Cuegee、初の主催ライブ『Role model』を開催!揺るぎない確信と強いポリシーを感じさせるステージでオーディエンスを沸かせた公演に!!



9人組ミクスチャーユニットSUPER★DRAGONのラップ担当・松村和哉によるソロプロジェクト・Cuegeeが、初の主催ライブ【Role model】を2025年5月15日(木)に東京・duo MUSIC EXCHANGEで開催した。

昨年4月のデビュー以降、1年の間に2枚のシングルと2枚のEPをリリースし、クラブシーンで精力的な活動してきた彼だが、自身が主役となるステージはこれが初。BMSGに所属する18歳の若き天才ラッパー・edhiii boiを招き、今、真に自身の欲する活動をしているという揺るぎない確信と、誰に何と言われようとも言いたいことはブチまけるという強いポリシーを感じさせるステージで、オーディエンスを沸かせた。

「行けんのか渋谷!」と、先陣を切ったのはedhiii boi。「俺のライブにルールはないんで、好きにノッてください」と誘い、アタックの強いラップでオーディエンスの声と腕とクラップを煽っていく。「ヒップホップが好きでロックが好きでミクスチャーロックが好き」という言葉の通り、「おともだち」など心沸かせるナンバーを多彩に聞かせ、人のひしめくフロアを揺らしてCuegeeへと熱いバトンをつないだ。



今年結成10周年を迎えるSUPER★DRAGONでは最年少ながらラップ担当として活躍し、昨今の楽曲では積極的に作詞にも参加している松村和哉。Cuegee名義でも当然全曲のリリックを手掛けているが、その最大の特徴は21歳にして10年を超えるキャリアの中で得た喜怒哀楽すべてを、赤裸々すぎるほど赤裸々に書き綴っていることだ。その姿勢はこの日も全開で、ステージに立つ彼の姿がスポットライトに浮かび上がると、4月末にリリースした最新EP『Role model』からタイトル曲をドロップ。“2025.5.15”とライブ当日の日付から始まるリアルタイムなリリックが披露されたのは冒頭部分だけで、すぐさま「行くぞ」とフロアに声をかけて同EP収録の「Drama」へとつないでいく。自身が見てきた業界での“Drama”を皮肉りながら放たれるラップは豊富な語彙力に彩られ、そのスピードはまるで弾丸のよう。しかし、その核心にあるのは“ただラップがしたかっただけ”という一文に違いない。アーティスト名の由来となった『龍に九似あり』という言葉をモチーフに書かれた「九似」でも、幻想的なムードをまとったトラックで“死に方も生き方も俺が決めるから邪魔すんな、OK?”と叩きつければ大歓声が。そして、冒頭でカットアウトした「Role model」をアカペラから再開し、全方向に対して攻撃的なリリックをブッ込みつつも、周囲への感謝と同時に“けどまだ言いたいこと言いたいわごめんな”と締めくくって、スキル1本で立つ現在の喜びと決意をにじませていく。



「緊張した!まだ手震えてるもん。やっと緊張ほぐれてきた。長めにしゃべろ」と始まったMCでは、まず「edhiii boiカッコよかった!ずるいわ、あれで人当たりもいいなんて。俺の曲、人の悪口ばっかり言ってるのに敵わないっす」と賞賛。「音楽で誰かを救いたい姿がカッコよすぎて、俺は自分を救うので精いっぱいだから」と、彼を招いた理由を説明した。また、クラブシーンに足を踏み入れにくい人たちのために「楽しめるかわからないけど、1回観てほしくて、こういう場を用意させてもらいました」と今イベントの開催理由を明らかに。「声出したい人は出してほしいし、静かに見たい人は静かにしてていいんで楽しんでください」と、オーディエンスに自由であることを促す。

「What’s Star?」では“俺はアイドル生まれアイドル育ち”という、あまりにも大胆過ぎる歌い出しから、小学生のころからスポットライトを浴びてきた自身の現実と、そこで得た感情を放出。曲中のリリックを引用して「popstarもrapstarもいっぱい見てきたけど、どっちもあんまり好きじゃねぇ」と告げてからの「Earmuffs」に、己のスタンスを高らかに綴った「I know I am」では、客席からのコールも曲に花を添えた。「テレビも雑誌も何でもやるけど、それしかやんないアーティストにはなりたくないわ」という言葉に続いた「No TV Star」では、タイトル通りの主張を訴えて“ラップしかする気がないCuegeeは”と宣言。超高速ラップと“ありがとうねメンバー けど満足してるわけねーだろ!”の叫びで場内に歓声を巻き起こした。彼の楽曲にはしばしば“メンバー”という単語が登場するが、それは当然SUPER★DRAGONのメンバーのことであり、そんなところからも彼の書くリリックがどこまでもリアルであることがわかるだろう。



