【岩橋玄樹インタビュー】怖いことは寝ること……「静かなのが怖くてクラブみたいにうるさくして寝ています」<映画『男神』>
2025.9.30
9月19日公開の映画『男神』。
全国で母と子が失踪する事件が相次ぐ中、住宅地の建設現場に正体不明の深い「穴」がある日突然現れます。同時期に、建設現場で働く和田勇輝(遠藤雄弥さん)の息子が行方不明に。息子がその「穴」に迷い込んだと知った和田はその中へ……。
家族の恐怖を描くファンタジーホラーとなっている本作。今回は和田が働く建設会社の社長の息子・山下裕斗を演じる岩橋玄樹さんにインタビュー! 初めての映画出演にどのように取り組んだのか、またプライベートなお話も!
こだわり満載「監督が一番疲れてるんじゃないかな」
■脚本を最初に読まれたときの感想はいかがでしたか。
岩橋玄樹 むっず!って思いました(笑)。
だけど、何度も読んでいくうちに雰囲気もつかんでいけました。監督とも何度か食事に行ってお話して。画像や資料などをもらって、クランクインに向けて、だんだんイメージを膨らませていった感じです。
■監督のディレクションの中で、印象的だったことはありますか。
岩橋 監督はすごくこだわりが強くて。『男神』という目に見えないものを撮るのがすごく難しい作品なので、カメラワークやアングルを丁寧に指示しているイメージでした。
重機も取り扱っているんですけど、免許がないと動かせないので、ひとつひとつの撮影でプロの人が動かすんです。そこがすごく大変だったなぁ、って。
わりと特別な撮影が多かったので、見ていて監督大変そうだな、って思いました。トランシーバーを手に走り回ってたから、一番疲れてるんじゃないかな、と。
■実際に映像を観られていかがでしたか。
岩橋 全体的にエフェクトがかかっていてダークな映像になってるし、SEやCGもそうだし、実際に演じていたときと雰囲気は全く違うものになっていました。最初どうなるんだろうとすごく楽しみにしていたんですけど、結果的に映像もめちゃくちゃきれいで、監督のこだわりがうまく重なり合ってて、すごかったですね。
■ちなみに、岩橋さんご自身は重機に乗ってみてどうでした?
岩橋 小さいころに憧れてたから、こんな感じなんだって。動かしてみたいな、と思ったけど、多分難しいんでしょうね。
英語のシーンはアドリブ?
■岩橋さんが演じられた「山下裕斗」というキャラクターはどのように作られたんですか?
岩橋 家で結構練習してました。スマホでいろいろ動画を撮って、何回もやって見直して……自分で自分を研究してやっていましたね。
■2年間ニューヨークに留学していたという設定で、作中では英語を流ちょうにお話されるシーンもありますね。
岩橋 いろいろなシーンがある中で、ああいうアクセントになるようなシーンがひとつあると映画のいい味になってくると思うし、日本の映画でいきなり英語を話すシーンって珍しいので、すごくいい経験になったなって思います。
■あまりネイティブではない、「日本人が話す英語を意識された」そうで。
岩橋 そこらへんが結構難しくて。例えば、映画を観ている方が最初から裕斗の設定が分かった上でしゃべるんだったらいいんですが、いきなり英語でしゃべると混乱するので、分かりやすい英語を使ってそのシーンは撮りました。台本上では、最初はもっと複雑な英語がいろいろあったんですけど、それも全部カットして、その場の雰囲気で、アドリブで全部やりました。
■アドリブで……! すごいですね。
岩橋 アーサー教授と話しているシーンなんですけど、もうちょっとわかりやすい表現の方がいいよね? とお互いになって。それで、2人で掛け合いを決めました。こういう言い方がいい、とか、自分の思ったことを言った方がいいよ、ってアーサー教授からの俳優としてのアドバイスを受けて、いろいろ撮りましたねえ。でも夕日とともに撮っていて、結構時間がカツカツだったんです。緊張していた部分もありますね。
怖いことは「寝ること」
■今回、ファンタジーホラーということなんですが、岩橋さんご自身はホラーや都市伝説はお好きですか?
岩橋 大好きですね。都市伝説とかよく観たり聞いたりしています。
■今回のようないけにえについてのお話はいかがですか?
岩橋 江戸時代だと、いけにえじゃないけど、処刑はよくあったじゃないですか。で、そういう処刑場跡はちょっと雰囲気が悪かったり、建物が建たなかったり、そういうのはよく聞きますね。こういう地名は危険だ、みたいなYouTubeを観たりして、「ああ、この辺はこういう歴史があったんだ」とか「確かにあの辺に行くとちょっと空気が重いな」と思うので、観ていておもしろいです。
■最近ゾッとした話があれば教えてください。ホラー的なものでなくても大丈夫です!
