでいた感じですね。


■役としても、自然な会話ができたということなんですね。

髙橋 1話での車内でのシーンは、和田雅成と髙大翔じゃなく、本当に片岡と小田島として自然な会話をしてたんじゃないかな。その世界観ができたことに、僕たち自身もびっくりしました。

和田 そうだね。

髙橋 監督にもよかったよって言っていただけたので、そこは演じる時の安心感にもつながったかなと思いますね。

撮影に入る前から目指しているものがはっきりしていた



■今回、初共演でしたが撮影を終えてみていかがですか?

和田 初めての人とやるのは、僕はすごく楽しみなんです。今まで自分が生きてきた中で、出会ったことがない人の感受性や、出てくるものを受けたときに自分もどうなるんだろう、って。
きっと違う人が小田島だったら、また違う片岡が生まれるけれど、僕らが今生きている世界線は大翔と僕の片岡と小田島が生きたからその人生があった、というのがすごく楽しかったですね。

髙橋 撮影に入る前から、監督も一緒に何回も読み合わせさせていただいて。作品に入る上で、こんなことってあまりないんですよ。読み合わせは1、2回、という現場が多い中で、何度も重ねて分からない部分もぶつけ合って、かなりすり合わせてから現場に入ったので、撮影が始まってからは僕自身に対しても、和田さんに対しても不安なことも全くなかったです。本当にスッと現場に入れたかな、と思います。僕らが考えた通りのものを作っていこう、出していこう、みたいな。読み合わせで多分、「こういうものが作りたいんだ」という共通認識が監督含め、僕たちができたからこそ、しっかりと作品を始められました。僕たちが目指したものはここだよね、というものがあったのが大きかったですね。





■和田さんもそこまですり合わせをして現場に入ることは珍しいんですか?

和田 あんなに本読みをするのはあまり多くないですね。大翔も言っていたように、1、2回ぐらいはありますけど、こんなにやるんだ、という。

物語的にも簡単な題材じゃないので、そこはちゃんとすり合わせをして撮影に入ったほうが多分みんな楽ですし。

髙橋 読み合わせのおかげで、台本もちょっと変わったところがありました。こういう言い回しのほうがいいんじゃないか、こういう動き方がいいんじゃないのか、という部分は全シーン、結構詰めてやっていたので、そこができたのはすごくありがたかったな、と思いますね。

アニメ『NANA』のトリコになっています。



■最近、心を揺り動かされたモノやコトがあったら教えてください。

髙橋 アニメの『NANA』。

和田 おーっ、だいぶ前の作品だね。

髙橋 ずっと観よう観よう、と思っていたんですけど、最近ようやく観てこんなにおもしろいアニメあったんだ、って。あんなにもリアルな人間を現していて、絵もオシャレですし、おもしろかったです。なんで今まで観ていなかったんだ!って思いましたし、めちゃめちゃ周りに布教して、いまは僕の周りはみんな『NANA』が大好きです。

和田 はははっ、周りも勧めたらちゃんと観てくれたんだ(笑)。いいね。





■原作は読まれたんですか?

髙橋 映画のほうも観たんですけど、原作は読んでないんですよ。原作は途中で止まっているんですよね。それがまた『NANA』っぽいと思って。すばらしい終わり方してるな、その終わりがかっけー!と全てにトリコになっています。

■和田さんはいかがですか?

和田 格闘技を観に行くのが大好きなんですけど、この前、さいたまスーパーアリーナに観に行ったんです。朝倉未来選手っていう大好きな選手がいるんですけど、4年前にKO負けしたクレベル・コイケ選手との再戦だったんですよ。朝倉選手は、そこで負けたらもう引退するんじゃないか、というレベル。で、試合は判定まで行ったんですよね。審判が3人いて、2票入ったら勝ちなんですけど、1票目がクレベルに入ったんです。その瞬間に、僕も「終わった……!」と思って。

■ハラハラですね……!

和田 本当に楽しみにしていた試合で……終わった、リベンジ叶わなかった……と思っていたら、次は朝倉選手に1票。ここで同票じゃないですか。どっちに入るんだ、朝倉選手に入ってくれ!と思っていたら朝倉選手に入って。その瞬間、僕も立ち上がっちゃいましたね。4年越しのリベンジした!って。もうエモいね、これが本当にエモかったです!