「あっつ!脱ぎます!」とコートを脱いでからは、Cuegeeと名乗るようになって1年以上が経ったと話し、人でいっぱいのフロアを見回して「こんなに多くの人たちが応援してくれてる……で合ってるよね?一生勘繰ってます」と笑わせる。さらに、その1年でリスペクトしていた多くのアーティストたちと一緒に作品が作れたことを話し、「今日のステージは1人でやるって決めてたんですけど、誰かと一緒に作った曲は宝物なんで。1年間の客演の思い出、みんなで振り返っていきましょう」と、フィーチャリング参加曲を3曲続けて投下していく。sakuの「Ghillie Dhu」ではオリエンタルなトラックの上、通りのいいボーカルと高速ラップとのギャップで耳を惹き、Miiakiisとの「Ego」ではオーディエンスと共にタイトルワードをリフレイン。LIL’BCCNoの「medicine」では“君が俺のmedicine”と一種のラブソングとも取れる甘い空気をもたらし「たまに、みんなのmedicineになれてたら、ちょっと嬉しいです」と伝える。

さらに「いつも1人で曲書くときってメチャクチャ孤独だから辛くなったりするんだけど、人と曲作るのはメチャクチャ楽しくて。今回も“edhiii boiくんの好きな曲に、俺も1バース書いていいですか?”って聞いた」と話せば、フロアから歓声が。そして「やっちゃう?マジで……俺も大人になりたくないわ」とedhiii boiをステージに呼び込み、edhiii boiの最新アルバムから「大人になんてなりたくない」を2人でセッションする。edhiii boiに続いてCuegeeがオリジナルのバースをブチかまし、2人でガッチリ手を握り合うと、客席はフックを大合唱。Cuegeeが「edhiii boi最高!」と叫べば、edhiii boiも「上で見てたけど、Cuegeeのライブ、ヤバすぎるって!」と褒めちぎった。



共演を終えて「カッコよ!楽し!edhiii boiスターだわ、あいつ」と興奮気味のCuegeeは、ステージを歩き回りながら話してしまう自分のMCスタイルなどを振り返り「俺、やっぱり不器用だなぁって思うんだけど、自分のことを見つめたら、今、持ってるもので十分すぎるなぁって思って。それを次、歌いたい」と表明。「みんなも他人と自分を比べないで、今、持ってるもので十分だって思える日が来たら幸せだから。“too much”なこの街が大嫌いすぎるって曲です」と、東京について歌った未発表の新曲「too much」を初披露する。“いらない、いらない、これ以上はいらない”と繰り返し、歌い終えたあとは「マジで今、十分幸せだなぁって思うから。みんながもっと大きいステージに行ってほしいって望んでくれるなら、もうちょっと頑張りたいと思います」と照れた顔に。威勢のいいパフォーマンスから打って変わり、MCになると21歳の等身大が露わになるのもCuegeeの魅力のひとつかもしれない。

ここで「1年前、何を思っていたか。今とは絶対違うけど思い出しに行きたいので、19歳最後の日の俺を見に行きましょう。歌える人どれくらいいる?じゃあ全力で歌って」と誘い、20歳の誕生日前日にリリースしたデビュー曲「Straight up」へ。ミラーボールの光の下、オーディエンスが大合唱するリリックは、曲中の言葉を借りれば“ランドセル背負ってたガキの頃から働いてた”彼だからこそ見える社会の裏表、欺瞞を暴いていくもので、曲が終わると「1年前から、あんま変わってなかったわ。よかったです」と安堵。ちなみに彼曰く、それでも「持ち曲の中で唯一のピースな曲」だそうだ。続いて、SUPER★DRAGONが6月にリリースする最新アルバムのリード曲タイトルが「Dark Heroes」であることに触れ「俺も「Darkhero」って曲を持ってて。自分のことDrakheroって思って好き勝手やってたから、同じ自認をメンバーが持ってたことがすごく嬉しかった」と告白。そして「この曲を後ろ向きじゃなく、前向きに歌える日が来たなって。僕はDarkheroであることを、胸を張って歌いたいと思います」と贈った「Darkhero」は、“誰も一人にしたくない”と書き記された決意の曲であり、歌い終えると「自分に言い聞かせてた曲が、やっとみんなに向けて歌うことができました。ありがとう」とオーディエンスに感謝した。

「俺は自分の曲でも言ってるように、7歳とか8歳とかから芸能界にいて。楽しいこともあったし、ここにいなければ見れないものも見れたけど、一生トラウマになって忘れられないこともたくさんある。“あいつ最悪だった”とかメチャクチャあるんだけど、大嫌いだった人がいなかったら絶対ここまで来れてなくて。その大嫌いなトラウマを愛してみたいなと思って作った曲です」

そう言って届けられたラストソングは「Trauma」。自身の身に起きた実際のエピソードを交えながら前に進むことを誓うリリックで“今が一番幸せだよ”と断言し、“ここまで来れたのは 愛すべきこのTrauma”と歌い切ると照明が落ちて、静かに去って行くCuegeeに大きな拍手が湧き起こった。わずか1時間に満たないステージだったが、そこから見えたのは己の道を妥協なく追求していこうという強い覚悟。たった1人でシーンに挑む若き龍の前途には、いかなる景色が広がっていくのか期待したい。

■セットリスト
1.Role model(Introのみ)
2.Drama
3.九似
4.Role model(Mainバース)
5.What’s Star?
6.Earmuffs
7.I know I am
8.No TV Star
9.Ghillie Dhu
10.Ego
11.medicine
12.大人になんてなりたくない(edhiii boi)
13.too much(新曲)
14.Straight up
15.Darkhero

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