岩橋 たまにリフレッシュをしたくて山に遊びに行くんですよ。
で、少し前にも友だちと2人で行ったんですけど、コンビニで買った花火をしようと思って、夜中の12時ぐらいにライトを持って川岸まで行ったんです。そうしたらポチャン、と音が聞こえて……見たらでっかいカエルがいたんです。世界一カエルが苦手だからもう叫んじゃって。全身の毛穴が開いて鳥肌がやばかったです。しかもめっちゃ飛び跳ねるんですよ。変な色だし……だけど最後まで花火をやりました!
■カエルもそうですけど岩橋さんが一番怖いもの、苦手なものってなんですか?
岩橋 うーん……寝ること!
■意外です!
岩橋 寝るのって難しくないですか? 目を閉じるといろんなこと考えちゃうんです。ずっと脳が動いている感じ。あと、静かな状態で眠りにつけなくて。田舎は全く音がしないのですごく怖いです。東京で生まれて、サイレンや、車の音、人の声が絶対に寝るときに外から聞こえるのが当たり前の生活をずっとしてるから。L.A.に住んでもずっとサイレンが鳴ってるしうるさいし。もちろん自然は好きで昼間は「すごいな」って思うんですけど、誰もいない感じが怖いんですよね。だからうるさくして寝てます。クラブみたいな感じで。
■大丈夫ですか、安眠できてます……?
岩橋 多分できてません。めっちゃ眠いですね(笑)。
「結局決めるのは自分自身」
■遠藤雄弥さん演じる勇輝に対してはどのような印象を抱かれましたか。
岩橋 勇輝さんは、頼れる先輩っていうイメージですよね。だけど、その中で家族のこともあって……。勇輝さんのことを好きだから、裕斗も助けたいっていう気持ちが湧くんだと思います。
■勇輝は作中で大きな決断をしますが、岩橋さんは何かを決断するときに基準にしたり、大事にしていることはありますか?
岩橋 僕は結構パッと決めちゃう場合が多いので、いい意味で後先考えないことが多いですね。まあそれでわりと失敗してきていると思うんですけど(笑)。
例えば仲良い人の相談に乗ったりするけど、結局決めるのは自分自身だから。今までに大きな決断を何回かしたことがありますが、意外と自分で勝手に決めちゃってることが多いですね。
■ご自身に決めた方が後悔は少ない?
岩橋 まあ、迷わないでいけるので。あと決めちゃったから、やるしかない、という思いもあります。
演じるときは「できるだけ自分を捨てるように」
■今回、日本の風習がテーマのひとつですが、少し岩橋さんの習慣についてもお聞きしたいな、と思うのですが、役作りにおける習慣はありますか?
岩橋 台本がきたら、ボイスメモで録って、どういうトーンなのかな、っていろいろ試します。それで役に合ったトーンを探ますね。
■今回もスマホで録ったというお話がありましたね。
岩橋 そうそうそう。セリフもそうですけど、声色もそこで確認したり。
あとは台本を読み込んで、ストーリー全体を通して理解しながら、その人がどういう性格なのか、この人はどういう怒り方をするのかなとか、どう悲しんだり泣いたりするのかなとか、いろんな役作りをして、現場で段取りやリハのときにいろんなパターンを監督に見せて話し合っています。
■そういう役作りの仕方はいつ頃から始められたんですか?
岩橋 ドラマやお芝居、舞台にいろいろ出演してきて、やっぱり先輩を見てきたっていうのもありますけど、歌とダンスと一緒で、一番自分がやりやすい、覚えやすい方法を試して、現場の場数で勝負していくっていう感じですかね。レッスンは基本ないから、そこが多分、みなさんと違う大きな部分ですかね。先輩を見て学ぶっていうのは昔からそうでした。
■立て続けにいろんな役を演じていらっしゃいますが、役者というお仕事に対して意識が変わった部分はありますか?
岩橋 今まで演じることって、ちょっと怖いなと思ってた部分があるんですよ。自分のキャラクターが強い部分があるから、見る人によっては、僕にしか見えないと言われることも多いんです。今回も、なるべく自分を捨てるように頑張っています。
■一方で、岩橋さんご自身の個性をしっかり出さなければいけない場面もあると思います。そのバランスって、自分の中では難しかったりするんですか?