■ありがとうございました!



【Movie】
coming soon…





―PROFILE―



和田雅成
1991年9月5日生まれ 大阪府出身
舞台『刀剣乱舞』や舞台「呪術廻戦」、舞台「PSYCHO-PASS サイコパス Virtue and Vice 3」、ミュージカル『ヴィンツェンツォ』など数々の人気作品に出演

2024年、10月期のテレビドラマ『神様のサイコロ』で単独初主演を務める。9月に主題歌「DICE」でアーティストデビュー。12月のテレビドラマ『0.5D』でも主演を務め主題歌「own world」を歌唱している。12月11日に1stアルバム『Raise』を発売し、2025年2月に初のワンマンライブを開催。

[HP]https://wadamasanari.com/
[X]@masanari6

髙橋大翔
2000年8月19日生まれ 大阪府出身
2018年4月Eテレ「NHK高校講座 国語表現」にてTVレギュラー出演。2022年1月テレビ東京系ドラマ「鉄オタ道子、2万キロ」出演後、2023年DISH//「沈丁花」MusicVideoに、映画「わたしの幸せな結婚」、映画「交換ウソ日記」、フジテレビ「真夏のシンデレラ」などに出演。その後、メンズノンのモデルオーディション2023 ファイナリストに決定し、以降、MEN’S NON-NO専属モデルとして活動中。

[X]@_hiroto_819
[Instagram]@hiroto.takahashi_


【STAFF CREDIT】
Photo:Tomohiro Inazawa、Text:ふくだりょうこ


ーINFORMATIONー
【ドラマ『あなたを殺す旅』(全6話)】
配信:毎週金曜日20:00最新話独占配信中
メイキング Short Ver.:無料配信中
メイキング Long Ver.:2025年10月24日(金)20:00配信(FODプレミアム)
※配信日時は予告なく変更となる場合があります。予めご了承ください。
※#1無料
出演:和田雅成、髙橋大翔、遊屋慎太郎、堀 海登、寺中敬輔、工藤俊作、小沢真珠 他
原作:浅井 西「あなたを殺す旅」(徳間書店Charaコミックス/コルク)
主題歌:山本大斗「徒然 – Tsurezure」作詞・作曲:山本大斗
監督:上條大輔
脚本:高橋ナツコ
音楽:鷹尾まさき
プロデューサー:片山武志(カルチュア・エンタテインメント)、鹿内植(フジテレビ)、村田亮
制作プロダクション:アンリコ
製作:「あなたを殺す旅」製作委員会(カルチュア・エンタテインメント フジテレビ)

<ストーリー>
ヤクザBL史上、最高の愛。

情に厚い若頭×密命を背負う組員、極道2人がおりなす旅の終着点とは…?

情に厚く侠気もあり、多くの組員から愛される若頭の片岡(和田雅成)。

しかし、とある騒動をきっかけに、組長の実子・桐井(遊屋慎太郎)の命令で、ほとぼりが冷めるまで行方をくらます旅に出ることに。そんな片岡の世話役を任されたのは、かつて組長の付き人をしていた組員・小田島(髙橋大翔)だった。

運転手兼付き人、時には性欲処理までする便利な世話係として淡々と役目をこなしていく小田島。だが、その胸中には“裏の使命”があった――。

小田島は、桐井から跡目争いに邪魔な片岡を「殺せ」と厳命されていたのだ。

7年前の抗争で起きたある事件を境に、片岡に対して強い憎しみを抱く小田島は、使命と復讐心を胸に、片岡と旅に出る。

2人きりの旅の道中、義理人情に厚く出会った誰もが好きになる片岡の人間的な魅力に惹かれていく小田島。一方片岡も、普段は寡黙で淡々としている小田島が見せる意外な一面に興味をもち、だんだんと2人の距離は近づいてゆく。

過去、使命、そして愛情。不器用に揺れる感情に苦しむ小田島が出した答えとは――。

旅の果てに、待ち受けるのは――死か、それとも愛か。

憎しみと愛情が交錯する、危うく切ない任侠ラブストーリー。

[HP] https://www.fujitv.co.jp/drama_anakoro/
[X] @drama_anakoro
[Instagram] @drama_anakoro

©2025「あなたを殺す旅」製作委員会

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