「この夏、メチャクチャにしていいですか?」ONE N’ ONLY(ワンエン)、2度目の出演となる「SUMMER STATION 音楽LIVE」(サマステ)でトップバッターとして登場!<ライブレポ>
2023.7.23
ブラジル等の南米を中心に海外からの人気も高く、TikTokフォロワー数は日本人男性音楽グループでは第1位の580万人超。今年春にはラテンアメリカでのツアーを敢行し、国内での初ホールツアーも全公演完売させた6人組ダンス&ボーカルユニットのONE N’ ONLYが、2023年7月22日(土)に『SUMMER STATION 音楽LIVE』に出演した。毎年恒例の『テレビ朝日・六本木ヒルズ SUMMER STATION』の一環として、約1ヶ月のイベント期間中日替わりで人気アーティストが出演するステージだが、昨年に続き2度目の参加となるONE N’ ONLYはその記念すべき初日にトップバッターとして登場。また、彼ら自身にとっても夏のイベントラッシュの1本目となり、世界を唸らせる圧巻のダンス&ボーカル&ラップと、真夏ならではのパッショネイトなメニューで、“ワンエンの夏”をアグレッシブに幕開けた。
コロナ禍を経て、4年ぶりにスタンディングでの開催となったサマステライブ。そのぶんキャパシティが増えたにもかかわらず、用意されたチケットは即日完売で、少しでも近くメンバーを感じようとステージ前には大勢のSWAG(ONE N’ ONLYファンの呼称)が詰めかけた。メンバー紹介のオープニング映像をSEに、ステージに現れるなり刺すような鋭い視線を投げつけた6人は、幕開けから「Set a fire」でSWAGに着火。日本語・英語・ポルトガル語が入り乱れる、国際派の彼ららしいラテンレゲエチューンで腰を落とし、セクシーなアクションを繰り出す彼らに、客席は歓声と悲鳴の嵐だ。
さらに、オリコンウィークリーチャートで1位を獲得した代表曲「Category」のイントロが鳴ると場内は沸騰。横長のステージいっぱいに広がって煽る6人の一瞬たりとも止まらぬムーブに合わせ、SWAGたちもグループカラーの白に光るペンライトを頭上高く振り上げて一体感を高めていく。そのまま「YOUNG BLOOD」で力強いステップを踏み、瞬発力抜群のラップボーカルをSWAGたちに撃ち込んでいくのだから、30度を超える場内温度はさらに上昇。一転「SUMMER STATION盛り上がっていこうぜ!」と続いた「Last Forever」では、伸びやかなボーカルが青空まで響き渡り、躍動するパフォーマンスとシンクロして、“Last Forever=永遠に続く”彼らの物語を予感させていった。
この日お披露目となった新衣装はカジュアルなサマースタイルながら、序盤で既に全員汗だく。あまりの暑さに、MCでは「自分の身は自分で守る!」(NAOYA)と場内の全員に強制で水分摂取させ、「今日のこのサマステに乾杯!」とペットボトルで乾杯してみせた。アーティストとファンのレアな共同作業に、自身の希望で衣装を半ズボンにしたというKENSHINも「これいいね! 全アーティストさんにやってほしい」と破顔。今年のサマステライブのトップバッターということで、リーダーのHAYATOは「この後のサマステの流れがSWAGと僕たちONE N’ ONLYにかかってる!」と意気込んだが、こんなファンとのやりとりも、もしかしたら恒例になるかもしれない。
そしてNAOYAいわく「ワンエンのカッコイイ曲とセクシーな曲を混ぜ混ぜにした」スペシャルなメドレーがスタート。ヘヴィなビートに乗せ、緩急の鋭い動きでワンエン史上最高難度のパフォーマンスを繰り出す「Departure」から、まずは「QUEEN」のセクシーなムーブでSWAGを誘惑していく。そこからジャンプ一つで「What’s Your Favorite?」へと軽やかにダイブし、「Get That」でラテンの妖艶な灼熱を香らせると、「Black Hole」ではそれぞれにシャツをたくし上げて見事な腹筋を披露! 阿鼻叫喚のSWAGたちに鉄板曲「Dark Knight」を畳みかけ、全員一列になって客席に迫ったかと思いきや、時計の音がメロウに始まりを告げる「Hunt」では愛の狩人となり、ダンスの中で弓矢を引いてSWAGのハートを見事に射止めていく。予想外の展開と繋ぎは曲が入れ替わるごとに、新鮮な驚きと喜びをSWAGに与えて、MCでHAYATOが口にした「SWAGと俺らの心の距離を縮めて一つにしたい」という願いを叶えていった。
再び水分補給で乾杯してからは、「もっともっとさらけ出していきましょう」と激ロック曲「OPEN」をドロップし、空気を切り裂く歪んだギター音に合わせ、6人のダンスも天井知らずにスピードアップ。全力で最後まで踊り切った次の瞬間、しかし「たくさん愛を届けます!」と贈られたのは、なんと純度120%のラブソング「My Love」だった。TETTA、REI、EIKUのボーカル3人が甘い歌声を届け、普段はデンジャラスなラップを投下するHAYATO、KENSHIN、NAOYAもSWAGに笑顔で手を振るという凄まじいギャップは、今やONE N’ ONLYの武器の一つ。
ツンデレのNAOYAが「この夏、メチャクチャにしていいですか?」と思わず漏らすと場内はざわつき、曲終わりに全員で大きなハートを作って、いつものようにライブは終幕……と思いきや、せっかくの屋外ステージでそうは問屋が卸さない。客席後方に覗く青空に向かって「この夏、さらに盛り上がっていこうぜ!」と「Step Up」を放つと、タオルを振ってSWAGを端から端までアジテートし、それに呼応する満場のペンライトに最後に応えたのは「Sexy Beach Party Yes!!」。真夏の鼓動のようにビートが脈打つダンスチューンで、弾けるようにダイナミックなボーカル&ダンスが“ワンエンの夏”の開幕を告げていった。
この夏はイベント出演が目白押しのONE N’ ONLY。8月20日・27日には初のファンクラブイベントも東阪で行われ、また、8月16日には新曲「EVOL」が配信リリースされることも、この日のステージで発表された。ラテン音楽のエッセンスをさらに濃厚に取り入れ、パワフルなシンセ要素と融合させたという挑戦的楽曲で、タイトルが示す“Evolution=進化”を遂げる彼らの夏に要注目だ。
photo:米山三郎
text:清水素子