岩橋 あ、それは単純なので寝て起きたら大丈夫です(笑)。ずっと入り込んでしまうとかはないですね。
『恋愛ルビの正しいふりかた』も撮影期間中に自分のライブがあったんです。夜まで撮影してそのままレコーディングしたり、ということもありました。一日に違う仕事をたくさんやるっていうのは慣れてるので、別にそこまで。逆にあまり意識しちゃうとわかんなくなっちゃいますね。
■日常生活の中での習慣は何かありますか?
岩橋 毎日走ったり、運動してます。5kmぐらい走っていますね。走るのは朝の時もあるし、夕方や夜になる時もある、あとはジムに行ったりもします。
■ストイックですね。
岩橋 それをやると頭もフレッシュになるし、走ってるときにいろんなメロディーや、次の仕事のアイディア、それこそセリフを覚えたりとか、頭の中で全部やっちゃうんですよね。自分の曲を作っているのは、走っているときが多いですね。で、すぐにボイスメモに録って、とか。
■すごい……!
岩橋 じゃないとできないんですよ。例えば歌詞を書かないといけないのに、1週間ダラダラやってると分からなくなっちゃって。やるんだったら、走ってちょっとストレッチして、筋トレして疲れた、って汗かいてる状態で、シャワー浴びる前にスマホで全部書いて送っちゃうとか……そんな感じです。
なんだかんだおじいちゃんおばあちゃんが一番大好き
■最近、心を揺り動かされたモノやコトについて教えてください。
岩橋 おばあちゃんが100歳になったんですよ。それはすごく感動的でしたね。
■おめでとうございます! みなさんで何かお祝いされたんですか?
岩橋 僕はちょうど仕事してたんで、みんなが集まるタイミングでは行けなかったんですけど100歳になるタイミングで、L.A.から日本に帰ってきて、一緒にいました。
おじいちゃんおばあちゃん子だったからよく散歩したりしていましたね。わりと厳しいおばあちゃんだったのでよく怒られたりもしてたけど、なんだかんだおじいちゃんおばあちゃんが一番大好きですね。戦時中、おばあちゃんは英語の専門学校に行っていて、英語がめっちゃペラペラだったらしくて、小さいころは教えてもらったりしました。
■最後にこの作品の推しポイント教えてください。
岩橋 裕斗がいなかったら、勇輝さんたちを助けられていないという実はわりと重要な役なんですよ。職人さんたちを集めてきたシーンも実は裕斗くんがいないと成り立ってないっていうのがポイントですね。
■ではぜひ注目していただいて。
岩橋 そうですね。そのシーンは結構イケメンに映ってるので(笑)、観てもらえるとありがたいです。
■ありがとうございました!
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岩橋玄樹
1996年12月17日生まれ。東京都出身。
2010年より芸能活動を開始。2021年よりソロアーティストとしてアメリカと日本を拠点に活躍中。単独ライブツアーなどの音楽活動はもちろん、自身がデザインを手がけるジュエリーブランド「TwO hundRED(トゥー ハンドレッド)」をプロデュースするなど、多岐に渡ったクリエイティビティを発揮している。
[Instagram] @genki_iwahashi_17
[X] @genki17staff
[TikTok] @genkiiwahashi17
【STAFF CREDIT】
Photo:須田卓馬、Text:ふくだりょうこ
―INFORMATION―
映画【男神】
2025年9月19日(金)全国ロードショー
出演:遠藤雄弥、彩凪翔、岩橋玄樹、須田亜香里、カトウシンスケ、沢田亜矢子、加藤雅也(特別出演)、山本修夢、塚尾桜雅、アナスタシア、すずき敬子、大手忍、チャールズ・グラバー、藤野詩音、齋藤守、清水由紀(友情出演)、永倉大輔(友情出演)
監督・脚本:井上雅貴
原案:「男神」(八木商店)
エグゼクティブプロデューサー:志賀司
プロデューサー:益田祐美子、羽田文彦
制作プロダクション:平成プロジェクト・INOUE VISUAL DESIGN・セレモニー
製作:平成プロジェクト、セレモニー、TBSグロウディア、山本工務店、名古屋テレビネクスト、三晃社、エクサインターナショナル、Samplesdl、中日本興業
ロケ地:愛知県日進市、岐阜県下呂市
協力:高山市、飛騨・高山観光コンベンション協会
支援:日進市企業ふるさと納税、下呂市ふるさと文化振興助成金
協賛:マテラ化粧品、ワンダーランド、そうび社、龍の瞳、イオス、コーポレーション
題字:小林芙蓉
2025年/日本/93分/カラー/シネスコ/5.1ch
配給:平成プロダクション
配給協力:東京テアトル
©2025「男神」製作委員会